マーケティング/セールス部門における戦略立案と営業の可視化・分析

Marketing Sales

戦略立案とは、企業などの組織が将来を見通して、方針と計画を策定することです。
重要なことやフローはさまざまにありますが、その中でもマーケティング/セールス部門での戦略立案で大事なことを3つのステップでご説明します。
また、戦略立案を効果的に商談で使用するために、あわせて確認をしておきたいセールスアナリティクス(営業の可視化と分析)についてもご紹介します。

目次

1. 戦略立案の3つのステップ

パーソルビジネスプロセスデザインではマーケティング/セールス部門における戦略立案で、以下の3つのステップを大切にしています。

1.市場調査
2.セグメンテーション
3.ターゲティング

そもそも上記の3つの軸はなぜ企業で行う必要があるのでしょうか。
それは、企業においてはリソースが限られている中で如何に効率的に売上/利益を伸ばす事ができるかが大きなテーマだからです。
その為には売上/利益が上がらない、見込みのない顧客にアプローチすることは価値の低いアクションとなってしまいます。逆に、顧客が抱える問題・課題解決にこちらが貢献できない場合、そのアプローチ自体が顧客にとって下記の低いものとなります。
マーケティング部門、セールス部門で意識されることですが、個人によって解釈が異なっていたり、認識違いがおきたまま進んでしまっていることも少なくありません。パーソルビジネスプロセスデザインではそのようなミスマッチが起こらないように、各々の定義や意識していることをご説明します。

2.市場調査

市場調査とは、企業がもつ課題を解決したりマーケティング戦略を立案するために市場(マーケット)に関するさまざまな情報を収集・分析することです。
収集方法としては、アンケート調査(郵送・FAX・インターネット)やビッグデータ分析、対面調査(インタビュー)などです。 市場調査では企業の商品/ソリューションの市場における、機会を発見するための情報収集活動となります。
市場調査は企業にとっての「市場機会の発見が目的」になります。企業にとって価値の高い・魅力のある市場を探します。 また、市場調査にはさまざまな調査方法がありますが、代表的なものとして下記になります。

定量調査

定量調査は、アンケートや会場調査になどにより商品の認知度や割合・人数・満足度などの数値を把握できるものです。数値データにより説得力を持たせることができ、市場全体の傾向把握ができます。

定性調査

定性調査は、インタビューや行動観察調査などの心理面や潜在意識から、原因や理由を探ることができ、顧客の要望やニーズなどの意見を把握できます。調査対象者の心理的な動向がわかり、定量調査ではわからないユーザーの声を拾うことができます。

統計データ調査

統計データ調査は、統計データをもとに一定の条件(期間や場所)で定められた集団の傾向や、調査対象者の属性に合わせた数値データを調査します。 統計データは政府機関や大手企業が発表していることもありデータに信憑性があるのと、統計データを活用することにより、調査時間のコスト削減になります。

市場調査で重要なこと

市場調査において大切なのは、大きくわけて下記の通りです。
・市場調査の目的を明確にする
・調査の実施方法を決める
・仮説をたてて検証する
もつべき重要な視点としては、市場規模、その市場の成長性、そしてマクロ環境といった市場動向となります。これらの市場情報は市場統計データや業界団体、業界紙等で情報収集できます。
市場動向をみながら市場規模や成長性といった観点で分析をしていきます。

3. マーケティング戦略におけるセグメンテーション

セグメンテーション(segmentation)は、日本語に訳すと「区分」を意味する言葉です。マーケティング領域では「特定の属性ごとにグループを作ること」と定義されています。マーケティング戦略において、競合選定は重要になります。
そしてどの市場を狙っていくのかで、その競合も変化します。 セグメンテーションは市場調査後に、ターゲティングを行う準備段階になります。

4. マーケティングにおけるターゲティング

ターゲティング(Targeting)とは、セグメンテーションによって細分化された市場に、ターゲットを絞って有効なマーケティングを展開することです。商品/ソリューションの強みの発揮ができるか、競合しているライバル企業と比べて優位に立てるのかを考慮して行います。

5. セグメンテーションとターゲティングの全体プロセス

セグメンテーション/ターゲティングのプロセスを釣りに例えてみます。
1.どの海/湖にいけば釣りたい魚がたくさんいるのか:市場の把握
2.その魚はどんな特徴を持っていて、どの海/湖のポイントで釣れるのか:セグメンテーション
3.選択した海/湖で優先順位をつけて釣るポイントを決める:ターゲティング

この例えでお伝えしたいことは、魚がいないポイントに餌を垂らしても魚はつれないという事です。 釣りをする前には事前の準備が必要です。
釣りに行く際にはどの海/湖にいくのか、釣りたい魚の特性はどのようなものか、どんな行動をするか、時期/時間は適切であるか、それらを考えて釣るポイントはどうするか、どんな餌の食いつきがいいのか、仕掛けは一番何が良いのかといった多くの項目を考えます。それらを考え抜いて、釣るポイントを選んで行きます。
市場調査からターゲティング/セグメンテーションのプロセスはよく似ており、繰り返しになりますが効率的に売上/利益の成長に繋がる為には、これらのプロセスを踏んでいく事が重要です。

