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コンタクトセンター構築の必要性│構築手順や成功のポイントとは

2023.11.06
コンタクトセンター構築の必要性│構築手順や成功のポイントとは

顧客行動が多様化する現代において、商品やサービスを提供する企業は、顧客からの電話以外の問い合わせにも対応するために、顧客対応部門であるコンタクトセンターの構築が望まれます。 コンタクトセンターの構築には、人員の確保や運営マニュアルの作成、様々なシステムの導入など大がかりな準備が必要です。

この記事では、顧客対応を専門に行うコンタクトセンターの設置を考えている、または機能拡充により対応の幅を広めたいという企業向けに、構築の手順や必要なシステム、運営のヒントなどを解説します。

1.コンタクトセンターの役割とは

コンタクトセンターは、電話を始めとしてメールやチャット、SNSなどのさまざまな窓口からの問い合わせを受けつける、顧客対応を専門に行う部門です。

コンタクトセンターは主に、顧客の疑問や不満、トラブルに関する問い合わせに対して適切かつ迅速に対応する役割が求められます。既存顧客の対応だけでなく、新規顧客やリピーターの獲得などにも関与するコンタクトセンターは、業績に大きく影響を及ぼす部門ともいえるでしょう。



1-1.コンタクトセンターとコールセンターの違い

コンタクトセンターは、同じ顧客対応の窓口であるコールセンターと混同されがちな部門です。日本コールセンター協会では、コールセンターを「顧客や消費者のインバウンドやアウトバウンドの電話応対を行う拠点・窓口」と定義しています。電話のみで対応するのがコールセンターであるのに対し、電話以外にもメールやチャットなど、複数のコミュニケーションツールを活用して顧客とやり取りする部門を一般的にコンタクトセンターと呼びます。

ただし企業によっては、電話以外のコミュニケーションツールを利用している部門も、コールセンターと呼ぶ場合もあります。



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2.コンタクトセンター構築の必要性

コンタクトセンターが必要とされる背景には、大きく顧客対応の多様化と顧客体験を重視する風潮の2点が挙げられます。

2-1.顧客対応の多様化が求められている

コンタクトセンターの構築が必要な理由のひとつとして、顧客対応の多様化が求められているという点があります。

インターネットやモバイル端末の普及により、顧客は普段の生活の中で様々なツールを活用するようになりました。企業への問い合わせ方法についても、電話だけではなくメールやチャット・SNSなど、使用するツールの選択肢が広がっているため、様々なチャネルから寄せられる問い合わせの対応は複雑化・煩雑化してきています。

そのため、本業ではない部署に兼務という形で顧客対応を任せるのではなく、顧客対応を専門に行うコンタクトセンターの構築が必要になってきています。

2-2.顧客体験に価値が求められている

近年、顧客満足度に加え、顧客体験価値(CX)が重視されているという点も、コンタクトセンターが必要になっている背景です。企業はサービス・商品そのものの品質だけではなく、購入前後における顧客との接点にも配慮しなければなりません。

コンタクトセンターを構築することで、顧客が購入を検討する段階から購入後のアフターフォローにかけて、クオリティの高いコミュニケーションで良質な顧客体験を提供でき、競合との差別化や収益性の改善が期待できます。

顧客の声(ニーズ)や行動を収集・分析して、営業活動やマーケティングに活かすためにも顧客対応を行うコンタクトセンターを設置する必要性が高まっています。

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3.コンタクトセンター構築に必要な主なシステム

3-1.一般的に必要なシステムの例

ここでは一般的にコンタクトセンターで導入されているシステムをご紹介します。

3-2.その他機能拡充に役立つシステム

一般的に活用されるシステムとは別に、コンタクトセンターの業務をより効率化したり、顧客満足度の向上を実現するためのシステムを一部ご紹介します。

4.コンタクトセンターのシステム構築の種類

コンタクトセンターのシステムには、オンプレミス型とクラウド型の2種類があります。 それぞれのメリット・デメリットを理解し、自社に合わせた方法で導入をすすめましょう。

4-1.オンプレミス型のシステム

オンプレミス型は、社内のネットワークにシステムを構築する方法です。

オンプレミス型のメリットとして、自社事業の特徴や目的に合わせてシステムをカスタマイズしやすいことが挙げられます。また、社内管理のためセキュリティ面を強化することもできます。

一方デメリットとしては、オンプレミス型の構築には専門知識を持った人材が必要という点や、導入コストが高く構築にも時間がかかります。 また、アカウント管理についても柔軟性が低く、余りが出てしまったり、逆に不足時の追加対応に時間がかかるケースがあります。

