【生成AIで営業の効率化はできる?】 BtoB営業でChatGPTを試してみた。営業のどんな業務に活用できる?取り組み事例を徹底解説!

BtoB営業の現場で、生成AIをどう活用すれば良いのか?その効果はどのくらいなのか?と考えたことはありませんか?
とはいえ、AIって一体何ができるの?具体的にどんなタスクを頼めばいいのだろう?とお悩みの方も多いのではないでしょうか?
そこで、私たちは実際に自組織の営業部隊で生成AIの活用を試み、その成果と課題について検証を実施しました。
本ブログでは、若手2年目の営業メンバーが生成AIの検証を試みた結果と試行錯誤の全過程を3つの項目に分けて、具体的にどう手順を踏んでいったのかを徹底解説します。
目次
企業の生成AI取り組み状況
直近では、OpenAI社から「Chat GPT4o」がリリースされるなど、2024年も引き続き生成AI市場は盛り上がりを見せています。
では、日本のBtoB企業の生成AI取り組み状況はどのようなものになっているでしょうか? とある調査レポートによると、日本企業における生成AIのツール・アプリの業務での利用率は4.2%と、米国等の主要各国と比べるとやや浸透が薄い状況です。これは、企業が生成AIの導入・業務適用を推進するに際して、主に「リソース」と「ノウハウ」といった、2つの課題が生じているため、検討はしているものの推進までは至れていないという企業も多いのではないでしょうか。
では、「生成AIの導入・業務適用」を推進するためにどんなプロセスが必要なのか? 次章から、私たちのチームで生成AI検証を実施するにあたり、どのような取り組み方をしてきたのか詳しくご紹介します。
生成AI活用検証PJTの概要
以下、推進体制および検証環境のもと実施しました。
営業組織構成/取り扱い商材/課題
私たちの所属している営業部隊は全体12名程度で、営業として様々な業界のお客様に対してソリューション営業を行っているチームです。 私自身、営業に配属されて2年間営業として日々活動していますが、営業部全体で日々の営業活動以外の業務が滞留しており稼働が圧迫されている状況でした。 このような課題を生成AIで解消出来るのか?といった点や、生成AIが業務活用出来るレベルなのか?といった点を目的に生成AIの検証プロジェクトを始めました。
推進体制
推進体制としては、メインは営業部隊の2チームからITリテラシーが高いパワーユーザーとして私を含む3名が選出されました。 一方、生成AIに対する知見やナレッジに関して不足しており、どのような業務に生成AIが使えるか分かっていなかった部分も多いため、生成AI領域専門のメンバーからのサポートも受けつつ、実際の業務に即してAIを活用する方法を考えていきました。
検証環境
検証環境は、パーソルホールディングスから提供されているパーソルグループ版生成AI「PERSOL Chat Assistant」(通称:CHASSU)を利用しました。 ユーザーが入力した情報を学習しないなど、グループとして許容できるセキュアな環境を整備した生成AIサービスであり安全に業務利用出来る点や、OpenAI社のChatGPTのモデルを利用しており、GPT-3.5/GPT-4の選択が可能なことが利用の決め手となりました。
※実際のCHASSUの画面
検証PJTの進め方
検証PJTの進め方としては、大きく3ステップに分けて進行していきました。3ステップどのようなことを行ってきたのかについて詳しくご紹介します。
①業務整理・生成AI活用領域の検討
└営業プロセスの可視化
└ヒアリング
②プロンプト作成~検証
③効果検証
①-1現状の営業プロセス可視化
まずは、現行の営業プロセスを洗い出します。 具体的には、2チームそれぞれの営業対応のプロセス、報告の頻度、各種書類作成の状況などをパワーユーザー中心にタスクベースで確認し、可視化を行いました。
①-2営業ヒアリング
次に、メンバーから現状の可視化した営業対応の各タスクにどれだけ工数がかかっているか社内アンケートを実施・集計分析を行いました。 その上で、パワーユーザーを中心に現状の課題やAI活用の期待をヒアリング。定常業務の効率化、書類作成の負荷軽減など様々な意見が集まりました。 検証チームで協議を重ねた結果、業務負荷がかかっているかつ生成AIが活用出来そうなタスクをターゲットタスクとして選定し、まずはターゲットタスクを中心に生成AI活用を検証してみるといった流れになりました。
②プロンプト作成~検証
これらの意見を基に生成AIを活用するためのプロンプトを作成し、独自の検証を行いました。今回プロンプト作成する対象タスクとして選定された業務は19個あり、生成AI領域専門メンバーのサポートのもと、約1か月の間で改修を含むプロンプトを60個強作成しました。
②-1プロンプト作成
作成したプロンプトについては、パワーユーザーと生成AI専門領域メンバーの週次定例で都度共有し、検証した結果のフィードバックをもらうということを行っていました。 フィードバックでは、以下のような観点で作成したプロンプトを判断するようにしていました。
・プロンプトの制約条件に問題がないか
・出力した内容は仕様/制約条件通りに返ってきているか
・出力結果の質はそのまま業務利用できるレベルか
②-2プロンプト検証にあたる説明会の実施
営業チームに展開する際には、メンバー間でも生成AIの事前知識やナレッジに差があったため、説明会を1時間設け、以下3点を中心に説明を実施しました。
①「PersolChatAssistant」の操作方法の説明
②作成したプロンプトの説明、利用シーン
③出力例/出力精度を上げるためのTipsやよくある質問への回答
特に使い方の説明の部分では、資料を投影しつつハンズオン形式で行ったため、操作に不慣れなメンバーでもプロンプトテンプレートを用いながら出力することが出来ました。
③効果検証(アンケートの実施)
検証期間を一定設定した後、メンバーの感想を定例でヒアリングし、利用状況の確認やユーザー体験の改善点を見つける作業を行いました。また、最終的には社内アンケートを実施し、分析を行いました。
社内アンケートでは、簡易的に5つの設問を設定し回答を促進しました。
・PersolChatAssistantを活用出来たか?どの領域に活用したか?
