データ分析に役立つツールとは?BIツールを導入する際のポイント
(2024/1/18更新)
データ分析はビジネスにおける意思決定の成功確度を高めるために欠かせません。そのデータ分析のサポートをしてくれるのがBIツールです。
しかし、
・ツールの重要性を理解しているが、どのツールを導入すれば良いか分からない
・ツールの導入、運用を失敗したくない
と考えていてなかなか手を出せないって言う方も多いと思います。そのような方へ向けて本記事ではBIツールの重要性やメリット、デメリット、オススメのツールをご紹介します。
データ分析を行って利益を上げたい方にぜひご一読いただきたいと思います。
データ分析の概要について知りたいと言う方はこちらの記事をご覧ください。
目次
- 1.エクセルとBIツールの違い
- 2.データ分析をサポートするBIツールのメリットを詳しく
- 3.データ分析をサポートするBIツールを導入する際の留意点
- 4.BIツールの導入を成功させるための選定基準
- 5.データ分析をサポートするおすすめのBIツール
- 6.まとめ
1. エクセルとBIツールの違い
皆さん、ご存じのようにエクセルの関数やグラフ機能などを用いてデータの集計やレポート作成を行うことができます。そのため、BIツールを導入するのではなくエクセルで十分なのでは?と考える方もいらっしゃると思います。
しかし、目的・用途によってBIツールを活用することで大きなメリットを得ることができます。まずは2つのツールの違いを紹介します。
BIツールとはデータを取り込み、分析やレポーティングをするツール
BIはBusiness Intelligence(ビジネス・インテリジェンス)の略です。インテリジェンスとは「目的があって出力された情報」を意味します。具体的に多種多様なデータを取り込み、それらをビジネスに使用できる状態に分析したり、レポートを作成したりするためのツールです。
BIツールでの分析やレポーティングなど基本的な操作を行うにはプログラミングコードなど必要としていないため非エンジニア・プログラマーの方でも使用することができます。
BIツールのメリット・デメリット
BIツールを導入することで下記のメリット/デメリットがあります。
メリット
・可視化・成形することで問題・課題を発見しやすくなる
・他部門とのデータ共有が進む
・レポート作成のスピードがあがる
・散財するデータを集約して分析できる
・意思決定のスピードがあがる
※BIツールのメリットは事項で詳しく説明します。
デメリット
・ツール数が多いため、自社にとってどれを導入すればよいか分かりにくい
・コストがかかる
・設定に手間がかかる
・操作に慣れないと作業時間が増えてしまう
エクセルのメリット・デメリット
エクセルでデータ分析に取り組むメリット/デメリットは下記です。
メリット
・量が少ないデータの処理、可視化が容易
・分からない場合はインターネットで調べることができる
・操作に慣れている方が多いので工数を見積もりやすい
デメリット
・他ツールと連携して、データの自動更新が難しい、できない
・データ量が多いとファイルを開くのに時間が掛かる
・データ量が多いと処理速度(関数の計算やセルの挿入など)が著しく遅くなる
分析の目的によってエクセルとBIツールを使い分けるのがベスト
このように「少量のデータの処理、可視化をしたいならExcel」、「長期的に大量のデータを処理、可視化したいならBIツール」など分析の目的によって選択するツールが異なります。
もし悩んだらまずはエクセルで簡易的な分析を行い、分析のイメージがついたり、軌道に乗り始めたりしたらBIツールを導入してみてください。
2.データ分析をサポートするBIツールのメリットを詳しく
先ほど、紹介したBIツールのメリットを詳しく紹介します。
社内に散在しているデータを集約して、分析することができる
第一に社内に散らばっているデータを収集、分析することが出来る点が挙げられます。近年、1つの部署の保有しているデータだけを分析するのではなく、複数の部署が保有しているデータを組み合わせて新しいビジネスの価値を生み出すことが利益向上に繫がるとされています。
しかし、各部署が保有しているデータを分析するために集めることは容易ではありません。分析するために必要なデータを定め、抽出し、加工作業をするなど多くの時間が掛かることが予想されます。BIツールを活用することで各部署のデータベースを連携し、必要なデータを簡単に収集することができます。また、分析作業においても難易度の高いデータ分析を素早く完了することができます。