4-2.クラウド型のシステム

クラウド型とは、外部の企業が提供するシステムをクラウド経由で利用する方法です。

すでに完成しているシステムを利用するため、クラウド型では開発や導入の手間が少ない、また導入コストも比較的安価であるといった点がメリットです。 他にもオンプレミス型と比べて、アカウントの管理が柔軟で変化に対応しやすいといった特徴があります。

クラウド型のデメリットとしては、自社に合わせたカスタマイズが困難であるという点や、利用する期間に応じて料金が発生し続けるため、長期的にみるとオンプレミス型と比べてコストが高くなるといった点が挙げられます。

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5.コンタクトセンター構築の手順

コンタクトセンター構築の目的設定

まずは、コンタクトセンター構築の目的を設定しましょう。自社の状況や課題を棚卸しし、何を成し遂げたいのかといった点を明確にすることが大切です。

成し遂げたい事や目的に応じてコンタクトセンターのあり方は変わります。例えば、新規顧客の獲得を目的とする場合は、アウトバウンド業務に必要な要素を中心にしたコンタクトセンターの構築が求められます。

ユーザーにとって重要なニーズを把握し、そのニーズに合ったコンタクトセンターを構築することが成功の鍵です。

業務量の予測・プロセス設計

コンタクトセンターで対応する業務の範囲や、業務プロセス・フローの設計をしましょう。

想定される業務量を予測し、オペレーターがタスクを適切かつ効率的に処理できるよう業務フローを作成しましょう。また、問い合わせをする顧客側の目線に立ち、ストレスのなく問い合わせが完結できるように設計することが重要です。例えば顧客とのやり取りの内容によってはコンタクトセンター内で完結するのではなく、別の部門へのスムーズな引継ぎが必要になるケースもあるため関連部署を巻き込んで業務プロセスを設計し、それぞれの役割を明確にしておくことが大切です。

適切な業務プロセスの設計により、顧客からの問い合わせや要望に対して迅速かつ正確に対応することができます。

KPIの設計

業務の範囲やフローが決まったら、目的を達成するためのKPIを具体的に設定しましょう。

例えば、問い合わせの応答率や平均通話時間(ATT)、顧客満足度などについて、目標となる数値を明確に設定することが重要です。これにより、コンタクトセンターの稼働状況や実績を測定し、次の改善に向けた方向性を見出すことができます。

必要な設備の準備・システムの導入

コンタクトセンターを運営するための場所や席、業務に必要な設備の準備を進めましょう。パソコンや電話機はもちろん、運営に必要な各種システムの導入が必要になります。

また、これらのシステムと設備を適切に設定し、連携させることでスムーズな業務運営を実現できるため、自社の業務要件に合わせた設備・システムを選定し導入を進めましょう。

一度にすべてのシステムを揃えるのはコストも高く、うまく活用しきれないリスクもあるため、長期的な計画を立てたうえで順次拡充していくのが良いでしょう。

マニュアル・ルールの作成

オペレーターには顧客対応をするうえで商品・サービスに関する基礎知識が重要になります。他にもチャネルごとの適切な対応方法やシステムの操作方法などをまとめた資料を準備しておく必要があります。

誰にでも分かりやすいマニュアルや、スムーズな受け答えをするためのトークスクリプトなどを準備することで、応対品質の均一化が見込めるだけでなく、安定的に業務を運営することができ管理者の工数削減にもつながります。

こうしたマニュアルについては一度作って終わりではなく、運用しながら定期的に改修・アップデートを繰り返していくことが重要になります。

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人材の確保・育成研修・体制の構築

実際にコンタクトセンターで業務を行う人員の確保を進めましょう。社内で適切な人員をアサインする、もしくは新たに人を採用したうえで育成研修を実施します。

コンタクトセンターで実際に顧客の対応をするオペレーターは、企業の顔ともいえる存在になるため、育成プランを明確にしたうえで、顧客対応を適切に行えるよう研修をしていくことが重要になります。また、顧客と直接コミュニケーションをとるオペレーター以外にも、サポートを担う管理者(スーパーバイザー)の確保・育成も重要です。

組織の体制を考慮し、必要なオペレーターや管理者の人数、稼働時間などを検討し、効率的な業務運営が可能な体制の構築を行いましょう。

これらの手順を参考に、コンタクトセンターの構築を進めましょう。具体的な要件に応じて手順は変動する場合があるので、要件を詳細にしたうえで、それに基づいた計画を立てることが重要です。

6.コンタクトセンター構築を成功させる5つのポイント

6-1.システム選定の仕方

自社のコンタクトセンター業務に合わせてシステムを選定・導入する際には、機能面における要件を満たしているかという観点だけでなく、オペレーターが円滑に活用することができるかといった操作性の観点も重要になります。

