WEB解析の価値を高める～統計学活用術～

テーマ1、ビジネスにおける統計学の使い方

統計学と聞くと馴染みが薄いように感じてしまう方も多いかもしれませんが、実は皆様全員が統計学を使用した経験をお持ちのはずです。

その代表的な例が、平均値でしょう。
平均値は基本統計量(データの基本的な特性を表す値)の1種であり、列記とした統計のメソッドなのです。その他にも、最大値・最小値、最頻値・中央値なども代表的な統計のメソッドです。

このように聞くとグッと統計学が身近なものに感じてくるのではないでしょうか。
では、どのようにビジネスにおいて統計を活用していくのか。下記のような点が例として挙げられるかと思います。
①データを比較する上での尺度として使用
⇒比較分析を行う上での軸とすることで、数値の良し悪しの判断材料とする。　など
②コンバージョンに対する貢献度調査
⇒コンバージョンに至った要因として、どの要素の貢献度が高かったのか数値として示す。　など
③予測値の算出
⇒過去の実績値から傾向把握を行い、予測式・予測値の算出を行う。　など
④施策効果の検証
⇒施策実施後に現れた効果が施策効果と言えるのか、それとも偶然起こってしまった事象なのか、検証結果を数値として示す。　など
Etc.

ここに記載させて頂いたのはあくまでも一例ですが、統計学の知識を業務に活用することで今まで気づくことのできなかった新たな発見がたくさんあるのではないかと思います。

テーマ2、平均値の使い分け

テーマ1では統計の活用例をいくつか紹介しましたが、その中でも最も耳にする機会が多いであろう「平均」について、Excel関数の紹介も添えて述べていきます。

では、一言に平均値と言っても、実は平均値には様々な種類があることをご存知でしたか？
下記には計算式の異なる4つの平均値を示させて頂きました。

①　相加平均(算術平均)
②　相乗平均(幾何平均)
③　調和平均
④　調整平均(トリム平均)

【①相加平均(算術平均)】
これは誰もがご存知のはず。最もベーシックな平均値となります。

通常、平均値を用いる場合はこちらの平均を使用します。

ですが、②～④に関しては初めて聞いたという方も少なくないのではないでしょうか？
以下にこれらの平均値がどういった状況で使用できるのかをご紹介させて頂きますので、ケースバイケースで使い分けてみることをおススメします。

【②相乗平均(幾何平均)】
これは、掛け算した積の平均で、掛け算あるいは比率で変化していくような数値に対して、平均変化率を算出する際などに使用することができます。投資における年平均成長率もこの方式を使用して平均成長率を算出しています。

【③調和平均】
これは、逆数の平均の逆数で、平均時速の算出や業務にかかる平均時間算出の際などに使用することができます。

【④調整平均(トリム平均)】
これは、外れ値(極端な値)を除外して平均値の算出を行う方法で、運動競技の採点方式などに用いられています。

尚、除外する両端の値の割合をどこに定めるかは分析担当者の判断となります。

このように、一言に平均値と言っても様々な平均値が存在しており、この平均値の使い分けの最適化を行うだけでも分析レベルの向上が図れるでしょう。

結びに

今回の記事では、ビジネスにおける統計学の活用方法のほんの触りの部分をお話しさせて頂きました。
統計学の活用方法や、統計メソッドの一種である平均値について、以前よりも理解を深めて頂けたでしょうか。

統計学を活用することにより、分析の精度や幅は格段に広がります。
より価値のあるサイト分析・データ解析を行うために、是非統計学の視点を取り入れてみましょう。

最後に、ここでは説明できなかった実用的な統計学のメソッドをいくつかご紹介させて頂きたいと思います。
・データ群の関連性を確かめる方法～散布図・相関係数～
・データのバラつき具合を見る方法～ヒストグラム・分散・標準偏差～
・目的に対するデータ要素の重みづけ/予測式の作成～回帰分析～
・データ群の中から特定の決まりによって似た性質のグループに分類する方法～クラスター分析～
・データを縮約することでデータの可視化を手助けする方法～主成分分析～
・ある事象の結果が偶然起きたのかどうかを判定する方法～検定～

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