カスタマーサクセスのプロフェッショナルとは?顧客起点のマインドや行動様式をご紹介

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ここ数年、カスタマーサクセスを実行する部門を組織内に作り、解約率の低減やLTV向上に取り組んでいる企業が増加しています。しかし、組織だけ作っても、カスタマーサクセスという考え方を理解し実行できる人材が複数名そろっていなければ、当初想定していた効果にはつながりません。本記事では、カスタマーサクセスのプロフェッショナルと呼ばれる人材が、どのようなマインドセットを持ち、どのようなスキルがありどのように行動しているのかを紹介いたします。

目次

1. なぜカスタマーサクセス部門にはプロフェッショナルが必要なのか

そもそも「カスタマーサクセス」という概念が世に出てきたのは、ここ数年のことです。従来の営業組織では、営業担当が新規開拓から既存顧客のフォローまですべてを実施しているケースが大半でしたが、「The Model」および「カスタマーサクセス」という概念の登場によって、営業組織のボトルネックとなりがちだった既存顧客への手厚いフォローの実現可能性が見えるようになりました。

また、従来の組織体制で発生していた営業担当の多大な業務負荷の解消も見込めるということもあり、カスタマーサクセスは多くの企業に導入されていきました。 カスタマーサクセスはもともと営業担当の業務の一つだったことから、カスタマーサクセス担当者には営業としてのスキルが必須となります。「サポートデスク」や「ヘルプデスク」との違いはこの点で、カスタマーサクセスのスキルとは既存顧客へのコンサルティング営業のスキルと近しいと言えます。

つまり、カスタマーサクセス領域で成果を上げる人材は、コミュニケーション力だけでなく営業領域にも一定の専門性を持った人材となり、このようなプロフェッショナル人材を複数名そろえることが、カスタマーサクセス組織で効果を出すためには必要だということがわかります。

次の章からは、カスタマーサクセスのプロフェッショナル人材に必要なマインドセットやスキル、行動について解説していきます。

2. カスタマーサクセスのプロフェッショナルとは|顧客中心のマインドセット

カスタマーサクセスのプロフェッショナルが持つ最も基本的かつ最も重要な要件は、何と言っても「顧客中心のマインドセット」に尽きます。カスタマーサクセスは、自社プロダクト・自社サービスをうまく活用して、顧客に当初の想定以上の成果を上げていただくための組織です。

よって、カスタマーサクセスのプロフェッショナルは、どうすれば顧客が目標を達成できるのか、どうすればもっと活用してもらえるのかを、顧客のおかれた状況を念頭において常に考え続ける必要があります。

次章以降ではカスタマーサクセスのプロフェッショナルに必要なさまざまなスキルについて触れていきますが、そのスキルを扱う根底となるのは、あくまでも「顧客中心」のマインドを持っていることです。 解約率の低減、アップセルやクロスセルの実現、LTVの向上などは、まずは「顧客中心」のマインドセットをカスタマーサクセス組織全体に醸成し、そのうえで専門スキルを発揮することで、はじめて実現が期待できるものです。

顧客の成功を心から喜べる人材こそが、カスタマーサクセスのプロフェッショナルにふさわしいと言えるでしょう。

3. カスタマーサクセスのプロフェッショナルとは|データに基づく洞察力と判断力

カスタマーサクセス組織がうまく稼働するためには、顧客のサービス利用率やログイン頻度などの様々な顧客データが常に把握できる環境を整える必要があります。 そのうえで、顧客の行動を読み解き推察して、適切なアプローチをとり続けることが、解約率の低減につながっていきます。

つまり、カスタマーサクセスのプロフェッショナルには、様々なデータから顧客の考えや状況を洞察する力や、それを解決するためにいつどのように行動すべきかを判断する力が必須となります。

たとえば、利用状況が安定しない、もしくは低迷してきた顧客には、電話や面談など可能な範囲で1to1コミュニケーションをとり、解約リスクを取り除いてあげることが効果的ですが、顧客規模にあわせてハイタッチ、テックタッチなどのアプローチを判断することが重要です。

