少子高齢化による労働力不足や、働き方やその価値観の多様化により、多くの企業が業務効率化や生産性の向上を目指しています。業務効率化や、生産性向上を行うためには、業務プロセスやフローの中で、どこに課題があるのか把握しなければなりません。そのために必要なのが「業務可視化」です。
そこで本記事では、業務可視化にはどのようなメリットや効果があるのか、その方法や手順と併せて解説します。
目次
テレワークで大きな課題となる「業務の見える化」
そこで注目されるようになったのが「PC監視ツール」です。ツール導入メリット・注意点のほか、おすすめ商材についてご紹介します。
1. 業務可視化とは
業務の可視化とは、業務のプロセスを明らかにし、誰がどの業務をどのくらいの工数で行っているのかを把握することです。業務プロセスや各工程のつながりなどを明らかにし、図や表でわかりやすく表します。ここでは、なぜ業務可視化が必要とされているのか紹介しましょう。
1-1. なぜ業務可視化する必要がある?
業務に滞りを感じる、業務が属人化している、生産性が上がらないなどの悩みを抱える企業は少なくありません。このような課題を解決するためには、業務の中でどの部分にどのような問題があるのかを明らかにする必要があります。業務可視化によって自社の業務を俯瞰できれば、自社やチームの抱える問題点や無駄が明らかできるでしょう。
また、内部統制のためにも業務可視化は重要です。内部統制とは、企業が健全かつ効率的に事業を運営するために必要な仕組みのこと。内部統制に取り組む際はフローチャートが必要とされており、これは業務を可視化して全体像を図式化したものです。業務や担当者のつながり、流れを図に表し、リスクとなる可能性のある部分を洗い出して改善やコントロールを行います。
上場企業企業においては内部統制が機能しているか判断した報告書の提出が義務付けられています。
もしIPOを目指している場合は下記記事もご覧ください。
IPOを目指すにあたって人事・労務面で気を付けるべき点は?
2. 業務可視化のメリット
業務可視化を行うことで、具体的にどのようなメリットが得られるのでしょうか。ここでは、業務可視化によって期待できる効果を見ていきましょう。
2-1. 現状や課題点を把握できる
業務可視化を行えば、業務プロセスや組織の全体像を把握でき、現状の把握や課題点の抽出がしやすくなります。改善策を講じたり経営戦略に役立てたりと、業務可視化で得られた情報はさまざまな領域で役立ちます。
また、業務管理だけでなく、従業員の長時間労働の抑制など健康面の管理に活用することも可能です。
2-2. 業務品質を均質化できる
業務可視化は、業務の流れをフローチャート化し、誰でも視覚的にわかりやすく業務の流れを把握できるようにするものです。作成したフローチャートをマニュアル化すれば、誰でも同じ手順で作業を進めることができるようになり、オペレーションの品質の均質化にもつながるでしょう。
業務手順のマニュアル化を徹底することで、工程が複雑なタスクでも誰もが同じ手順で進められるため、業務の属人化という課題の改善も期待できます。
2-3. 関係者間での認識の共有ができる
業務可視化を行えば、関係者間で共通の認識を持ちながら情報の共有ができるというメリットもあります。
例えば、営業チームの業務プロセスを可視化すれば、顧客情報や顧客別の対応方針をチーム内で共有管理することで、担当者以外も顧客対応ができるようになるでしょう。
属人化を改善できるほか、トラブル発生時やその前に誰かが問題点に気付き迅速に対応しやすくなるため、ミスやトラブルの防止にも効果的です。
2-4. 業務効率の向上につながる
業務可視化を行うことで、業務のどこに時間やコストがかかっているのか、どの工程に無理や無駄があるのかが明らかになります。工数やコスト、従業員のスキル、人数などの問題点を把握し、業務分担や進め方の見直しをすることで改善につなげられるでしょう。
業務の効率化ついては下記記事も参考にしてください。
仕事の見える化で業務効率が向上する?見える化のメリットと進め方も
2-5. 適正な評価につながる
人事評価は、担当者の主観で行うと公平性を欠き、従業員の不満につながるおそれがあります。また、勤務状況の実態を把握しにくいテレワーク環境下では、より適切な評価が難しくなりました。
