BIツールを活用したデータドリブンの実現に向けて~分析チームと施策チームのギャップと改善策~

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目次

  1. 1. データドリブンとは
    • 2. データドリブンを実現させるためのプロセス
    • 3. データの可視化におけるBIツールの有効性
    • 4. BIツールの利用状況
    • 5. 「負担」よりも「価値」の方を重くするために
    • 6. BIツール活用したデータドリブンの実現に向けて
      • 7. 執筆者紹介

      データドリブンとは

      データドリブン(Data Driven)とは経験や勘だけでなく、データの分析結果をもとに、課題解決のための施策立案やビジネスの意思決定などを行う業務プロセスを指します。 IT技術の向上や消費者の価値観や行動の多様化により、ビジネスにおいても経験や勘を頼りにする従来のプロセスでは対応しきれなくなってしまっており、データにもとづいて判断や意思を決定するデータドリブンに注目が高まっています。 データドリブンは経験や勘などの個人の能力に依存する要素に根拠を与え、意思決定の精度向上させることができます。

      データドリブンを実現させるためのプロセス

      データドリブンは大きく分けてデータ収集、データの可視化、データ分析、意思決定・アクションという4つのプロセスで成り立っています。 データドリブンの実現に向け、この4つのプロセスについて具体的に解説します。

      データ収集

      データドリブンは、データを収集することから始めます。 収集・蓄積するデータはデータドリブンを利用する企業の業種や部門などによって様々ですが、大切なことは「データで何をするのか」という目的をはっきりさせることです。 ここが定まらずにスタートしてしまうと、いたずらに時間やコストをかける結果となってしまいます。必要なものを必要なだけ取る、ということが重要になります。

      データの可視化

      収集したデータは、分析しやすく可視化する必要があります。 何を比較するのか、何をどう見せるのか、せっかくの価値のある情報も伝わらなければその価値も意味のないものになってしまいます。 膨大なデータを統合、加工、集計し、誰が見ても一目瞭然であることが求められています。

      データ分析

      データを可視化した後は、データ分析を行います。データ分析では、分析したい目的に沿って分析していくことが重要になります。 データの関連性を分析し、ボトルネックを特定したり、なにを意思決定するのかを明確にする・判断できるようなアクションにつなげられるようにします。

      意思決定・アクション

      データ分析によって導き出された結果をもとに、具体的な施策や対策、結論などを決定します。データ分析自体はあくまで手段なので、目的となる結果を出すためにはアクションプランの立案が大切なプロセスです。 また、スムーズなアクションにつなげるために、事前に実施体制を整備し、データを元にした意思決定を組織のスタンダードにする必要があります。この組織文化を、データカルチャーといいます。

      データの可視化におけるBIツールの有効性

      データドリブンの実現のために重要なデータの可視化ですが、膨大なデータを統合、加工、集計し、誰が見ても一目瞭然であるものにするには沢山の時間がかかってしまいます。 その際に効果を発揮するのが BI ツールです。

      BIツールとは

      BIは「Business Intelligence(ビジネスインテリジェンス)」の略で、 ビジネス業務上の意思決定に関わるデータを、収集・蓄積・分析・報告して知見を得る手法を意味します。 BIツールはさまざまなデータを集約・分析・可視化することで、必要なデータの可視化を誰でも高精度かつ効率的に行うことができます。最大の特徴としては、データの可視化を行い、意思決定までの仮説と分析を繰り返し迅速に行えることが可能になります。

      BIツールの利用状況

      データドリブンの実現や効率化に向けて重要となるBIツールですが、国内におけるBIツールの利用状況については、導入されてはいるが、あまり積極的に使われてはいないというのが国内の状況です。 この状況については「使いたいけど時間がさけない」「難しくて使いこなせない」「上司の承諾が得れない」「使わなくても必要な情報をえられる」「そもそも業務上必要ない」など、BIツールの価値よりも負担が大きくなってしまっていることが要因にあります。

      分析チームと施策チームのギャップ

      BIツールの利用における課題として、もう一つ発生しているのが組織間での分析に対する認識のギャップです。とあるやりとりを参考に、分析チームと施策チームで起こっているギャップの例を解説します。 分析者が顧客データをクラスター解析し、分類結果をチャートにしたものを作成しました。これに対して施策チームは、データの高度さや何かに使えそうなことは理解できても具体的に自身の関わる施策の何に活かせばいいのかが掴めず、データを価値のあるものとして正しく認識できていません。いっぽう分析者も、何かに使えると思って行ったが、どのようなアクションに繋がるのか明確に説明ができません。お互いがデータについてどう解釈し、どのようなアクションにつなげるのかのすり合わせができていない状態です。 分析側は施策側への事前にヒアリングを行い、その分析にもとめられている目的を正確に掴む。そして求められているデータを抽出し、分かりやすいレポートの作成が必要です。施策側に関しても、そのレポートの意味・得たい示唆を分析側にできるだけ早い段階に伝える、もしくは報告を受けたときにフィードバックする必要があります。 BIの価値は意思決定の対象となるアクションが明確、且つその最適化に貢献できたかどうかで大きく左右されます。

