社員の多様な働き方の実現、東京オンリンピック開催時の混雑緩和、2020年は新型コロナウイルス感染症対策を目的として、テレワークを導入する企業・職場が増えています。テレワークの導入を検討している方の中には、実施において生産性がどうなるか、気になる方も多いのではないでしょうか。
テレワークには、仕事と育児・介護との両立がしやすい、移動時間を短縮できるなどのメリットがあるものの、仕事に集中できないといった意見も少なくありません。今回の記事では、テレワークが生産性に与える影響と、テレワークで生産性を上げるための方法を紹介します。
目次
1.生産性とは
生産性とは、原材料・労働力・設備・時間などに代表される資源の投入量と、成果として作り出される産出量の比率を指す言葉 です。生産性は下記の式で表すことができます。
例えば、労働力に対する成果を考えてみましょう。社員1人が1日で1万円の成果を上げていれば、1日における社員1人の生産性は1万円です。同じ条件で1日の成果が2万円に上がった場合、生産性も2万円となり、生産性は2倍に向上したことになります。
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2.テレワークの種類
テレワークとは、インターネット通信に代表される情報通信技術(ICT)を利用して、オフィスとは離れた場所で働く勤務形態のことです。
テレワークは在宅勤務が有名であるものの、在宅以外の勤務形態も存在します。テレワークの種類を3つ紹介し、リモートワークとの違いも解説します。
2-1.在宅勤務
在宅勤務とは、インターネット環境がある自宅を就業場所とする勤務形態です。インターネット回線の高速化に伴い、在宅勤務も一般的な働き方として定着してきました。
在宅勤務は社員にとって通勤の必要がなく、リラックスできる環境で働けるメリットがあります。
2-2.モバイルワーク
モバイルワークとは、飛行機や新幹線・電車などの移動中や、喫茶店・ホテルなどの場所で就業する勤務形態です。業務にはノートパソコン・タブレット・スマートフォンなどの端末を利用します。
モバイルワークは移動中・外出中にも就業できるため、営業職や出張が多い職種に適した働き方です。
2-3.サテライトオフィス勤務
サテライトオフィス勤務とは、企業が本来の拠点とは異なる場所に開設したオフィスで働く勤務形態です。サテライトオフィスには業務に必要な設備が揃っており、社員は本来のオフィス勤務に近い状態で働くことができます。
同じテレワークである在宅勤務よりも、社員が仕事に集中できる環境を提供できることが、サテライトオフィス勤務のメリットです。
2-4.リモートワークとの違いについて
リモートワークは、一般的にはオフィスと離れた場所で働く勤務形態のことです。テレワークとリモートワークには大きな違いが存在しないため、同義語と考えて良いでしょう。
国や自治体では、オフィス以外で働く勤務形態の呼称を「テレワーク」で統一しています。
(出典:Adobe Blog「アドビ、グローバル調査「COVID-19禍における生産性と在宅勤務に関する調査」を発表」/
https://blog.adobe.com/jp/publish/2020/09/28/dx-global-survey-on-productivity-under-covid19.html#gs.4wpniw
)
3.テレワークで生産性は下がる?上がる?
テレワークの種類や導入する背景は企業や社員ごとに異なるため、生産性への影響を一律に定義することはできません。しかし、テレワークを導入した多くのケースで、生産性は下がることがわかっています。
コンピューター・ソフトウェア大手のアドビは、2020年にアメリカと日本の労働者それぞれ約1,000名を対象に、生産性と在宅勤務について調査を行いました。調査結果によると、在宅勤務を経験した日本人労働者の43%が、在宅勤務によって「生産性は下がった」と回答しています。
続いて「生産性は変わらない」が36%、「生産性は上がった」が21%でした。テレワークで生産性は上がるケースも少なくはないものの、日本では生産性は下がりやすい傾向にあると言えます。
(出典:Adobe Blog「アドビ、グローバル調査「COVID-19禍における生産性と在宅勤務に関する調査」を発表」/
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4.生産性が下がる理由
生産性が下がると業務効率やのプロジェクトの進行速度も低下し、企業の収益にも悪影響が出てしまいます。テレワークの生産性を上げるためには、まず生産性が下がる理由を正確に把握した上で、対策を実践しなければなりません。
ここからは、テレワークの生産性が下がる理由を3つ紹介します。
4-1.コミュニケーションがとりづらい
テレワークを導入した場合、社員は自宅やサテライトオフィスなどで勤務します。従来のオフィスワークとは異なり、社員がそれぞれ違う場所で働くため、テレワークは社員同士のコミュニケーションがとりづらいことが特徴です。
