【2024年】BtoB営業戦略を策定するための最新フレームワークをご紹介

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急速にビジネス環境が変化していく昨今において、営業体制の強化や成長戦略の確立、顧客体験の改善など検討すべき課題は山積しているものの、具体的にどのようなステップで目指すべきゴールに近づいていくべきなのか、迷われている方も多いのではないでしょうか。
企業の規模や業種、顧客基盤の違いから一概には定められない営業戦略ですが、成功を収めるためには戦略性と体系立てて策定していくことは重要な要素です。
本記事では、これらの課題が解決可能な2024年版の営業戦略を策定するための最新フレームワークについてご紹介します。

目次

1. デジタル時代のBtoB営業トレンド:何故営業戦略設計のフレームワークが必要なのか?

私たちのビジネス環境は急速なデジタル変革によって大きく変貌を遂げています。BtoB営業スタイルも同様に大きな変化を遂げている中でテクノロジーの進化、データの活用、そしてそれらを組み合わせて顧客体験を向上させるといった問いは現代の営業戦略における重要なテーマです。

市場ニーズの変化、コンピティションの増大などの動きに対応するには、既存の営業戦略を見直し、新たな視点で問題解決に取り組むことが求められています。 昨今話題になっているAIなどテクノロジーの進歩は、これまで人間が行ってきた工程の自動化だけでなく、質の高い洞察の提供を可能にします。

また、データの活用は顧客体験の向上にも寄与します。 パーソナライゼーションはデジタルマーケティングでは必需品となっていますが、営業においても同様の手法が重要視されています。過去の取引履歴、行動データ、感情分析などから客観的な洞察を得て、1対1の営業アプローチを行うことで、より深い顧客との関係構築とアプローチが可能になります。

テクノロジーとデータをうまく活用し、営業戦略をデジタル時代に適応していくことは、営業生産性の向上といった企業の競争力を決定づけるキーと考えます。

1-1. 営業戦略の重要性と及ぼす影響

営業戦略の重要性は、私たちが日々直面するビジネス課題の解決にリンクしています。
少し前、営業活動は人的ネットワークや経験を頼りに行われることが多く、個々のスキルや人間力が試される領域でした。しかし、その結果、営業活動が属人化し、それぞれバラバラの戦略で動いてしまうという問題が生じています。 組織として成功モデルが共有されていない場合、営業活動の効率が低下し、組織全体の営業生産性の向上が難しくなってしまいます。

また、デジタル時代の急速な情報の流れの中で、営業員一人一人が全ての情報をキャッチアップすることは困難なため、効率よく情報を捉え吟味し活用する体制が求められています。

ここで求められるのが、全社を取り巻く環境や目指すべきビジョンに基づき、個々の営業活動が合理的に連携し、一貫性を持ったアクションをとるための「営業戦略」です。 営業戦略の策定と体系的な管理により、上記の課題を軽減し、営業全体として高いパフォーマンスを維持することが可能となります。

2. BtoB営業戦略設計のステップ: 確実に結果を出すための考え方とフレームワークとは

BtoB営業における成功範囲は広大で、そのための戦略も多岐に渡ります。しかし、その多様性が逆に迷走を招き、結果として営業活動の効率を損なうこともあります。成功に向けた戦略を確実に立てるためには、一定のステップに沿って営業戦略を策定していくことが重要です。

営業戦略の設計の仕方は、大まかに以下のような流れで進めていくと良いでしょう。
最初のステップは、KGI(Key Goal Indicator)とKPI(Key Performance Indicator)を設定することです。KGIは全社レベルでの達成目標、KPIはその達成の途中経過を測る指標となります。営業部門が目指すべき方向と目標が明確化されますが、ここで定量的な数値を指標とする場合、過去の実績や予測に基づいて設定するようにしてください。

次に、自社の営業活動を客観的に分析し、存在する課題や問題点を明らかにします。
さらに、マーケット・顧客・競合の深度調査と分析を行い、外部環境の理解と自社の位置付けにより、何が求められ、どのように提供すべきかの大枠を描きくことで、営業戦略が外部環境にマッチしたものになります。

最後に、全ての結果を基に具体的な営業プランを立てます。ストラテジックな視点から長期戦略を立てることが重要です。

3. BtoB営業戦略を策定するためのフレームワーク5選

ここで、営業戦略を策定するためのフレームワーク5つご紹介します。
これらのフレームワークを活用し、具体的な戦略構築につなげていきましょう。

3-1. 3C分析

3C分析は、以下3つの関係性から会社の現状を分析します。

Company(自社):他社に真似できない自社の強みは何かを分析します。自社の売上、営業履歴、市場のシェアなど、持っている強みを洗い出しましょう。また、外部要因に適さない弱みを洗い出します。
Customer(顧客):顧客の性別や年齢、価値観などを洗い出し、ターゲット層を明確化します。
Competitor(競合):競合他社の現状や市場評価、自社との違いは何かを分析します。主に競合他社の売上、営業利益、マーケティング手法など、どのように顧客と接しているのかを洗い出します。

3C分析を行うことで、経営資源をどこに集中するべきなのか明確になるため事業の方向性がはっきりするでしょう。 3C分析は戦略の大枠を決めるタイミングで使われます。ターゲット層の確認や強みの分析に使われるケースが多いです。

