優れたスキルやこれまでの経験から、高い生産性や確実な成果を残す人物を「ハイパフォーマー」と呼びます。労働力不足や人材の有効活用といった面から、最近特に注目を集めるようになりました。
ハイパフォーマーは、企業の生産性向上に寄与する存在ですが、採用の難易度やコストが高く、容易に獲得できる存在ではありません。そこで、今いるハイパフォーマーを有効活用したり、育成したりすることが需要になってくるでしょう。今回は、ハイパフォーマーを理解するために、特徴や離職を防ぐ方法、育成や採用のポイントなどを紹介します。
目次
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1.ハイパフォーマーは組織の成長に貢献できる人材
ハイパフォーマーとは、高い成果を上げ、組織の成長に貢献できる人材のことです。企業の業種や規模などによってどのような人物が活躍できるかは異なりますが、高いスキルや豊富なノウハウ、経験を持っていることがハイパフォーマーの特徴でしょう。
1-1.ハイパフォーマーが注目される理由
これまで、ハイパフォーマーは単に「仕事ができる人」という評価で終わってしまっていることもありました。しかし、現代は少子高齢化から、業種や業界を問わず、労働力不足が問題となっています。少ない労働力でこれまで以上の成果を上げるためには、生産性向上が不可欠。生産性の高い「ハイパフォーマー」の必要性が高まっています。
ただし、冒頭でも述べたように、ハイパフォーマーを採用する難易度やコストは高いです。そのため、今いる人材を有効活用する、ハイパフォーマーの育成も注目されています。
人材育成については、以下の記事もご覧ください。
人材育成に欠かせないコーチングとは?メリットと実施のポイント
1-2.ハイパフォーマーがもたらす効果
ハイパフォーマーは業績の向上に影響することから、企業にとって非常に重要な存在と考えられています。ハイパフォーマーの働き方を見て他の従業員のモチベーションが上がったり、生産性が高いためにチームでの仕事が円滑に進んだりと、周囲の意識改革やチーム力の向上にも良い影響を与えるでしょう。
また、ハイパフォーマーの行動特性(コンピテンシー)を分析することで、社内の人材育成や人材採用へ活用する企業も増えています。
2.ハイパフォーマーによく見られる特性
ハイパフォーマーは周囲に良い影響を与え、企業の業績向上や成長にも寄与します。どのような人材をハイパフォーマーとするかは企業によって異なりますが、ここではハイパフォーマーによく見られる特性を紹介します。
2-1.求められた以上の成果を出す
ハイパフォーマーは成果を出すことにこだわります。企業やチームとしての目標や、その中で自分が何を求められているか、そのために何をすべきかを理解して試行錯誤できます。単に努力する、スキルがあるということではなく、「期待され以上の成果を出す」という意識が高いのも、ハイパフォーマーの特性でしょう。
2-2.行動力がある
成果を出すためには、今何をすべきかを考え、迅速に行動に移すことが必要です。ハイパフォーマーは結果から逆算して「自分がすべきことは何か」を考え、実行する行動力があります。
たとえ失敗した場合でも、何が問題だったか、成功するためにはどう立て直すべきかを考え、チャレンジを続ける点も、ハイパフォーマーの特性です。
2-3.コミュニケーション能力がある
どれだけスキルや経験があっても、ひとりではできなかったり、効率が悪くなったりする仕事はあり、成果を出すためには、他者とのコミュニケーションが不可欠です。
ハイパフォーマーはそれを理解しているため、人間関係の構築や情報の共有、サポートを積極的に行います。社内外のコミュニケーションを円滑化するとともに、信頼も獲得できる存在です。
2-4.自己研鑽を怠らない
能力が高いのが特徴ですが、それでいてハイパフォーマーは自己研鑽を続けます。ビジネスを取り巻く環境は常に変化しており、今あるスキルや知識だけでは成果を出し続けるのが難しくなることもあるでしょう。そのため、ハイパフォーマーは常に新しいスキルや知識を吸収する意欲が高く、自己成長のための努力を惜しみません。
2-5.ポジティブ
業務を行う上で、壁や挫折はつきものです。そういったときでも、ハイパフォーマーは「できることをやろう」とポジティブに考えて、最善を尽くすことができます。多少失敗しても、原因と対策を考えて試行錯誤できるため、最終的には成果を上げ、評価されるのがハイパフォーマーの特徴です。
2-6.公私のメリハリがある
ハイパフォーマーは体調が仕事に与える影響を理解しており、食事や運動、睡眠などの自己管理を怠りません。高い生産性を保つために、自分が能力を発揮できる仕事量や時間を理解しており、仕事中でも適宜休憩を取るなど、意識的にオンとオフを切り替えます。
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3.ハイパフォーマーの育成や採用のためにすること
社内にハイパフォーマーが複数いることで、生産性の向上や企業としての成長につながる可能性があります。そのためにはハイパフォーマーの育成や採用が不可欠ですが、どうすれば社内にハイパフォーマーが増やせるのでしょうか。ここではハイパフォーマーの育成や採用のためにすべきことを、順を追って紹介します。
3-1.ハイパフォーマーの定義を明確にする
どのような人物が自社にとってハイパフォーマーなのかがわからなければ、育成や採用はできません。まずは自社のハイパフォーマーの定義を明確にしましょう。
