BtoBマーケティングで必ずやるべきコンバージョン分析

Marketing

BtoBマーケティングの成果を最大限に高めるためには、マーケティング施策がどの程度コンバージョンに影響をもたらしたのかを分析する「コンバージョン分析」が重要です。コンバージョン分析を行うことで、ユーザーが関心を持ったコンテンツや、特に効果的だったキャンペーンなど、今後のマーケティングに役立つ様々な情報が明らかになります。

 

本記事では、BtoBマーケティングにおいて押さえておきたいコンバージョン分析の数値やGoogle Analytics(GA4)の設定、具体的なコンバージョン分析の方法などについて解説します。

目次

  1. 1. コンバージョン分析とは?
  2. 2. コンバージョン分析の際に注目すべき数値
  3. 3. Google Analytics(GA4)の設定
  4. 4. コンバージョン分析の具体的な方法
  5. 5. コンバージョンと商談情報との紐づけ
  6. 6. コンバージョン分析結果の活用
  7. 7. まとめ

1.コンバージョン分析とは?

コンバージョン分析とは、「訪問者がどのような経路でコンバージョンに至っているのか
マーケティング施策ごとのコンバージョン率はどのくらいか」など、
マーケティング目標の達成に関する様々な情報を分析することです。
マーケティング施策を有利に進めるためには、丁寧にコンバージョン分析を行い、
現状のマーケティング施策の効果を十分に検証することが重要になります。

成果につながっている施策は今後も継続し、思ったように成果が出ていない施策については、
改善策を立てて今後の施策に活かしていくことが大切です。
コンバージョン分析を行うことで、マーケティング施策の効果を高めるための
具体的な方針が可視化され、目標達成につながります。

2.コンバージョン分析の際に注目すべき数値

コンバージョン分析の際に特に押さえておきたい3つの数値について、
概要や注目すべき理由を解説します。

コンバージョン分析

2-1.サイト流入数

サイト流入数とは、「分析対象のWebサイトにどの程度のアクセスがあるか」を表す指標です。
サイト流入数の中でもいくつか種類が分かれており、
ユーザーがWebサイトに訪問した回数を示す「セッション」、
Webサイトに何人のユーザーが訪れたのかを示す「アクティブユーザー数」などが
よく指標として利用されます。

一般的には、サイト流入数が大きければ大きいほど売上拡大のチャンスは広がります。
例えば毎日10,000件のセッションがあるWebサイトで、
コンバージョン率が3%、顧客単価が1,000円なら、1日の売上は下記のとおりです。
10,000セッション×0.03×1,000円=300,000円

では、毎日100,000セッションを獲得していて、
コンバージョン率と顧客単価が同じ条件の場合、売上はどのように変化するのでしょうか。
100,000セッション×0.03×1,000円=3,000,000円
上記のように、サイト流入数が10倍になれば、理論的には1日の売上も10倍になります。
このことからサイト流入数はコンバージョン分析において重要な指標であることがわかります。

2-2.サービス資料ダウンロードからのリード数

サービス資料ダウンロードからのリード数とはWebサイトに掲載しているホワイトペーパーやパンフレット、製品紹介資料がダウンロードされた際に取得した見込み顧客の数です。
資料のダウンロードが直接的に売上に反映されるわけではありませんが、獲得したリード数が多いほど、多くの見込み顧客が製品やサービスに関心を持っているコンテンツであると考えられます。

またリード数は、コンテンツを閲覧した結果、
製品やサービスをより詳しく知りたいと感じた見込み顧客の数を表しているともいえます。
リード数が想定以上の数値であればコンテンツの訴求効果が高く、
リード数が想定を下回っているのであれば、コンテンツの改善が必要であると判断できます。
また資料ダウンロード時に取得した、見込み顧客の情報はナーチャリング施策(メルマガ配信、フォロー架電、セミナー等を通じて、受注・商談へと繋げる施策)に利用されます。
コンテンツ訴求効果が高くても、有効な商談につながらないのであれば
コンテンツを見直す必要があります。

取得したリードの品質も併せて確認しましょう。

2-3.お問い合わせ数

お問い合わせ数とは、Webサイトやランディングページなどを閲覧して製品やサービスに興味関心を持ったユーザーが、実際にフォームなどからお問い合わせを行った数のことを指しています。
つまりお問い合わせ数が多ければ多いほど売上につながる可能性は高くなります。
またお問い合わせ数は最も重要なコンバージョン数値となり、
この指標を基に詳細を分析することでより深い考察を得ることにつながります。

特にランディングページの遷移数のデータと掛け合わせて
CV率改善施策に使用されるケースが多いです。
例えばランディングページへの流入数が1,000回で、
そこから発生したお問い合わせ数が200件の場合、
訪問数の20%がコンバージョンしていることになります。

一方流入数が1,000回あっても、お問い合わせ数が10件の場合、
1,000回の訪問の内わずか1%しかコンバージョンに至らなかったということがわかります。
これらの分析結果を基に入力フォームの内容やCTAボタンの位置の変更など、
改善に向けた様々な仮説を立て、検証を繰り返す事でコンバージョン率が改善され、
お問い合わせ数の増加につながります。

