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コンタクトセンター業界の動向|課題や運営のポイントも解説

2024.06.27
アウトソーシングとは?意味やメリットをわかりやすく解説

自社でコンタクトセンターの設置・運営を検討しており、業界の動向を把握したいと考えている人もいるでしょう。

この記事では、コンタクトセンターの概要やコンタクトセンター業界の動向、抱える問題などを解説します。あわせて、運営をスムーズに行うためのポイントも解説するため、ぜひ参考にしてください。

1.コンタクトセンターとは

コンタクトセンターとは、電話やメール、チャット、SNSなどといったさまざまな手段で顧客対応を行う部署のことです。

コンタクトセンターで様々なチャネルの接点を構築することで、顧客それぞれが使いやすい手段を選べるようになり、顧客満足度の向上や売上向上が期待できるでしょう。また、顧客対応をコンタクトセンターに一元化できるため、業務効率化をはじめとした、さまざまなメリットを得られます。



アウトソーシングとは
アウトソーシングとは

2.コンタクトセンター業界の動向

コンタクトセンターを設置・運営するには、コンタクトセンター業界の動向を知っておくことも大切です。ここではコンタクトセンター業界の主な動向について解説します。

2-1.設立目的、コンタクトセンターの目的

現在、様々な企業でコンタクトセンターが設立されており、注目が集まっています。

コンタクトセンターを設立する大きな目的は、顧客との接点の増加や応対品質の向上です。顧客との接点を増やすことで、それぞれの顧客が持つニーズに対応できるようになるため、顧客満足度を高めるだけでなく、応対品質を向上させることで顧客のロイヤリティを高めリピーターやファンの獲得が期待できます。

近年では商品そのものの価値だけでなく、顧客は企業との関係性を重視する傾向があります。
このようなニーズに対応するために、単なる電話窓口ではなく顧客と良好な関係を構築していく
コンタクトセンターを必要とする企業が増えているようです。


2-2.コンタクトセンターの業務内容

コンタクトセンターの主な業務内容は、商品やサービスに対する顧客からの問い合わせの対応です。商品やサービスの利用方法、故障の問い合わせ、商品に対する意見など、さまざまな内容に対応します。
他にもキャンペーンや新商品の紹介、アンケート調査などをするアウトバウンド業務や、顧客対応に付随する事務業務もコンタクトセンターの業務に含まれます。

テクノロジー技術の発展によりコンタクトセンターの業務にも変化が起きています。
特に問い合わせ対応においてはAIをはじめ高性能なFAQツールなどの登場により、顧客は企業と接点を取る前に自己解決できる範囲が大幅に増えた一方、コンタクトセンターにはより困難な問題の問い合わせ寄せられるため、オペレーターには、より高度な問題解決能力が求められるようになってきています。



2-3.対応するチャネル

コンタクトセンターは、複数のチャネルに対応していることが特徴です。
従来のコールセンターは、電話での対応を専門に行っていましたが、コンタクトセンターでは電話だけでなくメールやチャット、WebサイトやSNS、メールアプリなどあらゆるチャネルで対応するケースが多くあります。

また、新型コロナウイルスの影響でビデオ通話などのオンラインでの商談が広がるなど、次々と新たなコミュニケーション方法が生まれてきているため、コンタクトセンターでは常に顧客のニーズに合わせて最適なチャネル対応が求められています。

ただ対応するチャネルを増やすだけではなく、チャネル間の連携と統合性も重要になっています。様々なチャネルから寄せられる問い合わせや対応内容を連携させることにより、情報の一貫性や顧客体験の向上を図ることが求められています。

2-4.コンタクトセンターシステム・AIソリューション

コンタクトセンターでは、業務効率化を目的としたシステムの導入が進んでいます。たとえば、CRMやチャットボット、音声認識システムなどが挙げられ、簡易的な問い合わせについては直接オペレーターが対応せずとも顧客が自己解決できるようになってきています。

