リスキリングで学びたいデジタルマーケティング~補助金や注目の背景を解説~

Marketing Sales

最近よく耳にする「リスキリング」という言葉。今一つピンときていない方も多いのではないでしょうか?
本記事では、リスキリングでデジタルマーケティングを学びたい(学ばせたい)という法人の方向けに、リスキリングの定義や注目されている背景、デジタルマーケティングを学ぶべき理由、リスキリングをサポートする補助金について解説します。

目次

  1. 1. リスキリングとは?
  2. 1-1. リスキリングの定義
  3. 1-2. リカレントとの違い
  4. 2. リスキリングが注目されている背景
  5. 2-1. DXの浸透
  6. 2-2. 政府がリスキリングを推進
  7. 3. デジタルマーケティングこそリスキリングで学ぶべき理由
  8. 3-1. デジタルマーケティング人材の採用が困難
  9. 3-2. マーケティング部以外の社員との相乗効果が期待できる
  10. 4. リスキリングを支援する補助金・助成金
  11. 4-1. DXリスキリング助成金(東京都)
  12. 4-2.事業展開等リスキリング支援コース(厚生労働省)
  13. 5. まとめ

 

1.リスキリングとは?

リスキリング(re-skilling)とは、一言でいうと「現在の職務とは異なる、新たな分野のスキルを獲得する(させる)こと」を指します。

1-1.リスキリングの定義

リスキリングについて、経済産業省は以下のように定義しています。
「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」
参考:経済産業省の資料『リスキリングとは―DX時代の人材戦略と世界の潮流―』

つまり、市場ニーズに適合するため、保有している専門性にプラスで新たなスキルを獲得し、自身の専門性を太く、変化に対応できるようにする取り組みのことを言います。

近年では、DXが世界的に加速していることもあり、リスキリングと言うと、デジタル技術やデータ活用に精通している「デジタル人材」の育成を指すケースが見受けられます。

1-2.リカレントとの違い

リスキリングとリカレントの一番大きな違いは、「主導が企業なのか個人なのか」という点です。
リスキリングは社内の業務に必要な知識やスキルを、企業主体で従業員に対して行われるもので、従業員は会社で働きながら新しいスキルを学びます。一方リカレントは、基本的に従業員が自分の意思で一旦仕事から離れて、大学やビジネススクールなどの教育機関に通って学ぶことを指します。

2.リスキリングが注目されている背景

最近よく耳にするようになった「リスキリング」。なぜ注目されているのでしょうか。
リスキリングが注目され始めた背景をご紹介します。

2-1.DXの浸透

リスキリングが注目される大きな理由の1つに、DX(デジタルトランスフォーメーション、デジタル変革)の促進があげられます。
人々の生活様式はデジタル化が進んできており、コロナウイルスの流行なども相まって、多くのサービスがWeb上で享受できるようになりました。
デジタル化が進むことで人々の生活は便利になっていく一方、自社サービスのWeb化対応に遅れた企業は死活問題でありその存続が危ぶまれてしまいます。
そのため企業におけるDX推進が急務であり、実現するために、デジタル技術を持つ人材の育成、つまりリスキリングを促す必要があるのです。

2-2.政府がリスキリングを推進

2020年のダボス会議(世界経済フォーラムの年次総会)で、「リスキル革命」が主要な議題に上りました。「第4次産業革命により、数年で8000万件の仕事が消失する一方で9700万件の新たな仕事が生まれる」そのため、企業が必要な人材を確保するにはリスキリングが鍵となるという内容です。
国内でも、2022年10月、秋の臨時国会における所信表明演説で、「リスキリング」の支援に今後5年間で1兆円の予算を投じる方針が示されました。
岸田文雄首相は、「新しい資本主義」を実現するために「人への投資(リスキリング)」が「第一の柱」となるという考えを示しています。
ビジネスの変化が激しく、求められるスキルも変わってくる時代に、企業はリスキリングを導入する必要性に迫られています。

3.デジタルマーケティングこそリスキリングで学ぶべき理由

リスキリングと一口に言っても、何を学ぶかは企業の課題によりさまざまです。
本記事では、リスキリングで「デジタルマーケティング」を学ぶことをおすすめします。
なぜデジタルマーケティングを学ぶべきなのか、説明していきます。

3-1.デジタルマーケティング人材の採用が困難

デジタルマーケティングを学ぶべき理由の一つに、「デジタルマーケティング人材の採用が困難」という背景があります。
近年の急速な市場のデジタル化に伴い、実店舗のみでなくインターネット上の顧客の購買行動を分析し、ユーザーの幅広いニーズを捉えることが、企業の成長に必要不可欠です。
ところが、いざデジタルマーケティングに本腰を入れようと採用活動を始めても、「求めるスペックの人材が労働市場にいない・実務経験者が極端に少ない」という理由から、即戦力となる人材の採用は難航することが多いです。
そのため、デジタルマーケティング人材は採用するだけでなく、自社で人材を育成することも重要です。

