工数管理が必要な理由とは?メリットからエクセル使用時の流れまで

現在、多くの会社や各事業で業務の効率化を図るために行われている「工数管理」。
工数とは、「ある仕事を終わらせるのにかかった時間」×「人数」という計算式によって算出されるもので、これを可視化して管理することを「工数管理」といいます。
言い換えると、人日や人月という単位を用いて「プロジェクトや事業ごとの作業時間」を管理することです。

この記事では、会社にとって工数管理が必要な理由と、エクセルを使用した工数管理の流れを解説していきます。

1.工数管理が必要な理由とは?

会社内で複数のプロジェクトや事業が行われている場合、当然それぞれに売上や利益があり、コストがかかっているでしょう。
会社全体の利益を上げるためには、全体の収支を把握するだけでなく、社内で行なっている各プロジェクト・事業の収支を算出し、改善できる箇所を見つけていく必要があります。

つまり、プロジェクトや事業ごとのコストを可視化し改善点を明らかにできる工数管理は、会社全体の利益を上げるために必要なものなのです。

2.工数管理を行う4つのメリット

工数管理を行うことで労働時間の可視化ができ、会社全体の利益アップにつながると説明しましたが、具体的にどのような形で役に立つのでしょうか。
以下に、工数管理を行う4つのメリットをまとめました。

2-1.スケジュールの調整がしやすくなる

大きなプロジェクトの場合、大勢の従業員の状況を個別の連絡によってその都度把握・調整するのは難しいでしょう。
「あの人なら大丈夫だろう」と感覚的に決めたスケジュールによって、特定の人に負荷が偏ったり、そこがボトルネックとなってスケジュールが遅延したりすることも起こり得ます。

工数管理を行うと、各従業員の担っている仕事の量や作業効率、進捗状況を把握することができます。
この管理データを元に、誰にどのようなタスクを、いつまでにどれくらい振れば事業が上手く回るのか判断すれば、業務をより効率的に遂行することが可能になるのです。

また、万が一予想外のトラブルが起こったり急な業務が発生したりした場合も、全体の工数をかしかしておくことでスケジュールの調整が容易に行えるため、早期の対応がしやすくなるというメリットもあります。
通常時の業務の配分に役立つのはもちろん、不測の事態への対策にもなるのです。

2-2.生産性の向上が期待できる

工数管理をするとプロジェクト全体の工数はもちろん、各従業員の作業効率や進捗が可視化されます。
工数ごとの細かな状況が把握できると、「次回から工程Aにかける時間を減らす」「工程Bの担当者に負荷がかかっていたので人員を増やす」など、具体的な改善案を考え、よりよい作業体制を構築することが可能になるのです。

また、作業体制の改善が行われ業務量の過不足が調整されれば、各従業員の生産性の向上にも繋がります。
生産性向上による売上の増加やプロジェクト進行の円滑化、さらには過剰な残業代などの人件費の削減が期待できるでしょう。

2-3.成果の可視化でモチベーションが上がる

工数管理を行うと、従業員自身が作業効率や工数実績といった「働きぶり」を数字で確認することができるため、モチベーションの向上にもつながります。
各従業員が自ら業務の効率化を図ると、本人の業績や実績の上昇が実現するだけでなく、会社全体にも利益をもたらす結果となるでしょう。

また、従業員が多い職場の場合、管理職が全てを把握し、一人ひとりに細かな指示を出すのは難しいことです。
しかし工数管理を行えば、各従業員が自身の問題点や携わるプロジェクトの効率化について、自主的に考える機会が生まれます。
内部や現場からの改善が積極的になされ、組織が成長していくことも、工数管理の大きなメリットのひとつといえるでしょう。

2-4.データの蓄積で計画・見積もりの精度が上がる

工数管理を毎月行っていると、プロジェクトや各従業員に関する細かなデータが蓄積していきます。
過去のプロジェクトと類似の案件を行うことになった際、この蓄積したデータが、精度の高い作業計画や見積もりの作成に役立つのです。

また、従業員自身が過去のデータを確認することで、自分の問題点や作業スピードを振り返ることも可能です。
前回の反省等を踏まえれば、より効率的に業務に取り掛かることができるようになるでしょう。

3.エクセルで工数管理は可能?