一方でAI技術の進歩は凄まじく、生成AIを活用したコンタクトセンターシステムも生まれてきています。AIによってより自然な対話や多様な言語への対応が可能になったり、音声認識の精度が向上することで音声による問い合わせ対応がよりスムーズに行われるでしょう。
他にも今後はAIを活用したデータ分析と予測がより一層重要になっていくことが考えられます。コンタクトセンターは顧客と直接やりとりをするため、多くの顧客データを用いて顧客の行動や傾向を予測することで、より的確なサービスの提供が可能になります。

AIの進化により、データの分析と予測がより高度化し、ビジネス戦略の立案や顧客体験の最適化に役立つでしょう。

2-5.災害時などのBCP対策

新型コロナウイルスの影響によりコンタクトセンターにおいてBCP(Business Continuity Plan)対策強化の重要性も高まっています。コンタクトセンターのBCP対策としては、運営を複数の拠点に分散させる対策に加え、オペレーターの在宅化やチャットボットなどによる無人対応などが挙げられます。

オペレーターが出社せずに自宅で対応できる環境を整える、AIなどを活用して無人で対応できるようにすることで、不測の事態が起こっても対応しやすくなります。
また、人材の確保という観点でもそれぞれが働きやすい環境を整えるということもコンタクトセンターの運営に必要なポイントになってきています。



2-6.採用状況・時給

日本の労働人口減少は大きな課題であり、コンタクトセンター働くオペレーターも例外ではありません。オペレーターの有効求人倍率は、令和4年度で1.15倍となっています。有効求人倍率が1倍を上回っており、求職者よりも人材を求める企業が多いことがわかります。

また、求人ボックスによると、コールセンター業務での派遣の平均時給は1,384円、アルバイトは1,200円(2024年6月25日時点)であり、金額は年々増加傾向にあります。



【参考】コールセンターオペレーター | jobtag コールセンターの仕事の年収・時給・給料 | 求人ボックス

3.コンタクトセンター業界の今後の展望

3-1. AI技術の活用

昨今のAI技術の進歩は、コンタクトセンター業界においても大きな影響を与えています。
音声認識や自然言語処理、機械学習を駆使し顧客の感情に寄り添った対応を実現することで更なる顧客満足度の向上が期待できるでしょう。

また、AIは膨大なデータを高速で処理・分析することができるため、オペレーターのサポート役として機能することでより迅速かつ正確な問題解決が可能となることが予測されます。
今後さらにAIを活用できる領域が広がっていくことが考えられるため、コンタクトセンターはAI技術を積極的に導入し、更なる顧客体験を創造することが求められます。

顧客のニーズや要望に迅速かつ適切に対応することで、業界での競争力を維持し、将来の成功につなげることができるでしょう。

3-2.システムのクラウド化

コンタクトセンター業界においてもシステムのクラウド化が進んでおり、今後さらに加速していくことが予想されます。
前述したAI技術の発展など、世の中が変化していくスピードが更に早くなっていくことが考えられるため、顧客ニーズの変化や要望に柔軟に対応できるよう、比較的容易にシステムの変更ができたり、機能追加が可能なクラウドサービスが選ばれています。

また、人材が不足する中で自社の社員をコア業務へ専念させるためにも、クラウドベースのシステムを利用することで、メンテナンスやアップグレードの負担やリソースを削減することができ、コストを抑えながら効率的な運用が可能となります。
コンタクトセンターのクラウド化を推進することで柔軟性や効率性を向上させ、将来の変化に対応できる体制を整える必要があります。



3-3.強化されていく領域

コンタクトセンター業界では、顧客体験価値 (CX) の強化がますます重要になっていくでしょう。
デロイト トーマツ グループが行った調査「2023 グローバルコンタクトセンターサーベイ」によると、今後2年間のコンタクトセンターにおける最重要戦略として日本企業が最も重視していることは「顧客体験(CX)向上」(63%)で、2位以下を大きく離しています。