3.Google Analytics(GA4)の設定

コンバージョン分析を行うにあたってよく利用されるのが、
Googleから提供されている「Google Analytics(以下:GA4)」という分析ツールです。
GA4を活用してコンバージョン分析を実施するときは際には、あらかじめ目標を正しく設定し、
必要に応じてUTMパラメーターの設定を行うことをおすすめします。
>>GA4の設定ガイドはこちら

GoogleAnalytics

3-1.目標設定を正しく行う

分析を実施する前に、このWebサイトの目的を明確に設定することが大切です。
コンバージョン分析を行う理由は、Webサイトの目的によって大きく異なります。
流入したユーザーにお問い合わせをしてもらいたい、
ユーザーにサイト内のコンテンツを読んでもらいたいなど、
具体的な目的を基にGA4で計測する目標を設定します。
そうすることで初めてコンバージョン分析の方向性が定まり、
GA4における目標設定をおこなうことができます。

目標を正確に設定することで効果の高い改善策に注力でき、効率的な集客につながります。
まずは軸となる目的を明確化してから、具体的な分析を行いましょう。

3-2. UTMパラメーターの活用

GA4を使ってコンバージョン分析を実施する際、広告遷移先URLにUTMパラメーターを設定すると、
広告パフォーマンスを正確に把握することができます。
UTMパラメーターはURLの末尾に追記する文字列のことで、
訪問者がどこから流入したのかをより正確に分析することが可能です。

UTMを使用せずに初期設定のままGA4を使うと、
広告からの流入であっても、正確に流入媒体を識別できない可能性があります。
例えばYahoo!検索広告をきっかけにWebサイトにたどり着いたとしても、
UTMパラメーターなしの状態の場合、
そのアクセスはYahoo!のどのメディアから流入してきたかを正しく識別できず、
データの正確性にかけます。

特に広告を積極的に発信している事業者にとっては、
UTMパラメーターは是非押さえておきたいポイントです。

4.コンバージョン分析の具体的な方法

コンバージョン分析を行う際には、流入経路、キャンペーン、検索KW(キーワード)、
コンテンツの調査を行うとともに、コンバージョンに至ったユーザーが
どのようなカスタマージャーニーを持っているのかを調査します。
GA4では探索レポートを使用することで様々な指標を組み合わせて分析を行う事ができます。

探索レポートでは様々なテンプレートが用意されており、
用途に合わせて使い分けを行うことが可能です。
またGA4による分析だけでなく、コンバージョンしたユーザーに意識調査を行うことで、
自社の強みや弱みを洗い出し、コンバージョンの改善に役立ちます。

ここでは、コンバージョン分析の具体的な方法について解説します。

コンバージョン分析の方法

4-1.コンバージョンしたユーザーの流入経路を調査する

コンバージョンしたユーザーを追跡し、どこから流入してきているのかを明らかにする方法です。
流入経路を明らかにすることで、ユーザーがどのようなきっかけで製品やサービスにたどり着き、
コンバージョンに至ったのかを把握できます。
検索エンジンからの自然検索や、リンク元のWebサイト、出稿中の広告など、
展開している数だけ流入経路は複雑化します。
しかし、基本的な流入経路だけなら、それほど数は多くありません。

まずは検索エンジン、被リンク、広告の3パターンを把握して、
どのトラフィックが何件程度コンバージョンにつながっているのかを押さえましょう。

4-2.コンバージョンした広告のキャンペーンを調査する

目標達成に向けて、Web広告を利用した様々なキャンペーンを打つケースも考えられます。
昨今ではGoogle検索広告やYahoo!検索広告、SNS広告など
様々な広告媒体がBtoBのマーケティングに利用されています。
また期間限定の割引や特典などのオファーを付けるケースなど種類や手法は様々です。

それらの施策をキャンペーン毎に詳細に分析を行うことで
施策別の効果や獲得したリードの質を推し量ることにつながります。

こうした広告キャンペーンを打つ際に媒体毎にUTMパラメーターを設定して、
どのキャンペーンからのコンバージョンなのかを確認する方法がおすすめです。
キャンペーンによる売上増加や集客効果がコストを上回っている場合は、
施策効果が十分に現れていると考えられます。

4-3.コンバージョンを促したコンテンツを調査する

どのコンテンツをきっかけにコンバージョンに至ったのかを調査することによって、
コンバージョン分析を行う方法もあります。
Webサイト内で展開しているコンテンツのうち、
コンバージョンに至っている数が多いコンテンツは、コストパフォーマンスが高く、
多くの売上を生み出しているコンテンツであるということになります。

一方、思うようにコンバージョンにつながっていないコンテンツがある場合は、
コンテンツの内容を充実させたり、
訪問者が興味を持ちやすい内容に変更したりすることで改善を図れます。

