株式会社第一通信社 デジタル広告運用研修サービスを通して起きた社内の変化


・講談社グループが送り出すコンテンツやキャラクターによるマーケティングやライツビジネス
業務推進部門コミュニケーションプランニング部 部長 菊地悦子
業務推進部門コミュニケーションプランニング部 主任 中山優大
株式会社第一通信社は講談社グループの広告代理店。「代わりのきかないビジネスパートナーへ!」というビジョンを掲げ、長年培ってきた総合広告会社の知見とネットワークを活かして、マーケティングソリューションを提供している。
本事例のポイント
第一通信社が「デジタル広告運用&組織支援サービス」を導入した目的や当時抱えていた課題、導入後の結果はこちら。
デジタル広告運用&組織支援サービスについて
広告運用組織立ち上げに必要な人材育成・業務プロセスデザイン・運用業務の効率化・広告効果の改善を包括的に提供するサービス。また、Web広告のパフォーマンスを発揮できる組織にするために、採用すべき人材要件を明確化するサービスも提供。
導入目的
・Web広告に精通している人材の育成 ・Web広告運用者の採用強化
導入時の課題
・社内にWeb広告運用のナレッジが蓄積されていない ・Web広告運用者の採用基準が不明瞭
効果
・採用面接官のWeb広告運用リテラシーが向上 ・自社に適したWeb広告運用者の採用基準が明確化
課題
第一通信社はWeb広告運用を拡大する方針を掲げている。現在は外部パートナーと協力しており、利益率を上げるために内製化を進めている。 しかし、人材育成に課題を持っていた。 社内で一から人材育成を始めたが、Web広告運用に精通している人材が限られている、他業務が多忙などでWeb広告の学習を進めることが出来なかった。また、セミナーなどを介してインプットしても実際に運用を経験できる場が不足しているなどでWeb広告運用の強化を図れなかった。 第一通信社が先述した課題に取り組み始めた頃、広告運用自動化ツールを開発・運用するShirofune社からパーソルビジネスプロセスデザインを紹介された。
ご支援内容
Web広告運用ができる人材を確保する方法は大きく3つある。 ・育成 ・採用 ・外注(アウトソーシング) その中でパーソルビジネスプロセスデザインは「育成」と「採用」の支援を行なった。 提供したサービスは2つ。
・デジタル広告運用&組織支援サービス
・採用コンサルティングサービス
デジタル広告運用&組織支援サービス
第一通信社が週2回、1ヶ月のカリキュラムで受けた研修の内容は大きく2つ。
・広告配信に必要な知識の講義
・実践を通した報告書(レポート)作成方法
広告配信に必要な知識の講義では、 「入札オークションにおける重要なポイントとして、入札価格だけではなく、広告文やキーワード、LP内容、ページ読み込みの速さなどの品質スコアを上げることが特に重要だということを知ることができました。」と研修を受講された中山氏は話す。
また、実践を通した報告書(レポート)作成については、 「報告書を作成する際はフレームワーク“空・雨・傘”を意識することを学びました。運用型広告の実務を通した報告書作成の経験が薄いので、必要な要素がなにかを事例を交えてご教示いただいたことで、より理解が深まりました。」と語る。
採用コンサルティング
パーソルビジネスプロセスデザインは第一通信社が内製化した際、必要となる人材のポジションやスキルを研修や研修受講者との個人面談を通してお伝えした。
菊地氏は「会社の規模や状況、担当者のスキル、数回の研修中に感じていただいた”第一通信社”という会社と”コミュニケーションプランニング部”の雰囲気や部署内の人間関係なども含めて今、弊社が採用すべき人材を分析し、アドバイスしていただけたのが良かった。」と語る。
また、「Web広告に精通していない方が面接をしても問題ないようQ&Aなども提示していただいて勉強になった」ともお話しいただけた。
成果
「まだ広告配信の実務は出来ていないのですが、代理店とコミュニケーションを取る際、より目的を明確にし、KPIやCPCなど数値を意識した問い合わせができるようになりました」と中山氏は語る。
また、外部に一任していた自社の採用広告をShirofuneの活用を通して内製化する動きも出ている。
菊地氏は「特に印象に残っているのが、”Web広告運用者は孤独になりがち”という言葉。たしかに運用担当者は黙々と作業するので、周りからの評価が得られにくい。また、終わりの見えない”作業”で1日が終わりコミュニケーションをとる機会も少ないのでマネジメントする際は気をつけたい」と話す。
さらに菊地氏は、「採用コンサルティングの中でWeb運用経験者のカテゴライズが分かりやすかったです。転職を考えている方は大きく給料を上げたいと思う“ステップアップ組”、職種替えを考えている“ジョブチェンジ組”、そして職場の人間関係や組織体制に悩む“現職場不満組”と分類される中で自社がどのような人材獲得を狙うべきかを示して頂きました。加えて、Web広告運用に精通していない方が面接官になっても良いようにQ&Aを設けてくれた点も勉強になりました。」と述べる。
定量的な成果はまだ出ていないが、インタビューを通して組織がより良い方向に変化していることを感じることができた。
今後の展望
今後の展望を第一通信社に聞いた。
「もちろんマス媒体の扱いも強化していきたいが、インターネット広告費がテレビ広告費を上回る市場の中で、インターネット広告にはより力を付けていかなければなりません。並行してクッキー規制の問題など、さまざまな課題が挙げられる中、いかにしてそこを乗り越えるかがカギとなってきます。そのため、世界の動きやトレンドに常にアンテナを張りながら注力していきたいです。」と中山氏は話す。
菊地氏は「これまでも運用型広告を中心としたインターネット広告は取り扱ってきたものの、運用実務は外部にお願いしていたため、運用実務者までの距離が遠く、コミュニケーションをとる中で何か風化していってしまった部分があったかもしれません。しかし、今後Shirofuneを導入し、広告運用実務を内製化することで、クライアントおよび自社営業担当との正確な意思疎通をし、時と場合に沿った最適な広告運用を実現できるよう努めたいと思います。」と語る。 これからの第一通信社はWeb広告運用にどのように取り組むのか。
また、強みとしている4マス媒体とWeb広告を掛け合わせてどのような価値発揮をするのか、第一通信社の今後に注目したい。