働き方 コラム

ローパフォーマーとは?特徴や行動変容を起こすためにしたいこと

投稿日:2023年8月29日 更新日:

働き方

ローパフォーマーとは、期待している目標に対して、成果が低い従業員のことを指します。どのような企業でもローパフォーマーは存在し、労働力不足や人材の有効活用が叫ばれる中、管理者や人事担当者の悩みの種になっているのではないでしょうか。
ローパフォーマーを放置すると、生産性の低下はもちろん、周囲の従業員の負担が増えたりモチベーションが下がったりと、良い影響はありません。しかし、パフォーマンスが低いものの、仕事への意欲がないとは限らず、本人も結果が出ないことに悩んでいることがあります。今回はローパフォーマーの問題を改善するため、特徴や対応方法などについて紹介しましょう。

1.ローパフォーマーは能力不足の人物

ローパフォーマーとは、企業が求める業務レベルに達していない、能力不足の人物のことです。仕事をしていても成果が出ないため、人件費対する費用対効果が低く、企業の負担になります。それだけでなく、ローパフォーマーをフォローするために他の従業員の業務負担が増えるなどして、職場のモチベーションを下げてしまうこともあるでしょう。

2-6-2の法則では、組織は自然発生的に「2-6-2」になるとされています。ハイパフォーマー2割、ミドルパフォーマー6割、ローパフォーマー2割の内訳です。
この法則から、ローパフォーマーはどのような組織にも存在することになりますが、日本の労働法では、成果が振るわないことを理由に解雇するのは簡単ではありません。さらに、これからますます労働力不足が進むといわれる中、ローパフォーマーをどう活かすかが、企業の成長にもかかわってきます。

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2.ローパフォーマーの特徴

能力不足の人物といっても、ローパフォーマーには具体的にどのような特徴があるのでしょうか。ローパフォーマーに共通する特徴を見ていきましょう。

2-1.同じミスを繰り返す

同じミスを何度も繰り返すことは、ローパフォーマーの特徴です。なぜそのミスをしたかという原因に思い至らず、周囲や企業に対する影響も考えられない場合があります。結果としてその場を取り繕うことしかしないため、同じような場面でもミスを防止する意識がなく、同じ失敗をしてしまうでしょう。
ミスについて反省したり後悔したりする意識も希薄で、アドバイスをされても耳を傾けない、理解しないなどといった特徴もあります。

2-2.仕事に主体性がない

仕事への主体性がなく、指示されたことしかしないタイプのローパフォーマーもいます。業務の目的や結果を考えないため、進め方を工夫したりアイデアを出したりすることもありません。
手が空いていても周囲のサポートなどは行わず、関係のないことで時間をつぶそうとする傾向があります。常に監視や指示をしなければいけないため、マネジメント側の負担が大きくなります。

2-3.勤務態度に問題がある

ローパフォーマーの中には、遅刻や無断欠勤を繰り返す、無駄な私語が多い、勤務時間内に業務と関係ないことをするなど、勤務態度に問題のあるタイプもいます。特に悪意なく行動している場合もありますが、周囲の迷惑になるばかりか、モンスター社員に発展してしまうこともあり、注意が必要です。

モンスター社員については、下記の記事もご覧ください。
モンスター社員を放置するリスクと企業がとるべき対処とは

2-4.コミュニケーション能力が低い

業務におけるコミュニケーションは、「誰とでも仲良くなれる」などではなく、周囲と円滑に意思疎通をとれることです。
ローパフォーマーはそういったビジネス上のコミュニケーション能力が低く、他人の話に耳を傾けずに一方的に意見を述べたり、物事の優先順位を理解できずに情報共有を怠ったりすることがあります。結果として、共同作業がうまく進められず、周囲から浮いた存在になってしまいます。

2-5.能力不足の自覚がない

能力不足の自覚がないローパフォーマーは多いです。周囲から見ると明らかに能力不足であっても、本人には自覚がないため、スキルアップや能力開発の意欲も乏しいでしょう。そのため、放置していては生産性が改善することはありません。

3.なぜローパフォーマーは生まれる?

