MAとSFA連携のメリットと成功事例~Adobe Marketo Engage × kintone連携のベストプラクティス~

Marketing Tech

営業部門とマーケティング部門の間で、連携が上手く取れていないと感じることはありませんか?連携不足によって、多くの企業が、リードが受注につながりづらい、顧客管理が属人化している、リード育成ができていないといったさまざまな悩みを抱えています。

そこで、MAとSFAを連携することで、営業部門とマーケティング部門間でのコミュニケーションが円滑化され、効率的な営業活動が可能となります。

今回は、MAツールである「Adobe Marketo Engage(以下Marketo)」とSFAツールである「kintone(キントーン)」を連携して実現できることや成功事例をご紹介します。

目次

  1. 1. シームレスなMarketoとkintoneの連携でマーケティングを強化する
  2. 2. Marketoとkintoneの連携の4つのメリット
  3. 3. Marketoとkintoneの連携で実現するマーケティングと業務プロセスの一体化
  4. 4. 成功事例から学ぶMarketoとkintoneの連携ベストプラクティス
  5. 5. まとめ

1. シームレスなMarketoとkintoneの連携でマーケティングを強化する

MAとSFAに関する説明は以下の記事にて解説しています。

>MA×SFA連携でマーケと営業のコミュニケーションを強化 ~Adobe Marketo Engage×kintone連携のメリットを解説~

MAとSFAを連携することで、シームレスに営業情報を連携し、必要な情報を必要な時に伝えることのできる環境構築が可能となります。営業部門・マーケティング部門がそれぞれの施策や管理している情報の双方連携を行うことで、各施策の成果向上を見込めます。 ここでは、Marketoとkintoneを連携することによって、どのようにマーケティングを強化していくことができるのか詳しく解説します。

1-1.リードの優先度を見える化

セミナーを開催したり、WEB広告を打ち出すことで、多くのリードを獲得できたにも関わらず、思うように受注に繋げられないことがあります。 原因の一つとして、リードの状況が正しく把握できていないまま、質の低いリードにも営業部門がアプローチしてしまっていることが考えられます。 そこで、Marketoに登録されたリード情報をkintoneにデータ連携し、営業部門内で新規顧客の問い合わせ情報を即時に管理・共有できる仕組みを作ります。そうすることで、獲得したリードの行動や、何に興味を持っているのかを把握することができ、アプローチすべきリードの優先度を見える化することができます。優先度の高くなったリードのみに営業部門がアプローチするように運用することで、受注率の向上につながります。

1-2.顧客の行動履歴を一元管理

営業担当者が個々で顧客管理していたり、顧客情報の管理が煩雑化していることにより、顧客の行動履歴を追跡するのが困難な場合があります。 Marketoとkintoneを連携しておくことによって、それぞれの顧客情報を一元化することができます。顧客の氏名や年齢、属性といった基本的な情報をはじめ、営業部が管理している対応履歴や問合せ履歴、マーケティング部で管理しているイベントやセミナー参加、資料請求の履歴、また、Webやメール閲覧などオンライン上の行動履歴もかけあわせて一元管理できる仕組みを作ります。 双方で管理している顧客情報を一元化することで、優先度の高いリードを絞ってから営業部門に引き渡すことが可能となり、効率的に売り上げを拡大させることができます。

1-3.リードフォローを自動化

営業部門では日々の営業活動に追われ、受注につながらなかったリードのフォローができていなかったり、マーケティング部門でも、リード獲得で止まってしまい、リード育成ができていなかったりと、顧客との長期的な接点を持ち続けられていないことがあります。 そこで、Marketoを使用し、顧客の行動履歴に応じて、メール配信で見込み顧客との継続的なコミュニケーションを図るなど、自動的なフォローアップが可能になります。長期的に接点を持ち続けることで、購買意欲が高まったタイミングで、営業部門と連携することができ、効率的なアプローチが実現できます。

