【10社比較】カスタマーサクセスのアウトソーシング・代行・外注を依頼する企業の選定基準を紹介
・カスタマーサクセスの部署をなるべく早く立ち上げたい
・カスタマーサクセスの人員が不足している
・カスタマーサクセスは内製か外注どちらが良いかわからない
このような要望や悩みを抱えていませんか?
自組織の売上や利益向上を目指す上で、新規獲得と同時に顧客のLTVの向上も欠かせません。
その点においてカスタマーサクセスは非常に有効な打ち手になります。
今回は、カスタマーサクセスのアウトソースを検討している方へ向けて、カスタマーサクセスの外注(アウトソーシング)のメリット・デメリットや外注先の選定基準を紹介します。
最後まで一読いただけると、内製化と外注の検討や外注先の選定ができるでしょう。
目次
- 1. カスタマーサクセス業務をアウトソーシングするメリット
- 2. カスタマーサクセス業務をアウトソーシングするデメリット
- 3. カスタマーサクセス業務の外注をお願いする企業の選定基準
- 3-1. 費用対効果のバランスが合っているか
- 3-2. 事例・実績があるか
- 3-3. 顧客情報の管理などセキュリティ面が担保されているか
- 3-4. ナレッジを還元する仕組みが整っているか
- 3-5. 要望に柔軟に対応できるか
- 4. カスタマーサクセス代行業者10選
- 4-1. パーソルプロセス&テクノロジー株式会社
- 4-2. 株式会社エムエム総研
- 4-3. LIFE STYLE株式会社
- 4-4. 株式会社ウィルオブ・ワーク
- 4-5. 株式会社ハジマリ
- 4-6. 株式会社セレブリックス
- 4-7. 株式会社コムレイズ・インキュベート
- 4-8. 株式会社Asobica
- 4-9. 株式会社キャスター
- 4-10. 株式会社プロセルトラクション
- 5. パーソルプロセス&テクノロジーの支援事例
- 6. まとめ
1. カスタマーサクセス業務をアウトソーシングするメリット
カスタマーサクセスを導入する場合に考えられるメリットは、以下の3点です。
1点目は「既にカスタマーサクセスに精通した人材をアサイン出来るため、早期の立ち上がりが実現できる」という点です。カスタマーサクセスの業務はどこからどこまでなのか?何をKPIとして活動するのか?LTV(Life Time Value/ライフタイムバリュー)の向上にはどういった活動が必要で、想定される課題は何か?などを専門的な視点で見る人材がいることで、大きなブレがなく活動を開始出来ます。
2点目は「業務効率が向上し、時間的コストの削減に繋がる」という点です。自組織でやるには工数が掛かるため、外部に委託することが効果的です。また委託することで自組織の人材をコア業務に注力することも可能になります。
3点目は「専門的なノウハウを持った人材をアサインすることで、自組織にノウハウを蓄積できる」という点です。自組織のナレッジやスキルの平準化に効果的です。また、アウトソーシング先社内での部署間連携によるナレッジ共有も期待が出来る可能性があります。
2. カスタマーサクセス業務をアウトソーシングするデメリット
続いてカスタマーサクセスを導入する上でのデメリットをご紹介します。デメリットは主に3点上げられます。
1点目は「情報収集のスピードが遅くなる可能性がある」という点です。自組織で対応していればVOC(Voice of Customer/顧客の声)はそのまま収集出来ますが、アウトソーシング先を経由することで対応が1テンポ遅れる可能性が出てきます。
2点目は「進捗管理が困難になる可能性がある」という点です。常駐であれば一定管理は可能ですが、リモートワークですと管理が難しいです。
3点目は「アウトソースしている分野において、自社の人材育成が進まない可能性がある」という点です。ナレッジ蓄積にあまり注力していないベンダーであった場合は、委託業務自体が属人化し、自組織にノウハウが蓄積されない可能性があります。これに関してはアウトソーシング先に依頼している業務を定例報告会などで都度進捗確認したりナレッジの整理をしていけば自社にもノウハウが蓄積出来るため、人材育成は進めることが出来ます。
3. カスタマーサクセス業務の外注をお願いする企業の選定基準
次にカスタマーサクセス業務の外注をお願いする企業の選定基準を紹介します。ポイントは以下の5つです。
- ・費用対効果のバランス
- ・実績
- ・セキュリティ関連
- ・ナレッジ還元
- ・フレキシブルさ
3-1. 費用対効果のバランスが合っているか
1点目は「費用対効果のバランスが合っているか」という点です。まず、自組織のコストとアウトソーシングのコストを比較し、導入によって本当にコスト削減が実現できるかを確認することが重要です。そのために業務フローを作成しコストを見える化することが効果的になります。
