営業予算達成に向けたPDC運用の設計と運用方法:勝てる営業組織をつくるための5つの要件:第5回

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前回、営業活動を的確に行っていくための営業プロセスの設計の仕方と営業フェーズにおける関係者の役割定義についてお話をさせていただきましたが、第5回の今回はPDC運用の設計とその運用方法についてお話しさせていただきます。

最終回の今回は、活動計画を正しく進めるためのPDC運用の設計とその運用方法についてお話しさせていただきます。

皆さんの組織では計画、実行、振り返り、改善、いわゆるPDCAサイクルを意識した活動がなされているでしょうか?健全な組織運営を実践するにはこのサイクルを機能させるためにPDCAサイクルの有効性を理解し、計画~振り返り、改善までのサイクルをあらかじめ決めて運用する必要があります。今回は営業組織におけるPDCAサイクルの運用方法についてご説明させていただきます。

営業予算達成に向けたPDCA運用

本コラムの第3回でご説明させていただいたミッション/ゴールに紐づいた目標値やKPIを達成するために自社の営業組織や活動に沿ったPDCAサイクルを設計し、実行していくことが必要となります。
このPDCAサイクルはとはデミングサイクルとも言われ、仕事を効率的に進める有効として提唱された理論です。営業予算達成に向けて計画をしっかりと立て、その計画に基づいて行動した結果を振り返り、評価し、改善策を立案し、再度計画を立て、実行していくサイクルです。営業組織においても売上予算など目標達成に向けて業務を円滑に遂行するために有効な考え方です。

▶︎PLAN(計画):実績や将来の予測などをもとにして、「誰が」「何を」「どのように」「いつまでに」やるかを決め、業務計画を作成する

▶︎DO(実行):計画に沿って業務を行う

▶︎CHECK(振り返り):実行計画に沿ってどの程度進捗しているかどうかを確認する

▶︎ACT(改善):実施が計画に対して遅れている箇所を特定し、改善策を検討、実行する

このサイクルを営業予算達成に向けて、的確に運用していくためには、計画の進捗の良し悪しを把握するためのチェック内容、確認頻度や方法を決めて運用することが重要なポイントになります。また、日頃実施されている業績確認や案件進捗確認のための会議やレポートを上手く活用することで定期的にPDCAを廻せる環境を構築でき、目標達成に向けた活動の品質や出力の維持、向上に向けた改善サイクルを運用ができるようになるでしょう。

計画の進捗状況を適切に確認するためにはまず、何を確認するかを明確にすることが挙げられます。単純に売上、受注件数だけをチェックしていても進捗状況や良し悪しの要因は見えてきません。チェックする項目は確認頻度も合わせて検討します。例えば、四半期であれば四半期の業績や年間予算進捗、KPI達成状況、パイプライン状況、月次であれば四半期予算進捗、月次予算進捗、月次施策の実施状況、週次であれば、月次予算進捗、行動指標の進捗状況などが挙げられます。これらの業績やKPIのチェックの目的は営業目標に対する進捗の改善に向けた施策にあたりをつけることです。確認方法としては、他社や他部門などのベンチマーク、時系列、メンバー毎での比較や、成果に起因する各指標の実績を把握した上で現状の問題点や課題の特定、キャンペーンや広告などのプロモーションといったイベントが業績にどのような影響をもたらしたかなどの視点で確認をしていきます。

次にどのような場や手段を使って確認をしていくかを取り決めます。まず考えらえれるのは会議体です。
会議はPDCAサイクルにおけるP(計画の立案/承認)、C(行動の振り返り/計画の修正)に関して関係者と合意をとる重要な機会です。業績確認会議や案件進捗MTGなど既に実施されている会議なども含めて会議体を設計し、いずれの会議にしてもアジェンダの設計やファシリテーションなど目的を達成する会議運営を行うように心がけましょう。
もうひとつ重要な手段としてはレポートが挙げられます。レポートは営業組織のPDCAサイクルをドキュメントを用いて可視化したものであり、チームの運営状態を明らかにするだけでなく、関係者への成果の共有やVOCの共有など活動品質を向上させる要素を持ち得た手段です。四半期であれば四半期業績/KPIの振り返り、アクションプランの共有や次四半期に向けた活動方針、アクションプランの共有、月次であれば当月の活動成果と課題の振り返り、次月の目標とアクションプラン、お客様の声や競合の状況共有、週次であれば、当週の活動結果の振り返り、目標進捗率、翌週の活動目標とアクションプランなど確認するタイミングによってレポート内容を設計します。レポート内容をPDCAサイクルの運用に合わせて設計した上で運用するようにしましょう。

まとめ

このように、営業予算達成を実現するためには目標を決めて、組織や営業担当者がそれぞれで
目標進捗を確認するだけではなく、PDCAサイクル運用を自社組織の活動に沿って、

▶︎チェック内容と頻度、方法を設計する

▶︎会議やレポートなどチェックする手段を設計する

ことがポイントとなり、設計したPDCAサイクルをチームリーダーが関係者に対して周知徹底し、
責任を持って運用ていくことで、営業担当者全員が共通認識を持つことが可能となり、
立案した計画をやり遂げるために組織として営業予算や目標に対して常に意識を持って活動することが可能となります。
皆さんも意識して取り組んでみてください。

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