マーケティングファネルとは?テンプレート3種類や活用方法を紹介~マーケティングオートメーション×インサイドセールスで移行率アップ~

Marketing

マーケティング関連の書籍などでよく説明されている、マーケティングファネル。仕組みや活用方法を理解することで、より効果的なマーケティング戦略を立てられるようになります。
そこで、本記事ではマーケティングファネルの紹介とファネル移行率を上げるための秘訣、ファネルの活用方法を紹介します。マーケティング活動を改善したいという方はぜひ参考にしてください。

目次

  1. 1. マーケティングファネルとは
  2.  1-1. カスタマージャーニーとの違い
  3. 2. マーケティングファネルが古いと言われる理由
  4.  2-1. 顧客の価値観が多様化したから
  5.  2-2. 購買行動が多様化したから
  6. 3. マーケティングファネルは現在も有効
  7.  3-1. BtoBでは有効な行動モデル
  8.  3-2. ファネルの流れを増やすための秘訣
  9. 4. マーケティングファネルのテンプレートは3種類
  10.  4-1. パーチェスファネル
  11.  4-2. インフルエンスファネル
  12.  4-3. ダブルファネル
  13. 5. マーケティングファネルの活用方法
  14.  5-1. パーチェスファネルの活用方法
  15.  5-2. インフルエンスファネルの活用方法
  16.  5-3. ダブルファネルの活用方法
  17. 6. まとめ

1.マーケティングファネルとは

マーケティングファネルとは、顧客がサービスを認知してから購入に至るまでのプロセスを図式化したものです。 上から下に向かう流れであり、段階ごとに人数が減っていくことを表して逆三角形の形となっています。その形が液体を注ぐ際に使用する漏斗(英語で言うと、ファネル)の形に似ていることから、マーケティングファネルと呼ばれています。 ちなみに、購入を検討する流れで自然に人数が減ることを表した図形であり、ふるいに掛けている(企業側の意志で減少させている)わけではありません。

1-1.カスタマージャーニーとの違い

マーケティングファネルと似ているものに、カスタマージャーニーというものがあります。カスタマージャーニーとは、顧客が購入に至るまでの行動や心理を可視化したものです。 マーケティングファネルとカスタマージャーニーの共通点は、顧客が商品を購入するまでのプロセスを可視化しているという点です。しかし、マーケティングファネルでは顧客の行動や人数がどのように推移するのか表しているのに対し、カスタマージャーニーではどの段階でどういった心理・行動なのかを表すことに重点を置いています。
カスタマージャーニーの方が購買プロセスをより詳細に図式化したものです。「購買プロセスの流れを簡潔に把握したい場合はマーケティングファネルを、各段階でどのような施策を講じるべきか検討する場合はカスタマージャーニーを」といったように使い分ける必要があります。

2.マーケティングファネルが古いと言われる理由

「マーケティングファネルは、古い行動モデルだ」としばしば言われています。マーケティングファネルが古いと考えられる理由は、以下の2つです。 ・顧客の価値観が多様化したから ・購買行動が多様化したから

2-1.顧客の価値観が多様化したから

インターネットの普及やライフスタイルの変化など、さまざまな理由から顧客の価値観は多様化しています。例えば、とある商品を購入する際、価格以外にもサイズや使用感・デザインなどさまざまな観点から比較するでしょう。価値観が多様化したことにより、より自分に合った商品か検討するようになりました。
マーケティングファネルは、顧客の価値観を分類することなく購買プロセスを図式化しています。顧客のさまざまな要望に応えにくく、商品を売るためには顧客のニーズを満たす必要があることから、「マーケティングファネルは意味がない行動モデルなのでは?」と考えられています。

2-2.購買行動が多様化したから

インターネットの普及やコロナの影響によって顧客の購買行動は多様化しました。インターネットが現在ほど普及していないときは、顧客はテレビCMやラジオ・雑誌などからサービスの情報を収集していました。現在よりも商品の情報は少なく、顧客が得た情報に興味があれば購買に至ることが一般的でした。
しかし、現在はインターネットが普及したことにより、顧客はWebサイトから自分で情報を収集できます。さらにコロナの影響でIT化が加速し、ほとんどの情報がインターネットで得られるようになりました。多くの情報を参考にして、複数のサービスを比較検討することが可能です。また、Webサイトで情報収集をしている際にたまたま表示された別ジャンルの商品に興味が出て、当初求めていた商品に興味を失う場合もあります。
顧客の周りに多くの情報が溢れている今、「購買行動が多様化する前に提唱されたマーケティンクファネルは、もう通用しないのでは?」と考えられているのです。