      「負担」よりも「価値」の方を重くするために

      BIツールの利用を促進するためには、「負担」よりも「価値」の方が重くなっている状態である必要があります。 「価値」そのものの重さが大きくても、それを上回る「負担」であればなかなか利用が進みません。「価値」自体の重さはたとえ大きくなくても、とにかく「負担」の方がそれよりも軽いことこそが望ましい状態です。 相対的に、価値の方が重い状態をつくることが必要になります。 BIツール利用「負担軽減」のために、考慮すべき4つのポイントを紹介します。

      アクション絞り込み

      分析チームと施策チームのギャップでも解説しましたが、お互いが目的を揃えゴールに向かっていく必要があります。改善の対象となるアクションがはっきりしないまま効果的なBIツール構築を進めるのは困難です。紐づくアクションやレポートの目的を明確にした上で、それに対して必要な分だけのデータ収集・分析・可視化を行えるようにすることが重要です。

      適切な可視化

      レポートの構成として、誰がどうみても何を比較しているのか、何を分析しているのかわかるようにデータが可視化されていること重要になります。 以下の4つのポイントが抑えられているか確認してみてください。 共通化:全閲覧者に対して一元化された見せ方にする 明確化:何を判断する表、チャートなのか?どこを見るのか?を明確にする シンプル化:一目見て内容理解ができるようにシンプルなつくりにする 集約化:本当に必要な情報だけをできるだけ集約して表現する

      分析レベル最適化

      分析のレベルは高ければ高いほどよい、というものではありません。 可視化のところでもありましたが、必要な情報が適した形で入っており、誰が見てもわかる状態が望ましいです。分析の手法は難易度別にいくつもありますが、分析難易度に関係なく、目的に適した手法で分析を行うことが重要です。

      活用データの精査

      ビックデータは文字通り巨大なデータのことで、定義に明確な定まりはなく業界や企業でさまざまな解釈があります。 一般的に3Vが構成要素として重要だと考えられており、 Volume(量)、Variety(多様性)、Velocity(速度)を指します。「膨大な量で、多様性があり、高速で処理ができる」ということです。 現在ではこの3Vに加え、Value(価値)と Veracity(真実性)が入ってきて、「価値を保有している・価値を生み出せる、正確性がある」こともビックデータの構成として重要になっています。 量(Volume):レコード数やカラム数 多様性(Variety):データ形式や種類 真実性(Veracity):精度や真実性 価値(Value):目的達成への貢献 速度(Velocity):更新スピードや頻度

      これらのデータを、本当にすべてBIツールに取り込む必要があるのかを精査することが必要です。 適切な量のデータを、可能な限り構造を揃え、適切な修正・報告頻度のバランスで、目的達成に貢献できる要素を揃え、負担軽減に捕らわれて正確性を損なわないものになっているか、上記のポイントを確認しつつ使うデータの精査を行なってください。

      BIツール活用したデータドリブンの実現に向けて

      総括として、BIツールを活用したデータドリブンの実現に向けて大事なことは、アクションを意識(イメージ)することになります。アクションを意識(イメージ)するということは、データを取る目的や、そのデータをそのように利用をするのかを明確にするということが重要になります。 施策を行う上でどのようなアプローチを行うのか、分析チームと施策チームでアクションを定め、定めたアクションになるべく負担を減らして向かっていけるようBIツールの活用を行っていきましょう。

      執筆者紹介

      西島 慎

      パーソルプロセス&テクノロジー株式会社 セールスマーケティング事業部 コンサルタント

      データ分析系スタートアップ企業にてコンサル・セールス部門の部門長としてIPO(東証マザーズ)、関連会社社外取締役、海外子会社立ち上げを経験。その後、前職である外資系化粧品メーカーにおいてデータ分析部門に所属。経営企画、マーケティング、CRM、ロジスティクス、商品開発等に関する主にビジネスサイドの分析業務に従事。現職ではコンサルタントとして各クライアント企業への支援を行いながら、サービス開発を担当している。

      ※肩書・所属部署等は記事作成当時のものです。


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