3-2. SWOT分析

SWOT分析では、自社の強みや弱みなどの内部環境と競合他社や市場トレンドなどの外部環境の4つの要素の関係性を分析して、自社の立ち位置を把握できます。
Strength:強み
Weakness:弱み
Opportunity:機会
Threat:脅威

そこから効果的な営業戦略やマーケティング戦略を立てやすくなるでしょう。 また分析を行うことで、自社事業への理解が深まります。 内部環境と外部環境の主な違いは、自社がコントロールできるかどうかです。SWOT分析を行う場合、まずは法律や市場状況、技術革新など外部環境の分析から行います。

そして次に、自社の強み、弱みなどの内部環境の分析を行いましょう。すべてを洗い出そうとするのではなく、事前に仮説や項目を決めておくのがおすすめです。 分析では、つい「自社の強みと弱み」に注目してしまいがちです。しかしそこばかりに注目すると、分析結果が偏ってしまいます。
「強みを強化し、弱みを強みにしていくにはどうしたらいいのか」「弱みを補強するためにどうしたらいいのか」などのクロス分析を行いましょう。

●活用方法
SWOT分析は、自社の課題や市場機会などを見つけるのに役立つフレームワークとされています。3C分析で自社と業界の分析を行い、さらに詳細な営業戦略を立てる際に有効です。 3C分析で出た結果を、SWOT分析のフレームワークに当てはめ、自社の状況を整理するのがおすすめです。

3-3. VRIO

VRIOは、企業が持つ経営資源に注目したフレームワークとされています。経営資源を4つの観点から評価し、その企業独自の強みと弱みを分析します。

以下が4つの観点で、これらの頭文字を持って「VRIO」と呼ばれています。
Value(経済的価値)
Rarity(希少性)
Imitability(模倣困難性)
Organization(組織)

最初に考えるのがValue(経済的価値)です。経営資源は、この経済的価値が無ければ成り立たないためです。 Valueでは、自社の経営資源が顧客や社会にどんな価値を提供しているのかを評価します。 経済価値に関する確認項目に対して、チェックを入れていく方法をとることが多いです。 たとえば、特定の設備があったとします。その設備を所有していることが、売上の拡大やコスト削減につながっているか否かなどが評価項目になるでしょう。

2つ目はRarity(希少性)です。自社の経営資源にどれくらい希少性があるのかを評価します。希少性が高ければ競合他社に模倣されにくく、有利にビジネスを進められます。 そのため顧客から高い支持を得られるでしょう。 また企業が抱えている人材が、特殊な分野かつ教育や育成にも時間がかかるならば、かなり希少性が高いと判断できます。ただし、あまりにニッチな分野であれば、それほど優位に立てない可能性があります。

Imitability(模倣困難性)とは、競合他社が簡単に模倣できるかどうかという評価です。模倣しやすいものであれば、現状で優位に立っていたとしても、それを継続させることは難しいといえます。反対に、技術的な優位性やシステム面での構築に他社と違う点があるならば、簡単に模倣できないと判断できます。

経営資源が積極的に活用されている組織か否かを判断するのが、Organization(組織)です。上記3つのプロセスで、経済的価値、希少性、模倣困難性を明らかにしておき、それを十分に発揮できる組織であるかどうかを判断します。

3-4. バリューチェーン分析

バリューチェーン分析は、自社が提供する価値が顧客に届くまでのプロセスをつなぎ合わせて整理します。
たとえば、小売業の場合は、企画・仕入れ・店舗の運営・集客・販売などのプロセスを経て、顧客に商品が届きます。このプロセスの一つひとつを分析することで、どのプロセスが一番大きな価値を生み出しているのか、競合他社と比べてどのプロセスが優れているのかを明確化できるのです。 強み弱みが明確化されるので、どこを活かしてどこを改善すべきかの戦略が立てやすくなります。

3-5. TOWS分析

TOWS分析は、SWOT分析の4つの要素をそれぞれ縦横に配置し、戦略を考えていく方法です。そのため「クロスSWOT分析」とも呼ばれています。

強み×機会:自社の強みを活かし、機会を拡大する戦略を考えます。
強み×脅威:自社の強みを活かし、脅威に対処する戦略を考えます。
弱み×機会:自社の弱みを補完することで、機会を逃さないようにする戦略を考えます。
弱み×脅威:自社の弱みと脅威をどうすれば最小化できるかの戦略を考えます。

多角的に自社を分析することにより、さまざまな方向性から具体的な施策を立案できます。 このTOWS分析を行う際には、「書き出す→チェックする」という行為を何度も繰り返しましょう。
その際に、「実現可能か」「有効か」「重要度はどれくらいか」「コストはどのくらいか」のポイントをチェックすることで、より具体的な施策を立てることができます。

4. まとめ

昨今のBtoB企業においては、さまざまな分析フレームワークを活用して深遠な戦略を策定することが求められます。企業全体の成長にとって必要不可欠であり、同時にその矢印を正しい方向に導くための道しるべとなります。本記事で紹介したフレームワークを活用し、具体的な戦略を組み立ててみてはいかがでしょうか。

パーソルプロセス&テクノロジーでは営業戦略設計策定や営業業務構築支援を行っています。営業成果に課題をお持ちの方や施策の振り返りや改善活動まで視野に入れよりプロアクティブな営業活動を実現したい方は、ぜひ一度当社にご相談ください。

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