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コンタクトセンターのDX化とは?業務効率や顧客体験の向上に効果的

2023.09.28

コンタクトセンターを設置している企業は多いものの、DX化が進んでいないケースは少なくありません。コンタクトセンターをDX化すれば業務効率が改善され、顧客や従業員の満足度の向上につながります。

この記事では、コンタクトセンターの課題やDX化の必要性とともに、DX化の具体的な方法について解説します。

1.コンタクトセンターの役割

コンタクトセンターのDX化を知るために、まずはコンタクトセンターの概要と役割について解説します。

1-1.コンタクトセンターとは?

コンタクトセンターとは、顧客と企業がやり取りする窓口や機能のことです。

コールセンターは電話対応に特化していますが、コンタクトセンターは電話を含む多様なチャネルに対応しているという違いがあります。具体的には、電話をはじめ、メール・Webサイトのフォーム・SNS・チャットなどです。



1-2.コンタクトセンターの役割

コンタクトセンターの役割は複数のチャネルで顧客との接点をつくり、顧客からの不明点の問い合わせ対応など、顧客が抱える問題や課題を解決することが求められます。

近年は、顧客体験価値(CX)が注目を集めており、商品やサービスそのものの価値だけではなく、購入前後における企業とのコミュニケーションが重要視されてきています。

コンタクトセンターを設置して電話以外の問い合わせ方法を拡充させ、良質な顧客体験を提供することが企業にとって重要になるでしょう。

2.DX化とは

そもそもDX化とは何を表しているのでしょうか。ここではDXという言葉について解説します。

2-1.デジタル技術による変革や新たな価値の創造

DXは「Digital Transformation」を略した言葉です。データとデジタル技術を活用して業務プロセスや組織を進化させ、製品やサービス・ビジネスモデルを変革させることで、競争上の優位性を確立することを指しています。

ビジネスでDX化を進めるとさまざまな効果を得られ、その結果、質の高い製品やサービスを提供できるようになるでしょう。



2-2.デジタル化との違い

デジタル化とは、アナログからデジタルへの変化そのものを意味します。デジタル化の場合、デジタル機器の導入そのものや、デジタル機器の使用による業務効率化が主な目的になります。

一方、DX化の目的は単にデジタル機器を使いこなすことではありません。デジタル技術を用いて業務を変革し、新しい価値の創造を目指すという違いがあります。



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3.コンタクトセンターをDX化する意味

近年、さまざまな業界や分野でDX化が加速しています。コンタクトセンターでDX化を進める大きな目的として、顧客体験価値の向上、業務の効率化などにより従業員体験(EX)があげられます。

スマートフォンなどのデバイスの普及により、顧客対応の複雑化や顧客対応に対する期待値が上がっている一方で、コンタクトセンターで働くオペレーターの人材確保は困難になってきています。限られた人数で顧客の期待に応えるサービス提供を実現するためにも、ITやデジタル技術を駆使したコンタクトセンター運営が重要です。

顧客対応が主たる業務であるコンタクトセンターでは、現代の多様化の流れを考慮し、異なる価値観をもつ顧客が最適なチャネルを選択できる体制を構築する事で、顧客満足度の向上や企業のイメージアップにつながり、長期的な顧客との関係を築くことができるでしょう。

アウトソーシングとは
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4.コンタクトセンターの課題

4-1.応対品質の差

コンタクトセンターではオペレーターの熟練度によって応対品質に差が生じやすいです。

声の出し方や細かい言葉遣いなどによっても顧客満足度は大きく左右されるため、顧客体験の向上や売上アップを目指すうえでは、応対品質のばらつきを解消しどのチャネルでも高品質な対応を実現する必要があります。



4-2.多様化への対応

外部環境の変化として、スマートフォンの普及により顧客の購買活動が大きく変わると共に企業との接点も多様化しています。そのためコンタクトセンターでは顧客が求めるコミュニケーション方法への対応が必要になってきています。

また、内部環境として労働環境における課題もあります。働く環境や場所を選びやすくなった現代では、従来オフィス勤務が基本であったコンタクトセンターにおいても在宅勤務などを導入し、従業員満足を向上させる必要があるでしょう。



