MarTech(マーテック)とは~6つの領域とトレンドを解説~
目次
- 1.MarTech(マーテック)とは
- 2.MarTechの6つの領域
- 3.MarTechトレンドについて
- 4.MarTechの課題について
- 5.パーソルビジネスプロセスデザインの支援事例
- 6. まとめ
MarTech(マーテック)とは
MarTech(マーテック)とは、マーケティング(Marketing)とテクノロジー(Technology)を組み合わせた造語です。 マーケティング活動を効果的かつ効率的に行うために、IT技術を活用する手法のことを指します。
この手法は販売促進や顧客との関係構築、リアルタイムのデータ分析など幅広い領域をカバーしているため、実際に事業に導入するためには、まず目的に合わせたマーケティングツールの選択が必要です。
MarTechが注目されている背景
マーテックが注目される背景としては、以下の2点があげられます。
①One to oneマーケティングによる顧客体験の重視
企業からの広告アプローチが新聞や雑誌、テレビなどだった頃は、大衆向けに一方的に情報を発信することが主流でした。
しかし、インターネットの発展により企業の多くが自社サイトを持つようになると、企業はフォーム入力やCookieによる情報取得などから自社サイトに訪れた顧客の行動の追跡やニーズの把握が可能となります。
取得した情報を基に顧客一人一人のニーズにあったアプローチを行うことで顧客の満足度や購入意欲を高める「One to oneマーケティング」は、マーケティングツールの発展とともに徐々にその重要性を増しています。
②企業のDX推進による影響
各企業でのDX(デジタルトランスフォーメーション)推進、ビッグデータの普及などにより、マーケティング活動においてもIT技術を活用することが求められています。
企業がDXを進める一つの大きな目的は、顧客の動向を迅速に把握し、そのニーズに素早く応えることです。
顧客情報のデータ化、リアルタイムな顧客情報の取得、データ解析を行うことで、それを基にしたマーケティング戦略の最適化などが可能となります。
現代企業の競争力を維持、向上させるために不可欠なDX推進による影響は非常に大きいため、マーテックは今後ますます注目されると考えられています。
MarTechがもたらす効果・目的
マーテックの活用は2つの大きな目的・効果があると考えられています。
①顧客ロイヤリティの向上
顧客に合った商品やサービスの提供が可能となります。 顧客一人一人のデータ収集・分析を強化することで、各顧客のニーズに沿ったコンテンツ配信や個別のメッセージ・オファーを提供することができます。
その結果、顧客とのミスマッチが減り、リードの獲得、顧客維持率の向上などに貢献します。
②業務の効率化
マーケティングに必要な工程の無駄を削減できます。
マーケティングオートメーションツールやCRMプラットフォームの活用により、タスクの自動化やワークフローを最適化し、効率的に業務を処理することで時間を節約することができます。
アドテックとの違いについて
マーテックに類似する用語として、アドテックがあります。
・アドテックとは
アドテックとは広告(Advertising)と技術( Technology)を組み合わせた造語です。
アドテックは、インターネット広告におけるターゲティング、広告制作、配信、効果の計測・分析など様々な工程に活用できる広告分野に特化したIT技術全般のことを指します。
広告がマーケティングの一分野であるように、アドテックはマーテックの一分野を指す概念となります。
MarTechの6つの領域
マーテックツールの領域には大きく6つの領域があります。 ここからはそれぞれの領域の説明と該当ツール、弊社の事例を併せてご紹介します。
①広告や広報活動の最適化(Advertising&Promotion)
アドテック領域で、DSP(Demand-Side Platform)などのツールが該当します。
DSPは、広告主がデジタル広告の購入、配信、最適化を行うためのシステムや技術を指します。 DSPでは広告スペースの自動購入やターゲティングの最適化、データ分析、広告活動の一括管理を行うことができます。
これにより広告配信の一連の流れを自動化・最適化し、広告のマーケティング効果を最大化、ROIの向上をはかることが可能です。