あらゆるサービスがコモディティ化していく中で、製品そのものの価値だけでなく、購買行動を通して得られる体験全体を最適化することで実現する「期待を上回る満足度」が今後さらに重要視されていくでしょう。

顧客と直接やりとりをするコンタクトセンターにおいては、コミュニケーションチャネルの多様化に柔軟に対応して顧客が利用しやすいチャネルを提供し続けるだけでなく、顧客データを分析し、嗜好やニーズの把握によってパーソナライズされたコミュニケーションを提供することが求められます。

アウトソーシングとは

【出展】2023 グローバルコンタクトセンターサーベイ日本版レポート
コンタクトセンター高度化のための戦略と実行の要諦|デロイト トーマツ グループ|Deloitte
URL:https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/operations/articles/crm/global-contact-center-survey.html

3-4.人員確保の強化

コンタクトセンターにおけるオペレーターの人員確保は非常に大きな課題です。
日本における労働人口の減少は確実に進んでいくだけでなく、新型コロナウイルスによって働く人(求職者)の求める条件も変化していきています。

これまでは時給や勤務する場所に対する希望が多かったですが、コロナウイルスの流行後は「在宅勤務・リモートワーク」が可能な仕事を希望する人が増えてきています。
そのためコンタクトセンターにおいてもリモートワークを可能にする取り組みが強化され、在宅化へのシフトが進んでいます。

このようにニーズに合わせて働く環境を変化させ、多様な人材を呼び込むだけでなく、新入社員や既存の従業員への教育・研修プログラムをより一層充実させたり、職場のコミュニケーションやワークライフバランスの改善に取り組むことが今後さらに重要になっていくでしょう。

アウトソーシングとは
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4.コンタクトセンター業界が抱える課題

4-1.オペレーターの業務負担の増加

デジタル技術の進化やスマートフォンの普及により、さまざまなチャネルでの問い合わせニーズが増加しています。複数のチャネルを用意することで顧客の利便性は高まりますが、さまざまなチャネルからの問い合わせに適切に対応しなければいけないため、オペレーターの負担は増加しています。
他にも顧客からの期待はますます高まっており、迅速かつパーソナライズされた顧客対応や問題解決を実現するためにも、より高度な技術やスキルを要求されています。

業務負担を軽減しながら適切にコンタクトセンターを運用するためには、チャネルの最適化だけでなくオペレーターのスキルアップに向けた育成・研修の体制を整備することが重要です。



4-2.ITシステム導入にコストや手間がかかる

コンタクトセンターでは業務を効率化するためにシステムを活用することが必要不可欠になってきています。しかし、どのようなシステムが自社に合っているのか分からず選定に時間がかかってしまう、コストが高く導入ハードルが高いなどのケースもあるようです。
また、導入するだけでなく、システムを有効活用するためにはオペレーターへの教育なども必要になるため多くの手間とコストがかかります。

そのため、導入後のシステムの定着を見据えたリソースや予算を確保したうえで機能とコストを比較しながらシステムを選定したり、マニュアルを作成してオペレーターに周知するといった対策が必要です。



4-3.BCP対策における在宅化・複数拠点化が進まない

コンタクトセンターにおけるBCP対策の一環として在宅化・複数拠点化が挙げられます。しかし、在宅化や複数拠点化を実現するためには、スタッフの管理などに多くの手間がかかるため、なかなかBCP対策を進められないといったケースも珍しくありません。

オペレーターの在宅化や複数拠点化を進めるためには、勤怠管理システムや情報共有システムの導入などを検討するとよいでしょう。コンタクトセンターでは顧客の個人情報を取り扱うことが多いため、特にセキュリティ面に関しては慎重に準備することが大切です。



4-4.採用難や早期退職により人手不足が発生しやすい

コンタクトセンター業界は売り手市場で、慢性的な人手不足が課題となっています。コンタクトセンターで人材不足が深刻化している理由としては、クレーム対応によるストレスが大きいといった労働環境や、複雑な業務内容などが挙げられます。

