働き方改革が進み、「多様な働き方を選択できる社会」を目指すためには、業務効率化や生産性向上が必須とされるようになりました。業務効率化とは、業務の「ムリ・ムダ・ムラ」をなくし、生産性を向上させることを指します。しかし、業務の何が無理でどのように無駄を省けるのか、むらなく働くためにはどうすればいいのか理解することは、簡単ではありません。
そこで注目されるのが業務効率化ツールですが、業務効率化ツールにどのような種類があるのか、どう選んだらいいのかがわからない人も少なくないでしょう。今回は、業務効率化ツールの種類や選ぶポイントを紹介します。種類ごとの代表的なツールも紹介しますので、導入や検討の参考にしてみてください。
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1. 業務効率化ツールが必要な理由
働き方改革の推進で、業務効率化や生産性向上は、業界を問わず企業の課題として挙げられるようになりました。さらに、テレワークが普及したことで社内のコミュニケーション機会が減少し、従業員同士の連携の取りづらさや進捗状況のわかりにくさから、業務効率が落ちてしまったと考える人もいるようです。
業務効率化はほかにもさまざまな理由で必要とされています。業務効率化ツールが必要とされる理由を紹介しましょう。
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1-1. 労働力不足
少子高齢化が進み、日本の労働力人口は減少を続けています。今後ますます優秀な人材の確保は難しくなるでしょう。業務量が減少しているわけではなく、少子高齢化は企業努力で解消できるものではありません。
企業は業務効率化を進め、労働者の業務負担を軽減する必要があります。そのために業務効率化ツールの導入が注目されています。
1-2. 働き方の多様化
労働人口が減った今、多様な人材を活用しなければ、将来にわたって企業を存続させることが難しくなっています。時短勤務やテレワーク、ハイブリッドワークなど、さまざまな働き方を導入しなければ、なかなか多様な人材の活用はできません。
また、働き方も価値観も多様化し、ワークライフバランスの充実が求められるようになっています。長時間労働を改善し、プライベートの充実を図るためには業務効率化を進め、短時間で結果が出せる環境を整備する必要があるでしょう。
1-3. DXの推進
DXの推進も、業務効率化ツールが必要とされる理由です。DXの目的のひとつに、業務をデジタル化することで、効率化して生産性向上や従業員の負担軽減を目指すことがあります。
業務効率化ツールにはさまざまな種類があり、コミュニケーションツールで情報伝達コストを削減できる、業務可視化ツールで業務の無駄を見つけて改善するなどが考えられます。
2. 業務効率化ツールの種類
業務効率化が必要とされる中、役立つのが業務効率化ツールです。とはいえ、「業務効率化ツール」というものは基本的にはなく、業務効率化に役立つツールが複数あるというのが現実です。そのため、何を利用すれば業務効率化できるかわからないという人もいるでしょう。そこで、業務効率化ツールの種類を紹介します。
2-1. タスク・プロジェクト管理ツール
業務効率化ツールとして、タスク管理やプロジェクト管理ツールがあります。タスク管理ツールは、小さな単位の業務を、優先度や緊急度に応じて管理するツールです。タスクの量やスケジュールを把握でき、抜け漏れや遅れなどを防止できます。
プロジェクト管理ツールは、タスクをプロジェクト単位で管理できるタイプのツールです。機能としてはあまり大きな違いはありませんが、タスク管理ツールは個人に紐づくものですが、プロジェクト管理ツールはプロジェクトの管理者のタスク管理に紐づくものという違いがあります。
2-2. ワークフローシステム
ワークフローは企業内での申請や承認、決裁、確認などの流れを定めたものです。ワークフローが定められていないと、「誰に申請したらいいのか」「今どの段階なのか」などがわかりにくく、業務の効率を下げてしまいます。
ワークフローシステムは、この一連の流れをシステム化したもので、「稟議システム」「電子承認」などと呼ばれることもあります。業務の手続きを効率化し、意思決定を迅速化させる効果があり、ペーパーレス化や内部統制の強化にも効果的です。
上場企業においては内部統制が機能しているか判断した報告書の提出が義務付けられています。
もしIPOを目指している場合は下記記事もご覧ください。
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2-3. ナレッジ共有ツール
ナレッジ共有ツールは、組織のナレッジの蓄積や共有をまとめられるツールです。
企業には業務を通じて顧客情報や成功体験、知的財産、専門知識など、さまざまなナレッジが蓄積されています。組織でそういったナレッジを活かすことで、業務効率化につながるでしょう。管理が属人化しやすく、情報伝達が煩雑化しやすいナレッジが、ツールを利用することで簡単に蓄積や共有ができるようになります。
2-4. RPAツール
RPAはRobotic Process Automationの略で、ルーティン作業をロボットによって自動化し、業務効率化を図るものです。プログラミングの知識が必要ですが、RPAツールを利用することで、専門的な知識がなくても自動化が可能です。問い合わせの自動応答や勤怠の集計の自動化など、さまざまな場面で利用できます。
