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業務の属人化はなぜ起きる?原因とデメリット、解消の方法を解説

投稿日:2023年11月27日 更新日:

働き方

業務の属人化とは、特定の個人しかその業務を把握していない状態のことです。業務が属人化すると、長期的に見ると業務の質や生産性の低下を招くおそれがあり、多くの企業が問題視しています。 今回は、業務の属人化が起きる理由やそのデメリット、属人化を解消するための方法についてご紹介します。

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1.業務の属人化は特定の個人に依存した状態

業務の属人化とは、特定の従業員以外は、業務の進め方や進捗状況などがわからない状態を指します。いわゆる業務の「ブラックボックス化」であり、担当者がいなければその業務は進められません。
また、組織としての管理が行き届かず、トラブルがあった場合に発見や対処が遅れる可能性もあるでしょう。
日本の企業ではこれまでの終身雇用が崩壊しつつあり、転職が一般化しました。人材の流動性が高まる中、特定の個人に業務が依存している状態は、ビジネスにおいて大きなリスクです。

2.業務が属人化するリスクとデメリット

業務が属人化すると、特定の従業員に業務が集中することになり、さまざまなリスクやデメリットがあります。それぞれ、具体的にどのようなものか見ていきましょう。

2-1.業務の停滞

業務が属人化していれば、担当者が不在だったり、多忙だったりしても、誰かが代わりに対応できず、業務が停滞してしまいます。その業務がプロジェクトの中の一工程だった場合などは、プロジェクト全体が停滞するおそれもあるでしょう。
また、業務が属人化している状態で担当者が退職してしまうと、周囲はその業務の進め方がわからず、滞る可能性があります。

2-2.品質管理が困難

属人化している業務の多くはマニュアルが存在せず、品質を保つのが難しくなります。担当者以外に成果物の良し悪しの判断がつかず、品質の管理や適切な評価が難しくなるリスクもあるでしょう。
さらに、担当者以外に適切な進め方がわからないため、品質の低下やミスの指摘などができないリスクもあります。

2-3.業務効率の阻害

業務の属人化は、担当者以外にその業務のフローやオペレーションがわからない状態のため、業務上の課題に気づけず、非効率な進め方をしてしまう可能性があります。反対に、効率的に業務を行っていても、ほかの従業員やマネージャーはその方法を知ることができず、ほかの業務で展開することができません。

2-4.特定の従業員への負荷

担当者にしか業務の内容がわからない状態では、業務過多の状態でもほかの従業員はサポートすることができません。結果的に特定の従業員にだけ負荷がかかり、長時間労働や隠れ残業などを招くおそれがあります。場合によっては、業務負荷を理由に休職や退職につながる可能性もあります。

2-5.ノウハウやナレッジが蓄積されない

属人化している業務では、ノウハウやナレッジも属人化します。ノウハウやナレッジは企業の財産になるものであり、共有することで新たなアイディアの創出や業務改善などにつなげられるものです。もし、担当者が退職などということになれば、ノウハウやナレッジも失われてしまいます。

業務改善にお悩みの方は下記記事も参考にしてください。
業務改善とは?進め方や役立つフレームワークを解説

3.なぜ業務の属人化が起きる?

多くのリスクやデメリットを抱える業務の属人化ですが、なぜ起きてしまうのでしょうか。続いては、業務の属人化が起きる理由をご紹介します。

3-1.業務の専門性が高い

高度なスキルや専門知識が求められる業務では、特定の従業員の裁量で業務を進める場合があります。ほかにそのスキルや専門知識を持った従業員がいなければ、業務を分担できずに属人化が進みます。
さらに、専門性の高い業務では、人材の採用や教育が難しく、属人化が加速する悪循環に陥る可能性もあるでしょう。

3-2.情報共有できない

従業員それぞれが各自の業務の対応に追われ、マニュアルの作成やノウハウの言語化などに手が回らず、結果として情報が共有できないことがあるでしょう。
社内で情報を共有する仕組みが構築されておらず、何をどこまで、どのように伝えるべきかがわからず、情報共有が滞るケースも見られます。

3-3.従業員に属人化解消のメリットがない

業務が一任されること、裁量を持って働けることで、従業員のモチベーションが上がりやすくなります。「この仕事は自分にしかできない」と気概を感じられるでしょう。
また、属人化解消に向けて行動しても特に評価されなければ、積極的に取り組もうとする人は少ないでしょう。

3-4.リモートワークで互いの状況が見えづらい

リモートワークの課題として、コミュニケーション機会の減少やメンバー間の業務状況の見えづらさが挙げられます。
誰がどういう状態で働いているかが見えなければコミュニケーションが取りづらく、情報共有機会の不足につながります。結果として、業務の属人化が加速するおそれがあるでしょう。

4.属人化がメリットになるケースはある?