4-3.人材不足の課題

多くの業界や職種で人材不足が課題になっており、コンタクトセンターも例外ではありません。 前述の通りオペレーターの業務は使用するツールやチャネルの多様化によって複雑化しており、それに伴い業務の負担も増加しています。

またクレームに対応する場面も多くストレスを感じる人も多いため、人材が定着しにくい傾向があり、特に人材不足が発生しやすくなっています。



5.コンタクトセンターをDX化する効果

5-1.業務の効率化/生産性の向上

DX化で最も効果を感じやすい点として、業務の効率化や生産性の向上があります。応対履歴の記録などこれまで人が行っていた作業を自動化することで、1件あたりの処理時間を短縮できたり、顧客対応を行うチャネル以外に自己解決を促すツールを用意するなど、問い合わせ導線の改善でそもそもの処理件数を減らすといったことも可能です。

生産性の向上により従来のやり方で運営したときと比べ、同じ業務量でも少ない人数でコンタクトセンターを運営することができるようになります。



5-2.サービス品質の向上

コンタクトセンターのDX化により、電話窓口としてのサービス品質の向上にも期待できます。 たとえば顧客との通話内容に応じてオペレーターの画面上に自動で案内内容を表示できるようにすることで、経験の浅いオペレーターでもスピーディーに適切な回答ができ、応対品質の均一化が可能です。

また、デジタル技術を活用することで入電量などの予測の精度が上がり、適切な人員配置ができるようになることで、電話のつながりやすさを向上させることができます。



5-3.管理業務の強化

コンタクトセンター運営に関わる管理業務についても、DX化によって強化することが可能です。各作業の進捗状況の可視化や、対応実績の蓄積、KPIや納期の達成状況の管理といった業務を効率的かつ正確に行うことができるため、信頼度の高い運営を実現することができます。

作業の効率化により時間を創出できるため、オペレーターの育成や運営上の課題解決・改善活動といった点に注力できるようにもなります。



5-4.顧客体験や顧客満足度の向上

デジタル技術の活用によって顧客体験や顧客満足度の向上が期待できます。電話以外のチャネルも充実させることで、営業時間に限らずいつでも顧客の好きなタイミングに問い合わせが可能になったり、Botなどの新たなコミュニケーションツールに触れるといった体験を提供することができます。

顧客が自分にあった手段でよりスムーズに問題を解決できる体制を構築し、利便性を高めることで顧客満足度の向上が見込めるでしょう。



5-5.従業員満足の向上

DX化によって、顧客だけでなく自社ではたらく従業員の満足度向上も期待できます。 業務がひっ迫してしまっている状態の場合は、先ほど触れた通り履歴の記録といった業務の削減や効率化によって従業員への負担を軽減できるでしょう。また、問い合わせに対して誰でもスムーズに対応できるシステムを構築することで、エスカレーションが必要な場面を減らし顧客を待たせてしまうといったストレスの軽減も見込めます。

他にもクラウドシステムの活用で在宅勤務を可能にするなど、オペレーターが働きやすい環境を整えることで、人材の定着や人手不足の解消につながります。



5-6.利益の向上・新たな商品やサービスの創出

デジタル技術の活用によって、様々な種類のデータをより多く蓄積することが可能になります。顧客ニーズに合わせたチャネルの拡充や対応履歴の自動保存によってお客様の声(VOC)を広く、かつ正確に残すことができ、そのデータを活かすことで新たな商品・サービスの開発に役立てられるでしょう。

他にもマーケティングにおける営業戦略の見直しや販売促進にもデータを活用することができます。また、サービス品質や顧客満足度の向上によって自社のファンを増やし、長期的な関係を築くことで事業の売上・収益性の向上につながります。



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6.コンタクトセンターをDX化する際のポイント

6-1.DX化の目的をしっかりと考える

コンタクトセンターでDX化を推進するには、まず目的を明確にする必要があります。何のためにDX化を進めるのかを具体的にイメージしてください。

目的や目標が定まったら、組織全体で共有、認識を統一させ、各所が自分事としてすべきことをコミットすることが大切です。 DX化を推進させていくためにも、自部門だけでなく関連部署を巻き込んで取り組むことが重要になります。



