DWH(データウェアハウス)とは?適切な比較検討で最適なデータ活用を

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顧客情報、売上データ、マーケティングデータなど多くのビジネス情報が日々蓄積され、私たちは大きなデータ量に直面しています。DWH(データウェアハウス)では、これらのデータを効率的に活用することができます。
本記事では、DWHの基本から活用方法、DWHシステムを導入する際の選定ポイントなどを解説していきます。

目次

     

  1. 1. DWH(データウェアハウス)とは?基本的な概念と機能
  2. 2. DWHで蓄積したデータの活用方法は
  3. 3. DWH導入で得られるメリット
  4. 4. DWHの選定ポイントと考慮すべき検討事項
  5. 5. 3つの観点でDWHを比較
  6. 6. 主要なDWHの種類と特徴
  7. 7. 自社に合ったDWHを導入しデータドリブンな経営企画促進を

1. DWH(データウェアハウス)とは?基本的な概念と機能

DWHは、「データの倉庫」と直訳されデータを保管するだけでなく、うまく活用することで、 業務効率化や生産性の向上に貢献することができます。

DWHとは

 DWHは、大量のデータを統合的に管理し、効果的な分析や意思決定を支援するためのデータストレージと管理のシステムです。 ビジネスインテリジェンス(BI)ツールやデータ分析ツールと連携し、過去のパフォーマンスの評価、トレンドの予測、戦略の立案など様々なデータ活用を支援するために不可欠です。

DWHの特徴や機能

単にデータを保管するだけでなく、DWHはさまざまな特徴や機能があります。 ここからはDWHの主な特徴や機能をご紹介していきます。

データ統合

複数の異なるデータソースからデータを収集し、一つの中央データストアに統合します。これにより、データの一貫性と統一性を保ちながら、ビジネス全体の状況を把握することが可能です。

データ変換と整形

取得したデータを、必要なフォーマットや構造に変換し、必要に応じて前処理やクレンジングを実施します。データの整備と前処理により、データの品質が向上し、分析が行いやすい状態になります。

パフォーマンスの最適化

データのインデックス付けや最適化を行うことで、高速なデータアクセスとクエリの実行を可能にします。大規模なデータセットに対する複雑な分析を効率的に実施することができます。

ビジュアライゼーションと分析支援

DWHに格納されたデータはビジュアライゼーションツールや分析ツールと連携することでデータを可視化することができます。洞察を得たり意思決定をサポートしたりするのに役立ちます。 これらの特徴や機能によって、DWHは組織にとって重要なツールとなり、導入することでビジネスの価値向上に期待できます。

2.DWHで蓄積したデータの活用方法は

2.DWHで蓄積したデータの活用方法はDWHで蓄積したデータを活用する方法は多岐にわたります。
ここでは、DWHの活用方法を解説していきます。

意思決定の裏付けや効率向上

蓄積されたデータは、組織や個人の意思決定を裏付ける貴重な情報源です。これらのデータを分析することにより、過去のデータから傾向やパターンを理解し、将来の予測や戦略の立案に役立てることができます。

パフォーマンス分析

データ蓄積によって、製品やサービスのパフォーマンスを評価し、改善の余地を見つけることが可能になりました。顧客の行動や反応をトラッキングすることで、成功要因と改善ポイントを把握することができます。

データによる顧客理解とサービスの最適化

蓄積されたデータを活用することで、顧客のニーズや行動パターンを理解し、より適したサービス提供が可能となります。 また、データのクロスチェックや異なる観点の分析を通じて、新しいアプローチや製品の開発・イノベーションにつなげることも可能です。

データ分析によるリスク管理とセキュリティの強化

過去のデータを分析することで、リスク要因やセキュリティの脆弱性を特定します。それに対する対策を講じることで、不正アクセスやセキュリティ侵害の早期検出にも役立てることができます。 このように蓄積されたデータはさまざまな活用方法があるので、用途に合わせて活用していきましょう。

