HubSpotの価格大解剖!各Hubの料金プランを徹底比較~2024年3月の価格改訂の内容とは?~
無料プランがあり小規模から導入しやすいHubSpotですが、無料プランのほかにもトライアルや機能に応じた3つの有料プランがあり、どのプランが自社に合うか迷われている方も多いかと思います。
本記事ではHubSpotの料金体系の解説と各Hubの価格(料金プラン)を紹介します。2024年3月の価格改訂情報も反映していますので、参考にしてください。
目次
- 1. HubSpotとは
- 2. 各Hubの価格(料金プラン)
- 2-1. Marketing Hub
- 2-2. Sales Hub
- 2-3. Service Hub
- 2-4. CMS Hub
- 2-5. Operations Hub
- 3. CRM Suite(カスタマープラットフォーム)とは
- 3-1. CRM Suite(カスタマープラットフォーム)の料金プラン
- 3-2. CRM Suite(カスタマープラットフォーム)がおススメなケース
- 4. どのプランを選ぶ?選定ポイント
- 4-1. 忘れてはいけない導入支援費用
- 4-2. 自社に合ったプランの選定ポイント
- 5. まとめ
1. HubSpotとは
HubSpotは、2006年にアメリカで設立されたソフトウェア企業で、インバウンドマーケティングの先駆者として広く認知されています。
このプラットフォームは、CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)を中心に、5つのHubが連携して構成されています。
これらのHubは、企業が顧客とのつながりを強化し、ビジネスを拡大するための多様な機能を提供します。
単体でも業務の効率化が見込めますが、各Hubを組み合わせることで施策の幅が広がり、さらに大きな効果が得られます。
これらの機能を一元化した「一気通貫」の提供により、HubSpotは営業・マーケティング活動の効率化に取り組みたい企業にとって最適なツールとなります。
出典:HubSpot「HubSpotとは?」
HubSpotの主な特徴:
・インバウンドマーケティング支援(マーケティング初心者でも利用可能)
・CRM(顧客関係管理)は無料で提供
・日本企業の導入も加速
・スモールスタートに適している
・営業DX(ビジネス成長をデータで見える化)
HubSpotの各Hubについての説明はこちらもご覧ください。
>>HubSpotとは?主な機能と使い方を解説
2. 各Hubの価格(料金プラン)
各Hubの価格の前に、まずは全体の料金プランの構成について説明します。
各Hubには利用できる機能の幅に応じて3種類の有料プランがあります。無料プラン*でもある程度は活用できますが、有料プランではより多くのコンタクト(顧客情報)に対して、詳細かつ効率的にマーケティングや顧客管理などを実施できます。
※ 無料プランはMarketing Hub・Sales Hub・Service Hubのみ
3種類の有料プランの違いは、大きく分けると以下のようになります。
・Starter:初めて導入する企業に最適で手頃な価格のプラン
・Professional:営業やマーケティング活動を本格化させたい企業向けのプラン
・Enterprise:大規模な顧客基盤や営業チーム・カスタマーサポート、外部サーバーや会員サイトの構築を検討している企業向けプラン
また、2024年3月5日にHubSpot社が発表した新価格体系によると、3月5日以降に新規契約する際の料金が改訂されました。各Hubの新旧価格は以下のようになります。
※ すでに契約している方の料金変更はありません
参考:HubSpot「HubSpotの新しい価格体系のご紹介」をベースに作成
比較表を見るとStarterプランが軒並み高くなっています。
Sales Hub、Service Hubが大きく値下げされたように感じますが、もともと2アカウント込みのセット価格だったものが、1アカウントから契約できるようになったためです。
この変更に伴い、これまでの料金体系に加えて新たに2つのアカウント(シート)料金が登場しました。
・コアシート
これまでアカウントは無料と有料アカウントの2種類があり、データの閲覧のみの無料アカウントと、有料プランに含まれるフルコントロールのアカウントが主でした。
今回新しく追加された「コアシート」は、有料プランに含まれるアカウントと同様の権限を持つもので、Marketing Hub・CMS Hub・Operations Hubに適用されており、各プランごとの料金は以下になります。
つまり、有料プランを契約していて、一つ上のプランに変更するほどではないがアカウントだけ増やしたいといった場合に有用です。
・Salesシート/Serviceシート
Sales HubとService Hubは、これまでのように有料プランに一定数のアカウント(シート)が含まれる構成から変更され、各プラン1アカウント(シート)からの契約になりました。
この2つのHubについてはコアシートが適用されないため、アカウントを追加するごとに契約時と同額の料金が発生します。