6-2.マイルストーンを明確にする

DX化は、短期的に取り組んでも効果を感じられない可能性が高いです。中長期的な視点で取り組む必要があるため、時期ごとに「いつ」「どうなっていたい」という目標を定めて計画的に進めましょう。半年後、1年後、3年後、5年後の未来に、DX化で何を実現させたいのかをあらかじめ設定することが大切です。

また将来的にDX化する領域が広がることを考え、様々な機能を包括したトータルソリューションで対応するのか、各機能ごとに別れた複数のツールを組み合わせるのかといった観点も必要になってきます。一方当初の計画通りに進めるのは困難な場合も多いため、柔軟に計画を変えていくことも想定しておくことが望ましいでしょう。



6-3.知識がある人材の意見を取り入れる

DX化の推進には、必要な機能要件の洗い出しやシステムの選定、各システムの連携を考えた上で全体最適を目指す必要があるため、ITに精通する人材が不可欠です。そのため社内でITスキルを保有する人材をアサインしたり、外部からITに精通する人材を採用したりしましょう。

十分なITスキルをもつ人材を確保できない場合は、外部の専門機関に委託してDX化を進める方法もあります。DX化を成功させるためには、自社にとって最適な方法を選ぶ必要があります。



7.DX化で導入されるツールの例

DX化にあたっては、さまざまなツールを活用可能です。ここでは、DX化で導入されるツールの例を紹介します。

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8.コンタクトセンターをDX化する際の注意点

8-1.ただのデジタル化から脱却する

DX化とデジタル化は混同されやすいものの、すでに触れたとおりそれぞれの意味は異なります。

デジタル化の目的は、デジタル機器の導入やデジタル技術による効率化です。一方、DX化は、単に効率化を図るだけでなく、企業の競争力や顧客体験の向上も目指しています。

ただのデジタル化から脱却し、本当の意味でのDX化を実現しましょう。

8-2.サービス品質の維持向上を重視する

検討を重ねずDX化に着手すると、かえってサービスの質を低下させる恐れがあります。

たとえば、チャットボットを導入すれば簡単な問い合わせには問題なく対応できますが、複雑な問い合わせには適切な返答ができません。求めている回答が得られない場合、顧客は不満を抱く可能性が高いです。

さまざまな角度から検討したうえでDX化に取り組み、サービスの品質を維持向上させましょう。

8-3.事前検討を十分に行う

コンタクトセンターのDX化を進める際は、事前に現場の状況やニーズをしっかりと把握しましょう。

オペレーターや顧客など、実際にツールを使用する人の意見を考慮せずにDX化を進めてしまうことで、結果システムが使われない、定着しないといった問題が発生する可能性があります。

DX化には費用もかかるので事前の検討が不十分だと費用が無駄になる恐れもあり、そういった事を回避するためにも事前の検討をしっかりと行いましょう。

8-4.導入後のフォロー、改善活動

DX化に際して様々なシステムやツールを活用しますが、導入することがゴールではありません。

導入した後に正しく使われているか、望んでいた効果を発揮できているかといった点を確認していく必要があります。業務の流れなどこれまでとやり方が変わる場合、運用を定着させるためには地道なフォローと継続した改善が必要不可欠です。

システムを導入したままとならないよう、その後の運用や推進、改善活動を見据えたリソースを確保しておきましょう。

9.まとめ

コンタクトセンターにおいてDXを推進すれば、顧客や従業員の満足度の向上だけでなく、人材不足や応対品質などの課題も解決できる可能性があります。パーソルビジネスプロセスデザインのコンタクトセンターでは、業務改善やDX化の推進などにも積極的に取り組むアウトソーシングサービスを提供しています。


実務実績は年間250件以上あり、スピーディーに体制を構築するノウハウがあります。グループ連携により、企業のさまざまな課題解決に向けたサポートが可能です。

コンタクトセンターのBPO・アウトソーシングサービスについて、ぜひ下記資料をご覧ください。

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