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くるみん認定とは?マークの概要・メリット・申請ステップを解説!

働き方

多様な働き方を実現できる企業が高く評価されるに現在において、くるみん認定に関心を持つ経営者や管理職者は多くいます。くるみん認定を取得することは、子育て中の人材を受け入れて、応援する企業であることをアピールするための有効な一手です。

今回は、くるみん認定の概要と取得するメリット、申請の流れを解説します。仕事と子育ての両立を図る人を応援し、社員・企業の双方にとって望ましい労働環境を整えたい経営者・管理職者はぜひ参考にしてください。

1.くるみん認定とは|マークの種類と認定基準

くるみん認定とは、一定の基準を満たす子育てサポート企業に対し、厚生労働大臣が与える認定です。
くるみん認定を取得した企業は、「くるみん認定企業」と呼ばれます。くるみん認定企業は、くるみんマークを自社の商品や求人広告などに付けて、社会にアピールすることが可能です。

くるみんマークをさらに細かく分類すると、(通常の)くるみんマーク・プラチナくるみんマークの2種類に分けられます。

1-1.マークの種類(1)くるみんマーク

くるみんマークは、次世代育成支援対策推進法(次世代法)に基づく「くるみん認定企業」として厚生労働大臣のお墨付きを得たことを証明するマークです。くるみん認定を取得するためには、一般事業主行動計画を策定すること・行動計画に定めた目標を達成することなど、10項目の認定基準をすべて満たさなくてはなりません。

10項目の認定基準の中には、時間外労働・休日出勤に関する規定や男性社員の育児休業取得に関する規定も含まれます。そのため、くるみん認定を取得するためには、子育て中の男女を含むすべての社員の働きやすい職場作りを進めることが必要です。

マークの種類

1-2.マークの種類(2)プラチナくるみんマーク

プラチナくるみんマークは、特に優良な子育てサポート企業として厚生労働大臣が認定した組織であることを証明するマークです。プラチナくるみんマークを使用するためには、くるみん認定を受けたうえで、より高い水準の取り組みを実施しなくてはなりません。

そして、特例認定基準を満たした上で都道府県労働局に申請し、プラチナくるみん認定を取得すると、プラチナくるみんマークを使用できます。特例認定基準とは、プラチナくるみん認定を取得するために必要な12項目の認定基準です。プラチナくるみん認定を取得するためには、12項目の特例認定基準のすべてを満たす必要があります。

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2.くるみん認定の制度が導入された目的・背景

くるみん認定は、2005年に施行された次世代育成支援対策推進法に基づき、開始された制度です。次世代育成支援対策推進法は、少子高齢化問題を解消し、次世代を担う子どもの育成を支援するために施行されました。次世代育成支援対策推進法はもともと10年間の時限立法であったものの、2025年まで延長されて現在に到ります。

次世代育成支援対策推進法は、企業に、下記のような取り組みを要求することが特徴です。

企業は、労働者の仕事と子育てに関する「一般事業主行動計画」を策定することとなっており、常時雇用する労働者が101人以上の企業は、この行動計画を策定し、その旨を都道府県労働局に届け出ることが義務とされています。(100人以下の企業は努力義務)

(引用:厚生労働省・都道府県労働局「次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定し、くるみん認定・プラチナくるみん認定を目指しましょう」/https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/999zentai.pdf)

一般事業主行動計画とは、社員に対して仕事と子育てを両立できる環境を提供するため、策定する計画です。企業が次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定し、前向きな取り組みを実践することで、子育て中の男女やその他の社員の働きやすい環境を整えることができます。

3.企業がくるみん認定を取得するメリット4選

企業がくるみん認定を取得すると、子育てしながら働く人を受け入れる企業であることを社内外にアピールし、イメージアップを図ることが可能です。また、企業がくるみん認定を取得することにはその他にも、さまざまなメリットが期待されます。

ここからは、企業がくるみん認定を取得する代表的なメリット4つを紹介します。

3-1.(1)社員満足度が向上する

くるみん企業の認定基準には、過剰な残業や休日出勤を抑制すること・年次有給休暇の取得を促進することなど、すべての社員の働きやすさに関係する内容が含まれます。そのため、くるみん認定の取得に向けて環境整備を進めることにより、社員満足度を高めることが可能です。

社員満足度が高まると、日々の仕事におけるモチベーションも高まることから、主体的に働く社員が増加します。その結果、生産性が向上し、企業にとって望ましい状態を作ることが可能です。さらに、「今後もここで働きき続けたい」と考える社員が増加するため、退職防止効果も期待できます。

3-2.(2)優秀な人材の確保・定着につながる

くるみん認定企業の名前は、厚生労働省のホームページに公表されます。そのため、男性・女性を問わず多くの人に企業の名前をアピールし、信頼感や安心感を与えることが可能です。世間一般からポジティブなイメージを持たれている企業には優秀な人材が集まる可能性が高く、採用活動に苦労するリスクを低下させることができます。