導入前に検証期間を設けて、利用するオペレーターによる動作確認、実際の業務フローに乗せた際の使用感など意見の拾い上げをしてから本格的に導入を進めましょう。また、近年注目されているコンタクトセンターのオムニチャネル化を進めるために、システム間の連携についても考慮しておく必要があります。システムを連携することで、データの共有を円滑にし、顧客がどのチャネルを利用しても同じ品質のサポートを受けられる環境を整えることが重要になってきています。

コンタクトセンターのオムニチャネル化については以下の記事で詳しく解説していますのでこちらも合わせてご覧ください。

【コンタクトセンターのオムニチャネル化とは?注目される理由や効果、導入ポイントを解説】

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6-2.役割分担・対応領域の明確化

コンタクトセンターを構築する際には前述した手順を抜け漏れなく、そしてスケジュール通りに作業を進めることが非常に重要です。

そのためにまずは各担当の役割や領域、タスクを明確にし、さらに業務の遂行における責任者を選定します。システム構築、各種設備の準備、人材の配置など、それぞれの領域において専門的な知識と経験を持つ人が担当する必要があります

また、スケジュール通りに構築を進めるためには、WBSや課題管理表の活用が重要です。WBSはプロジェクトを細分化し、全体の進捗管理を容易にするためのツールです。課題管理表を用いることで、構築プロセスの中で発生する様々な問題点や課題を可視化し、対応漏れの防止や優先順位付けをすることで課題を適切に解決していくことができます。

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6-3.リーダーシップをとる人材

コンタクトセンターの構築には、様々な部門や担当者と連携して進める必要があります。そのため、全体の旗振り役となる人材が必要不可欠です。

コンタクトセンター構築に関わる全体像を俯瞰し、コントロールや進捗管理を行うリーダーを置くことが重要になります。構築を進めるにあたり、実際に問い合わせ対応を行うオペレーターや、新しいシステムを導入する際のシステム担当、ファシリティ関連を対応する総務、採用などの人員調達を行う人事、情報の取り扱いに関する情報セキュリティ部門や法務との調整など、多岐にわたる関係者との連携が必要になるため、社内事情に詳しい人材が適しているでしょう。

コンタクトセンターのスムーズな構築に向けてリーダーシップを発揮できる人材を確保しましょう。

6-4.社内環境の整備

円滑にコミュニケーションが取れる環境や、表彰制度、適切な人事制度などを整備することも、コンタクトセンターの成功に貢献します。オペレーターが前向きに仕事に取り組めるように、インセンティブ制度を設ける企業もあります。

例えば季節に合わせたイベントや、日々の業務品質を競うコンテスト、社員同士が感謝を伝え合うコミュニケーションツールの活用、期始まりのキックオフといった社内イベントの開催や、リフレッシュスペースを設けるといった快適なオフィス作りなどが挙げられます。 オペレーターは人材不足に陥りやすい傾向があるため、その対策として今いるオペレーターの方に長く働いてもらえるよう、働きやすい環境を整備することが大切です。

他にも、ゼロから構築する場合には複数の人材をまとめて採用する場合も多いため、コンタクトセンター業務の意義の落とし込みや人間関係の構築といった観点も組織をつくるにあたって重要なポイントの一つです。

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6-5.有識者の意見を取り入れる

コンタクトセンターの構築について社内に知見、ノウハウが無いといったケースもあるでしょう。そうした場合には有識者の意見を取り入れながら構築を進めるといったことも大切です。

例えばコンタクトセンターの運営に必要な専門的な職能について、知識・スキル・行動などのコンピテンシーを体系的にまとめたメソッド(CMBOKなど)もあるため、外部の意見も取り入れながら運営体制を構築するのが良いでしょう。

パーソルビジネスプロセスデザインのコンタクトセンターはあらゆる企業様の業務をお預かりして運営しています。カスタマーサポートはもちろん、セールス領域やバックオフィス系の事務業務、デジタル活用を推進するDXなど、多岐にわたる業務実績があります。

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7. まとめ

多様化する顧客からの問い合わせに対応するためには、コンタクトセンターの構築が望まれます。自社にとって適切で操作しやすいシステムを導入し、コンタクトセンターを構築しましょう。

パーソルビジネスプロセスデザインは、業務改善や抜本的なプロセス改善に取り組むコンタクトセンターサービスです。業務実績は年間250件以上あり、グループ連携によりお客さまのさまざまな課題解決をサポートし、スピーディにコンタクトセンターの体制を構築・運営を実現します。コンタクトセンター構築の際は、お気軽にご相談ください。



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