2-5. コミュニケーションツール
コミュニケーションツールとは、ビジネスチャットなどを指します。ファイル共有したり、チームやプロジェクト単位でスペースを作ったりすることもでき、会議時間の削減や迅速で気軽なコミュニケーションなどに役立つでしょう。コミュニケーションが効率化することで、情報共有がしやすくなる、気軽に相談できるなどのメリットがあり、業務効率化につながります。
2-6. 業務可視化ツール
業務可視化ツールは、業務プロセスを可視化し、どの業務にどれくらい時間がかかっているかを分析するツールです。業務効率化を進めるためには、まず業務のどこに問題がるのかを把握しなければなりません。業務可視化ツールで課題となるポイントがわかれば、改善策が立てられ、業務効率化につながります。
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3. 業務効率化ツールを選ぶポイント
業務効率化ツールには複数の種類があり、何を選ぶべきか迷ってしまうこともあるでしょう。自社で業務効率化ツールを導入する際に選ぶポイントを紹介します。
3-1. 自社の課題を明確にしておく
まずは、自社にどのような課題があるのか明確にすることが重要です。定型作業に時間をとられすぎるならRPAツールが有効ですし、業務プロセスを効率化したいなら業務可視化ツールが役立つでしょう。何を改善したいのかを考えて、業務効率化ツールを検討してください。
3-2. 選ぶツールについて理解する
導入するツールについて理解しておくことも重要です。一言でコミュニケーションツールといっても、機能や操作性はそれぞれ異なります。無料で使える機能やトライアル期間などを利用し、コスト面も含めてツールについて理解してから導入してください。
3-3. ひとつのツールに固執しない
ツールにはそれぞれ特徴や対応範囲があります。あれもこれもと欲張ると、企業課題に合ったツールを選ぶことが難しくなります。ひとつのツールですべてを解決しようと考えず、課題に合わせて複数のツールを利用するのもいいでしょう。
3-4. サポート体制をチェックする
ツールを提供する企業のサポート体制も、選ぶポイントとして重要です。導入前の疑問点があるときはもちろん、導入時のサポートや運用を始めてからトラブルが発生した場合など、どのような対応をしてもらえるか確認しておいてください。
ベンダーに質問してみることはもちろん、ツールのシェア率やユーザーの口コミ、評価のランキングなどをチェックすることでもわかります。
4. 代表的な業務効率化ツール
前述のように業務効率化ツールにはさまざまな種類があります。ここでは最後に、種類別に業務効率化ツールを紹介しましょう。
4-1. タスク・プロジェクト管理ツール
タスク・プロジェクト管理ツールは、同じ「タスク管理」という機能でも見た目や操作性が大きく異なるため、実際に利用してみてから検討してください。
Asana
Asanaは世界200ヶ国で利用されている、タスクやプロジェクトを一元管理するための管理ツールです。リスト形式とカード形式の2パターンのレイアウトがあり、より使いやすいほうを選択できます。進捗状況をグラフで表すレポート機能もあり、連携できるシステムが多い点もメリットです。
画像出展元:https://asana.com/ja
※Asanaは米国およびその他の国における Asana, Inc. の商標または登録商標です。
Jooto
Jootoは、タスクをカード形式で管理タスク・プロジェクト管理ツールです。ドラッグ&ドロップのみで直感的に操作でき、タスクの抜け漏れを防ぎやすくなります。締め切りや担当者で絞り込む機能もあるため、多数のメンバーが参加する大規模なプロジェクトでも利用しやすいでしょう。
画像出展元:https://www.jooto.com/
※Jootoは株式会社PR TIMESの商標または登録商標です。
4-2. ワークフローシステム
ワークフローシステムは、申請や承認、確認などの基本的な機能はどれでも備えているため、選ぶポイントは操作性のほか、カスタマイズ性や他システムとの連携性になるでしょう。
サイボウズ Office
サイボウズ Officeは「誰でも使える」にこだわって開発されたシステムです。承認経路の設定やテンプレートの作成が容易で、過去の申請が簡単に探せる検索機能も用意されています。パッケージ版からクラウド版への移行が無料で行えます。
画像出展元:https://office.cybozu.co.jp/
※サイボウズ Officeはサイボウズ株式会社の商標または登録商標です。
ジョブカンワークフロー
ジョブカンワークフローは、50種類以上のテンプレートが用意されている、クリックのみで承認経路を作成できるなど、使いやすさに定評があります。電子承認システムとの連携も可能なため、社内だけでなく社外とのやり取りも可能です。
画像出展元:https://wf.jobcan.ne.jp/
※ジョブカンは株式会社 Donuts の商標または登録商標です。
4-3. ナレッジ共有ツール