>>【導入事例】(広告運用のための研修、伴走支援) 株式会社第一通信社 デジタル広告運用研修サービスを通して起きた社内の変化
②顧客体験の向上(Content&Experience)
顧客情報管理や顧客関係の強化を担う領域で、CMS(Content Management System)やマーケティングオートメーションツールが該当します。
CMSはWebサイトの作成や更新を簡単に行うためのソフトウェアやツールを指します。
このシステムを使用することで、コーディングの専門知識がなくてもウェブコンテンツを効率的に管理し、編集することが可能になり、自社サイトの保守・更新等の業務を効率化することができます。
マーケティングオートメーションツールは、マーケティングプロセスを自動化・効率化・測定するためのソフトウェアプラットフォームです。
自社サイトに導入することで、Webサイトからの問い合わせなどのデジタルマーケティング活動を一元管理でき、リードの生成からコンバージョンまでを追跡する仕組みを提供します。
これらのツールの導入により、今までサイト更新や顧客管理に割いていた時間を短縮し、その時間を施策検討など別業務に充てることが可能となります。
また、顧客情報の把握・管理が容易になることでより効果的な顧客アプローチが出来る様になり、リードの質、数の向上に貢献することができます。
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③ソーシャルツールの活用・顧客関係の管理(Social&Relationships)
ソーシャルツール活用ではChatbot、顧客関係管理ではCRM(Customer Relationship Management)などのツールが利用されています。
Chatbotは人工知能を活用した「自動会話プログラム」のことで、自社サイトに実装することで商品やサービスの問い合わせ応答、予約や注文の処理など様々なタスクを自動化することができます。
CRMは、企業が顧客との相互作用を追跡・分析・管理するためのソフトウェアツールやシステムです。
収集した膨大な顧客データを管理し、データ分析を自動化することで、ニーズが多様化している顧客に最適な情報のアプローチを可能にします。
>>【導入事例】(CRM) 株式会社アスピット|属人的な営業組織脱却の軌跡~kintone構築からカスタマーサクセスの立ち上げまで伴走型で支援~
④取引や営業活動の管理(Commerce&Sales)
営業活動管理の領域ではSFA(Sales Force Automation)などの営業チームのタスクを自動化・効率化できるツールが主に利用されています。
見積もり作成、商談・営業活動の管理、営業予測など、営業プロセスの一部もしくは全体を自動化することで営業パフォーマンスの向上を支援します。
>>【導入事例】(SFA)オンライン時代の営業モデル変革事例|営業プロセスを再構築!結果指標のみの数字管理から適切な行動指標(KPI)を再設計しアポイント率が向上した事例
⑤データの収集・管理・分析(Data)
データの収集・管理・分析の領域ではDMP(Data Management Platform)やBI(Business Intelligence)などのツールが主に利用されています。
DMPは、インターネット上に蓄積された膨大な情報を管理するプラットフォームです。
異なるデータソースを統合し分析に活用することで、ターゲットとなる顧客層に対してより効果的な施策(広告キャンペーンなど)を実施できます。
BIは、ビジネス上の意思決定に役立つ情報を可視化するためのツールです。
日々蓄積される膨大なデータをレポートとして即時に可視化することで、戦略的なビジネス判断を効率よくサポートします。
>>【導入事例】(DMP)DMPを用いたデータ利活用のご支援により施策運用のPDCAが高速化した事例
⑥チーム・プロジェクトの管理(Management)
プロジェクト管理やタスク管理といった目的で進捗確認や担当者間のコミュニケーションをサポートするツールが利用されており、「Backlog」や「Slack」などが該当します。
プロジェクト全体の進捗をメンバー全員で共有したり、個人個人に割り振られたタスクを可視化することで、タスクの見落としや重複などを防ぎ、効率的に業務を進めることができます。
