エンゲージメントとは？重要性・メリット・向上のための施策を解説！

エンゲージメントは、婚約や仕事などの公式なものとの約束という意味です。ビジネスでは後者の意味で使われます。

企業活動では顧客エンゲージメントと社員エンゲージメントという言葉がよく使われます。顧客エンゲージメントは、企業やブランドに対して顧客が抱く愛着度を表します。顧客生涯価値（LTV）の向上につながる重要な要素です。

他方で、社員エンゲージメントは、社員の企業への愛着や思い入れを表します。

優秀な人材が、より良い環境を求めて離職するケースは少なくありません。愛社精神の指標ともいえる社員エンゲージメントは、人事領域において特に注目されています。

本記事では、以下、社員エンゲージメントを「エンゲージメント」として記載します。

エンゲージメントによく似た意味合いの言葉に、社員満足度とロイヤルティがあります。社員満足度は、働きがいや社内での人間関係など、職場環境や待遇の良し悪しを表します。社員の一方的な評価であるため、満足度を向上させたとしても、社員の仕事の成果が大きく改善するとは必ずしも限りません。

ロイヤルティは、社員の企業に対する忠誠心や帰属意識を表します。企業と社員が主従関係という前提が、エンゲージメントと異なる点です。「企業と社員が、お互いの成長を目的に絆を強めていく」という関係性が、エンゲージメントの特徴です。

企業が存続するためには、今まで以上に仕事の生産性に目を向ける必要があります。エンゲージメントの高い人材は、限られた時間で優れた結果を出すことが判っています。企業は社員のパフォーマンスに直結する指標を把握し、向上に努めることが重要です。

エンゲージメントは、人材定着率にも大きく関わります。社員の仕事に対する考え方は多様化しています。報酬よりもプライベートを重視したり、やりがいを重視したりする傾向は、20代の若手社員によく見られます。

労働人口が減少する中、貴重な人材を確保しておくためには、個々の社員の価値観に寄り添ったマネジメントが不可欠です。人材を新たに採用し、一人前に育てるまでには多大な時間とコストがかかります。エンゲージメントは時代変化に即したマネジメントを可能にすると同時に、採用活動の合理化にもつながるのです。

エンゲージメントを向上させる施策はいくつかあります。
ここでは、エンゲージメントを向上させる施策を4つ取り上げます。自社で着手しやすい項目よりはじめてみてください。

企業のミッション・バリューの浸透は、エンゲージメント向上に効果があります。社員は企業のミッション・バリューに共感することで、組織に貢献したい気持ちが強くなり、主体的に仕事に取り組みます。企業のミッション・バリューは、定期的にトップから社員に伝えていくことがエンゲージメント向上に有効です。

しかしそれだけではなく、社員一人ひとりの価値観を企業や管理職が把握しておくことも大切です。企業が社員の価値観を把握するためには、定期的に社員アンケートを行い、管理職は1on1を通じて社員の価値観を探りましょう。どのような事柄にやる気を感じるのか、モチベーションの源泉が分かれば、個々価値観や信念にに根ざしたマネジメントを行うことができます。

社内コミュニケーションを活性化させることも、エンゲージメントを向上させるうえで有効です。職場に気軽に話せる人がいると、社員の安心感が高まり、組織の一員であることを無意識に感じるようになります。

コミュニケーションを活発化させるために、社内サークルやイベントを企画するなどして、社員同士が交流できる場を設けましょう。社員のトピックスを取り上げたり、グループウェアの掲示板で情報共有したりすることもおすすめです。

風通しが良い職場はストレスが少ないために、社員は良い意味で居心地が良いと感じるでしょう。情報共有が活発になれば、業務もスムーズに進捗します。理想は、社員が自律的に仕事を進めることです。主体的に取り組むことで、職場における自分の役割を認識し、仕事での経験を通じて大きくスキルアップすることも期待できます。

自分の成果が適正に評価されていると感じれば、社員は仕事に対して高いモチベーションを維持できます。人事評価制度は公平性があり、社員を正当に評価できる仕組みでなくてはなりません。

人事評価を見直す際は、社員に制度の主旨を丁寧に説明することが肝要です。評価ポイントは、成果に加え、成果に結びついたプロセスも含めると良いでしょう。インセンティブ制度を整備し、社員のやる気を後押しすることも効果的です。

社員が「やりたい業務」を行うほうが、モチベーションアップにつながり、結果として成果につながります。管理職は組織目標と個人の適正や志向のすり合わせを行い、社員の希望する業務をアサインすることが求められます。

タレントマネジメントとは、社員の能力やスキルを客観的に分析し、戦略的な育成・配置に活用する施策を指します。

社員が持つ能力を可視化し、それを最大限に引き出すことを目的とし、配置や仕事のアサインは、タレントマネジメント施策の一環として行われます。

タレントマネジメントの効果を最大化させるためには、人材情報を集約するとともに、業務の可視化などの準備が有効です。

「MITERAS仕事可視化」は、社員ひとり一人の勤務実態と、作業内容を可視化するマネジメントツールです。仕事の偏りや長時間労働など、社員のモチベーション低下につながる要素も発見できるため、現場の課題解決にも直接役立ちます。タレントマネジメントを導入する際は、MITERAS仕事可視化の活用も検討してみてください。

エンゲージメントの測定は、「パルスサーベイ」と呼ばれるアンケート調査が最も一般的で、かつ社員の主観的な意見が得られるためおすすめです。アンケート調査では、以下のような設問を出します。

設問は5問～15問が目安です。結果を受けて、企業は社員の要望に応えていくことが大切です。不満を早期解消することが、エンゲージメントの向上につながります。

パルスサーベイについては、下記の記事も参考にしてください。
(https://www.persol-pt.co.jp/miteras/column/pulsesurvey)

エンゲージメントは、企業への信頼度や思い入れを表します。仕事の生産性や人材定着率に関わる指標であるため、企業は積極的に把握・向上に努めることが重要です。

企業は経営理念を社内に浸透させるとともに、コミュニケーションを活発化させましょう。

正当な人事評価を整備すること、タレントマネジメントの導入も有効な施策です。事前準備として仕事の可視化を進める際は、「MITERAS仕事可視化」を活用ください。