業務の属人化にはリスクやデメリットばかりのように思えますが、メリットはないのでしょうか。ここでは、業務の属人化がメリットといえるケースを見てみます。

4-1.専門性が高まりスキルアップできる

一人で業務を任されることにより、専門性やスキルを磨ける可能性があります。同じ業務を続けるうちに自分なりの効率化の方法が見つかる可能性もあるでしょう。

4-2.属人化が価値になる業種である

クリエイターや職人といったセンスと技術が問われる職業、接客や販売といった個性が魅力になりうる職業などの場合は、属人化が必ずしもデメリットにはならない可能性があります。

4-3.社員のモチベーションアップになる

業務が一任されること、裁量を持って働けることで、従業員のモチベーションが上がりやすくなります。「この仕事は自分にしかできない」と気概を感じられるでしょう。

業務の属人化には、上記のようなメリットもあります。とはいえ、得られるメリットは限定的で、デメリットのほうが大きいのは事実です。企業は業務の属人化が問題となる前に、防止や解消の取り組みに注力すべきでしょう。

5.業務の属人化を解消する方法

業務の属人化にはメリットもありますが、放置するリスクのほうが大きいです。ここでは、企業が行うべき、業務の属人化を解消する方法をご紹介します。

5-1.業務の洗い出し

業務の属人化を解消するには、まず担当者がどのような業務を行っているか、課題がどこにあるかを把握する必要があります。担当者だけでなく、関係部署などにもヒアリングして、属人化している業務の作業量や時間、難度、必要なスキルなどを洗い出してください。そうすることで、属人化している業務を分担する方法がわかります。
なぜ属人化したのか、影響範囲はどこなのかなどを明らかにすることで、今後の属人化防止にも役立てられるでしょう。

業務効率化については下記記事も参考にしてください。
仕事の見える化で業務効率が向上する?見える化のメリットと進め方も

5-2.業務プロセスの整理とマニュアル化

属人化した業務を分担できるようになったら、それで終わりにせず、業務の標準的な業務プロセスを決めて、マニュアルに落とし込みます。その業務を担当したことがない従業員にもわかるよう、具体的に言語化することが重要です。工程ごとに作業画面のスクリーンショットを貼ったり、作業動画を撮っておいたりすることも有効でしょう。
マニュアルは業務プロセスが変化すれば修正が必要になるので、更新することを前提に作成してください。

5-3.コミュニケーション機会を増やす

業務の属人化の解消には、コミュニケーション機会を増やすことが重要です。誰がどのような業務を行っていて、どのような進捗状況なのかがわからなければ、業務は必然的に属人化していくでしょう。
チームやプロジェクトなどの単位で、意識的に情報共有や報告・相談の機会を作り、コミュニケーションを増やしてください。

5-4.情報共有を促す仕組みづくり

ツールを導入するなど、従業員が情報共有を行いやすい仕組みを作ることも、業務の属人化解消につながります。作成したマニュアルは社内の誰でも見られるようにし、業務の知見やコツなどを組織内で共有できるようにしましょう。

業務の属人化のリスクを知って改善に取り組もう

特定の個人に業務が依存した状態は、業務の停滞や品質の低下など、さまざまな問題に発展する可能性があります。属人化解消のためには、業務状況を可視化することと、情報共有を行うことが重要です。属人化のリスクを把握した上で、解消のための取り組みを行いましょう。
「MITERAS仕事可視化」は、PCログから「いつ、どのようなアプリを利用しているか」が可視化でき、業務の属人化の防止に役立てられます。特定の個人への業務負荷がかかっているなど、属人化のもとになる状況も検知でき、トラブルを未然に防げるでしょう。業務の属人化の解消でお悩みの方は、ぜひお問い合わせください。

監修:MITERAS部

「ホワイトなはたらき方を実現」する労務管理ツール【MITERAS仕事可視化】の担当者によるコラムです。MITERAS仕事可視化は、社員のPC利用の有無、アプリ使用状況などを可視化。勤怠データとPC稼働ログの突合で、法令遵守・はたらき方の見直しを推進できます。当コラムでは、理想の働き方改革実現のポイントから、日常業務の効率化のご提案まで、人事労務のためのお役立ち情報をご紹介します。

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