3-2.マーケティング部以外の社員との相乗効果が期待できる

前述したように、リスキリングとは「現在の職務とは異なる、新たな分野のスキルを獲得する(させる)こと」です。
デジタルマーケティングは「マーケティング部以外の社員の知識と相乗効果を期待できる」という点から、リスキリングに向いています。
デジタルマーケティングを自社の社員に学ばせ、既存のスキルや商品知識・事業理解などと掛け合わせることで、多角的に物事を捉えられ、今まで思いつかなかったようなアイデアが生まれる可能性もあります。

〇営業×デジタルマーケティング
営業担当者はリアルなお客様像を知っているため、マーケティングの基本フレームワークなどを学ぶことで、自身の営業戦略に応用することができるでしょう。
またSFAやマーケティングオートメーションを学ぶことで、営業の効率化やデータを用いた戦略的な営業活動が可能になります。マーケティングを学ぶことで、思考の整理や分析に便利で、さまざまな角度から予測を立てることができ、より納得感のある営業戦略を立てられるようになることが期待できます。

〇エンジニア×デジタルマーケティング
一言でエンジニアといってもさまざまですが、例えばプロダクト開発であれば、選ばれるサービスを作ることが大切です。マーケティングを意識して顧客のニーズを調査することで、開発時の全体像が見えてくるでしょう。
またデータエンジニアにおいても、その後のマーケティングでのデータの使われ方を知っておくことで、より実用的な環境を構築することに繋がります。
エンジニアもマーケティングの視点を持っていることで、より効率的に開発を進められるメリットがあります。

>>デジタルマーケティング担当者の「スキルチェックシート」

4.リスキリングを支援する補助金・助成金

これまで説明してきたように、これからの時代にリスキリングは必要不可欠であることから、国を上げて様々な取り組みが推進されています。その中の一つが、リスキリングに関する補助金です。
自治体によって様々な種類の補助金がありますが、今回は法人向けの2つの補助金制度についてご紹介します。

4-1.DXリスキリング助成金(東京都)

DXリスキリング助成金とは、東京都の実施する施策で、都内中小企業等が実施するDXに関する従業員教育(職業訓練)にかかる経費を助成する制度です。
概要について下記にまとめました。詳細は募集要項にてご確認ください。

◎申請できる者

給付を受けるには、都内に本社又は事業所(支店・営業所等)の登記がある中小企業もしくは個人事業主、かつ下記の東京都が定める条件に該当している必要があります。

◎給付要件

・都内に本社又は事業所(支店・営業所等)の登記があること
・訓練に要する経費を従業員に負担させていないこと
・助成を受けようとする訓練について国又は地方公共団体から助成を受けていないこと 等

◎助成対象となる訓練の要件

【目的】DXに関する専門的な知識・技能の習得と向上を目的とする訓練又は資格の取得をするための訓練
【形態】中小企業が自社内に外部講師を招いて実施する訓練、及び民間の教育機関等が提供する集合又はeラーニング等により実施する単講座・オーダーメイド講座であること

◎申請の流れ

交付申請書を提出

交付決定の通知後、訓練実施

実施報告書を作成
※助成金の支給額は、訓練後に提出された実績報告書の審査の後に確定

助成金請求書を提出

4-2.事業展開等リスキリング支援コース(厚生労働省)

「事業展開等リスキリング支援コース」は、新規事業の立ち上げや企業内のDX化を推進するにあたり、事業主が雇用する労働者に対して新たな分野で必要とされる知識やスキルを習得させるための訓練を実施した際に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成する制度です。
概要について下記にまとめました。詳細は募集要項にてご確認ください。

◎申請できる者

下記すべての要件を満たしている、申請事業主における被保険者

◎給付要件

・新たな分野で必要となる専門的な知識及び技能を習得させるための「訓練」もしくは、企業内のDX化/カーボンニュートラル化を進めるために必要となる知識及び技能を習得させるための「訓練」であること
・OFF-JT(企業の事業活動と区別して行われる訓練)であること
・実訓練時間数が10時間以上であること

◎助成対象となる訓練の要件

下記①②いずれかの条件に当てはまり、訓練時間が10時間以上の訓練が対象になります。
① 事業展開を行うにあたり、新たな分野で必要となる専門的な知識及び技能の習得をさせるための訓練
※事業展開:訓練開始日から起算して、3年以内に実施される予定のもの又は6か月以内に実施したものに限る
② 事業展開は行わないが、事業主において企業内のデジタル・デジタルトランスフォーメーション(DX)化やグリーン・カーボンニュートラル化を進める場合に、これに関連する業務に従事させる上で必要となる専門的な知識及び技能の習得をさせるための訓練

◎申請の流れ

訓練開始日から起算して1か月前までに、「職業訓練実施計画届」などの作成

訓練の実施

訓練終了日の翌日から起算して2か月以内に、支給申請書の提出

助成金の支給決定または不支給決定

5.まとめ

今回は、リスキリングが注目されている背景とデジタルマーケティング×リスキリングのおすすめポイント、リンスキリングに関する補助金制度についてご紹介いたしました。

世界的なデジタル化の動きもあり、リスキリングは企業の成長において必要不可欠です。
その中でも「デジタルマーケティング」は、マーケティング部以外の社員との相乗効果も期待できるため、リスキリングにおすすめです。

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