業種や職種などによって、ハイパフォーマーの定義は変わります。一般的なハイパフォーマーの人物像が自社にもあてはまるとは限りませんから、自社ではどのような軸で評価するのか、しっかり議論してください。
3-2.自社のハイパフォーマーを選定する
定義した人物像に合わせて、自社の従業員の中からハイパフォーマーを選定し、モデルを確立します。実在の人物をモデルにすることで、ハイパフォーマーの行動や思考がより明確になるでしょう。
選定の際は、受注率と残業時間、処理数と稼働時間など、主観が入らないように、客観的に判断できる項目で考えることをおすすめします。「結果の80%は全体の20%の要素から生み出される」というパレートの法則から、選定する数は従業員数の20%以内が目安です。
3-3.ハイパフォーマーの行動を分析する
次に、選定したハイパフォーマーに共通するコンピテンシーの分析や、ヒアリングを行います。コンピテンシーとは、ハイパフォーマーに共通して見られる行動特性のことです。勤続年数や経験したプロジェクト、実績、現在の業務、入社理由や前職の退職理由などの事実のほか、業務で重視している価値観やモチベーションなどについても細かくヒアリングを行うことで、精度の高い分析ができるでしょう。
選定した人物にコンピテンシー診断や適性検査を受診してもらったり、業務可視化ツールなどを利用して稼働状況を分析したりするのもおすすめです。
3-4.得られた内容を育成や採用の要件にする
これまでに収集したコンピテンシーや価値基準などを整理し、自社の育成計画や採用要件に落とし込みます。
ハイパフォーマーを構成する要素は、大きく「スキル」「価値観」「行動特性」の3つです。一般的な従業員とハイパフォーマーの差分が何かを考え、求めるスキルや持って欲しい価値観、望まれる行動特性を明確にしましょう。
4.ハイパフォーマーの離職を防ぐためには
ハイパフォーマーの育成や採用は重要ですが、今いるハイパフォーマーの流出を防ぐことも、企業の生産性向上や成長のために不可欠です。ハイパフォーマーは「どこでも結果が出せる」という自信から、少々の不満でも離職してしまう恐れがあります。
ハイパフォーマーの流出を防ぐために何をすべきなのでしょうか。
4-1.評価制度を整える
ハイパフォーマーの離職理由になりがちなものとして、「成果に対して評価が低いこと」が挙げられます。高い成果を上げても評価が変わらなければ、業務のモチベーションが保てません。能力や生産性が高いからこそ、評価に不満を抱くことは少なくないでしょう。
離職を防ぐためには、昇進や昇給など、出した成果に合わせて適切な評価がなされる評価制度を整える必要があります。受注数や処理数など、定量的な指標を組み込むと評価が明確に裏付けできます。
4-2.業務量を調整する
ハイパフォーマーは確実に結果を出してくれるという期待から、タスクが集中することがあります。他の従業員と比べて明らかに業務負担が大きければ、不満につながるでしょう。業務量が多すぎてプライベートを圧迫しても、離職理由になりかねません。
ハイパフォーマーでしかできない仕事、他の従業員でもできる仕事を分けて、ハイパフォーマーの業務量を調整する必要があります。さらに、稼働状況を可視化して、負担が大きすぎないかモニタリングすることも重要です。
4-3.裁量を調整する
業務量だけでなく、ハイパフォーマーの裁量も調整すべきです。ハイパフォーマーは与えられた仕事をただこなすことではなく、常にチャレンジを求める傾向があります。
着地点と絶対にクリアすべき条件などを説明しつつ、業務の進め方や細部の判断などの裁量権を与えることで、モチベーションを保つことができるでしょう。
4-4.定期的な面談
1on1など定期的な面談を通じて、不満や悩み、ストレスに感じていることはないかといったヒアリングを行いましょう。特に、ハイパフォーマーは多少心身の調子が悪くても、パフォーマンスレベルが落ちないケースが多く、周囲が気づきにくい傾向があります。
また、期待される存在のため、なかなか周囲に悩みを打ち明けられず、ストレスを抱えるケースもあるでしょう。定期的な面談で特定の人と信頼関係を築いておくと、ハイパフォーマーのメンタルケアがしやすくなります。
4-5.ローパフォーマーを減らす
ハイパフォーマーの対局として、ローパフォーマーがいます。企業の中で生産性の低い人物であり、ローパフォーマーが多いほど、ハイパフォーマーの業務負担は増加します。ローパフォーマーとの帳尻合わせで評価が上がらないなどということがあれば、企業への不満は増加します。
ローパフォーマーをなくすことは難しいですが、適切な目標設定や定期的な研修などでスキルや知識の底上げをすることは可能です。ハイパフォーマーの負担を減らし、企業としての業績向上のやめにも、ローパフォーマーの成長を促しましょう。
ローパフォーマーについては、以下の記事もご覧ください。
ローパフォーマーとは?特徴や行動変容を起こすためにしたいこと
ハイパフォーマーを活用して企業としての成長を
ハイパフォーマーは、企業の生産性向上や成長のために必要不可欠の存在です。自社のハイパフォーマーの定義を明確にすることで、ハイパフォーマーの育成や採用に力を入れられるでしょう。ハイパフォーマーの離職を防ぐ施策も実施し、ハイパフォーマーが働きやすい企業を目指してください。
ハイパフォーマーの定義の明確化や、不満解消のためには「MITERAS仕事可視化」が役立ちます。PCログから、どのような業務にどれだけ時間をかけているのかがわかり、個人ごとの業務負荷を把握することにもつながるでしょう。
監修:MITERAS部
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