GA4になって改めて比較してみる、無償版と有償版の違い
2020年にリリースされたGA4ですが、これまでのGoogleアナリティクス同様、有償版がリリースされています。GA4以前の有償版と、GA4後にリリースされた有償版とは何が違うのでしょうか。両者を比較してみます。
目次
- 1. GA4とは(UAとの違い)
- 2. 有償版とは
- 2-1. 有償版の目的
- 2-2. 無償版との違い
- 3. UAにあった高度な設定は無償版でもできる
- 3-1. 一部機能紹介
- 3-2. 困ったらプロに相談
- 4. まとめ
1.GA4とは(UAとの違い)
GA4(Google Analytics 4 プロパティ)とは、GA3とも呼ばれるユニバーサルアナリティクス(UA)の次世代バージョンにあたるGoogleアナリティクスです。UAは2023年7月には計測が終了し、その後最短6ヶ月でデータ取得もできなくなるため、GA4への移行が必要となります。
GA4の主な特徴は以下のとおりです。
①横断的な分析が可能
ブラウザ単位ではなく、アプリも含めた横断的な計測(クロスプラットフォーム分析)が可能になりました。GA4ではページやセッションではなくイベント単位でデータ計測するため、アプリとWebの横断的な計測が可能になりました。
また、Googleの機械学習機能により、ユーザーの行動予測ができるように進化しています。
②プライバシーに配慮した設計
GA4ではIP アドレスを保存せず、3rd Party Cookieを例外なくブロックするITP2.0(プライバシー保護)などに対応した計測を行えるようになりました。
③Big Queryの利用
GA4では、有償版でなければ利用できなかった「BigQuery」が利用できるようになりました。これによりGAでの整形前のローデータや、BigQuery上のデータを元にした分析が可能になりました。
GA4とUAの違いについてはこちらもご覧ください。
>>「今さら聞けないGA4とは?UAとの違いや移行時の注意点」
2.有償版とは
2-1.有償版の目的
Googleアナリティクスの有償版「Googleアナリティクス360」は、UAの時代からあり、GA4にバージョンが上がっても同様にリリースされています。
有償版はハイパフォーマンスな分析を可能にするためのプロパティや拡張機能が充実しています。例えば、成長企業や組織構造が複雑な企業では、将来の環境変化にも柔軟に対応することが可能です。
2-2.無償版との違い
GA4の無償版と有償版の違いについては、比較表をご覧ください。
出典:Google公式アナリティクスヘルプ
ここまで見ると、GA4とUAそれぞれの有償版でそう違いはないように思えますが、GA4有償版ではさらに下記の機能が実装されました。
①サブプロパティ
GA4有償版のプロパティから、指定した特定のイベントを抽出(もしくは特定のイベントを除外)してデータを確認できるプロパティです。
例えば複数あるサイトごとや、データストリームごとにサブプロパティを作成すると、毎回データを切り分ける必要がなくなります。
GA4ではUAにあった「ビュー」がなくなったため、「会社や部門ごとにビューを作成し目標設定を行う」「フィルタを設定し閲覧データを絞り込む」「ユーザーごとに閲覧権限を設定する」といった使い方ができなくなりました。サブプロパティは有償ではあるものの、ビューの代替機能となります。
サブプロパティの場合、収集したイベントの半分が課金の対象となます。
②統合プロパティ(ロールアッププロパティ)
複数の参照元プロパティのデータを統合し、まとめて確認するプロパティです。
例えばサービスごとに計測するプロパティを分けている場合、ユーザーがサービス共通のIDでログインし各サービスを横断利用していたとしても、全体のユーザー数は把握できません。このような場合に、各サービスを計測するプロパティを参照元として統合プロパティを作成すると、重複を除いたユーザー数を確認できます。
統合プロパティも、収集したイベントの半分が課金の対象となります。
個々のサービスの状況を把握する場合や、Google マーケティングプラットフォームのプロダクトと連携してデータを広告施策等に利用する場合は「サブプロパティ」、サービスや国・地域を横断したデータを把握したい場合は「統合プロパティ」を利用します。
また、有償版も無償版同様、今後機能追加が予定されているようです。
3.UAにあった高度な設定は無償版でもできる
ここまでGA4の有償版について見てきましたが、新しく追加された機能も含め、やはり大規模データや国外拠点の多い企業向けであることに変わりはないようです。
GA4への移行により、UAにあった機能の一部が廃止になるなど、移行当初は戸惑うことも多いかと思いますが、UAで利用していた高度な設定は、GA4でも可能です。
3-1.一部機能紹介
GA4で実装された機能を一部紹介します。
①データ探索機能
UAにあったレポート機能は、GA4では「基本レポート」と「データ探索」に分かれます。データ探索はUAのカスタムレポートに近い機能で、GA4のタグで自動計測している各イベントや指標に加えて、独自で取得するパラメータ粒度等、複数の要素を組み合わせて自分が見たいデータをレポートできます。探索上で分析手法(レポートのビジュアライズ)として複数のフォーマット(コホートデータ探索・経路データ探索など)が提供されています。経路データ探索は、MAの行動解析に似た機能となり、ユーザー単位でのサイト内行動の見える化が可能になりました。
②Big Queryの利用
先述しましたが、有償版のみの提供だった「BigQuery」が利用できるようになりました。これによりアナリティクスでの整形が行われる以前のローデータや、BigQuery上の生データを元にしたデータ分析が可能になり、より高度な分析ができるようになりました。
3-2.困ったらプロに相談
パーソルビジネスプロセスデザインでは、 KPI等解析要件の (再)設計から、実際の移管作業、移管後の運用構築等、一気通貫での支援と、企業側での自走支援のためのトレーニングやサポートまで提供しております。
UAで利用していた環境をGA4でも同様に実現したい方や、これを機に有償版を検討されている方も、お気軽にご相談ください。
4.まとめ
新バージョンでの無償版・有償版について比較してみました。有償版の目的はUAの時と同様のようですが、無償版同様、利用者が管理しやすいアップデートが行われています。
GA4はまだまだ発展途上です。有償版も含め、今後の機能追加は注視していく必要がありそうです。