3. DWH導入で得られるメリット

3. DWH導入で得られるメリット DWHを導入することで、企業が得られるメリットについて解説していきます。

ビジネスインテリジェンスと分析の強化

DWHは、複数のデータソースからデータを集約し、一貫性のあるデータモデルを提供し、高度なビジネスインテリジェンス(BI)と分析に活用されます。これにより、優れたレポート、ダッシュボード、データ可視化などが可能となり、意思決定の質を向上させることが可能です。

過去ログデータの分析

DWHは過去のデータを保持するため、時系列的な分析やトレンドの把握することができます。そのため、過去のビジネスのパフォーマンスを評価し、将来の戦略を立てる際の指針として活用することができます。

セキュリティとアクセス管理の強化

セキュリティとアクセス制御は、機密情報や重要なデータを保護し、不正アクセスから守るために非常に重要です。 DWHはセキュリティ機能を提供し、データへのアクセス制御が可能です。データへの適切なアクセス許可を設定することで、データのセキュリティを強化し、機密情報の保護を徹底できます。

作業コストの削減

DWHを活用することで、データの取り込みと分析作業が効率化され、データへの簡単なアクセスが可能となり、時間とリソースの節約が実現します。 また、プロセスと作業データの蓄積と分析を通じて、効率向上の方法を見つけ、無駄なステップや遅延を特定して改善することができます。 自社のニーズとこれらのメリットを比較して、導入を検討する必要があります。

4. DWHの選定ポイントと考慮すべき検討事項

4. DWHの選定ポイントと考慮すべき検討事項 DWHはさまざまな種類があるため、どれを選定するべきか迷うこともあるかと思います。 DWHの比較の対象となる選定ポイントと重視すべき機能を解説していくので、導入の際は参考にしてみてください。

DWHを導入する際の選定ポイント

4. DWHの選定ポイントと考慮すべき検討事項 選定ポイントについて詳しく見ていきましょう。

①ビジネスニーズの理解と利用用途の具体化の観点
DWHを選定する前に、導入する用途の具体化とビジネスニーズを明確に理解し、どのようなデータが必要かそのうえで分析やレポートが必要か、どの部門やチームが利用するのかを把握し、それに合わせたDWHの機能やスケーラビリティが必要です。

②データの種類と量の観点
DWHで活用するデータの種類(構造化、半構造化、非構造化など)やデータ量の考慮が必要です。必要なデータの種類や量によってスケーラビリティについて要件を整理しましょう。

③コストとROI観点
DWHの導入コストや運用コスト、メンテナンスコストを評価し、その費用対効果(ROI)を検討します。将来的な利益とコストをバランスよく見ることで与件を整理することが重要です。 適切なDWHを選定し、用途や目的に応じて使い分けることが必要です。

DWHを導入する際に重視すべき機能

導入する際に重視すべき機能を知ることも大切です。 下記で詳しく見ていきましょう。

①データ統合と整形機能
異なるデータソースのデータを効果的に統合し、必要なフォーマットに整形するために、データの変換、クレンジング、マッピングなどの処理機能が重要です。これにより、一貫性のあるデータを提供できます。

②高速で効率的なクエリ処理能力
大量のデータに対しても迅速な分析と応答が行える処理機能が重要です。

③データセキュリティ
アクセス制御、データ暗号化、セキュリティポリシーの設定できる機能を確認しましょう。

④ユーザビリティと可視化
想定されるユーザーが使いやすい画面やインターフェース及び分析ツールの提供が重要です。

⑤データ品質と保守性の管理
データの正確性、完全性、信頼性を保ちデータ品質の向上と監視する機能について確認しましょう。また、システムの運用、メンテナンス、モニタリングが容易に行える管理機能が必要です。(例:自動化されたタスクやアラート機能など)

