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SDGsでも言及されるウェルビーイングとは?職場環境改善のコツ

働き方

企業が持続的に発展していくためには、社員にとって働きやすい職場環境を整備し、働きやすさの向上に努める必要があります。そして、働きやすい職場を整備するうえで意識すべき事柄の一つが「ウェルビーイング」という概念です。

今回は、ウェルビーイングの意味や経営に導入するメリットを解説します。ウェルビーイングの基礎知識を理解し、企業・社員の双方にとって望ましい職場環境を整備したい経営者・管理者の方は、ぜひ参考にしてください。

1.ウェルビーイングとは?

ウェルビーイングとは、心身の健康状態が良好で、社会的にも満たされた状態を意味します。また、ウェルビーイングは、SDGs(持続可能な開発目標)の次に社会が目指すべきゴールとして、注目されている概念です。

下記では、ウェルビーイングの指標およびビジネスにおける活用方法について解説します。

1-1.ウェルビーイングの指標となる「PERMAモデル」について

ポジティブ心理学の定義によると、ウェルビーイングは5つの構成要素から成り立ちます。各要素を追求することにより、ウェルビーイングを増大させることが可能です。5つの構成要素には、下記の通りです。

Positive Emotion(前向きな感情) 「楽しい」「嬉しい」などの前向きな感情を日々の生活で持てるか
Engagement(エンゲージメント) 我を忘れて没頭できる物事が存在するか
Relationships(人間関係) 強い絆で結ばれた家族、友人、同僚などが存在するか
Meaning(意味、意義) 長期的な視点において、人生の意味や意義を見出せるか
Achievement(達成、成功) 目標の達成、成功体験を経て、人生の充実を感じられるか

これらは5つの構成要素の頭文字をとり、「PERMAモデル」と呼ばれます。企業としてウェルビーイングを追求する際には、「PERMAモデルの各構成要素を高めるために何ができるか」を意識し、継続的な取り組みへと落としこむことが大切です。

1-2.企業が意識すべき「ビジネスにおけるウェルビーイング」について

ウェルビーイングはもともと、社会福祉・医療などの分野で言及されてきた概念です。時代の流れによって「ビジネスにおいてもウェルビーイングを意識することが大切である」という考え方が徐々に浸透しつつある状態です。

ビジネスにおけるウェルビーイングは、職場環境の改善に取り組む際の指標として機能します。また、社員にとっての望ましい働き方を検討する際にも、ウェルビーイングの概念に沿い、改善案を検討することが大切です。

ビジネスにおけるウェルビーイングの構成要素には、「Financial well-being(経済的な幸福)」や「Physical well-being(身体的な幸福)」が含まれます。「Financial well-being」とは、現在の報酬に対する満足度や自分自身の資産管理状況などを意味する要素です。「Physical well-being」とは、心身ともに健康で日々の仕事に集中できる状態を意味します。

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2.ウェルビーイングが注目されている理由・背景

ウェルビーイングの考え方は、「健康経営」とともに広まり、多くの企業の経営者が注目しています。では、なぜ現在のタイミングで、ウェルビーイングが注目されているのでしょうか。

ここからは、現在ウェルビーイングが注目されている4つの理由を解説します。

2-1.SDGsによる言及

SDGsとは、2015年の国連サミットにおいてミレニアム開発目標の後継として採択された国際的な目標です。

SDGsの目標には「GOOD HEALTH AND WELL-BEING(すべての人に健康と福祉を)」が含まれており、ウェルビーイングは、時代の流れに沿った経営を行うためのキーワードの一つとして定着しました。

2-2.健康経営の推進

健康経営では、社員の健康管理をビジネスにおける重要課題ととらえて、戦略的に実践することが求められます。ウェルビーイングは健康経営をより発展させ、社員のメンタルヘルス・仕事に対するモチベーションも含めて、理想の職場作りを進めることが大切であると考える概念です。

ウェルビーイングを追求することは、間接的に健康経営を推進することにつながります。結果として時代の流れに沿った経営を実現することができるため、ウェルビーイングに注目する企業が増えているのです。

