休眠リード掘り起こしで受注率拡大〜MAツール×インサイドセールスの復活手法〜
受注率を高めたいのに思うような結果を得られないという悩みを抱えていませんか?
多くの企業様は受注率を高めるために、新規リードを獲得しようと新規セミナー回数を増やしたり、新規コンテンツを増やすといった行動を取ることが多いです。
実は、顧客全体の約7割を占めると言われている「休眠リード」の掘り起こしを行う方が新規リードを獲得するよりも受注率が高いと言われています。
本記事では「休眠リード」に焦点を当て、MAツールとインサイドセールスを掛け合わせ、どのように掘り起こしを行うのか詳しく説明します。
目次
- 1. 休眠リードとは
- 2. MA×インサイドセールスによる休眠リードの復活戦略
- 3. 休眠リードのステージ遷移と育成手法について
- 4. MA×インサイドセールスによる休眠リードの復活事例
- 5. まとめ
1.休眠リードとは
休眠リードとは、過去に商談を進めていたなどの接点があったが、
その後一定期間、何も接点がない見込み顧客のことを言います。
休眠リードとなる期間は、扱う商材によって必要になるスパンが異なるため、
企業ごとや商材ごとに設定する必要があります。
「商談が進まない」「検討中から自然消滅した」などの理由から
顧客との接点が継続できなくなり、その状態が一定期間経つと休眠リードとなります。
2.MA×インサイドセールスによる休眠リードの復活戦略
マーケティングオートメーション(以下「MA」)とインサイドセールスを連携することで、
休眠リードの掘り起こしを行い、成果創出につなげる事ができます。
MAとインサイドセールスの得意領域を明確にし、連携する手法について紹介します。
2-1.MAとインサイドセールスの得意領域
休眠リードを掘り起こす際に、MAとインサイドセールスではそれぞれ異なった領域を得意とするため、これらを連携することで効率よく掘り起こしをすることができます。
MAは、メールを中心とした1:複数人のコミュニケーションが得意領域です。
一方でインサイドセールスは、電話・メール・Web商談のような1:1のコミュニケーションが得意領域です。
そのため、うまく連携することで休眠リードの掘り起こしを可能にします。
詳しい掘り起こし手法については次の項目で紹介します。
2-2.MAとインサイドセールスの連携手法
前述にある通り、異なった得意領域を持っているMAとインサイドセールスを連携することで、
スピーディーにPDCAサイクルを回し、成果の最大化を図ることができます。
まず、MAツールを利用しメール配信などのアプローチを行い、休眠リードとなっている複数顧客を対象に興味関心を引きます。
MAツールにより興味関心が高まった段階でインサイドセールスに連携し、1:1のコミュニケーションを行います。
インサイドセールスの人対人のコミュニケーションだからこそ、顧客の抱える課題やコアな情報などリアルな声を引き出すことができます。
そしてインサイドセールスで拾った内容を各施策に落とし込み、
情報を受け取った各施策はリアルなPDCAサイクルを回すことが可能になります。
3.休眠リードのステージ遷移と育成手法について
休眠リードは状態や期間によってグループ分けをすることができます。
顧客の状態に対してどのグループに属するのか、
そのグループの顧客に対してどのようにアプローチすればよいのか詳しく紹介します。
3-1.休眠リードのステージ遷移
休眠リードは、顧客の状態に合わせて「マーケティング領域」から始まり、「インサイドセールス領域」に移行し、「カスタマーサクセス」までそれぞれの領域を辿って移行していきます。
それぞれの領域に対して、顧客のステージはどのように遷移していくのかを紹介します。
ステージ遷移紹介後に、顧客に対してどのようにアプローチするのか育成手法を記載しているので併せて参考にしてください。
マーケティング領域
マーケティング領域は大きく3つのステージを辿っていきます。
一番最初のステージは「リードジェネレーション(Lead Generation)」です。
顧客の状態は、サイト流入し、Lead情報を獲得したリードです。この状態ではCookieの紐付けはありません。
次のステージは「リードナーチャリング(Lead Nurturing)」です。
Cookieとの紐付けにより、顧客育成を開始したリードです。
最後のステージは「MQL(資料ダウンロード・お問い合わせ)」です。
資料ダウンロードやお問い合わせにより、インサイドセールスの対象となったリードです。
インサイドセールス領域
マーケティング領域の最後のステージに到達し、インサードセールスの対象となったリードは
インサイドセールス領域でさらに3つのステージを辿っていきます。