ナレッジ共有ツールには、「Wiki」「FAQ」「文書管理」「オンラインストレージ」など、さまざまなタイプがあります。自社で使いやすいのはどのタイプか、検討が必要です。
NotePM
NotePMは、ウィキペディアのように社員が情報を書き込んで、ナレッジを蓄積していくツールです。画像や動画を貼り付けることもでき、マニュアルなどもわかりやすく共有できます。ページ作成や更新の際に特定のユーザーにメンションが可能で、情報の共有漏れを防げます。
画像出展元:https://notepm.jp/
※NotePMは株式会社プロジェクト・モードの商標または登録商標です。
Qast
Qastはシンプルな設計が特徴のツールで、FAQとメモで簡単にナレッジ共有ができます。チャットツールと連携すると、チャットした内容をQastに蓄積することも可能。匿名投稿機能もあり、口頭やチャットで聞きづらいことでも気兼ねなく質問できるでしょう。
画像出展元:https://qast.jp/
※Qastはany株式会社の商標または登録商標です。
4-4. RPAツール
RPAツールは導入規模で考えることがおすすめです。自動化させたい業務が決まっているなら簡単に導入できるタイプ、今後も増えていきそうなら開発が可能なタイプがいいでしょう。
JobAuto
JobAutoは導入に初期費用が掛からず、気軽に利用できるRPAツールです。Office製品をはじめ、Google スプレッドシートや各種ブラウザなど、幅広いアプリケーションの自動化ができます。無料の操作講習がある点も導入しやすいといえるでしょう。
画像出展元:https://jobauto.jp/
※JobAutoは株式会社シジャム・ビーティービーの商標または登録商標です。
BizRobo!
BizRobo!はデスクトップ型ですが、1ライセンスで無数のロボットを稼働でき、大規模な展開が可能です。機械学習機能があるため、よくある画像認識での処理エラーが起きにくく安定して利用できます。顧客用のナレッジベースや研修用のサイト、ユーザー会など、サポートが充実している点も特徴です。
画像出展元:https://rpa-technologies.com/products/first/
※BizRobo!はRPAテクノロジーズ株式会社の商標または登録商標です。
4-5. コミュニケーションツール
コミュニケーションツールの基本機能はチャットや通話、ビデオ会議など。タスク管理機能やファイル共有機能など、そのほかに必要な機能が何かが選ぶポイントになるでしょう。
Slack
Slackの機能はシンプルですが、2,000を超えるアプリと連携ができます。会話の内容ごとにメンバーを集める「チャンネル」を無数に作成でき、自社以外の外部メンバーも招待可能。オリジナルの絵文字作成機能やリアクションボタンも、コミュニケーションの円滑化に一役買うでしょう。
画像出展元:https://slack.com/intl/ja-jp
※JobAutoは※Slackは、Slack Technologies, Inc.の米国およびその他の国における商標または登録商標です。
Chatwork
Chatworkはユーザーであれば社内・社外問わずメッセージのやり取りができるツールです。操作が簡単で、メッセージをそのままタスクとして設定できたり、トークルームごとにファイルを管理できたりといった機能があり、ビジネスで多く利用されています。
画像出展元:https://go.chatwork.com/ja/
※Chatwarkは、Chatwork株式会社の商標または登録商標です。
4-6. 業務可視化ツール
業務可視化ツールはテレワーク中の従業員を見守るためにも、業務効率化のためにも重要です。どの範囲のログを取得したいか、どのような分析ができるかが選ぶポイントになります。
MITERAS仕事可視化
MITERAS 仕事可視化はPCログから従業員の勤務実態が見える化でき、いつどのような作業を行ったかも把握できます。カレンダーと連携することでスケジュールとの比較も可能。集計機能もあるため、労務管理の担当者の負担を軽減できるでしょう。
業務効率化ツールで生産性向上を目指そう
業務効率を向上させるためには、業務効率化ツールの利用がおすすめです。業務効率化ツールにはさまざまな種類がありますから、自社の何が問題になっているのか課題を明確にした上で、それを解決できる業務効率化ツールを選定してください。
業務効率化を目指すためには、まず業務を可視化して、どこに改善点があるのか見つけることが重要です。「MITERAS 仕事可視化」は、従業員のPCログを取得することで、正確な勤務実態を明らかにできる業務効率化ツールです。サービス残業や休日の隠れ残業も検知でき、業務の課題発見のためにも、従業員の健康管理のためにもお役立ていただけます。
監修:MITERAS部
「ホワイトなはたらき方を実現」する労務管理ツール【MITERAS仕事可視化】の担当者によるコラムです。MITERAS仕事可視化は、社員のPC利用の有無、アプリ使用状況などを可視化。勤怠データとPC稼働ログの突合で、法令遵守・はたらき方の見直しを推進できます。当コラムでは、理想の働き方改革実現のポイントから、日常業務の効率化のご提案まで、人事労務のためのお役立ち情報をご紹介します。
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