リードナーチャリングとB-MA:3.活用事例

Marketing Tech

前回、2013年11月12日の記事「リードナーチャリングとB-MA:2 B-MAの活用メリット」では、「B-MA」の構成・実装と活用メリットにスポットを当てました。
今回は事例に沿って、「B-MA」を利用し、問題に対する具体的な解決方法をご紹介いたします。

問題と解決方法のおさらい

前回は3つの問題に対する解決方法をご紹介させて頂きましたが、全ての問題に対しての解決方法をご紹介すると非常に長い文章になってしまうため、今回は以下の問題に絞ってご紹介をさせて頂きます。

【問題】

取引きはあるが、休眠/放置状態になっている顧客が沢山存在する。

【想定する解決結果】

▶︎営業担当が接点を持つことができていない休眠顧客と継続的なコンタクトをとることが可能となる。

▶︎放置状態の顧客の状況把握や関係性構築を図ることができ、解約阻止に繋がる。

▶︎顧客状況に合わせた課題訴求を行い、気付きをもたらすことでアップセルやクロスセルなどに繋がる。

問題に対する考察

一旦見込みなしと割り当てられたリードは、長い期間休眠状態を過ごすことになります。
その休眠顧客を掘り起こす多くの場合が、担当営業の経験と勘で、改めて接点となりそうな顧客を片っ端から当たることも多いでしょう。そうした場合、興味度合いをイチからヒアリングをせねばならず、受注までは新規開拓と同様の手間がかかります。

営業担当にも一度にフォローできる件数は限られています。できる営業マンほど多くの顧客を抱えてしまうため、放置状態になってしまい、解約につながる残念なケースに発展することもあります。

また、折角、接点を作り直したとしても、顧客の課題感の見えない中での新たな提案は、顧客の印象を悪くし、次につながるリレーションが難しくなる場合もあります。

ではどうすればよいか?

休眠・放置の顧客に対して定義したスコアを用いて、それぞれの顧客の状態からセグメント分けを行ます。

各セグメントに応じた購買意欲の醸成に向けた継続的なコンタクトを行うことで、良質な案件をより多く創出していきましょう。

B-MAの機能と仕掛け、第2回でご紹介させて頂いた通り以下のようになります。

<B-MA利用の手順>

1.事前に収集したリード情報をB-MAに登録します。

2.各リードに対して、ランディングページのURLが記載されたメールを一括送信します。

3.URLをクリックしていただくことで、B-MAに登録されたリード情報と自動的に紐付けを行います。

4.以後、専用のタグを埋め込んだWebページ内での遷移情報が逐次B-MAに記憶されます。

5.任意のスコアリング基準から、各リードのスコア情報が自動的に算出されます。

6.スコア別に、より適したアプローチを行うことにより、案件創出の確度を向上させます。

その中で、特に「分析」から「アプローチ」にかけて、具体的な作業を見ていきましょう。

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図1.リードナーチャリングの施策フロー

分析(セグメンテーション、ターゲッティング)の仕方

▶︎基本的なデータを収集する

▶︎会社規模、業種、職種など基本的な情報と同時に、当時の課題感、興味感、予算感、接点の時期などの定性的な情報を付与して、リードリストに登録します。

▶︎分析レポート作成(どの顧客を攻めるべきか分析レポートを作成する)

▶︎例えば、「昨年の展示会に来場しており、かつ、直近1ヶ月間に自社のサイトを閲覧したリード」や「◯◯に関するページを過去3ヶ月の間に合計5ページ以上閲覧したリード」など、様々なカットでセグメンテーションを行います。

▶︎ここでSalesforce.comは役に立ちます。

▶︎Excelで分析を作る場合、3軸以上の分析や、数万件という大量なデータには向いていません。

▶︎BIを利用した場合にも、次のアクションに繋げるためには別システムに繋ぐ必要がある場合も多いです。

▶︎分析レポート結果の活用、キャンペーン等への反映

▶︎Salesforce.comであれば、分析レポートをそのまま、次のキャンペーンメンバーとして、取り込むことができます。

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図2.分析レポートのイメージ

分析後のアクション

分析によってセグメントされた顧客に対し、キャンペーン用のメールを送付することで、その顧客の行動分析=スコアリングが可能になります。

▶︎スコアリング

▶︎メールに書き込まれたURLをリードがクリックすると、瞬時にWeb行動履歴追跡(トラッキング)が走ります。
特設ページ(ランディングページ)を用意すれば、よりリードの興味度合いを測ることも可能です。

▶︎このトラッキング情報と、これまでの顧客の分析度合いを予めスコアリングしておけば、キャンペーンにて打ち出したメールに興味を持ったリードのみに振り分けることが可能です。

▶︎興味があると認識されたリードにて、再度、営業アクションを行えば、CVR(コンバージョンレート)の高い案件が見えてくるでしょう

▶︎営業アクション

▶︎全ての顧客が高いスコアになるとは限りません。スコアの高い顧客は即座に訪問に伺うべきでしょう。

▶︎しかし、スコアの低い顧客に対しては、別の打ち手(コール、追加メール)等を打つことで、さらに顧客をナーチャリングすることも可能です。

▶︎こうしてスコアが高くなった顧客を中心に営業活動を行うことで、興味度の高い商談が行え、結果、受注につなぐことができるのです。

まとめ

このようにして、「【問題】取引きはあるが、休眠/放置状態になっている顧客が沢山存在する。」に対し、適切なアプローチを行うことで、新たな”見込み客”を”醸成”することができ、既存のリソースを十分に生かした営業活動ができるようになります。

さて、3回に分けて連載した、「リードナーチャリングとB-MA」は今回で完結です。
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