例)Sales HubをProfessionalプランで5アカウント契約した場合
12,000円×5シート=60,000円/月
上記の例のように旧価格(Professionalプラン:5アカウント込み)と同じアカウント数を契約した場合は料金に差はありません。
ところがEnterpriseプランになると、もともと旧価格には10アカウントが含まれていたのですが、新価格では8アカウント分で同じ金額になり、9名以上で利用すると割高になってしまうことになります。
それでは各Hubのプランごとの価格について見ていきます。
2-1.Marketing Hub
Marketing Hubの主な機能は以下になります。
・リード(見込み顧客)管理
・メールマーケティング
・ブログ記事とWebページのSEO
・フォーム・ランディングページ(LP)作成
・SNS管理 ・広告管理
・アナリティクス
プランごとに比較してみると、無料プランからStarterプランになるとランディングページやフォームからHubSpotのロゴが削除され、メール配信数などの上限数の引き上げやメールとアプリ内のチャットサポートが利用できるようになります。
さらに上位のProfessionalプランでは「オムニチャネルマーケティングの自動化機能」が利用できるようになります。これは直観的なワークフロー機能やボット作成ツールを使用して、Eメールや広告などのキャンペーンを自動化する機能です。リードが資料ダウンロードページにアクセスしたらCRMで新しいタスクを割り当てるといった、マーケティングとセールス全体の業務自動化が可能で、他にもより高度なレポートやソーシャルメディアなど本格的な機能が使えます。
Enterpriseプランでは、リードのスコアと優先順位を判断する「予測リードスコアリング」や「カスタマージャーニーアナリティクス」などの機能が使えるようになります。こちらは大規模な顧客基盤を持ち、高度なマーケティング機能を必要とする企業に適したプランです。
各プランの機能比較一覧は以下でご確認ください。
2-2. Sales Hub
Sales Hubの主な機能は以下になります。
・商談管理
・メールテンプレート&トラッキング
・コール&コールトラッキング
・セールスレポート
・セールスオートメーション
・HubSpot AI
プラン比較では、無料ツールからStarterプランになると、リードが営業プロセスを通過する過程でタスクや通知を自動化したり、HubSpotアカウント内からの通話時間の上限の引き上げなどができます。
Professionalプランでは、より高度な機能を活用できます。例えば、決められた期間内における目標を達成できるかどうかを予測する「フォーキャスト」という機能や、アプローチやフォローアップなどのタスクの自動化、Salesforceとの連携、より詳細な分析などが行えるようになります。営業部門がリードに優先順位をつけフォローアップ作業を自動化できるため、営業活動の効率化が望めます。
Enterpriseプランでは、Professionalプランの機能に加えて、「チームの整理」や「予測リードスコアリング」などが可能になります。
各プランの機能比較一覧は以下でご確認ください。
2-3. Service Hub
Service Hubの主な機能は以下になります。
・カスタマーポータル
・チケット/問い合わせ管理
・Webチャット
・レポート機能
・ナレッジベース作成
・顧客フィードバックアンケート
・コミュニケーションインテリジェンス
Starterプランを契約すると、Webチャットとミーティング設定からHubSpotロゴが削除され、受信したチャットやEメールの自動割り当てや受信トレイの問い合わせからチケットの自動作成ができます。顧客からの問い合わせの管理やリソース・販促資料をまとめたライブラリーの作成などが可能です。
Professional以上では、さらなる業務の効率化に加えて、ナレッジベースの作成や4種類の顧客アンケート作成など、顧客が課題解決できる環境づくりとフィードバックを受ける仕組みの構築が可能になります。
各プランの機能比較一覧は以下でご確認ください。
2-4. CMS Hub
CMS Hubの主な機能は以下になります。
・ウェブサイトテーマ(テンプレート)
・ドラッグ&ドロップエディター
・SEO推奨(アドバイス)
・標準SSL証明書
・Webサイトのパフォーマンス監視
・コンタクト アトリビューションレポート
Starterプランでは、Webサイトテーマやドラッグ&ドロップエディターなどの機能が利用できます。無料プランとStarterプランの機能で、Webサイト作成の必須要件をほぼ満たしています。
Professionalプランでは、SEOアドバイスやABテストといった豊富な機能が使えます。特に「スマートコンテンツ」はCMS Hub特有の機能で、CRMのデータをベースに訪問者に合わせたコンテンツを表示することができ、コンテンツマーケティングに注力したい場合に便利な機能です。
各プランの機能比較一覧は以下でご確認ください。
2-5. Operations Hub
Operations Hubの主な機能は以下になります。