分析結果を可視化・成形することで理解が容易になる
2つ目は分析結果を可視化・成形することで理解が容易になる点です。ビジネスを進めるにあたって各部署の実績などあらゆる情報を可視化することがポイントとなります。しかし、各部署が扱っているデータの中身や数値の定義が異なるので共有を受けてもイメージが湧かないなど意思決定を下すための情報としては不十分になってしまうということがあります。
BIツールはデータの可視化をすることに優れているため、部署ごと、事業ごと、グループごとの実績やビジネス戦略を可視化することができます。可視化されることでデータのイメージがつかめ、意思決定をスムーズに行えるようになります。
課題発見が容易になり、改善速度を上げることができる
3つ目は課題発見が容易になり、改善速度を上げることができる点です。ビジネスには問題や課題はつきものです。中には情報漏洩など問題が起きてからでは遅いもの、企業に致命的なダメージを与えるものなどもあります。この問題や課題を迅速に対応できるか否かがビジネスの未来に影響します。
BIツールはこのような問題や課題を未然に防ぐ、また迅速に改善することができます。BIツールができる分析機能は様々であり、目的に応じたツールの設定、機能の使用することで売り上げや利益率などの経営面の可視化だけではなく予測分析もできます。この予測分析をうまく活用することで問題・課題の発見スピードを高めることができます。
レポート作成の工数を削減できる
4つ目はレポート作成の工数を削減できる点です。レポートは企業の実績などを可視化し、意思決定や議論の材料になるため欠かせないものです。しかし、分析結果をグラフや図にまとめることは簡単ではありません。
先述したようにBIツールではデータの可視化のフォーマット等が用意されており、レポート作成の手間と時間を大幅に短縮可能です。そのため迅速な経営の可視化やマーケティング活動の効果検証もスピーディーに行うことができます。
3.データ分析をサポートするBIツールを導入する際の留意点
BIツールを導入すれば、必ずしも抱えている問題や課題が解決するわけでもありません。この章ではBIツールを導入する際の留意点を解説します。
ツールの特徴を理解し、自社にあったものを選定する
BIツールは多くの企業が開発・販売をしており、特徴・機能も様々です。機能がたくさんある方が良いと思って導入しても使いこなせないということもあります。そのため、自社がツールに求めていることとツールの特徴を理解し自社に合ったものを選定しましょう。
ランニングコストを考慮する
ツール導入する際は初期費用(イニシャルコスト)とランニングコストを考慮しなければいけません。初期費用が掛かる、初期費用は無料だがビジネスで使うには機能を追加しなければいけないためランニングコストが掛かる、使用するユーザーの人数ごとコストが高くなるなど提供形態によって異なります。調べてみたら予算よりもコストが大幅にかかってしまったということもあります。
情報システム部門の工数がかかる
BIツールは最初の設定に時間を費やします。各部署が保有しているデータを抽出・加工し、ツールで分析することは非常に煩雑であるため、データ運用の知見が多くない方だけで準備するのは難解です。そのため、情報システム部門など他の部門の方の工数をいただくことも念頭に入れておきましょう。
操作に慣れないと作業時間が増えてしまう
BIツールは馴れるとデータ連携や可視化を簡単にすることが出来ます。しかしすべてのBIツールが簡単に使用できるとは限りません。中には直感・感覚で使用することができない、使用感が良くないものもあります。
そのようなツールを使用してしまうとかえって作業時間を割いてしまうということが起こります。そのためツールを本格的に導入する前には、トライアル期間で使用したり、複数人で操作したりして不満点がないか確認しましょう。
4.BIツールの導入を成功させるための選定基準
一度ツール導入に失敗してしまうとそこからツールに対する嫌悪感を抱き、その後のツール導入がスムーズにいかないということも考えられます。そのため、先ほど紹介した留意点をしっかり把握し、導入の準備を行ってください。この章では導入に失敗しないようにするために、選定基準をお話しします。
ツール導入の目的を明確化しているか