事業やプロジェクトを進行する上で重要な役目を果たす工数管理は、専用のツールで行うこともできますが、エクセルを一覧表のように使用する方法も一般的です。

どのツールを使用するか迷っている方は、まずは簡単に行えるエクセルでの工数管理をお勧めします。
エクセルを使って工数管理を行う際のメリットとデメリットは以下の通りです。

メリット
  • すぐにでも導入できる
  • 比較的安価で利用できる
  • 使い慣れている人が多く操作に抵抗がない
  • 項目やフォーマットを柔軟にカスタマイズできる
  • 関数やリンク機能でタスクを紐付けし、ファイルを一元管理することができる
  • Googleスプレッドシートで簡単に共有でき、複数人で管理を行える
デメリット
  • 複雑な管理業務には機能的な限界がある
  • 複雑な式が組まれた場合、属人性が高くなる
  • 工数管理の方法は自分で考える必要がある
  • 多数のプロジェクトを同時管理する場合、エクセルファイルの管理が煩雑になる
  • 使用データ量が大きすぎると、ファイルが壊れる可能性もある
  • 共有ブック機能を利用した場合、操作内容に制限がかかる

メリットとしては、ソフト自体が一般的であるゆえ、操作に抵抗がなく、比較的コストを抑えて手軽に導入できるという点が大きいでしょう。
一方で、工数管理専門のツールでないため、機能不足や属人性がデメリットとなり得ます。

実際にエクセルを使用して工数管理を行う際の流れは、次の項目にて詳しくご説明していきます。

3-1.エクセルを使用した工数管理の流れ

エクセルを使用して工数管理を行う際の流れは、以下のとおりです。
あくまでも一例ですので、参考程度にしながら各プロジェクトに合った管理方法を探してみてください。

1 プロジェクトに携わる人数分のエクセルファイルを準備する
2 管理者が1列目にプロジェクト名を記入する
3 管理者が1ヶ月分の日数をエクセルの1行目に記入する
4 各メンバーが自分のファイルに毎日の作業時間を記入していく
5 1ヶ月分(または決められた一定期間)の入力が完了したら、管理者が1つのシート上にすべてのデータをまとめる
6 まとめたデータを元に別シート上でピボットテーブルを作成する
7 ピボットテーブルは、行ラベルにメンバーとプロジェクトを記入する
8 その月の1日~月末までのデータを「値」の欄に登録する
9 「値」を登録すると、「データの個数」が表示されるので、「値フィールドの設定」を選択し「合計」に変更する
10 その月の1日~月末までの勤務時間が表示され、各メンバーの1日あたりの勤務合計や、プロジェクトにかけた時間が可視化される
11 「オプション→数式→集計フィールド」で新たにメンバーごとやプロジェクトごとのピボットテーブルも作成し、各データの集計や現状・改善点の分析を行う
12 毎月データ収集を続けて分析を重ね、業務の効率化を図っていく

まとめ

一人で複数のタスクを処理する必要があるビジネス環境では、各自がアナログでタスク管理を行なっていると、状況を可視化して共有することができず、プロジェクトの円滑化を図るのが難しくなってしまいます。
オンラインでの工数管理は、管理者と従業員の両者が、仕事を効率的に進められる環境を構築するための作業。
会社全体の利益につながるのはもちろん、個人の業績上昇やそれに伴う給与の増加にも役立つのです。

工数管理を行うためのツールは複数ありますが、まずは導入の簡単なエクセルを試用し、データの収集・分析を行なってみてはいかがでしょうか。

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