・データ同期 ・プログラマブルオートメーション
・データ品質管理オートメーション
・ダッシュボード&レポート作成ツール
無料プランでも既存データの双方向の同期はできますが、有料プランにすると「カスタムフィールドマッピング」や「フィルタリング」といった高度な同期処理が利用できます。
またProfessionalプランでは、業務プロセスを自動化する「プログラマブルオートメーション」が利用できるようになり、シンプルなインターフェースで直観的な操作ができます。JavaScriptやPythonで高度な操作も可能です。
さらにEnterpriseプランでは「データセット」機能が利用できるようになります。これはレポート作成時に使用頻度の高い加工データを定義しておき、いつでも迅速に引き出せるよう設定する機能です。すぐにレポートが作成できるため、生産性の高い業務に注力できます。
各プランの機能比較一覧は以下でご確認ください。
3.CRM Suite(カスタマープラットフォーム)とは
料金プラン比較の際に抑えておきたいのがこのCRM Suite(カスタマープラットフォーム)です。カスタマープラットフォームは、Marketing・Sales・Service・CMS・Operationの各機能を備えたパッケージプランです。
各Hubの有料プランを組み合わせるよりも安くなるうえに、より多くの機能を使うことができます。
3-1. CRM Suite(カスタマープラットフォーム)の料金プラン
カスタマープラットフォームの料金プランの内訳は以下のとおりです。ProfessionalプランとEnterpriseプランで利用できる機能はHubSpotのサイトをご覧ください。
HubSpot「カスタマープラットフォーム」
3-2. CRM Suite(カスタマープラットフォーム)がおススメなケース
先述したとおり、カスタマープラットフォームは各Hubの機能を備えたパッケージプランです。Hubを組み合わせて利用する場合、3種類以上を組み合わせて契約するよりもカスタマープラットフォームの方がお得になります。
またcookie管理ツールなど単独のHubにはない機能も搭載していますので、組み合わせて導入を検討している方にはこちらをおススメします。
4.どのプランを選ぶ?選定ポイント
では各Hubを利用するにあたり、どのプランが自社に合っているかはどこで判断すればいいでしょうか。
4-1. 忘れてはいけない導入支援費用
プラン検討の前に知っておきたいのが導入支援費用です。これはMarketing・Sales・Service の各HubのProfessionalプランとEnterpriseプランを導入する際に必ずかかる費用です。
4-2. 自社に合ったプランの選定ポイント
①ビジネスニーズにマッチしているか
まずは、自社のニーズと利用ユーザーを確認しましょう。HubSpotで解決したい課題は何か、分析したいデータの内容と量、営業やマーケのほかに誰が利用するのか、といった項目を明確にすることで、どの機能がどこまで必要かがわかります。
②必要な機能が揃ったプランはどれか
①で棚卸した機能について、どのプランが適当かを比較検討します。例えばデータ量が少なければStarter、多ければProfessionalやEnterpriseの検討になりますが、単にデータ量だけでなく、商談化率が低いという課題であればMarketing HubとSales Hubを組み合わせる、といった検討も必要になります。
③サポートとトレーニングはどこまで必要か
HubSpotはカスタマーサポートとトレーニングが充実していますが、これもプランによってグレードが分かれます。ツール初心者が多く、プラン内のサポートとトレーニングでは足りないと感じる場合は、HubSpot社公認のパートナー企業のサポートを検討してみても良いでしょう。
④無料プラン・トライアルの活用
無料プランでは各Hubの基本機能を利用できます。
また各プランには無料トライアルが用意されています。StarterプランとProfessionalプランは14日間、Enterpriseプランは30日間の無料トライアルがあります。どのプランが自社に合っているか、まずはトライアルで試してみましょう。
⑤HubSpotパートナー企業に相談する
HubSpotには公認のパートナー企業が多数あり、導入支援だけでなく運用やサポートなどのサービスも実施しています。どのプランにするか迷ったら、パートナー企業に相談するのも良いでしょう。
5.まとめ
HubSpotの料金体系の解説と各Hubの価格(料金プラン)、選定ポイントなどを紹介しました。
HubSpotはオールインワンの特性と高度なカスタマイズ性により、企業の業務効率を飛躍的に向上させる強力なツールです。これからHubSpotの導入を検討されている方やリプレイスを考えている方は、手始めに無料プランで操作性を体験し、自社の用途に応じてトライアルで機能の過不足や相性を確認し、プランを検討するという、堅実な選択ができることも魅力の一つです。
弊社もHubSpot社の公認パートナー企業ですので、ご不明点がある場合やお困りの際はぜひご相談ください。