株式会社マネーフォワードの事業立ち上げにおけるパートナー戦略・Marketo攻略の秘訣
マネーフォワード クラウド経費本部 カスタマーサクセス部 マーケティングディレクター
成末 庸平様
お金にまつわるあらゆるサービスを展開しているマネーフォワード
2012年の設立から、誰でも簡単に無料で続けられる自動家計簿・資産管理サービス「マネーフォワード」をはじめ、お金にまつわるあらゆるサービスを展開しているマネーフォワード。
ビジネス法人向けサービスにおいては、経理や人事労務など、バックオフィスに関するデータをクラウドで連携し、業務の自動化を実現することで、生産性向上・経営の見える化を実現できる「マネーフォワードクラウドシリーズ」を展開している。今回は同シリーズの「マネーフォワード クラウド経費」を担当するマーケティングディレクター成末氏に話を伺った。
マネーフォワード クラウド経費のサービス提供モデル
もともと個人向けの「マネーフォワード」が主サービスであったマネーフォワードだが、利用者の方々からの要望をいただき2013年11月に、個人事業主向けの確定申告ソフト「マネーフォワードクラウド確定申告」を開始した。その後、会計ソフトを中心に様々なクラウドサービスを展開する中、2016年1月に「マネーフォワード クラウド経費」を開始した。
「マネーフォワード クラウド経費」のリリース当初は、個人事業主を中心として利用者を拡大していたが、数十名規模の法人にもサービスの利用が拡大していった。 そのためWebサイトから直接クレジット決済できるようなモデルに変更。
その後、さらに規模の大きな法人にもニーズがあることが分かり、営業活動を強化するため、2017年3月に直販営業のチームを組成した。
しかし、組織はできたものの、マーケティングシナリオや仕組みが整っていない状況だったため、直販向けのマーケティングモデルを早急に構築する必要があった。
事業立ち上げにおける課題
そんな中、チームにジョインした成末氏がカバーする業務範囲は膨大だった。リードジェネレーション、リードナーチャリングを主業務としながら、プロダクトPRの企画・インサイドセールスの運用支援等、幅広い業務を1人で行っている。
「事業の立上げ期では特に、PR、リード獲得から育成、インサイドセールス、それらを横断するシステム、データ管理に至るまで、全体のKPIを俯瞰しながら、ボトルネックをつぶしていくことで、全体の流れを滞りなくマネジメントしていく必要があります。」と成末氏。
中でも、リードの育成フェーズに課題があった。リードの育成にはMarketo(マルケト社が提供するマーケティングオートメーションツール)を利用していた。だが、実際のところチームにMarketoの専門家がおらず、運用のノウハウが少なかった。そのため、全体のコミュニケーションシナリオやコンテンツ自体は用意していたものの、Marketoへの適切な実装方法が分からなかった。その中でも、事業立ち上げの真っただ中、「自分自身がMarketoなど個々のシステムの操作方法を習熟することよりも、各プロジェクトを推進していくことに時間を割きたかったため、支援頂けるパートナーを探していました。」と成末氏。
自走しながら立ち上げに付き合ってくれるパートナー
そんな折、マルケト社が主催するステップアップセミナーで講師を務めていたパーソルビジネスプロセスデザインの担当者と出会った。パーソルビジネスプロセスデザインにはMarketoの運用のプロフェッショナルが多数在籍しており、課題に対して提案を受けた。最終的に、これまでの実績と、自走しながら立ち上げに付き合ってくれる柔軟なパートナーだと感じたことで、Marketo運用支援を依頼することに決めた。
事業立ち上げにおけるパートナー戦略の重要性
パーソルビジネスプロセスデザインが支援を始めてから半年間で、様々な設計・実装を行ってきた。全体の設計に関わる『収益サイクルモデルの定義とMarketoへの実装』や、『スコアリングの設計・実装』はもちろん、各種メール施策の実行やその効果測定に関するプログラムの実装(成功パスアナライザの設定など)等だ。
「Marketoの設計や運用を自分でやっていたら、マニュアル片手に未だに実装しきれてなかったと思いますね。今は注力すべきことに時間をさくことができています。事業の立ち上げフェーズにおいては、自分たちでやるべきことと、プロにお任せすることを見極めた上でのパートナー戦略がとても重要です。」と成末氏。さらに、Marketoの運用だけでなく、コンテンツ制作についても、別のパートナーへ委託している。『やりたいことをどう実現するか』。その工夫が事業立ち上げを早急に進めていくヒントになる。
こだわった数値設計とMarketoへの実装
「数字設計にはこだわって試行錯誤を繰り返したので、最終的にこの数字を取っていこうと決まるまでには3~4ヶ月かかりました。ただ、最初は点の話だったのが徐々に線になり、傾向が見え始めています。」
今後は量と質のバランスを見ながら、ROIをどのように出していくかがテーマだという。様々な議論はあったものの、営業がフォローしていないリードからMQL(Marketing Qualified Lead)がどれだけ作られるか、営業チームの生産性がどのくらい上がったか、という観点で測っていく。
パーソルビジネスプロセスデザインについては、「自走してもらっていて大変助かっています。また、パーソルビジネスプロセスデザインのみなさんには、ドキュメントワークなどをしてほしいとは思っていません。例えば、施策の概要であれば社内でも議論できるのですが、先ほどの数字設計の視点なども、Marketoの細かい仕様部分の知見がなければ、具体的な話が進まないことも多いです。なので、パーソルビジネスプロセスデザインの皆さんは、企画や施策の相談相手ですね。」
データドリブンに向けた取り組み
「今後は全てをデータドリブンにするために、色々なツールを連携させ、SalesCloudとMarketoにデータを集約していきたい」と成末氏。その一環で、パーソルビジネスプロセスデザインには、Marketoの運用支援の他にKARTEの運用設計・実装も依頼している。立上げフェーズのみならず、さらなるパートナーシップの発揮に期待ができそうだ。
- 対象商材
- マネーフォワード クラウド経費
- 業務内容
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・Marketo運用コンサルティング:全体設計/シナリオの設計~改善
・Marketo運用支援:プログラム、スマートキャンペーン、各アセットの実装支援/効果測定
・KARTE運用コンサルティング・運用支援
- 運用体制
- 全2名(リーダー1名、メンバー1名)