改善が必要な業務のコストとアウトソーシングのコストを比較することで、詳細な費用を見積もることが可能です。また業務内容の範囲や委託期間などを自社でコントロールすることでコストパフォーマンスをより高めることが可能になります。
3-2. 事例・実績があるか
2点目は「カスタマーサクセス領域の実績があるか」という点です。アウトソーシング先にノウハウを持った人材がいるか、というのは不安要素に繋がります。そのため、アウトソーシングベンダーの事例は必ず導入前に確認が必要です。
また、その際は業種/業態、課題、委託範囲、定量的な結果、事例時の体制でのコストなども確認してください。ベンダー側は事例を何パターンも所持していると思われますので、自組織に合ったベンダーを剪定するためには自組織に似ている事例の確認が必要となります。
3-3. 顧客情報の管理などセキュリティ面が担保されているか
3点目は「セキュリティ関連の問題は無いか」という点です。まず重要なのは、業務委託に必要のないデータはアウトソーシング先に提供しないということです。当たり前のことのようにも思えますが、2007年12月に公表された「個人情報の保護に関する法律についての経済産業分野を対象とするガイドライン」の改正案に追加されていることを考えると改めて確認は必要です。
その上で機密性(限られた人だけが情報に接触できるように制限する)、完全性(不正な改ざんなどから保護する)、可用性(必要な時に安全にアクセスできる)が考えられた対策が双方間で実現できるかという点が重要です。
3-4. ナレッジを還元する仕組みが整っているか
4点目は「ナレッジ還元が可能なフローや仕組みを持っているか」という点です。これは自組織内でも言えることですが、アウトソーシングした場合はアウトソーシング先からナレッジの蓄積ができる仕組みを整える必要があります。
具体的にはExcelやスプレットシートなどで情報の蓄積や整理をすることが多いと思われます。蓄積したナレッジは都度共有してもらうために定例で報告会を開催することが効果的です。
また、タイムリーな情報をナレッジとして収集したい場合は、slackなどのツールを使用して情報収集がしやすい環境を構築することも効果的です。その為、アウトソーシング先にはナレッジのドキュメント化や各種ツールの利用に対してアレルギーがないベンダーの方がナレッジを還元する仕組みが整っていると言えます。
3-5. 要望に柔軟に対応できるか
最後は「自組織の現場感にフレキシブルに対応し伴走してくれるか」という点です。アウトソーシング時の効果としては自組織の従業員がコア業務に注力できる点が上げられます。
しかし、アウトソーシングベンダーは専門知識は高いものの、自組織の現場感覚を理解した柔軟な対応までしてくれるかというのは別問題になります。自組織の抱えている本質的な顕在課題を理解し伴走してくれるベンダーでないと、逆に自組織の従業員がアウトソーシング先のサポートをしなくてはならなくなる恐れがあります。
その意味で自組織に対しての柔軟な理解力を持ち合わせているベンダーは選定時はポイントが高いと言えます。
4. カスタマーサクセス代行業者10選
ここでは、カスタマーサクセスを代行可能な会社を10社比較します。
- 1. パーソルプロセス&テクノロジー株式会社
- 2. 株式会社エムエム総研
- 3. LIFE STYLE株式会社
- 4. 株式会社ウィルオブ・ワーク
- 5. 株式会社ハジマリ
- 6. 株式会社セレブリックス
- 7. 株式会社コムレイズ・インキュベート
- 8. 株式会社Asobica
- 9. 株式会社キャスター
- 10. 株式会社プロセルトラクション
4-1. パーソルプロセス&テクノロジー株式会社
パーソルプロセス&テクノロジー株式会社は人材大手のパーソルグループの中核を担う会社です。顧客の生産性向上を目的とし、セールスやデジタルマーケティング、人事コンサルティングなど幅広い事業を展開しています。その中で、カスタマーサクセス組織構築におけるコンサルティング~運用を支援やハイタッチからテックタッチ、コミュニティタッチまで課題に応じたご支援を実施しています。
4-2. 株式会社エムエム総研
株式会社エムエム総研は1989年に設立されたBtoBマーケティングのリーディングカンパニーです。主に、「BtoBマーケティング支援事業」「人材派遣事業」「有料職業紹介事業」の3つの事業を展開しており、会社のマーケティングにおける総合的な支援を提供しています。また、営業組織の見直し、顧客や取引先開拓のノウハウ、マーケティングの人材の育成・提供を中心に改善策も提案します。
4-3.LIFE STYLE株式会社