また、くるみん認定を取得するためには、男性・女性を問わず、すべての社員が安心して長く働くことのできる環境を整えなくてはなりません。結果として、優秀な人材の社外流出を防ぎ、企業の利益につなげることが可能です。優秀な人材が定着すれば、欠員補充による採用活動を行わなくてもよくなり、コスト削減につながります。

3-3.(3)助成金を受給できる

2020年度にくるみん認定を取得した中小企業は、子ども・子育て支援に積極的な中小企業に対する助成事業に基づき、1企業あたり50万円(定額)の助成金を受けられます。プラチナくるみん認定を取得した中小企業も、助成金の対象です。

子ども・子育て支援に積極的な中小企業に対する助成事業(仮称)は、2020年12月に公表された「新子育て安心プラン」の一貫として創設された制度にあたります。助成金を受けることを前提にくるみん認定・プラチナくるみん認定の取得を検討する場合は、厚生労働省のホームページで最新情報を確認してください。

3-4.(4)公共調達による加点評価を受けられる

厚生労働省のパンフレットに下記の記載があるように、くるみん認定を取得した企業は、公共調達における加点評価を受けられます。

各府省等が総合評価落札方式又は企画競争による調達によって公共調達を実施する場合は、「次世代育成支援対策推進法」に基づき、厚生労働大臣の認定を受けた企業(くるみん認定企業・プラチナくるみん認定企業)などを加点評価するよう、国の指針において定められました

(引用:厚生労働省・都道府県労働局「次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定し、くるみん認定・プラチナくるみん認定を目指しましょう」/https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/999zentai.pdf)

公共調達とは、国などが発注し、税金などを使用して実施される契約です。公共調達における加点評価を受けることで、国などの発注する案件を勝ち取ることのできる可能性が高まります。

なお、加点評価の詳細は、公共調達を実施する府省等が決定する仕組みです。ただし、プラチナくるみん認定企業はくるみん認定企業よりも高い加点評価を得られる可能性が高いと言えます。

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4.【7STEP】くるみん認定企業への申請の流れ

くるみん認定を取得するためには、一般事業主行動計画を策定し、都道府県労働局に届出する必要があります。届出後に一般事業主行動計画を実践し、目標達成した段階で、くるみん認定を申請する流れです。

くるみん認定企業への申請の流れ
【STEP1】 仕事と子育ての両立に関する自社の現状、ニーズを把握
【STEP2】 一般事業主行動計画を策定
【STEP3】 一般事業主行動計画を社内外に公表
【STEP4】 都道府県労働局に届出
【STEP5】 一般事業主行動計画を実践
【STEP6】 くるみん認定の申請
【STEP7】 くるみん認定と認定マークの付与

上記の手順に沿ってくるみん認定企業になっても、労働基準法や労働安全衛生法などに違反すると、取り消しされるケースがあります。くるみん認定を取得・維持するためには、適切な労務管理によって、過剰な残業・休日出勤を抑制することが大切です。

適切な労務管理を実践するためには、業務可視化ツールの導入をおすすめします。たとえば、業務可視化ツール「MITERAS仕事可視化」を導入すると社員の働き方がひと目で分かり、効率的な働き方への改善を指示することが可能です。くるみん認定を取得したい企業はぜひ、業務可視化ツール「MITERAS仕事可視化」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

5.くるみん認定の取り消しに注意!

くるみん認定は、一定基準を満たさない状態となったときに取り消されます。具体的な認定取り消しの条件は、下記の通りです。

くるみん認定の取り消し対象
(1)次世代育成支援対策推進法第13条に規定する基準に適合しなくなったと認めるとき
労働基準法をはじめたとした労働法、および労働法に基づく命令その他関係法令に違反する重大な事実がないこと
(2)次世代育成支援対策推進法または次世代育成支援対策推進法に基づく命令に違反したとき
(3)認定一般事業主として適正ではないと認めるとき(不正な手段での認定・社会問題となるような事件の発生など)
プラチナくるみん認定の取り消し対象
(1)くるみん認定の取り消し対象となったとき
(2)次世代育成支援対策推進法第15条2に規定する基準に適合しなくなったと認めるとき

このように、くるみん認定・プラチナくるみん認定は一度認定されても取り消されてしまう場合があるため、認定後も労働環境の維持改善に努める必要があります。

まとめ

くるみん認定やプラチナくるみん認定は、子育てサポートに積極的な企業に対し、厚生労働省が与える認定です。くるみん認定企業やプラチナくるみん認定企業には、くるみんマーク・プラチナくるみんマークを広告などに付加することが認められて、社会的なイメージアップをねらえます。

くるみん認定やプラチナくるみん認定は、労働基準法違反などが認められた場合に認定を取り消しされるケースがあるため、適切な労務管理を行うことが必要です。ぜひ業務可視化ツール「MITERAS仕事可視化」の導入をご検討ください。

監修:MITERAS部

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