業務可視化で業務の過程が明らかになれば、同じ工程でも短時間で成果を上げているなど、数値以外の評価ポイントを発見しやすくなるでしょう。正当に評価できる環境に改善できれば、従業員のモチベーションアップが期待でき、生産性の向上や組織活性化にもつながります。
2-6. RPA導入時の業務選定が楽になる
RPAとは「Robotic Process Automation」の略称で、定型作業をソフトウェア型のロボットに代行させて自動化することです。RPAを導入する際は、どの作業を代行させるのかを検討する必要がありますが、その業務選定にも業務可視化は役立ちます。
また、RPA導入後の効果測定や改善点の抽出にも、業務可視化によってデータを取得・分析するが必要になるでしょう。
2-7. 内部統制の実施に役立つ
業務可視化を行うことで、内部統制の実施に必要な次の3つの資料を作成できるようになります。
- フローチャート:業務プロセスをわかりやすく図式化したもの
- 業務マニュアル:各業務の作業内容やその手順を記載したもの
- リスクコントロールマトリックス(RCM):業務上想定されるリスクとその対応策を一覧にしたもの
業務可視化によって取得・分析したデータを使ってこれらの資料を作成すれば、内部統制を強化しつつ業務効率化や勤務状況の改善にも活用できるようになるでしょう。
業務改善に関しては下記記事もご覧ください。
業務改善とは?進め方や役立つフレームワークを解説
2-8. 健康経営につながる
健康経営を推進する上でも業務可視化は重要です。健康経営は、従業員の健康管理を経営課題として積極的に取り組むことで、健康の増進によって生産性向上や組織活性化が目指すことを指します。
健康経営の取り組みは、健康診断やストレスチェックなど心身に直接的に関わるものだけでなく、業務パフォーマンスやワークエンゲージメントの活性化を目指すことも含まれます。そのためには業務を可視化し、より効率の良い働き方や、従業員が無理なく働ける環境を構築する必要があるでしょう。
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3. 業務を可視化する方法
では、実際に業務を可視化しようとした場合、どのように進めればいいのでしょうか。業務可視化は、次の3つの方法を組み合わせることで効率的かつ正確に行うことができます。
3-1. スキルマップの作成
スキルマップとは、従業員一人ひとりのスキルを可視化した図表のことです。片方の軸にはスキル項目を、もう一方の軸には従業員を記載して、評価規定をもとにスキル評価を記入します。
従業員のスキルは目に見えないものですが、スキルマップによって可視化すれば、適切な人材育成や人員配置がしやすくなります。
3-2. プロセスマップの作成
業務の始まりから終わりまでの各工程の流れをチャート化したプロセスマップは、業務可視化において欠かせない要素のひとつです。業務の担当者にヒアリングしたり、各業務内容の調査を行ったりして業務プロセスを洗い出しながら作成しましょう。各業務にかかる時間やコスト、スキル、人数なども記載します。
実際の業務を従業員の誰もが同じ手順で進められるように、プロセスマップを基にマニュアルも作成するといいでしょう。
3-3. 業務可視化ツールの利用
業務可視化ツールとは、従業員がどの業務にどれくらいの時間を使っているのかを集計し、その傾向を分析する機能を搭載したツールです。従業員の使用するPCにソフトウェアをインストールすれば、PCの操作ログを収集・分析できます。
業務可視化ツールはほかにもさまざまな機能を搭載したものが登場しており、業務状況や勤務状況の実態の把握や分析に効果的です。
テレワークで大きな課題となる「業務の見える化」
そこで注目されるようになったのが「PC監視ツール」です。ツール導入メリット・注意点のほか、おすすめ商材についてご紹介します。
業務可視化ツールも活用して業務効率化や健康管理につなげよう
業務プロセスをわかりやすくしたり、従業員の勤務状況の実態を把握したりすることは、業務効率化や健康管理に欠かせません。業務可視化ツールを導入すれば担当者の負担を大きく減らしつつ、より簡単に業務を可視化できるようになります。自社の抱える業務可視化の課題を基にツールを選び、業務可視化に取り組みましょう。
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監修:MITERAS部
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