3.マーケティングファネルは現在も有効

3-1.BtoBでは有効な行動モデル

顧客の価値観や購買行動の多様化によって、マーケティングファネルは古い行動モデルであると指摘されることがあります。しかし、まったく意味がないわけではありません。現在でもBtoBにおいては有効な行動モデルです。
BtoBはBtoCよりも購買までのプロセスが複雑であり、長期化しやすくなっています。商品の選定者と決裁者が異なることが多く、社内で承認を得る必要があるからです。BtoCよりも購買を決定するまでの過程が多く、一見マーケティングファネルを使用できなさそうですが、実は購買プロセスだけを考えた場合はBtoCよりもシンプルになっています。
BtoCでは商品の情報を収集する際に、興味があるものが変化する可能性がありますが、BtoBでは基本的に購買まで一貫して興味は変化しません。会社の代表として商品を選んでいるのであり、個人の好みで選んでいるわけではないからです。BtoBで購買プロセスを確認したい場合には、マーケティングファネルはまだ有効であると言えるでしょう。

3-2.ファネルの流れを増やすための秘訣

ファネルは下に行くほど自然に数が少なくなるとはいえ、移行率は高くしたいものです。特にインターネットの普及により流入経路が多様化し、チャネルごとの施策を効果的に実施しなければ、初手でつまずく可能性も高くなってきました。
そこで併せて検討したいのがマーケティングオートメーション(MA)とインサイドセールスの活用です。

上の図は集客から受注~継続利用までの流れを想定リード数に基づいて試算したものです。
MAを活用することでリードジェネレーションからMQLまでの工程をチャネルごとに最適化することができるため、機会損失を防ぐだけでなく、顧客の確度に応じたフォローを実施できます。
またインサイドセールスがフィールドセールス連携前に顧客の課題や要望を掘り下げ、提案初期から顧客の課題に沿った解決策提示を行うことで受注率を上げるだけでなく、一貫したコミュニケーションを行うことで顧客の信頼度を醸成することができます。
これにより赤枠の移行率が上がり、結果少ないリードでも効果的に受注を獲得できる仕組みが完成します。

4.マーケティングファネルのテンプレートは3種類

マーケティングファネルの主なテンプレートの種類は、以下の3つです。
・パーチェスファネル
・インフルエンスファネル
・ダブルファネル

4-1.パーチェスファネル

パーチェスファネル パーチェスファネルとは、マーケティングファネルの中でも最も基本的なモデルです。マーケティングファネルと聞いて、パーチェスファネルを思い浮かべる方が多いでしょう。
パーチェスファネルは、AIDMAをもとに生まれたモデルであり、以下の段階で構成されています。
1.認知
2.興味・関心
3.比較・検討
4.購入・申し込み

なお、AIDMAとは顧客の購買プロセスをモデル化したフレームワークで、段階ごとに英単語の頭文字を取って名付けられました。
1.Attention(認知)
2.Interest(関心)
3.Desire(欲求)
4.Memory(記憶)
5.Action(行動)

4-2.インフルエンスファネル

インフルエンスファネル インフルエンスファネルとは、顧客が商品を購入した後の行動をモデル化したものです。基本的なパーチェスファネルが逆三角形であるのに対し、インフルエンスファネルは三角形である点が特長です。購入後の顧客の評価が、新しい購入者に影響を与えるプロセスを表しています。