最初は「(※1)SQL」です。
営業対象となったリードを指します。
このステージでは、ヒアリングを行い、課題を明確化します。
次に「オポチュニティ(Opportunity)」です。
商談が開始したリードです。
ひとつ前のステージで明確化した課題を具体化し、どのように解決に導くのか提案を行います。
最後に「ウォン(Won)」です。
最終的にサービスを申し込んだリードです。
※1…「Sales Qualified Lead」の略で営業が対応すべき案件がある見込み顧客
カスタマーサクセス
最終的にサービスを申し込んだリードは、さらに2つのステージを辿ります。
最初は「カスタマー(Customer)」です。
実際にサービスを利用し始めたリードを指します。
次に「リピート(Repeat)」です。
サービスを継続して利用し、継続顧客となった状態です。
最終的に顧客がRepeatのステージに到達することを目指して休眠リードの掘り起こしを行いましょう。
3-2.休眠リードの育成手法
休眠リードの育成には、顧客の各課題に対してどのようにアプローチするか、どの顧客に対してアプローチするかが重要になります。
顧客は前項で紹介したステージに紐付けて、大きく4つのタイプに分けることができます。
以下で顧客の所属タイプそれぞれのアプローチ手法を紹介します。
未来顧客
まだ認知していない顧客であり、「Lead Generation」のステージに属しています。
アプローチ手法として、Web広告や自社サイトのコンテンツなどがあり、
自社に興味を持ってもらい、流入してもらうことを目的としています。
潜在顧客
サービスに興味を持ち始め、該当サービスに対して調査を行い始めた段階の顧客です。
「Lead Nurturing」や「MQL(資料ダウンロード・お問い合わせ)」のステージに属しています。
アプローチ手法は、MAツールを利用しターゲティングメールを送る等で、興味関心を高め、資料ダウンロードやお問い合わせにつなげることが目的です。
見込み顧客
潜在顧客よりも興味関心が高まり、導入検討段階まで進行した顧客です。
インサイドセールス領域に属します。
コールや案件の顧客の状態を踏まえて仮説を立て、コールやWeb会議、メール等で1to1のアプローチを行い、課題を詳細に引き出しつつ興味関心をさらに高めていきます。
既存顧客
導入が決定し、契約を行なった顧客です。カスタマーサクセスに属します。
サービスを継続するために、フォローアップや定期訪問を行い、追加の課題を抱えていないかなどのサポートを行います。
このように、それぞれのタイプの顧客に対して、シナリオフローのようなものを用意することで適したアプローチをすることができます。
他にも、休眠リードの中で4象限に分け、アプローチする優先度を決め、角度の高い顧客からアプローチする手法もあります。
例えば、「名刺交換日が過去1年以内×イベント参加期間が過去1年以内の顧客」と「名刺交換日が過去2年以前×イベント参加なしの顧客」の場合、前者の顧客の方が名刺鮮度も高く、興味関心度合いも高いため、掘り起こし成功する可能性が高いです。
このように、休眠リードの中でさらにグループ分けを行い、それぞれに適したアプローチ手法をすることで掘り起こしが成功する確率を高くします。
4.MA×インサイドセールスによる休眠リードの復活事例
MAツールとインサイドセールスを活用した事例として、
当社パーソルビジネスプロセスデザインがご支援した企業様の事例を紹介します。
もともとインサイドセールスの単発施策で掘り起こしを行なっていた企業様に、
MAツールと掛け合わせての掘り起こしを開始しました。
まず最初にMAツールを利用し、対象顧客に対してメールの一斉配信を行いました。
そのメールに対して、開封リードがあった顧客をインサイドセールスに引き継ぎアプローチを行いました。
アポイントが取得できたリードを企業様に引き継ぎつつ、 アポイントが取得出来なかったリードに対しては、再度MAツールに移行し、興味がありそうなトピックスメールを配信するなど継続的なアプローチを行い、掘り起こしにつなげました。
MAツールを掛け合わせた結果、インサイドセールス単発施策で行なっていた頃に比べ、
アプローチ数は165%アップ、アポイント獲得数は151%アップしました。
このようにMAツール×インサイドセールスにより休眠リードの掘り起こしを実現しました。
5.まとめ
MAツールとインサイドセールスを掛け合わせることで、休眠リードを効果的に掘り起こし、受注につなげることが可能になります。
そのために、休眠リードのステージ遷移を理解し、適したアプローチをすることが重要です。
自社の抱える休眠リードを掘り起こし、さらなる成果創出のためにMAツール×インサイドセールスを検討してみるのはいかがでしょうか。