オペレーターが離職しにくい環境を整えるために、1on1面談の導入を進めたり従業員が働きやすい仕組みを構築したりといった取り組みが必要です。オペレーターの負担を軽減し、定着率を高めることが大切です。



5.コンタクトセンターの課題解決ならアウトソーシングの活用もあり

これからコンタクトセンターの構築を考えている企業は、すべてを内製で行うのではなくアウトソーシングを活用する方法も検討しましょう。

5-1.アウトソーシングの活用背景

コンタクトセンターの運用形態としては、大きく自社で構築するインハウスと外部に委託(アウトソーシング)する2つの方法があります。
インハウスでは場所や設備、オペレーターなどを自社ですべて準備する必要があるため、構築までに時間がかかる一方、アウトソーシングでは構築から運営まですべて委託できるためスピーディーに体制構築が可能です。

現状コンタクトセンターを持っていないが早期に立ち上げが必要という企業はもちろん、人材不足の観点で人員の確保が難しい、自社のリソースはコア業務に割きたい、自社で対応しきれずインハウスから外部委託へ切り替えたいといった背景からアウトソーシングを活用する企業が増えてきています。



5-2.アウトソーシング市場動向・推移

「コールセンターサービス市場/コンタクトセンターソリューション市場の調査を実施(2023年)」によると、コンタクトセンターソリューションの市場規模は拡大傾向にあり、今後も着実に伸長していくと予測されています。

このようにコンタクトセンターを導入する企業は増加傾向にあり、今後もアウトソーシングの活用は拡大していくでしょう。



【参考】コールセンターサービス市場/コンタクトセンターソリューション市場の調査を実施(2023年)| 矢野経済研究所

5-3.外部委託する際のポイント

コンタクトセンターのアウトソーシングサービスは様々な企業が提供していますが、企業によって特徴が異なり、幅広い業務に対応できるところもあれば専門的な業務に特化して対応しているところもあります。
他にも委託する業務範囲を自社で明確にする必要があるサービスと、業務の切り出し・棚卸しからサポートしてくれるサービスなど様々な違いがあるため、自社の状況を鑑みながら委託先を選定していく必要があります。

また、コンタクトセンターの委託先は、BCP対策や個人情報の取り扱い、セキュリティ対策が充実していると安心です。
万が一緊急事態が発生してもコンタクトセンターが機能できるか、第三者機関のセキュリティ認証を取得しているか、情報の取り扱いをどのようにしているのかなどを事前にチェックすると良いでしょう。



6.コンタクトセンターをアウトソーシングするなら
パーソルビジネスプロセスデザイン

コンタクトセンターのアウトソーシングを検討している場合は、パーソルビジネスプロセスデザインがおすすめです。パーソルビジネスプロセスデザインのコンタクトセンターサービスは多くの企業に導入されており年間250以上の案件を運営しています。

テレマーケティングやサポートデスクなど、さまざまな業務を依頼できるため、自社が必要としている内容に合わせてサービスを選ぶことができます。ただの業務代行ではなく、根本的なプロセス改善を提案・実行する伴走型サービスのため、安心して任せられるサービスです。



アウトソーシングとは
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7.まとめ

コンタクトセンターとは、電話だけでなくメールやWebサイト、チャット、SNSなどさまざまなチャネルで顧客対応を行うものです。コンタクトセンター設立・運用のリソースやノウハウが自社にない場合には、アウトソーシングを活用するとよいでしょう。

パーソルビジネスプロセスデザインのコンタクトセンターサービスは、年間250件を超える業務実績があります。サポートデスクアウトソーシングやビジネスプロセスアウトソーシング、テレセールス&マーケティングなど、さまざまな業務に対応しています。コンタクトセンターのアウトソーシングをお考えなら、お気軽にご相談ください。



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