ローパフォーマーが発生する原因には、企業が関わっている場合もあります。ローパフォーマーが生まれる原因を見ていきましょう。

3-1.採用や異動でのミスマッチ

採用面接の際に面接官の評価が誤っており、業務に必要なスキルや知識が足りていない、企業風土や価値観に合わない人物を採用してしまう場合があります。また、採用しても受け入れや研修の体制が整っておらず、企業になじみにくい、業務の進め方が覚えにくいなどが原因で、ローパフォーマーになっていることもあるかもしれません。

自身の能力を発揮できなかったり、価値観が合わない職場で働いたりすれば、モチベーションは下がるでしょう。採用のミスマッチは、ローパフォーマーが発生する大きな原因です。同様に、スキルや知識と合わない職種や部署に異動させることで、これまで活躍していた人物がローパフォーマーになってしまうことも考えられます。

3-2.不適切なマネジメント

適切でないマネジメントでローパフォーマーが発生することもあります。信頼関係が築けずコミュニケーションが不足していると、問題や悩みを抱えていたり、仕事の進め方を誤ったりしているのに気づけず、一般的な従業員がローパフォーマーになってしまうかもしれません。
また、評価の理由が曖昧で納得できないことが続くと、企業や上司に対する不信感につながり、意欲の低下からローパフォーマー化することもあるでしょう。

3-3.本人の特性

本人に成長意欲がない、業務にまじめに取り組まないなど、本人の特性でローパフォーマーになっている人は多いです。中には、プライベートで起こった問題が業務に影響することも。
これまで長時間労働を前提に高い成果を出してきた人が、働き方改革をきっかけに業務効率化を迫られ、思うような成果を出せなくなることもあります。IT化の進展に伴った新しい技術についていけず、ローパフォーマーになる例も考えられるでしょう。

業務改善に関しては下記記事もご覧ください。
業務改善とは?進め方や役立つフレームワークを解説

残業削減を失敗しない取り組み4選

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4.ローパフォーマーを放置するリスク

ローパフォーマーへの対応は労力がかかります。かといって、ローパフォーマーを放置することもリスクが大きいです。ローパフォーマーを放置するリスクを紹介します。

4-1.周囲の従業員の負担が増加する

ローパフォーマーがミスしたり、やり残したりした業務は、他の従業員がフォローすることになるでしょう。
「どうしていつも自分があの人のフォローをしなければならないのか」という不満で、人間関係が悪化してしまうかもしれません。また、勤務態度の良くないローパフォーマーの場合、周囲の雰囲気を悪くしたり、ストレスを与えたりする可能性もあります。

4-2.組織の生産性が低下する

ローパフォーマーは生産性が低いですが、雇用契約を結んでいる上、給与を支払わなければなりません。給与に見合った成果を出せないローパフォーマーがいることで、組織としての生産性が下がってしまいます。期待以上の成果を上げるハイパフォーマーがいても、ローパフォーマーがいることで人件費の費用対効果が下がる可能性もあります。

4-3.優秀な従業員の離職を招く

期待以上の成果を上げるハイパフォーマーは、特にローパフォーマーのフォローをさせられることが多く、不満を抱えがちです。また、そういった従業員はどこでも活躍できる自負があるため、ローパフォーマーの存在でモチベーションが下がった組織に見切りをつけてしまうかもしれません。ハイパフォーマーが離職すると、さらに組織の生産性が下がってしまうでしょう。

ハイパフォーマーについては、下記の記事もご覧ください。
ハイパフォーマーとは?特性や離職を防ぐためにできること

5.ローパフォーマーに対し企業が行うべきこと

ローパフォーマーの放置にリスクがあることはわかりましたが、では、どのように対応すべきなのでしょうか。ローパフォーマーに対して、成長を促し行動を変化させるため、企業が行うべきことを解説します。