解約阻止のために適切なアプローチを行う際は、ヘルススコア管理をすることが一般的ですが、サービス特性上ヘルススコア管理が難しい場合や、これからヘルススコア管理を始めるといったフェーズであれば、サービス利用データやカスタマージャーニーマップを用いて、顧客がストレスを感じているであろう点、サービスを利用する上でつまづきやすいポイントの整理が必要です。

どの顧客に、いつ、どのようなアプローチをすべきかを、カスタマーサクセスチーム内で共通認識として持つうえでも、カスタマージャーニーマップは有効です。

4. カスタマーサクセスのプロフェッショナルとは|積極的なコミュニケーションと関係性構築

カスタマーサクセスのプロフェッショナルが身につけている行動としては、積極的・能動的なコミュニケーションと関係性構築力が挙げられます。

前述のとおり、カスタマーサクセス部門は営業組織の担当業務を細分化して誕生したものなので、カスタマーサクセスの担当者には営業担当としてのコミュニケーション力が求められます。 利用率やログインデータから洞察することも大切ですが、同時に、データに現れにくい顧客特有の事情をキャッチアップしていくことも非常に重要です。

このような顧客特有の事情は、カスタマーサクセス担当者から積極的・能動的にコミュニケーションをとっていかないと把握できないケースも多く、そのような情報をいかに早いうちにつかみ対策を打てるかが、解約率低減のカギになることもあります。
また、こちらから積極的にコミュニケーションを取りに行くだけでは顧客が本当のことを話してくれるとは限りません。 「この人なら大丈夫」と思っていただけるような関係性を構築できてこそ、パートナーとして顧客の成功に伴走することができるのです。

カスタマーサクセスのプロフェッショナルの多くは、このような関係性構築力を身につけています。

5. カスタマーサクセスのプロフェッショナルとは|問題解決能力とプロアクティブなアプローチ

カスタマーサクセスのプロフェッショナルに欠かせないスキルと行動として、問題解決能力とプロアクティブなアプローチも挙げられます。
一言で「顧客の成功」と言っても、それを実現するためには多くの場合、多様な困難が待ち受けています。
システムの壁、組織の壁、予算の壁、担当者のスキルや知識不足など、困難の種類は多岐に渡るうえ、多くの場合それらは単一ではなく複数の要因が複雑に絡み合っているものです。

これらを乗り越えるためには、カスタマーサクセス担当者と顧客側の担当者だけの力では難しいというケースもあるかもしれません。 そのような場合でも、難しいからと言って諦めるのではなく、顧客側の別部署の方とつないでもらう、別のパートナーを交えてみる、勉強会を実施してみるなど、様々な手段を組み合わせて活用すれば、立ちはだかっている問題が解決できるかもしれません。

カスタマーサクセスのプロフェッショナルには、諦めずに解決手段を探り実行する問題解決能力が求められます。 そして、問題を解決するためには、解決を待っているのではなくプロアクティブに行動することが必要です。

前章で述べた積極的・能動的なコミュニケーションにも通じますが、自ら顧客の課題を探り解決策を提案し伴走していくことが、カスタマーサクセスのプロフェッショナルに求められる必須の行動と言えるでしょう。

まとめ

いかがでしたか? 本記事では、カスタマーサクセスのプロフェッショナル人材が、どのようなマインドセットやスキルを持ちどう行動しているのかについて解説していきました。
カスタマーサクセスのプロフェッショナル人材が常に複数名存在する状態を作ることができれば、自社サービスの顧客満足度は格段に向上するでしょう。
しかし、そのような人材を社内のみで育成していくというのは、到底短期間で実現できることではありません。

パーソルビジネスプロセスデザインは、独自メソッドを活用し、社内のカスタマーサクセス人材の育成に貢献していきます。
さらに、本記事で述べたようなマインドセットやスキルを持ったプロフェッショナル人材による実行支援サービスも提供しております。
カスタマーサクセス組織の強化をご検討の際は、ぜひご相談ください。

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