例えば、業務上の確認事項やトラブル対応が必要となった場合、テレワークではメール・チャットを通して上司や同僚に確認しなければなりません。オフィスワークのように気軽に声掛けしたり、休憩中に情報共有もできないため、コミュニケーション不足によって生産性が下がります。
4-2.仕事の状況が見えづらく、進捗確認できない
チーム体制でプロジェクトを進行する場合、オフィスワークであればホワイトボード等に各自の担当業務や全体の進捗状況が表示することができます。進捗確認を行って自分の作業ペースを上げたり、遅れている業務のフォローもできるでしょう。
しかし、テレワークでは仕事の状況が社員に見えづらくなっています。例えば、自分の担当業務だけを見た場合でも、現在の作業ペースで間に合うか、追加された業務がないかを簡単に把握できません。チーム全体や上司に進捗確認を行う時間がかかり、生産性が下がってしまいます。
4-3.実際の労働環境がわからない
テレワークは社員が働いている姿を直接確認できないため、オフィスワークと比べて社員の勤務状況を確認することが難しくなります。社員が業務に手を抜くことがあれば、生産性が下がる原因となってしまうでしょう。
社員にとっても労働時間を管理しにくいことが問題です。始業・終業時間や休憩時間の管理ができていなければ長時間労働を招きやすく、集中力やモチベーションの低下によって生産性が下がる可能性があります。
また、在宅勤務においては、社員の自宅に仕事に適した環境を用意できるかなどの問題もあります。
5.どのように生産性を上げていくか
テレワークの生産性が下がる理由は、いずれも会社と離れた環境で働くことに原因があります。そのためテレワークを導入する場合は、仕事に必要な情報共有手段を整えたり、労務管理体制を構築したりすることが大切です。
最後に、テレワークの生産性を上げる3つの方法を紹介します。
5-1.コミュニケーションをとる機会を設ける
在宅やサテライトオフィスなどで勤務している時にも同僚や上司と情報共有ができるように、コミュニケーションをとる機会を設けましょう。適度なコミュニケーションがとれることで、仕事の報連相が滞ることがなくなり、プロジェクトの進捗確認にも役立ちます。
社員同士のコミュニケーションを促すことは、同じ会社で働いている一体感を作り出すためにも大切なポイントです。社員同士が積極的にコミュニケーションをとることで、自社におけるテレワークの改善点も見つかりやすくなり、生産性を上げることにつながります。
5-2.労務管理と評価制度を整える
テレワークの労務管理としては、インターネット経由の出退勤管理システムを導入することがおすすめです。パソコンのログイン情報と労働時間を紐づけるシステムも存在し、労働時間を正確に管理することで社員の長時間労働を防ぐこともできます。
テレワーク勤務では、社員の仕事への取り組み姿勢などが見えにくいことから、評価に用いる業務目標は、定性的なものよりも、定量的なもので設定し、客観的に評価することが重要です。
5-3.ツールの導入を検討する
テレワークで生産性を上げるためには、テレワーク環境の働きやすさをサポートするツールの導入が重要です。テレワークに役立つツールとしては、下記のものが挙げられます。
- コミュニケーション用のチャットツール
- オンライン会議ツール
- PC利用状況が確認できる業務可視化ツール
- プロジェクト進捗や各タスクの管理ツール
導入するツールは、テレワークで行う業務内容や規模に応じて選択しましょう。適切なツールを導入することで社員の働きやすさが改善され、テレワークの生産性を上げることができます。
まとめ
テレワークには在宅勤務・モバイルワーク・サテライトオフィス勤務の3種類があり、いずれの勤務形態にも一定のメリットがあります。しかし、テレワークが生産性に影響を与えることも確かであり、生産性は下がるケースが多いことが特徴です。
テレワークで生産性が下がる理由には、コミュニケーションのとりづらさや仕事の進捗確認が難しいこと、実際の労働環境がわからないことが挙げられます。テレワークの生産性を上げるためには、労務管理と評価制度の見直しや、、各種ツールを導入し、社員が働きやすい環境を整備することが重要です。
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監修:MITERAS部
「ホワイトなはたらき方を実現」する労務管理ツール【MITERAS仕事可視化】の担当者によるコラムです。MITERAS仕事可視化は、社員のPC利用の有無、アプリ使用状況などを可視化。勤怠データとPC稼働ログの突合で、法令遵守・はたらき方の見直しを推進できます。当コラムでは、理想の働き方改革実現のポイントから、日常業務の効率化のご提案まで、人事労務のためのお役立ち情報をご紹介します。
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