2.Marketoとkintoneの連携の4つのメリット

前章では、Marketoとkintoneを連携することで、営業・マーケティング部門間の連携でよくあるお悩みを解決し、マーケティングの強化ができることがわかりました。ここでは、連携できるMA・SFAはいくつか種類がありますが、その中でもMarketoとkintoneを連携することによるメリットを4つご紹介します。

2-1.連携しやすく操作しやすい

連携する際は、APIを利用することで、コーディングをすることなく連携が可能です。また、操作する際も、さまざまなメリットがあります。フィールドは自動生成されるため、初期の設定作業の負担がほとんどありません。さらに、Marketo、kintone間でデータ連携するフィールドは自由に設定可能なため、渡したい情報だけをピックアップして、営業担当者に情報を共有できます。 そして、Marketoの情報をkintone側で編集されたくない場合、プラグインの設定で対象フィールドを非アクティブに設定することが可能です。閲覧のみさせたい情報とリアルタイムに編集して欲しい情報を分けることができ、安心して営業担当者に情報を渡すことができるため、顧客情報の一元管理に大きく役立ちます。

2-2.双方の情報をリアルタイムで連携できる

システム間の連携で自動的にkintone側にもリードを生成することができます。営業部門のアクションがリアルタイムにMarketo側に反映されるため確度の高い情報に基づくスコアリングが実現できます。例えば、営業が入力した顧客の受注確度が低い場合、その情報がMarketoにも連携され自動的に育成されます。これは前章でも解説した、リードフォローの自動化につながります。

2-3ホットリードを適切なタイミングで営業に連携できる

ホットリードは購買意欲が高まっている状態のため、タイミングが合えば高確率で受注につなげることができます。 顧客の購買意欲が高まってきたタイミングや、あらかじめ定めた特定のタイミング(例:価格表のページを見た)で担当営業に即時通知ができます。 リードの優先度を見える化し、即時反映することで、タイミングを逃すことなく、営業活動を行うことができます。

2-4.失注後も自動で育成を実施

失注となってしまった後も、kintone側の商談のステージがMarketo側に連携され、自動的にゆっくりとした頻度で顧客育成を開始します。長期的な接点を持ち続けることで、購買意欲が高まったタイミングでアプローチできるため、営業活動の効率化につながります。

3.Marketoとkintoneの連携で実現するマーケティングと業務プロセスの一体化

ここまでは、双方向連携により実現できることやメリットを解説してきました。ここからは、Marketoとkintoneの連携によって、実際にプロジェクトの中で、インサイドセールスやフィールドセールスとどのように業務プロセスを一体化させていくのか、ユースケースをご紹介します。

3-1.インサイドセールスとの一体化(MA×SFA×IS)

営業ですべての案件対応を行っていることにより、訪問効率が悪かったり、MAツールを導入していても、営業がそれらの情報をキャッチアップ・活用できていないことがあります。 そこで、インサイドセールスチームを立ち上げ、アポ獲得から基本ヒアリングの1次対応をすべて対応する仕組みを作ります。また、Marketo情報をkintone側に反映し、インサイドセールスが架電時に活用していきます。例えば、初めに「Marketoを活用した来場者リストへの一斉メール配信」、次に「MQL(※)化した方へのコール」そして、「MQL化しなかった方への後追いコール」「名刺情報だけの方へのコール」というように優先度ごとに分けてアプローチします。 結果的に、インサイドセールスがMAの情報を活用することができ、営業の商談効率を上げることができるようになります。

※MQL…マーケティング活動で獲得したリードのうち、購買意欲が高いと判断された見込み顧客のこと

 

3-2.インサイドセールス・フィールドセールスとの一体化(MA×SFA×IS×FS)

顧客情報から定期的な案件醸成を行う必要があっても、営業活動が属人的かつ、履歴が点在していることにより、分析ができていないこともあります。 そこで、kintoneを導入し、まずは営業活動の蓄積から分析、ネクストアクションの策定を実現します。そして、Marketoからのリード情報をインサイドセールスが活用し、一次対応の効率と質を向上させ、フィールドセールスは受注に向けた生産性の高い動きに特化できる体制を作ります。 役割分担する業務プロセスを構築することで、確度とスピードを兼ね備えた営業を行うことが可能になります。

