勤怠管理をタイムカードや表計算ソフトで行っていると、打刻の管理に手間がかかるものです。しかし、ICカード式勤怠管理システムを利用することで、効率的に勤怠管理を行うことができます。
そこで今回は、ICカード式勤怠管理システムについて徹底解説します。ICカード式勤怠管理をシステム導入することで得られるメリットや、選び方のポイントを紹介しているため、ICカードで勤怠管理ができるのか気になっている方は、ぜひご覧ください。
目次
1.ICカードで打刻ができる勤怠管理システムとは?
ICカード式勤怠管理システムとは、個々のICカードに設定されている識別番号を利用して、出社時間・退社時間の打刻ができる勤怠管理システムです。ICカードをICカードリーダーにかざして、認証音が鳴ると打刻が完了します。
ICカード式勤怠管理システムの導入にあたって、必要なものは以下の2点です。
- ICカード対応の勤怠管理システム
- 使用するICカードに対応したICカードリーダー
ICカード自体は、IC免許証や各種交通系ICカードをそのまま利用できるため、会社側で用意する必要は基本的にありません。
ただし、ICカードには「Felica規格」と「MIFARE規格」と呼ばれる、2種類の通信規格が存在します。ICカードリーダーは、従業員が利用するICカードの通信規格に対応したものを選びましょう。
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2.ICカード式勤怠管理システムを導入する4つのメリット
勤怠管理システムは、社員の勤務時間を素早く把握できる特徴があり、多くの会社で導入されています。
ここでは、勤怠管理システムの中でも、ICカード式を導入することで得られる4つのメリットを紹介します。ICカードでの勤怠管理システムの導入を検討している方は、ぜひご覧ください。
2-1.労働管理と経費・給料計算が同時にできる
勤怠管理システムには、出勤・退勤の打刻データが、勤怠管理システム上に自動で登録されるメリットがあります。ICカード式も、データが自動で登録される点は同じです。打刻のデータからリアルタイムな労働時間が分かり、正確な給料計算をすぐに行えます。
また、勤怠管理システムに交通費精算機能が搭載されている場合は、交通系のICカードで打刻すると、移動で使用した交通費を自動で経費に計上可能です。給与計算と経費精算が同時に行えるため、管理業務にかかる負担を大きく軽減してくれます。
2-2.すぐに導入できる
ICカード式勤怠管理システムの利用方法は、ICカードを専用のICカードリーダーにかざすだけと、とても簡単です。打刻する際に特別な操作は必要なく、タイムカードと同じような感覚で使用できます。
勤怠管理システムの多くはICカードに対応しているため、導入は難しい作業ではありません。すでにICカード対応の勤怠管理システムを導入している会社は、ICカードリーダー機能のあるタイムレコーダーを用意して連携させるだけで、すぐに導入ができます。
2-3.誰でも使いこなせる
「アナログなタイムカードからICカード式に変えると、使いこなせない人がいるのでは」と危惧する方も多いのではないでしょうか。しかし、ICカードは企業の社員証や公共交通機関の乗車券にも使われているなど、多くの方が使いこなしているアイテムです。
現代では、ほとんどの方がICカードを所持し、利用しています。そのため、ICカード式勤怠管理システムはユーザーの使い勝手がよく、導入のハードルはそれほど高くありません。企業側も社員教育を簡単に済ませることができ、導入からすぐに運用できるでしょう。
2-4.コストが削減できる
ICカードリーダーにかざすカードは、従業員がすでに持っているICカードをそのまま利用できます。会社側は、打刻用のICカードを新たに発行する必要がありません。タイムカードのような定期的な更新は不要となるため、勤怠管理にかかるランニングコストを大きく削減可能です。
また、打刻データや交通費などの経費がシステム上に登録されることで、労働に関わる書類を客観的に保管する体制も作り上げられます。紙書類のように、保管のために倉庫を借りる必要がなく、保管費用を削減できる点もメリットです。
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3.ICカード式勤怠管理を選ぶ際のポイントは?
