小さな成功体験からカタチにしていく、カスタマーサクセス活動のポイント

「カスタマーサクセス活動を始めたけど効果の実感がない」
「そもそも今までの活動(リテンション営業)と何が違うのかわからない」
昨今、よく耳にすることが多くなった“カスタマーサクセス”というワード。元々はアメリカで発祥したビジネスの概念ですが、ここ2~3年では日本においても、サブスクリプションモデルを中心として、サービスを使い続けてもらうことが重要になり、顧客にサービスを通じた成功体験を積み重ねてもらうことが必要になってきました。
デジタル活用の普及により、消費者の購買ニーズも多様化することで、企業側は従来の「売り切りモデル」から、販売後も継続的に収益をあげるビジネスモデルへのシフトが求められています。そんな背景がある中で、国内企業でもカスタマーサクセス活動を始めている企業が多くなっていますが、上記のようなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
今回のブログでは、「カスタマーサクセス活動の成功のポイント」について、ご紹介します。
■目次■
- 1.カスタマーサクセスとは
- 2.カスタマーサクセス活動成功に必要なポイント
- -よくある悩みごと
- -自社における“顧客(カスタマー)”とは誰なのか
- -顧客との向き合い方
- -顧客(カスタマー)にとっての“成功(サクセス)”とは何か?
- 3.成功(サクセス)に繋げるためのポイント
- 4.まとめ
1.カスタマーサクセスとは
顧客のサービス活用課題に対して能動的に解決提案し、顧客生涯価値(LTV)の最大化を目的とする一連の活動
最近、よく耳にすることが多くなった“カスタマーサクセス(CS)”というワードですが、そもそもカスタマーサクセスとは何か?を本項にて説明します。
<カスタマーサクセスとは>
サービスを通して顧客の成功を支援することで、契約更新・アップセル・クロスセルなど顧客生涯価値(LTV)の最大化を目的とする組織や一連の活動を指します。
リテンション営業との違いやカスタマーサクセス市場動向についての詳細はこちらのブログに記載しています。
2.カスタマーサクセス活動成功に必要なポイント
顧客がサービスを通して実現したい目的に対して、課題を正しく把握し、解決に向けたアクションをプロアクティブに実行することで、サービス導入の目的が達成された状態を体感してもらう。
よくある困りごと
□何から始めればよいのか分からない
□具体的にどのような活動をすればいいのか分からない
上記は、上述でも述べている“カスタマーサクセス活動”において、よくある問題です。
ひとつでもあるある、と共感された方は多いのではないでしょうか。
このようなよくある問題を、現場でどのように解決していけばよいのか、抑えるべきポイントをご紹介していきます。
CS活動に際して大事なこと
カスタマーサクセスとは、名称の通り、顧客に最低限のコストで期待以上の成功体験を積んでもらうこと。そのため、第一歩としては、①自社における顧客とは誰なのか、②そして顧客にとって成功とは何か?を分解する必要があると考えます。
自社における“顧客(カスタマー)”とは誰なのか
ビジネスにおいて、顧客とどのような関係を築いていくかは非常に重要なことです。
まずは、自社における顧客とは誰なのか。パーソルビジネスプロセスデザインの解釈している顧客の定義をご紹介します。
顧客との向き合い方
数ある要望の中のどの要望に応えるかはミッションに基づいて判断します。このように理想の顧客像を定義し顧客を限定 or 分類することで、顧客体験向上を目指す必要があると考えています。しかし注意点として、もちろん自社にそぐわない顧客を切り捨てるというわけではありません。優良顧客をロイヤルカスタマーと定義し、ロイヤルカスタマーに上げていく提案活動もカスタマーサクセスの取り組みになります。
顧客(カスタマー)にとっての“成功(サクセス)”とは何か?
次に、成功(サクセス)の定義を紹介します。
下図に例を用いてご説明します。
例えば、自社MAツールに新機能を追加しました。世界初の機能なので、ぜひ既存ユーザーに使ってもらいたい。世界初なのでおそらく買うと思います。ただ、これだけで顧客の成功でしょうか?
実際は、このユーザーは既存のMAツールの機能ですら扱い切れず、新しい機能は明らかにオーバースペックだった、つまり導入したはいいが使いこなせないということが発生する可能性があります。当たり前のことですが、しっかりと顧客の状況を把握し、今、一番必要なアクションを行うことが顧客の“成功”に繋がります。
3.成功(サクセス)に繋げるためのポイント
どのようなステップを踏めば“顧客の成功”に近づいていくのか、を定義し「小さな成功体験」を積み重ねていくことで本質的な顧客の成功を実現する
“顧客の成功”は大きな概念であり、一足飛びに実現する事は難しいと考えます。無理に最終的な“顧客の成功”を定義したとしても、現状の状況が不明瞭であると顧客のCX(顧客体験)が付いてこないことが発生します。
そのためにも“顧客の成功”と現状の位置を正しく見積もり、一足飛びに目指すのではなく、どのようなステップを踏めば“顧客の成功”に近づいていくのか、を定義し「小さな成功体験」を積んでいくことで本質的な顧客の成功を実現することが可能になります。
まとめ
今回は、カスタマーサクセス活動を成功に導くためのポイントを紹介しました。
比較的新しいカスタマーサクセス、新規開拓営業などと比べてノウハウやリソースが限られていることがほとんどだと思います。しかし、カスタマーサクセスに必要なことはたくさんあります。ですので、まずは小さい範囲での成功体験を積み重ね、最終的に組織横断のカスタマーサクセスへと進化させることが一番の近道になると考えています。
パーソルビジネスプロセスデザインでは、20年間で培ってきたセールス領域における考え方や方法論を体系化した独自のフレームワーク「B-AEMS」を活用したカスタマーサクセスアウトソーシングサービスを行っております。そのほかセールスコンサルティング、インサイドセールス・フィールドセールス、SFA導入支援等も実施しております。
カスタマーサクセス領域においてお悩みをお持ちの方は、些細なことでも構いませんので、ご相談をお待ちしております。