Google BigQueryとは?データ分析に活用するには?~特徴と導入メリットを解説~

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近年、企業が取り扱うデータは増加しており、またデータドリブンな意志決定の重要性が増しています。
本記事では、Googleが提供するデータウェアハウスであるBigQueryの特徴と、その導入メリットについて解説します。

目次

  1. 1. Google BigQueryとは
  2. 1-1. そもそもデータウェアハウスとは
  3. 1-2. BigQuery以外のデータウェアハウスサービス
  4. 2. BigQueryのメリット
  5. 2-1. データの高速処理
  6. 2-2. コストパフォーマンスが良い
  7. 2-3. GCPとのシームレスな連携
  8. 3. BigQueryの便利な活用方法
  9. 3-1. データをSQLで抽出する
  10. 3-2. MAツールと連携、BIツールで可視化・分析
  11. 3-3. GA4の生データを蓄積する
  12. 4. まとめ

 

1.Google BigQueryとは

BigQueryとは、Googleが提供するデータウェアハウスで、安価な利用料金と高速データ処理が特徴です。 BigQueryを利用することで、ウェブサイトのより高度な分析や、各種MAツールとの連携やBIツールでのデータ可視化が可能です。

1-1.そもそもデータウェアハウスとは

データウェアハウス(Data Warehouse)とは、直訳すると「データの倉庫」です。倉庫という名の通り、 多くのデータが蓄積されており、このデータを元にして抽出・集計することで分析を行います。
またデータウェアハウスでは、Webサイトのアクセスログや、CRMやMAなどのツールにあるデータなど、様々なデータを一か所に格納することができるため、データを横断的に分析することが可能です。
DWH(データウェアハウス)の料金比較

 

1-2.BigQuery以外のデータウェアハウスサービス

本記事ではBigQueryをデータ分析に活用するための方法について記載していますが、データウェアハウスのサービスには他にも様々なものが存在します。
そのうちいくつかのサービスとその特徴をご紹介します。

・Snowflake

概要:Snowflake社が提供するサービス
特徴:マルチクラウド対応をしており、GCP、AWS、Azureのいずれのサービス上でも稼働できる

・Azure

概要:Microsoft社が提供するサービス
特徴:他のMicrosoft製品やサービスとの連携がしやすい

・REDSHIFT

概要:Amazon社が提供するサービス
特徴:AWSのサービスであるため、AWSの他サービスとの連携がしやすい

これらのサービスと比較したときの、BigQueryの特徴やメリットを次の章でご紹介します。

2.BigQueryのメリット

データウェアハウスツールとしてBigQueryを使用することで得られる主なメリットを紹介します。

2-1.データの高速処理

BigQueryの処理の特徴として、「データの高速処理」が挙げられます。  これを可能にしている理由は、下記の仕組みにあります。

・データストレージと計算リソースの分離

BigQueryでは、データのストレージとクエリの実行に使用する計算リソースが独立しています。
このため、例えば「大量のデータを格納しているが、クエリの処理にはそれほど負荷がかからない」といった場合、ストレージリソースを増やしてデータを効率的に保持しながら、クエリに必要な計算リソースを最小限に抑えるといった、柔軟なリソースの割り当てが可能です。
この仕組みにより、データのサイズやクエリの複雑さに関係なく、高速かつ効率的なクエリ処理を実現することができ、その速さは1000TB以上(1PB)のデータに対して数秒でクエリを実行できるほどです。

・クエリの分散処理

クエリを実行すると、BigQueryは処理を複数に分散し、並列で処理した後にその結果を集約します。この方法により、大規模なデータセットに対してもクエリの処理時間を効果的に短縮することができます。
このような仕組みにより、BigQueryは「データサイズが大きい」、「クエリが複雑」といった場合でも高速な処理が可能です。またこの高速処理を活かして、リアルタイムにデータの保存と分析を行うこともできます。

2-2.コストパフォーマンスが良い

他のツールでは利用時間による課金が発生するのに対して、BigQueryでは、クエリ処理とストレージ使用量のみを課金対象としています。それ以外の操作については課金が発生しません。
また、ストレージは毎月10GBまで、クエリは毎月1TBまでが無料となっており、無料枠を超えてからのクエリ処理料金も1TBあたり6ドル程度と非常にリーズナブルです。特に、定常的にクエリを実行するのではなく、必要時のみクエリを実行したいといった使い方を検討している場合はBigQueryを使用することで低コストでの運用が可能です。

またBigQueryのコスト上のメリットとしては、利用前に目安の料金が分かることです。クエリ処理を実行する前にデータ量が確認できるため、クエリ処理にどのくらい料金がかかるかを把握することができます。
同じデータウェアハウスツールとの比較は下記の通りです。
BigQuery(データウェアハウス)の位置づけ