・PersolChatAssistantを使った結果、業務のアウトプットの品質向上につながったか?
・PersolChatAssistantを使った結果、業務効率化につながったか?
・PersolChatAssistantを実装推進していく上でどんな点が課題か?
・今後生成AIを活用してどのような使い方をしたいか?
アンケートの結果では、生成AIを活用した業務効率化を感じたと回答したメンバーは8割程度と、生成AIに対する期待と効果を実感したとの結果がでた一方で、メール作成など既に定型化しており作業を苦に感じていない領域に関しては、そもそも生成AIを活用するに至らないケースもありました。
また、「PersolChatAssistant」(CHASSU)の仕様上、データを学習させることができないため、営業領域の業務利用に特化した出力にはならないプロンプトが多く、実利用が可能かという点では課題が残るという結果になりました。
生成AI活用の検証結果と営業担当からのフィードバックの声
実際に検証したプロンプトと、検証した結果営業メンバーから実際に出てきたフィードバックについて抜粋してご紹介します。
議事録要約
■検証結果
【Good】
・伝えてほしい内容を簡潔にまとめてくれていたので、一目見た時に大まかな内容の精査ができると思った。
【More】
・事前の入力項目が多く、これをまとめる時間がかかってしまう懸念あり。
・既にまとまった議事録を添付するようなプロンプトになっているが、現在は依頼をする際に、事前に議事録を共有することが多いため、生成AIに文章を添付する工数とアウトプットの精度バランスがあっていない可能性がある。
・Web会議ツールから出力される会話録を入力するものと、人間が手打ちでまとめたメモで出力精度にばらつきがある。
※作成したプロンプト例
商談の議事録内容から提案骨子の作成を行う
■検証結果
【Good】
・提案書作成や要点をまとめるなどは使えそう
・議事録を丁寧にまとめたものを入力すればある程度の精度で要約されていて良かった
【More】
・出力精度が甘く、業務効率化という点ではそこまで効率化されなかった。
※作成したプロンプト例
商談のアポイントネタアイデア出し
■検証結果
【Good】
・ネタ出しというよりは考えるべき観点について返答があった(類似業界の事例伝えたほうが良い 等)
・キーとなるメッセージを踏まえたトークになっておりお客様にも伝わりやすいと思った
【More】
・求める回答が出てこないケースがあるため、ラリーのコツなどを知りたい
※作成したプロンプト例
メール作成
■検証結果
【More】
・日程調整や調整は生成AIに入れ込んで吐き出されるよりも、手運用の方が楽だと感じてしまい、利用につながりづらいと感じる。
※作成したプロンプト例
まとめ
生成AIの活用を活用を試みた結果、特にアイデア出しのタスクでは、自身が持っていない要素を生成AIが出力してくれるなど、母数が必要な案出しでは効率化に寄与出来るものとなりました。一方、提案骨子の作成など個別性を伴う営業領域に踏み込んだ業務のビジネス利用という観点では、今回の検証環境においては、プロンプトに制約条件を詳細に組み込んだとしても出力される回答精度に限界があることが判明しました。
本PJTの期間内では、検証までは実現できませんでしたが、このような場合に考慮すべき手法が、Retrieval-Augmented Generation(通称RAG)です。RAGは事前に与えられたデータを学習することで、個別性のある営業タスクでも高精度の回答生成が期待できます。
最後までご覧いただきありがとうございます。今回は、BtoB営業組織でChatGPTは活用できるのか?をテーマに当社営業部の若手メンバーにて検証を行いました。本記事が皆さまの生成AIビジネス利用推進の一助となれば幸いです。
最後に、パーソルビジネスプロセスデザインでは生成AIのビジネス利活用推進のため、お客様のニーズにカスタマイズした生成AIコンサルティングサービスを展開しています。
直近でご相談をいただく声として「生成AIを導入したものの、実利用や活用定着に課題を感じている」といったご相談も多くいただきます。そういったお悩みを解決するため、活用定着・促進に向けたコンサルテーションサービスも展開しております。 >>詳細はこちら(生成AI活用コンサルティングサービス)
皆さまの生成AI活用フェーズに合わせたサービスラインナップを提供しておりますので、お気軽にご相談頂ければ幸いです。