1つ目はツールの導入目的を明確化しているかどうかです。多くの企業ではツールの導入に重きが置かれており、導入後使いこなせないと言うケースがよくあります。そのためツールを導入する前に「誰が、何のために、どのようにツールを使用するのか」と言う目的を明確にしておきましょう。
データ分析する際のデータが社内に蓄積されているか
2つ目はBIツールを用いてデータ分析する際のデータが社内に蓄積されているか否かを確認することです。ツールを導入しても分析のもととなるデータが蓄積していなければ意味がありません。
BIツールを導入する前に「どのような課題・問題を解決したいのか」や「問題・課題を解決するためにどのような分析をしたいのか」などを洗い出し、必要なデータが揃っているかを確認しましょう。
ツール・データ同士の連携ができるか
3つ目はデータ同士の連携ができるかを確認することです。BIツールのメリットは各部署が保有しているデータを統合して分析することです。しかし、各部署が保有しているデータのジョインキーがなく、データ同士の連携ができなければBIツールのメリットを活かすことができません。そのため目的を達成するために必要なデータが揃っているか否かを確認しましょう。
5.データ分析をサポートするおすすめのBIツール
ここまでBIツールを導入するメリットやデメリット、導入を成功するための選定基準などを紹介しました。そのようなことを踏まえてこの章ではお勧めのBIツールを4つ紹介します。
Tableau(タブロー)
Tableauとはタブローソフトウェアが提供しているBIツールです。プログラミングなどの専門的な知識スキルを持っていない方でも、ドラッグ&ドロップなどの感覚的な操作で手持ちのデータソースから必要なデータを取り出し、見やすい形にビジュアライズ化できるのが特徴です。
また、ダッシュボード作成・共有機能も付いているため、日ごろのレポート作成・共有の工数を大きく削減することも可能です。
DOMO(ドーモ)
Domoとはデータを加工するETL機能やデータを可視化するダッシュボード作成機能、分析結果からの考察を共有し医師決定につなげるコミュニケーション機能などが備わっているビーアイツールです。
Domoでは下記の7つのコンポーネントを組み合わせることでビジネスをより円滑にかつ高度にすると考えています。
・接続(CONNECT) ~ あらゆるデータソースを統合
・保存(STORE) ~ 大量のデータを高速で通信
・準備(PREPARE) ~ クレンジング、結合、統合
・可視化(VISUALIZE) ~ すべてのユーザーにインサイトを
・コラボレーション(COLLABORATE) ~ シームレスなコラボレーションを可能に
・予測(PREDICT) ~ AIツールの新たな活用法
・拡張(EXTENCD) ~ 作成済みAppとカスタムApp
Domoを活用することでデータ分析をコミュニケーションしながら、円滑に行うことも可能です。
Microsoft Power BI
Microsoft Power BIはマイクロソフト社が開発したBIツールです。BIツールのメリットであるプログラミングをせず直感的にダッシュボードやレポート作成をできます。また、エクセルやパワーポイントと操作感が似ており、馴染みやすいのも特徴です。
デメリットとしては無料版ですと1ユーザーが使用できるメモリの容量が少なかったり、アクセス制御ができなかったりします。これらの悩みは有料版にグレードを上げることで解決します。Power BI Desktopは現在Windows版の提供のみなので導入を検討する際は自社のPC環境を加味してください。
Google LookerStudio(旧Google データポータル )
LookerStudioとはGoogleが開発したデータをダッシュボードで可視化し、分析できるツールです。Google AnalyticsやGoogle広告との連携も簡単でGoogleのサービスを活用している方におすすめです。デメリットとしては印刷機能がなかったり、アドホックな分析に向いていなかったりします。
6.まとめ
今回はデータ分析の役に立つBIツールを導入するメリットや導入に失敗しないため意識するポイントをご紹介しました。データ分析を行うためにはツールが重要ということをご理解いただけたら幸いです。
また、弊社ではBIツールを用いたデータ活用推進やデータ基盤整備に関するご相談も随時承っております。
サービスの詳細は下記からご覧ください。