パーソルビジネスプロセスデザインではお客様にあったタスク管理、コミュニケーションツールを活用し、プロジェクトを進めております。
MarTechトレンドについて
絶えず変化を続けているマーテック領域において、トレンドとなっている技術やツールを2つご紹介します。
AIによる顧客対応の進化
AI(人工知能)は現代ビジネスにおける顧客対応の進化に大きく寄与しています。
AIは顧客満足度の向上、対応速度の向上、コスト削減などのメリットをもたらし、ビジネスにおける顧客体験改善の重要なパートナーとなりつつあります。
大量の顧客データの分析を即時に行いパーソナライズができる他、生成モデルや音声認識、VRといった分野でもAIの活用が進んでいます。AI技術を効果的に活用し顧客のリアルタイムなニーズに応えることで、顧客体験、顧客満足度のさらなる向上が期待されています。
マーケティングテクノロジースタックの統合
マーケティングテクノロジースタックとは、マーケティング活動を効果的に行うための一連のテクノロジーツールやソフトウェアのことを指します。
現在はマーケティングテクノロジーの進化にともない、多くのベンダーやソリューションが存在しています。
これらは独立して機能しますが、それぞれが互いに連携・統合されることでより大きな効果を発揮します。
このように複数のマーケティングテクノロジーが統合され、相互に情報を共有し、連携して働く状態を「マーケティングテクノロジースタックの統合」と言います。
このメリットを実現するためには、マーケティングテクノロジーの選定、導入、統合において、各ツールが適切に連携できる方式を採用することが重要です。
統合のプロセスは技術的な課題も含むため、専門的な知識を持った人材や運用プロセスの必要性が高まっています。
MarTechの課題について
マーテック導入にあたり、検討すべき課題も存在します。
適切なマーテックツールの選択
マーテックツールは2022年時点で9,900以上存在していると言われています。
そのため、目的に応じたツールを適切に選択する必要があります。
自社にあったマーテックツールを導入するためには、目的とニーズを明確化しておくこと、検討・懸念事項をリストアップしておくことが大切です。
①具体的な目標設定
②必要な機能
③予算
④セキュリティ面の考慮
⑤既存のツールの見直し
これらをしっかり検討した上で、マーテックツールを選定・導入することをおすすめします。
【参考ブログ】
>>MAツールの選び方|MAツールとは?おすすめのMAツール9選を紹介
>>Web担当者必見!マーケティング施策の成功に欠かせないWebサイト分析の重要性と具体的な方法~目的別おすすめツール7選~
マーテックを使いこなせる人材の必要性
マーテックツール選定や導入時、導入後において、ツールを使いこなせる人材や運用体制の確保が必要です。
具体的には、以下のような人材が必要であると考えられています。
・リサーチ力が高く、分析結果から解決策を見出す能力がある人材
・専門的な知識・スキルが高く、データ管理、データ分析、データベースなど関連技術やツールについての理解が高い人材
パーソルビジネスプロセスデザインではツール選定、導入から導入後の伴走支援の実績のある人材の提供が可能です。
【導入事例】
>>株式会社アスピット|属人的な営業組織脱却の軌跡~kintone構築からカスタマーサクセスの立ち上げまで伴走型で支援~
>>DMPを用いたデータ利活用のご支援により施策運用のPDCAが高速化した事例
【参考ブログ】
>>現場のコンサルタントが解説!2024年以降に求められるSFAの活用法とは
パーソルビジネスプロセスデザインの支援事例
他にも当社がご支援させていただいたお客様へのマーテックツール導入事例がございますので、こちらからご覧ください。
まとめ
最後に、パーソルビジネスプロセスデザインではマーテックツールの選択において専門知識を活用した調査や評価を行うなど、お客様に最適なツール提供・導入支援を行っております。
また、マーテックを使いこなせる人材育成のためのトレーニングや教育プログラム提供のご相談も多くいただきます。
経験豊富な人材による導入・運用サポートでチームのスキルアップとご成功を支援いたしますので、お気軽にご相談ください。