インフルエンスファネルは、AISASをもとに生まれたモデルであり、以下の段階で構成されています。
1.継続
2.紹介
3.発信

顧客が商品を購入後に、自発的に商品に関する情報を発信する流れを表しています。顧客が商品をリピート購入するようになり、レビューを記載して、最終的にはSNSなどでレビューを発信するといった流れです。
多くの人にとって、SNSで情報を発信することは日常的な行動となっています。SNSでの顧客の情報発信は他の消費者の購買意欲を刺激するものであり、商品の売れ行きに影響を与えることから、インフルエンスファネルは重要視されています。
なお、AISASとはインターネット上で顧客が商品を認知してから購買に至るまでのプロセスをモデル化したフレームワークです。段階ごとの英単語の頭文字を取って、名付けられました。
1.Attention(認知)
2.Interest(関心)
3.Search(検索)
4.Action(購買)
5.Share(情報共有)

4-3.ダブルファネル

ダブルファネル ダブルファネルとは、パーチェスファネルとインフルエンスファネルを組み合わせることで、顧客が商品を認知してから情報共有するまでの流れをモデル化したものです。パーチェスファネルやインフルエンスファネルよりも、顧客行動を全体的に把握することで、マーケティングファネルの活用効果の最大化を目指します。
ダブルファネルは、以下の段階で構成されています。
1.認知
2.興味・関心
3.比較・検討
4.購入・申し込み
5.継続
6.紹介
7.発信

5.マーケティングファネルの活用方法

マーケティングファネルの活用方法は、種類によって異なります。マーケティング活動の問題点を発見して改善するためにも、種類別に活用方法を理解しておきましょう。

5-1.パーチェスファネルの活用方法

パーチェスファネルの各段階に自社の顧客数をあてはめることで、どの段階にどれだけの顧客がいるのか明確になります
段階が切り替わるときに大きく顧客数が減少している部分があれば、顧客が離脱する問題が潜んでいることがわかります。例えば、比較・検討の段階で顧客数が大きく減少している場合は、比較・検討を促す情報の質や量が不十分であると予想できるでしょう。また、購入・申し込みの段階で顧客数が大きく減少している場合は、フォーム以外の要因が強い可能性があります。
顧客数が大きく減少している段階の問題点を解消することで、最終ゴールである購入・申し込みの人数を増やすことが可能です。

5-2.インフルエンスファネルの活用方法

インフルエンスファネルの最終ゴールである発信段階の顧客数を増やすためには、SNSで顧客がどのようなレビューをしているのか確認しましょう。レビュー数が多かったとしても、自社サービスについての不満ばかりであれば、集客には逆効果です。
SNSのレビュー内容が不満ばかりである場合は、自社サービスを改善する必要があります。レビューをもとに自社サービスのどこに問題があるのか判断して、得た情報をマーケティング活動に活かすことで、良いレビューが多く記載されることを目指します。

5-3.ダブルファネルの活用方法

ダブルファネルを活用すると、パーチェスファネルとインフルエンスファネルのマーケティング施策を連動させることが可能です。
顧客が商品を購入する前と後といったように別タイミングの行動モデルであるものの、統合することで効果的なマーケティング施策を講じられます。例えば、「商品を購入した後にレビューを記載すればクーポンをゲット」というキャンペーンを実施することで、SNSのレビュー数増加を目指したとします。この場合、商品を購入する前からクーポンをもらえることをアピールすることで、比較・検討段階での離脱率を減少させられるでしょう。
パーチェスファネルとインフルエンスファネルが統合させたダブルファネルだからこそ、マーケティング施策を連動させられて、マーケティング施策の効果を最大化することが可能です。

6.まとめ

顧客の価値観や購買行動の多様化によって、マーケティングファネルはもう使えない行動モデルと言われることがあります。しかし、実際はBtoBにおいて有効に活用可能です。
自社のマーケティング施策のどの部分を改善すべきか判断できて、購入者の増加を期待できます。使用するマーケティングファネルのテンプレートによって特徴が異なるため、本記事で紹介した活用方法も参考にして、どれを活用するか検討してみてはいかがでしょうか。また、マーケティングファネルの活用と同時にMAやインサイドセールスの活用によって各ステージの移行も期待できます。

パーソルプロセス&テクノロジーではMA導入・活用支援やインサイドセールスの導入・運用支援をおこなっています。マーケティングファネルの活用だけではなく、多様化するチャネルへの対応策としてMAやインサイドセールスを導入し、さらなる売上向上を目指したいという方は、ぜひ一度当社にご相談ください。

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