営業組織のバックオフィス改革!営業事務領域の属人化を解消するには

「業務が煩雑で属人化しており、人が入れ替わるたびに品質が低下してしまう」 「業務プロセスが整備されていないため、品質が統一されない」
営業組織のバックオフィス(営業事務)において、上述のような悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。
営業バックオフィスのよくある問題として、「見積り関連は派遣の〇×さん、この案件は契約社員の〇×さんが詳しい」など業務が属人化している光景などは比較的多く見受けられます。
これらの課題に対する対策は、重要度は高いものの、優先度が下がってしまいがちです。
本記事では、そんな営業バックオフィスの属人化を防ぎ、人の入れ替えにも動じない営業組織に改革する方法の一部を紹介します。
営業バックオフィスの生産性向上の成功事例については、こちらの記事もご参照ください。
目次
- 1.営業組織のバックオフィス改革|営業バックオフィス(営業事務)の業務領域とは?
- 2.営業組織のバックオフィス改革|業務の属人化がもたらす弊害とは
- 3.営業組織のバックオフィス改革|属人化を解消し続ける仕組みづくり
- 3-1. 業務プロセス可視化
- 3-2. 課題解決の定着化
- 3-3. 改善オペレーションの例
- 3-4. スキル醸成の仕組みづくり
- 4.まとめ
1.営業組織のバックオフィス改革|営業バックオフィス(営業事務)の業務領域とは
この記事では属人化している営業事務を解消するためのポイントをご紹介しますが、その前に、そもそも営業バックオフィス(営業事務)領域にはどのような業務があるのか、そのサポート範囲についてご説明します。
上図は、ある営業担当社員の日常の業務範囲をプロセス化したものになります。
一般的な営業担当社員は、一日の業務時間のうち約6割が、商談・提案など顧客に対する営業活動以外の事務作業に費やされていると言われています。
営業バックオフィスは、このような営業担当社員の業務のうち「内勤で支援する業務」という定義でサポートを行う組織体です。
次項では、属人化している営業バックオフィス業務を解消するためのポイントをご紹介します。
2.営業組織のバックオフィス改革|業務の属人化がもたらす弊害とは
「業務の属人化」において、まずはよくある問題をあげてみます。
□業務が複雑すぎるので属人化している
□人の入れ替えのたびに業務品質が低下する
□業務プロセスが整備されていないため、新規配属者への教育もできない
ひとつでもあるある、と共感された方は多いのではないでしょうか。
特に、専門スキルが求められる商材を取り扱う営業バックオフィスでは、それぞれが自己学習や経験で専門スキルを高めていくことが多いですが、営業組織において、個々の自己成長を待っていたら、短期的な成果の創出が難しくなりますよね。
また、特定の営業事務担当者に頼った組織運営では、その担当者の長期休暇や突然の休職・退職などが発生した場合など長期的なリスクも考えられます。
これらを防ぐためには、営業組織全体として属人化を解消し続ける仕組みづくりを行うことがとても重要です。そして、平準化、体制計画の策定と運用が必要になります。
3.営業組織のバックオフィス改革|属人化を解消し続ける仕組みづくり
そもそも組織の課題解決を図るには、「プロセスの可視化」と「課題解決の取り組みの定着化」を行う必要があります。
育成の仕組み化、ナレッジ共有など「スキル醸成の仕組み作り」も重要なポイントです。
ここでは、ご自身が自社の営業バックオフィスの改革を行うという前提で、その進め方の一部をご紹介します。
3-1. 業務プロセス可視化
こちらの図は、業務プロセスを可視化する際の進め方についてプロセス化したものです。
営業バックオフィスを改革する場合は、まず営業担当者・営業組織のサポートをしている関係者全体からのヒアリング(アセスメント)を実施します。
アセスメントの結果から、生産性のバラツキがないか確認しましょう。
業務プロセスを可視化したら、現場の状況を踏まえてあるべき姿に向かって業務フローを新しく作り直します。
3-2.課題解決の定着化
業務フローを作り直したら、それを現場に落とし込んでいきます。
この時、一度落とし込み施策を実施すればそれで業務の属人化という課題が解消される、ということは絶対にありません。
改善した業務フローや施策などが実際の営業バックオフィス業務で日常業務として運用されているか定期的にPDCAチェックを実施し、施策の改善が必要であればアップデートをする習慣を定着させましょう。
ここでのポイントは、組織のリーダーだけ、担当者だけが意識するのではなく、組織全体(現場主体)でPDCAサイクルを循環させるということです。営業組織全体の意識改革が重要になります。
3-3. 改善オペレーションの例
PDCAサイクルを循環し、改善が必要になった際の「改善オペレーション」の例を下図でご紹介します。
改善目標を事前に設定し、施策に対する効果測定を行いながら随時チェックを行うことによって、施策効果の確実性を高めることが可能となります。
3-4. スキル醸成の仕組みづくり
スキル醸成の仕組みをいかにうまく作るかが、営業バックオフィス改革を成功させるための重要なポイントです。
「気づいて得る」「出して共有する」「自身に取り込む」「真似て実践する」の4要素をサイクルとして循環させることで、組織全体に新たなスキルが定着しやすくなります。
これも当たり前のことかもしれませんが、このフローを日々着実に回すことが必要です。
特にこういったナレッジマネジメントは形骸化しやすいものですので、営業組織全体が意識的に取り組む必要があります。
ここまでが軌道に乗った時にはじめて、属人化を解消「し続ける」仕組みが作られたと言えるのです。
まとめ
今回は、営業バックオフィス改革のうち、営業事務領域の属人化の解消についてご紹介しました。
営業バックオフィスにおいて、属人化を解消し生産性を向上させるには、
・業務プロセスの可視化
・課題解決の定着化(スキル醸成の仕組みづくり)
が特に重要になります。
記事として記載するだけなら簡単な話ですが、これらを実際に作り、定着させ、運用していくことは、単独では非常に難しいことです。
パーソルビジネスプロセスデザインでは、20年間で培ってきたセールス領域における考え方や方法論を体系化した独自のフレームワーク「B-AEMS」を活用し、営業バックオフィスの属人化を解消して業務品質を高レベルで安定させ、営業組織全体の生産性を向上させるご支援を行っております。
そのほかインサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセス、SFA導入・運用支援等、営業組織に関するさまざまご支援を実施しております。
営業領域においてお悩みをお持ちの方は、些細なことでも構いませんので、ご相談をお待ちしております。
※本編に登場いたしました図はすべて「B-AEMS(ビーアムス)」より引用しております。