2-3.価値観の多様化と働き方への影響

価値観が多様化している現在、就職先を探す際に「心身ともに健やかで、心地良く働けるか」を重視する人も存在します。

優秀な人材を確保するためには、ウェルビーイングの向上を図り、魅力的な環境を提供する取り組みが大切です。

2-4.労働力不足

日本では少子高齢化が進行し、企業の労働力不足が懸念されています。加えて、終身雇用制が事実上崩壊し、自分自身にとって働きやすい、働きがいのある環境を求める人が増加傾向にあります。

そのため、企業が十分な労働力を確保するためには、ウェルビーイングの向上に取り組み、自社の魅力をアピールすることが必要です。

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3.企業がウェルビーイングを導入するメリット

企業がウェルビーイングの概念を導入することには、さまざまなメリットが期待されます。たとえば、社員の心身の健康を良好に維持し、長期キャリアの形成に適した職場環境を提供することで、離職率の低下、優秀人材の確保等、企業の継続的成長につながります。

その他、企業がウェルビーイングを導入するメリットは、下記の通りです。

〇エンゲージメントが向上する
エンゲージメントとは、仕事・企業に対して誇りや価値を感じ、強固な目的意識を持って働ける状態です。ウェルビーイングの概念を導入する企業で働く社員は自社に対する愛着が強く、日々の仕事に大きなやりがいを感じる可能性が高いため、エンゲージメントの向上を推進することができます。

〇生産性の向上が見込まれる
エンゲージメントの向上により、前向きに仕事に取り組む社員が増加しますので、社員一人ひとりの生産性向上が期待できます。企業の業績向上、企業価値を高めることにつながり、競合他社に対する優位性を確保できます。

〇人間関係のストレスを軽減できる
ウェルビーイングを導入する際には、良好な人間関係を構築できる組織づくりが欠かせません。結果として、社員の人間関係のストレス軽減を図ることが可能です。

4.【企業向け】ウェルビーイングへの取り組み

「ウェルビーイングを経営に活かしたい」、「社員のウェルビーイング向上を支援したい」と考えるものの、何を行えば良いかが分からない方もいるでしょう。そこで以下に、ウェルビーイングへの取り組みとして実践できる内容の一例を解説します。

〇円滑なコミュニケーションの実現
コミュニケーションが円滑な職場では、そうではない職場に比べて、生産性が高いことが立証されています。全社イベントの開催やトップからの定期的なメッセージ発信、異なる部門に所属する社員同士が交流できる場の設定や各部門で開催される会議のあり方の見直しなど、様々な場を提供するとともに、その場で何を話しても良いという安心・安全な環境を用意することが重要です。

〇健康増進活動の定期的な推進
健康増進活動の推進は、健康経営を実現するためにも大切な事柄です。定期健康診断の結果に基づく特定保健指導や二次検診受診率100%を目標として、疾病を未然に防ぐ取り組みは必須です。また生活習慣を改善させるためにも、定期的に食事や運動に関するセミナーやイベント開催もおすすめです。

〇残業時間の管理・メンタルヘルス対策
社員の残業時間を適切に把握し、長時間労働が認められる場合は、ノー残業デーに代表されるような長時間労働抑止施策を実施しましょう。メンタルヘルス対策としては、産業医や保健師への相談窓口を設置し、体調に異変を感じた社員が専門家や職場とすぐに連携できる仕組みを整えることも実施しましょう

まとめ

ウェルビーイングとは、心身ともに健康で、社会的にも満たされた状態を意味します。また、ウェルビーイングは、SDGsで言及されている・健康経営の実現を後押しできるなどの理由によって注目を集めている概念です。

企業がウェルビーイングを導入することには、エンゲージメントの向、生産性向上などのメリットが期待されます。コミュニケーションの円滑化や残業時間の適切な管理などの最作も含めて、ウェルビーイングな経営を実現しましょう。

監修:MITERAS部

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