5-1.明確な目標を設定する

ローパフォーマーは、自分が何をすべきかわからずに成果を出せていない場合があります。企業として何を求めていて、どのような結果を出すべきなのか、明確な目標を設定することで、目指すべき方向性がわかりやすくなるでしょう。
目標は、普段の業務を可視化して分析し、個人としての課題が何か、改善のために何ができるかを分析した上で定めてください。定性的でなく、定量的な数値目標を設定すると効果的です。

業務可視化については、以下の記事もご覧ください。
業務可視化とは?行うメリットや方法、効率的な取り組み方を紹介

5-2.定期的にコミュニケーションをとる

設定した目標の進捗確認を含め、定期的なコミュニケーションの機会が必要です。生産性の低さを叱るのではなく、問題や悩みを抱えていないか、業務の進捗が滞っていないか、相手に寄り添いながらサポートすることが重要です。
問題行動があるなら、具体的に何が問題となっているかを説明した上で、どう改善すべきか指導します。定期的なコミュニケーションの中で、問題行動が改善されたらその都度賞賛し、正しい行動が習慣づけられるよう促すといいでしょう。

5-3.スキルアップの機会を設ける

ローパフォーマーにスキルアップの機会を設けるのも、成長を促すために必要です。個人としての努力も大切ですが、業務に必要なスキルや知識が明確なのであれば、それを取得する研修など能力開発の機会を設けることが重要でしょう。研修を受けさせる場合は、事前に本人と話し合いの上、目標を設定しておくとより効果的です。

5-4.部署異動や職種の変更を検討する

スキルや職種のミスマッチが原因でパフォーマーが発揮できず、意欲が低下している場合もあります。ただ「仕事のできない人」と切り捨てず、他の部署や職種で起用できないか検討しましょう。ローパフォーマーの持っているスキルや経験、思考などを洗い出し、社内で活躍できそうな場がないか、探してみてください。
ただし、異動は本人が納得していないと、さらにモチベーションを低下させたり、退職勧奨と捉えられたりすることもあります。本人が意欲的に異動できるように、何を望んで異動してほしいのか丁寧に説明することをおすすめします。

5-5.採用を見直す

採用のミスマッチはローパフォーマーが生まれる大きな原因ですから、見直さなくてはなりません。目標設定や研修でローパフォーマーを改善できたとしても、採用の要件や基準が同じなら、新たなローパフォーマーが生まれてしまいます。要件や基準を見直すとともに、どこで判断を誤ったのか、採用工程を振り返って考えることも重要です。

ローパフォーマーを改善して企業成長につなげる

生産性が低く、人件費の費用対効果も下げてしまうローパフォーマーを放置すると、さまざまなリスクがあります。ローパフォーマーが発生する原因は本人にもあるかもしれませんが、職場環境が影響している場合も。本人だけを責めるのではなく、採用の要件やマネジメント体制などを見直した上で、適切な対策をとってください。

ローパフォーマーに頭を悩ませているなら、「MITERAS仕事可視化」で業務を見える化してみてはいかがでしょうか。PCログからどのような業務にどれだけ時間をかけているのか把握でき、改善点を見つけることにつながります。ローパフォーマーが高いパフォーマンスを発揮できるようになるため、しっかりサポートしましょう。

監修:MITERAS部

「ホワイトなはたらき方を実現」する労務管理ツール【MITERAS仕事可視化】の担当者によるコラムです。MITERAS仕事可視化は、社員のPC利用の有無、アプリ使用状況などを可視化。勤怠データとPC稼働ログの突合で、法令遵守・はたらき方の見直しを推進できます。当コラムでは、理想の働き方改革実現のポイントから、日常業務の効率化のご提案まで、人事労務のためのお役立ち情報をご紹介します。

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