ICカード式の勤怠管理は、出退勤打刻の記録がスムーズに行える便利なシステムです。しかし、ICカードで打刻できるシステムであれば、どの製品でもよいわけではありません。
一度導入した勤怠管理システムを、後から別のシステムに切り替えることは大きな手間がかかります。導入前の段階で、システムの仕様をよく精査しましょう。
ここでは、ICカード式勤怠管理システムを選ぶ際に注意したい、4つのポイントを解説します。
3-1.自社にあった機能が搭載されているか
ICカード式の勤怠管理システムは、打刻機能や給与計算だけでなく、自社にあった機能が搭載されているかを調べて選びたいところです。勤怠管理システムは、社員の勤務情報を一元管理できる点がメリットであるため、前もって自社に欲しい機能をリストアップしておきましょう。
ICカード式の勤怠管理システムが搭載している機能としては、以下のものが代表例です。
- 交通費精算機能
- シフト管理機能
- 残業や休暇など各種申請機能
- 勤務時間の集計機能
- 労務アラート機能
- 日報作成機能
- 年末調整機能
- グループスタッフ機能
- 通知機能
また、打刻機能はICカードのみでなく、携帯電話・スマートフォン・パソコンからの入力も対応していると、活用の幅が広がります。外出先で端末から打刻できる機能は、営業職に多い直行直帰の際に便利です。
3-2.サポートが充実しているか
ICカード式は導入しやすく、使い方も簡単な点がメリットではあるものの、導入当初はトラブルが発生する可能性もあります。そのため、勤怠管理システムのサポートが充実しているかどうかも、選ぶ際の重要なポイントです。
サポートが充実しているサービス提供会社は、導入時に企業の就業規則や雇用形態をヒアリングして、初期設定を助けてくれます。電話や画面共有によるリモートサポートも提供されていると、トラブル発生時も安心です。
3-3.セキュリティ対策は万全か
勤怠管理システムを選ぶ際は、セキュリティ対策が万全であることを確認しなければなりません。勤怠管理によって記録される労働時間のデータは、企業側が3年間適切に保管する義務を負っています。さらに、ICカードにはクレジット機能や個人情報が入っているため、ICカード式の勤怠管理システムにおいて、セキュリティ対策はとても重要なポイントです。
勤怠管理システムの販売形態は、「オンプレミス型」と「クラウド型」の2種類があります。セキュリティ対策としては、自社サーバーを使用するオンプレミス型の方が安心です。クラウド型はネットワーク上にデータを記録するため、セキュリティの高さはオンプレミス型よりも低くなります。
セキュリティ対策の高さは、サービス提供企業が「プライバシーマーク」や「ISO27001」といった評価基準を取得していることでも判断が可能です。
3-4.コスト・手間を削減できるか
ICカード式で勤怠管理を効率化したい方は、導入後にコスト・手間を削減できるかを必ず確認しましょう。会社の性質によっては、ICカード式勤怠管理システムを導入しても、コストや手間が思ったほど削減できないケースがあります。
たとえばコスト面で考えた場合、ICカードリーダーを何台設置するかが問題です。会社全体で1台か、部署ごとに1台かで、初期導入費用や維持管理コストや月額のシステム利用料金は大きく変わります。コストを抑えて台数を減らすと、打刻作業の渋滞が起こりやすい点にも注意してください。
ICカード式勤怠管理システムを導入する際は、費用対効果を考えなくてはなりません。無料トライアルなどのサービスを利用して、コスト・手間の変動を確かめる必要があります。
まとめ
ICカード式勤怠管理システムは、ICカードを利用して出退勤データの打刻が行えます。労働管理と給料計算を中心に多くの機能があり、社員の勤怠管理を一元化してくれる、おすすめのシステムです。
ICカード式の勤怠管理システムは、ICカードの利用に欠かせないポイントを踏まえて選びましょう。自社にあった機能の充実や、製品のサポート体制はもちろん、セキュリティ対策も万全でなければなりません。
勤怠管理のコスト・手間を削減するためにも、今回の記事を参考に、自社にあったICカード式勤怠管理システムを導入しましょう。
監修:MITERAS部
「ホワイトなはたらき方を実現」する労務管理ツール【MITERAS仕事可視化】の担当者によるコラムです。MITERAS仕事可視化は、社員のPC利用の有無、アプリ使用状況などを可視化。勤怠データとPC稼働ログの突合で、法令遵守・はたらき方の見直しを推進できます。当コラムでは、理想の働き方改革実現のポイントから、日常業務の効率化のご提案まで、人事労務のためのお役立ち情報をご紹介します。
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