またコンバージョンにつながっていないコンテンツであっても、
エンゲージメント率が高いコンテンツはユーザーが興味関心を持ったコンテンツといえます。
直接的にコンバージョンにつながらないコンテンツであっても、
その後そのページに訪れたユーザーが見込み顧客となる可能性を秘めています。
エンゲージメントしたユーザーがその後コンバージョンにつながったかを
分析することも重要となります。

4-4.コンバージョンしたユーザーのカスタマージャーニーを調査する

コンバージョンしたユーザーのカスタマージャーニーを調査することで、
どのようなルートで自社のコンテンツにたどり着き、
コンバージョンに至ったのかをより詳細に明らかにできます。
「ジャーニー」とは日本語で「旅程」を表す言葉で、
マーケティングの世界においては「推移」や「経路」のような意味を持ちます。

自然検索や広告など、どのようなきっかけでWebサイトへ流入し、
その後、サイトWebサイト内のコンテンツをどのような順番で回遊して商品に興味を持ち、
コンバージョンに至ったのかを明らかにすることで、コンバージョンの詳細な導線を導き出せます。

GA4では経路データ探索レポートを使用することで、
ユーザーがどのようなコンテンツを経てコンバージョンに至ったかを
調査することが可能になります。

4-5.ユーザーにコンバージョンしたきっかけを聞く

コンバージョンしたユーザーに対して、アンケートなどの意識調査を実施し、
なぜコンバージョンに至ったのかを直接的に尋ねる施策も有効です。
「当社の〇〇(製品名)に興味を持ったきっかけは何ですか?」
「購入の決め手となったきっかけはどれですか?」など、
いくつかのアンケートを取ることで、
これまでは数値的なデータでしかなかった消費者の生の声を拾い上げることが可能になります。

意識調査への協力者を増やすためには、
割引クーポンなど、ユーザーにとってお得な特典を提供する施策も効果的です。

5.コンバージョンと商談情報との紐づけ

コンバージョン分析を更に活用するためには、
商談情報とGA4で取得したデータの連携も必要不可欠です。 

コンバージョンと商談情報との紐づけ

5-1.MA・SFAにUTMパラメーターを連携する

多くのMA(マーケティングオートメーション)ツールや
SFA(セールス・フォース・オートメーション)には、
GA4とのデータ連携機能が用意されています。
データ連携を行うことで、進行中の商談情報とUTMパラメーターが連携され、
流入元の検索エンジンなどの流入経、キャンペーン情報などを
顧客別に把握しながらマーケティングを進められるようになります。

例えばUTMパラメーターの連携によってどこから流入したのかが明らかになっている見込み客なら、
流入元が不明な見込み客と比較して、よりピンポイントなマーケティングが可能になります。

※MA(マーケティングオートメーション)とは… 
 見込み顧客の獲得~育成に関する業務を自動化・効率化するマーケティングツール。
※SFA(セールス・フォース・オートメーション)とは… 
 営業メンバーの行動管理や商談の進捗状況管理を行う営業支援ツール。

5-2.商談につながっているのかが重要

コンバージョンの数だけを追いかけていると、
コンバージョンはたくさん獲得できたが、商談や受注にはつながらない
という問題がよく発生します。
獲得したコンバージョンからの受注率が重要になります。
様々な施策を通じて多くのコンバージョンを獲得しても、
営業担当に十分なアプローチをしてもらえず、成約に結びつかないということがよくあります。

BtoBにおいては、獲得したコンバージョンが
商談につながっているかどうかを追跡できるような仕組みづくりが重要です。
また定例会を設けるなど、マーケティング部門と営業部門との情報連携を密に行いましょう。

6.コンバージョン分析結果の活用

コンバージョン分析の結果は、必ず次回の施策に活かしましょう。
単に分析しただけで終わってしまうと、現在のマーケティング施策の不十分な箇所が是正されず、
非効率なマーケティングを繰り返してしまいます。

分析結果から改善策を導き出し、改善策を次回のマーケティング施策に反映して、
期待通りの効果が出ているかどうか再びコンバージョン分析を行います。
このようなサイクルを何度も繰り返すことで、マーケティング施策の効果は更に高まります。

6-1.分析結果をチームで共有し、顧客像を深く理解することが大切

コンバージョン分析の結果は、チーム内で共有することが大切です。
チーム内で結果を共有し、共通認識を持つことで、
チーム全員が同じ方向を向いてマーケティング施策を実施できます。
数字の先にいるリアルな顧客がいることを忘れず、
顧客像を共有する機会として、コンバージョン分析を定期的に実施しましょう。
チーム全体で顧客像の解像度を高められれば、
マーケティング施策で発信するメッセージにも一貫性が生まれ、訴求力の向上が期待できます。

7.まとめ

コンバージョン分析を丁寧に行うことで、自社のマーケティング施策の具体的な効果を明らかにでき、今後のマーケティング施策の方針を決める上で役立ちます。

ユーザーの流入経路や関心の高いコンテンツ、反応の薄いコンテンツなどを詳細に分析できれば、
今後、注力すべきマーケティング施策を定めやすくなるでしょう。

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