LIFE STYLE株式会社は2014年に設立された会社です。主な事業は、営業代行やカスタマーサクセス、マーケティング支援です。特に商品やサービスを継続して利用してもらうためのカスタマーサクセス代行の実績が多く、カスタマーサクセスのノウハウがない会社のためにサクセスロードマップの作成やオンボーディング設計、アップセル・クロスセルなどを実施しています。
4-4. 株式会社ウィルオブ・ワーク
株式会社ウィルオブ・ワークは東証一部上場会社ウィルグループの関連会社です。営業・販売を強みとし、カスタマーサクセス業務のノウハウを持った人材の供給をしています。また、カスタマーサクセスの運用や構築の相談などコンサルティング活動にも注力しています。
4-5. 株式会社ハジマリ
株式会社ハジマリは自社プロダクトの他、BtoBビジネスや新規開拓におけるマーケティング・セールス領域のサポートなど、アウトソーシングやコンサルティング事業を実施しています。顧客とのコミュニケーションを通して、CX(カスタマーエクスペリエンス)の向上を目指しています。また、ご支援の中で得たVOC(お客様の声)、他社のサービスを活用している理由などナレッジの還元、そこで得たナレッジをもとにネクストアクションの選定も実施します。
4-6. 株式会社セレブリックス
株式会社セレブリックスは1998年に設立された会社です。事業内容は営業代行やコンサルティングなど会社の営業活動支援です。1,000社/12,000サービス以上を営業支援した豊富な実績があり、クライアント会社の法人営業や新規開拓営業を中心とした営業活動代行を行います。また、営業トークやプレゼンテーションなど営業活動の分析なども実施しています。
4-7. 株式会社コムレイズ・インキュベート
株式会社コムレイズ・インキュベートは2018年に設立された会社です。主にBtoBビジネスの新規事業をセールス・マーケティングの視点で支援しています。また、営業支援事業として営業組織の立ち上げから拡大まで、ステージごとに最適なセールス・マーケティングソリューションを提供し、顧客獲得~顧客伴走までサポートしています。
4-8. 株式会社Asobica
株式会社Asobicaは2018年設立のカスタマーサクセスに特化した会社です。中心となる事業は、カスタマーサクセスツール「coorum(コーラム)」の開発・運営です。コミュニティを中心とした、カスタマーサクセスプラットフォームで、顧客のファン化とLTVの最大化の実現をサポートします。また、ベンチャー会社特有のフットワークの軽さも強みです。
4-9. 株式会社キャスター
株式会社キャスターは2014年に設立された、オンラインアシスタントをはじめとした会社です。カスタマーサクセスにおいては、業務経験者が顧客をサポートする「Caster Inside Sales」を提供しています。また、リアルタイムでの進捗確認や、スクリプト作成、改善に関する提案にも対応しています。
4-10. 株式会社プロセルトラクション
株式会社プロセルトラクションは、法人向けの営業代行に特化した会社です。ステージに応じた適切なサービスを提供しており、既存顧客に向けたカスタマーサクセス代行にも対応。顧客ニーズに応じてサービス内容を変更してくれるため、カスタマーサクセスをトータルで依頼したい方におすすめ。顧客の現状把握、顧客の要望掌握や悩みの確認、適切なソリューション提供など、幅広いカスタマーサクセス代行が可能です。
5. パーソルプロセス&テクノロジーの支援事例
2021年5月に某クライアント企業様がリリースしたプロダクトのカスタマーサクセス領域(オンボーディング)業務を弊社へ委託して頂き、業界知識はほぼ無い状況で2021年3月のリリース前からアサインしました。
リリース時には自走できる状態になり、オンボーディング、CHSアクション、資料作成、ナレッジ共有、一部新規獲得業務を行い上期のKPIを達成しています。その成果が認められ、3Q以降からクライアント企業のカスタマーサクセス人員の育成を1か月で実施し、翌月から実働開始が出来る体制を構築しました。
4Qに入り課題であったシステム⇔営業間の問い合わせフローを整理するべく関係各所間を調整し運用変更にテコ入れを行い新たな運用がクライアント社内で定着する結果となりました。カスタマーサクセス領域だけでなく、セールス領域やコンサル領域の活動をオールインワンで対応出来ることはパーソルP&Tの強みと言えます。
6. まとめ
今回はカスタマーサクセスのアウトソーシングにおけるメリット・デメリットとアウトソーシングベンダー選定基準のポイントをまとめました。
メリット・デメリットをしっかりと把握して、アウトソーシングする業務範囲やコストを確認することで自組織のカスタマーサクセスはより効果的に前進していきます。