6. 戦略立案に効果的なセールスアナリティクス

市場の把握、セグメンテーション・ターゲティングにより効率かつ効果的なマーケティング市場とセールスポイントが絞られました。戦う場所と物が決まっているため、このあと重要になるのは戦い方、すなわち営業手法になります。
この営業手法に関して、営業や商談の質を上げるためには「営業の可視化」が重要となり、営業・商談の分析が必要です。セールスアナリティクスでは、商談データを分析し、営業チームの組織力強化を実現します。

セールスアナリティクスとは

セールスアナリティクスという考え方は、昨今の非対面型の商談が主流になり始めてから生まれたものになります。 新型コロナウイルスの影響や働き方改革などで近年テレワークの需要が高まり、非対面での営業活動も求められています。
そんな中でインターネット上という場を生かした、オンライン商談の需要が高まりました。 オンライン商談ならではの利点として、商談を録画できること(商談ログ)にあります。従来までの商談では内容の記録ができず、商談内容の分析は難しいものでした。個人の裁量に委ねられた空間となり、基本的にはブラックボックス化(業務遂行のプロセスがわからなくなること)しています。
そんな商談ログの振り返りができるようになったことで、営業や商談における成功要素を解明し定量化を行い、そのデータに基づいたアクション改善フローを構築することが可能にになりました。

7. セールスアナリティクスによるオンライン商談ログの分析手法

商談ログの取得は主にZoomのように映像と音声を録画できるコミュニケーションツールを用いて行われます。 そして録画されたデータより、言語・準言語・非言語データを取得します。 取得された言語からは「何を話したのか」という内容から話題の興味関心、顧客の課題、BANT+C情報※が指標化できます。
さらに準言語からは「どのように話したのか」という付加情報が拾え、話題による声のボリュームの変化や話に対する笑い・相槌など、話す速度会話の間といった内容も拾うことができます。 非言語は身振り手振り(ジェスチャーなど)などを指し、会話に対する頷きや姿勢など映像を含めた録画ならではの要素になります。

このような言語、準言語、非言語、の複合的な要素から
商談構造:商談の大まかな構造、構成を分類。全体像を定量的に可視化。
・話題推移:どのタイミングでどのような内容が話されたのかをAIにて分類。
・状態変化:顧客を含む出席者の状態を指す準言語データ(抑揚・話速の変化)を解析。
というデータを取得・分析していきます。

※BANT+C情報とは、「Budget(予算)」「Authority(決裁権)」「Needs(必要性)」「Timeframe(導入時期)」「Competitor(競合)」の頭文字 をとったワードであり、営業や商談におけるヒアリング事項

8. セールスアナリティクスが実現すること

セールスアナリティクスでは、商談データを分析し、営業チームの組織力強化を実現します。
「商談力向上・案件管理効率化・人材育成最適化」の3つのポイントに沿ってまとめます。

商談力向上

商談のオンライン化により、取得可能になった商談のログを振り返り分析します。分析結果から改善のアクションを明確化し、ゴールデンパス(主要な導線)に則った商談力の底上げを行います。

案件管理効率化

共通の指標に基づき営業・商談の評価を行い定量化させます。 SFA(営業支援システム)の情報と商談データの連携を行い、受注の売り上げ予測の精度を向上させます。

人材育成最適化

定量化したデータに基づき、各個人の営業・商談のスキルを評価します。ハイパフォーマーのスキルが可視化でき、「模範的な営業」の指標が取れます。 この指標をもとにコントロール可能な範囲で最適化を行うことができ、育成方法の最適化につながります。

まとめ

マーケティングにおける戦略立案をたてるうえで大事なことは、以下の3つです。
・市場の把握(自社にとって価値の高い市場を見つける)
・セグメンテーション(見つけた市場を細分化し、戦う場所を絞る)
・ターゲティング(細分化された市場に、有効な手法でマーケティングを行う)

この戦略立案を有効に活用するため、組織の営業力を上げるのに欠かせないのがセールスアナリティクス、すなわち商談の可視化と分析になります。 データに基づいた戦う場所、物、戦い方で効果的なマーケティングを実現していきましょう。

DOWNLOADこの記事に関連する資料のダウンロード


RECOMMENDおすすめ記事

CONTACT お問い合わせ・ご相談

セールス・マーケティングに関する
お悩みなら
私たちにお任せください

パーソルビジネスプロセスデザインでは、
マーケティング領域からセールス領域まで
一貫したご支援が可能です。
「データドリブンマーケティングを実現したい」
「営業のパフォーマンスを上げたい」
「ツールを導入したが成果が上がらない」
そんな場合でも、
まずはお気軽にお問い合わせください。
専門のコンサルタントがお客様と
伴走しながらゴールを目指します。
さあ、私たちと一緒に一歩を踏み出しましょう。

PAGE TOP