⑥インテグレーション(他システムとの連携)
既存のシステムやツールとのシームレスな連携を実現する機能が重要です。 活用目的を明確にすることで、より自社のニーズに合ったDWHを選定することができます。

5. 3つの観点でDWHを比較

DWHを選定する上で、スケーラビリティ、アクセシビリティ、メンテナシビリティの評価要素とそのポイントを見ていきましょう。

スケーラビリティ

DWHは利用用途や範囲の増加に対応するために、システムがデータの成長に対して柔軟に拡張できるかが重要なポイントです。将来的なデータ種別や量の増加に対応できるインテグレーション観点も含めて処理機能のスケーラビリティが必要となります。

アクセシビリティ

DWHは蓄積していくデータには気密性の高いものも含まれるため、利用用途に合わせたアクセス権の制御機能がポイントです。適切なアクセス制御、セキュリティポリシーの設定できる機能性が重要です。

メンテナシビリティ

DWHは利用用途を広げていくたびに、データのメンテナンス作業が発生するため、保守性の高さがポイントになります。データの正確性、完全性、信頼性を保ちつつ、利用用途に合わせた機能拡張ができる保守性の高さが重要です。 これらはDWHの導入時に、比較検討する際に確認したいポイントです。

6. 主要なDWHの種類と特徴

主要なDWHシステムをご紹介します。 特に導入実績が高い製品から比較検討を進めたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。

Amazon Redshift

6. 主要なDWHの種類と特徴 ■特徴
スケーラビリティと高速なクエリ処理、セキュリティなどの特徴を持ち、DWHの構築と分析に優れた選択肢となるAWSのサービス。 マススケーラブルなアーキテクチャを持ち、大量のデータに対しても高速なクエリ処理を実現。自動的なクラスタ拡張や縮小、負荷分散などにより効率的かつ高速な処理が可能。各種サービスとのインテグレーション性も高くクラウド型ではもっともメジャーなDWH。

■提供形態(クラウド/オンプレミス)
クラウド

■拡張性
高い(各種サービスをオプショナブルに追加可能)

■コスト
従量課金制

■導入に向いている業種/業態や課題など
スモールでのスタートが可能なため、単一の課題解決のための構築も可能。

製品詳細はこちら

Azure Synapse Analytics

6. 主要なDWHの種類と特徴 ■特徴
Azure Synapse Analyticsは、多機能な統合型の分析サービスであり、DWHとビッグデータ処理をシームレスに結合することで、データ分析の効率性と価値を向上させるためのプラットフォーム。 DWHとビッグデータ分析の能力を統合したプラットフォームであり、従来のDWHとデータレイクの機能が一つのサービスに統合されており、さまざまなデータを一元的に管理・分析可能。

■提供形態(クラウド/オンプレミス)
クラウド

■拡張性
高い(各種サービスをプランによって追加可能)

■コスト
従量課金制

■導入に向いている業種/業態や課題など
小中規模~大規模での構築が可能。MS社他サービスとの親和性が高いため、既存MSユーザ向けには導入ハードルが低くなる。

製品詳細はこちら

BigQuery

■特徴
BigQueryは、ペタバイト単位のデータをリアルタイムで分析可能。Google内にある他のサービスと連携がしやすいのも特徴。

■提供形態(クラウド/オンプレミス)
クラウド

■拡張性
高い(各種サービスをプランによって追加可能)

■コスト
従量課金制

■導入に向いている業種/業態や課題など
高速なデータ処理能力と拡張性が特に有用なため、大量のデータを処理するのに向いている。

製品詳細はこちら

7. 自社に合ったDWHを導入しデータドリブンな経営企画促進を

本記事では、DWHのメリットや活用方法についてご紹介いたしました。 DWHを活用すれば、さまざまなデータを一元管理し、整理、保管して分析に活かすことができます。 自社のビジネスに合った適切なDWHを導入して、蓄積したデータを有効活用してみてはいかがでしょうか。

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