4.成功事例から学ぶMarketoとkintoneの連携ベストプラクティス

ここまでで、Marketoとkintoneを連携することで営業・マーケティング部門双方にとって効率的な施策につながることが理解できたかと思います。 しかし、連携するメリットや、業務プロセスが一体化できることが理解できても、具体的にどのようなシナリオを組んで案件に取り入れれば良いのかわからないということもあります。 そこで最後に、効果的な施策が実現できるシナリオの一例と、成功事例をご紹介します。

4-1.効果的な施策が実現できるシナリオの一例

ウェビナーフォロー

セミナーを実施した際に、セミナーに参加してくれた顧客のリード情報をMarketoに登録します。

既存顧客の掘り起こし

次に、登録されたリードにむけて、キャンペーンメールを配信します。この時、メール開封・クリック・資料ダウンロード等の顧客反応をMarketo反応スコアへ反映します。 購買意欲スコアを付与し、マーケティング活動を可視化することで、顧客行動の把握やアプローチの効率化につながります。

インサイドのアプローチにメールを活用する場合

反応スコアが閾値を超えたリードをkintoneに連携し、担当者情報の登録を行います。 するとISへのアラート通知が飛び、ISが案件登録を行い、営業担当へとトスアップされます。この時、行動履歴に基づいたトークシナリオでアポイントすることにより、顧客からの信頼獲得につながります。

リサイクル後にマーケティングに顧客を戻す場合

営業活動を行なった後、kintoneに営業結果を入力し、その内容をMarketoに連携します。 失注・見送りの場合は、リードリサイクル(※)をMarketoで実施します。 定期的にアプローチ顧客のリサイクルすることにより、活動結果と連動した醸成施策を検討することができ、自社分析や有効なコンテンツを検討することにも繋げられます。

※リードリサイクル…一度失注した見込み顧客に対して再度リードナーチャリング(育成)を展開していくこと

4-2.成功事例

既存kintoneの改修とAPI連携によりMarketoとkintoneの相互自動連携を実現

採用管理ツールとしてkintoneを活用しているが、ツール内のDB構成が煩雑化しており、事業部間のやり取り、データ閲覧、システム改修に工数がかかる状況でした。 そこで、Marketoとkintoneの相互自動連携を実装しました。 結果、これまで手動連携だった74項目を全て自動連携することができ、事業部間でのタテ割りを無くし、求職者に対して最適なタイミングでのアプローチを実現しました。 また、kintone内で4つに分かれていたCRMを1つに統合し、事業部間でのシームレスな情報連携を実現することができました。

kintone×Marketoの自動連携により、採用活動の成果最大化を実現

事業部毎に分かれているCRMを統合し、求職者の情報を一元化したい、システム間の連携をシームレスにし、求職者の状況をリアルタイムで把握したい、採用担当にストレスをかけない、持続的に使えるUI・UXとしたいというご要望がありました。 そこで、kintone構築とMarketo連携による、採用活動におけるリアルタイム情報反映を実現しました。 結果として、既存kintoneの改修、Marketo連携の実装をそれぞれ1か月で実現し、これまで手動連携だった70あまりの項目を全て自動連携とすることで、求職者の状況をリアルタイムで可視化しました。事業部間のやり取りが活発化し、採用チーム内での円滑な情報共有が実現できました。

5.まとめ

この記事では、Marketoとkintoneの連携によって実現できることと、具体的な活用方法についてご紹介いたしました。 営業部門とマーケティング部門が相互連携できる仕組みを作ることや、有効な集客戦略立案や営業へのフィードバックなどを通して、プロセス改善や業務効率化を図ることができます。 パーソルP&Tでは、MAツールや導入・運用についてのサポートを実施しております。kintoneやMarketoをはじめ、お客様の希望に合わせたクラウドツールをご提案いたします。導入をご検討中であれば、ぜひ弊社までお問い合わせください。

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