2-3.GCPとのシームレスな連携

BigQueryはGoogleが提供しているGoogle Cloudのサービスのため、同じGoogleのサービスを既に使用している場合は更に多くの恩恵を受けられます。
Google Cloudのサービス同士を連携する場合は、別のツールにエクスポートすることなく、直接連携が可能です。

以下は、具体的なサービス連携のメリットです。

・GA4

これまでのGoogleアナリティクス(UA)と異なり、GA4では無償版でもBigQueryに直接連携することが可能です。 GA4との連携のメリットは「生データを保存することができる」点にあります。
この詳細についてはこの記事の後半、3-3に記載しています。
3-3.GA4の生データを蓄積する

・Looker Studio

BigQueryに蓄積されたデータをLooker Studioと連携することで、データを可視化し分析に役立てることができます。

また、既に無償版GA4とLooker Studioを連携させている場合、間にBigQueryを挟むことでより多量のデータ分析が可能になります。
GA4のデータを直接Looker Studioと連携する場合はAPIによるディメンションやデータの呼び出しの制限が存在しますが、BigQueryを通して連携することでこの制限を撤廃し、自由にディメンションを使用したり、欠落なくデータを収集したりすることができます。

・スプレッドシート

Looler Studioは「データの可視化」に特化した連携でした が、スプレッドシートと連携することで、BigQueryのデータをExcelと同じような感覚で集計や分析・可視化することができます。
また、クエリを書くことでスプレッドシート上のBigQueryのデータを自動更新することも可能です。

3.BigQueryの便利な活用方法

BigQueryは様々な活用方法がありますが、その一部をご紹介します。

3-1.データをSQLで抽出する

BigQueryのデータはSQLで抽出することが可能です。
BigQueryに蓄積された大量のデータをSQLで抽出することでデータ分析を行ったり、分析に役立つデータマートを構築することができます。

また、BigQueryにはユーザー定義関数(UDF)という、ユーザー自身でSQLの関数を作成することができる機能が存在します。また、bigquery-utilsという有志のユーザーが作成したライブラリが提供されており、データ抽出に限らず非常に便利なユーザー定義関数をデフォルトで使うことができます。

SQLでの抽出作業において、この様々なライブラリを活用できる点もBigQueryを使用するメリットの1つです。

3-2.MAツールと連携、BIツールで可視化・分析

Googleが提供しているサービス以外にも、BigQueryは様々なツールとの連携が可能です。

・MAツールとの連携

MAツール単体で集計できる情報は顧客データのみです。しかし、 BigQuery と連携することでBigQueryに保存されているアクセス解析データ・オフラインデータ・MAの顧客データなど様々なデータを一元管理し、新たなデータマートを作成できます。
このデータマートを用いてMAツールでアプローチすることで、今まで以上にユーザーごとに特化したマーケティングが可能です。

・BIツールとの連携

Looker Studio以外にも、BigQueryは様々なBIツールとの連携が可能です。
BigQueryに日々蓄積されるデータをBIツールと連携し、BIツール側で定期的にデータ更新を行うことにより最新のデータ状況を常にリアルタイムで可視化することができます。

 

上記は一般的なデータウェアハウスとMAツール・BIツールとの連携のメリットですが、中でもBigQueryは大量のデータを低コストで高速処理できるため、上記の施策をよりリーズナブルに、よりスピード感を持って行うことが可能です。

3-3.GA4の生データを蓄積する

アクセス解析ツールであるGA4は、ツール単体でもデータの分析が可能です。しかし、GA4上でデータを閲覧する際は、生データでなくサンプリング等の加工がされた状態になっています。
これをBigQueryと連携することで、集計前の生データを直接閲覧できるため、より正確な分析を行うことができます。
また、GA4上でのデータの最大保持期間は14か月(有償版だと50か月)ですが、生データをBigQueryに保存することにより、この保持期間を超えたデータの保存が可能です。

このように、BigQueryと連携することによりデータの量や保持期間によりデータが加工されたり削除されたりすることなく、自由度の高い分析が可能です。

ここまでBigQueryの活用メリットをお伝えしてきましたが、BigQueryの活用には注意点も存在します。詳細はこちらの記事をご覧ください。
>>GA4を最大限活用!BigQuery連携で得られる3つのメリット

4.まとめ

今回は、BigQueryを導入するメリットとその活用方法についてご紹介いたしました。
BigQueryは様々なデータを統合して一元管理できるデータウェアハウスサービスの中でも、コストパフォーマンスの良さとデータの高速処理ができる点が魅力です。

また、BigQueryはGoogle Cloudとのシームレスな連携はもちろん、それ以外の様々なMAツールやBIツールとの連携も可能です。今まで扱っていたデータをBigQueryで一元管理することで、より多角的な分析をして施策に活かすことができます。

収集したデータの活用にお困りの方、今までより高度な分析をしたい方はぜひBigQueryを導入してはいかがでしょうか。

>>データ分析・活用支援サービス

 

 

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