会議お役立ちコラム

良い会議を実現するためのTipsをお届け。

会議お役立ちコラム

良い会議の5つのポイント

投稿日:2023年4月1日

コラム記事

1. 日本の企業の会議には無駄が多い。生産性向上のための改善策は?

日本の企業の問題点の一つに、労働生産性の低さが挙げられます(OECD加盟国の中で23位という低い順位になっており、主要先進国の中でも改善が見られない)。
一方で、日本人の学習能力は世界トップレベルを維持しています。
このような状況の中、多くの人が会議を無駄だと感じているという実態があります。
会議は仕事を円滑に進める手法のはずですが、実際には逆効果となっているというわけで、これでは本末転倒といっても過言ではないでしょう。
本記事では、日本の企業の会議の無駄について考え、生産性向上のための改善策を探っていきます。

1-1. 生産性の低さと学習能力の高さ

日本の労働生産性が低い現状は先に述べた通りです。
OECD加盟国の中で労働生産性が23位という低い順位を維持し、主要先進国の中でも改善が見られません。
一方で、PISA学習到達度調査では日本人の学力は世界トップレベルを維持しています。
つまり、個人レベルでは学習によってスキルを高める意欲があるにもかかわらず、それが企業の中では活かされていないという実態が見えてきます。
つまり、日本の企業の生産性の低さは、日本人の能力に問題があるのではなく、仕組みや文化、風土などの要素に起因している可能性が高いということです。

1-2. 無駄な会議の実態

日本では多くの会社員が、会議を無駄だと感じています。
会議や打ち合わせの時間は企業規模が大きいほど増加傾向にあり、大企業では小規模企業の2倍以上に達しているというのが実態です。
定例の集まりやアナログな対応による会議の形骸化や目的の不明確さ、さらに業務効率化の追求不足などが原因で、会議を開いても業務が効率化していません。

1-3. 会議改善の重要性

このようなことから、日本の生産性向上の鍵の一つとして、会議改善の重要性が考えられます。
すでに多くの企業が生産ラインや業務プロセスの効率化に取り組んでいますが、その改善効果は頭打ちになりつつあります。
現状、人手不足が深刻な日本の状況下で、新しいテクノロジーを活用して「付加価値を生み出すための業務時間を増やす」投資なども求められています。
会議改善はその一環として注目されるべきです。

1-4. 未来志向の会議への転換

また、多くの会社員が無駄と考えている会議を、未来に向けた重要な会議に変えることで、生産性を大幅に向上させる可能性があります。
そのためには「報告」「連絡」に終始する会議ではなく、「未来の相談」を行う会議に変革する必要があります。
このような会議では、チームメンバーが積極的にアイデアを出し合い、問題を解決するための議論を活発に行う必要があります。

2. 著名企業はどのような会議運営ルールがあるのか?

著名企業の成功の秘訣の一つは、効率的な会議の実施にあると言っても過言ではないでしょう。
会議は情報共有や意思決定を行う重要な場でありますが、無駄な時間の浪費や効果の薄さが指摘されることもあります。
有名企業が導入している会議運営ルールを紹介します。

2-1. 著名企業A社のルール

  • 情報伝達会議を減らすか無くすことを目指す。
  • 会議の参加人数は、ピザ2枚を食べきれる人数に限定する(8〜10人)。
  • 参加人数が増えると生産性が低下するため、人数を絞る。
  • 会議資料は原則的に1枚か6枚のWord文書のみ使用する。
  • 会議は沈黙から始め、オーナーが進行役も務める。

2-2. 著名企業T社のルール

  • 1回の会議は原則的に30分以内に終わる。
  • 定例会議は禁止されている。
  • 部下が上司の付き添い目的で会議へ出席することは禁止されている。
  • 会議中はメモを取らず、話し合いの内容は暗黙知とされる。
  • 会議の最後に次に話し合うテーマを決めて終了する。

2-3. 著名企業G社のルール

  • 会議の参加人数は極力8人以下に制限する。
  • 会議には意思決定者である「オーナー」を置く。
  • 会議中はノートパソコンを閉じ、会議に集中する。
  • 異議を唱えることを重視し、議論を促す。
  • タイムマネジメントを徹底し、会議を効率的に進める。

これらの会議運営ルールは、有名企業が会議の無駄を省き、生産性を高めるために取り入れているものです。
参加人数の制約や会議時間の短縮、明確な進行役の存在、議論の活性化などの要素が効果的な会議を実現するためのポイントです。
組織全体でこれらのルールを導入することで、意思決定の迅速化や意思統一の強化、生産性の向上などの効果が期待できます。

3. 良い会議をする5つのポイント

ご紹介した3社の事例から、良い会議をするための5つのポイントがあることが分かります。ここではその5つについて掘り下げていきます。
ちなみに良い会議をする5つのポイントは、下記の通りです。

  1. 最小人数で実施する
  2. 何をアジェンダとするかを決める
  3. 事前準備がなければ始まらない
  4. 終わり方ですべてが決まる
  5. 決まったことを実行し、振り返る

3-1. 最小人数で実施する

会議は効果的な意思決定やアイデアの共有に不可欠な場ですが、無駄な時間や低品質な議論によって目的が達成されないことがあります。
従って良い会議を実現するためには、最小人数での開催が重要で、理想的な人数は最大8人までの実施です。
人数が増えると以下のような問題が生じやすいです。

  • 議論の質が落ちる

    →参加者の数が多ければ多いほど、個々の意見や意図を十分に表明することが難しくなります。
    その結果意見が拡散し、焦点がぼやけてしまうため、議論の質が低下します。
    また、他の参加者の様子を伺い、周りを気にして気軽に発言しにくいという場合もあります。
  • 無駄な時間が生まれる

    →参加者が多ければ多いほど、議題の進行や決定の達成に時間がかかる傾向があります。
    また、経営陣の中にもあまり会議中にあまり発言しないタイプも多く、意思決定に影響を与えないとなれば会議参加は不要と考えることも出来ます。
    この場合、会議後の情報共有を密に行うことは必須です。
  • 情報共有のための人数増加

    →情報共有が主な目的である会議の場合、会議の参加者を増やすことが必要な場合もあるでしょう。
    しかし、情報共有の仕組みを整えることで、参加者の増加を抑えることも出来ますので、検討する必要があります。

また、会議の参加者を減らすことを恐れずに実行することも重要です。
この部分は非常にデリケートな要素とも言え、主要メンバーを出席者から外すことは勇気のいる決断の場合もあるでしょう。
しかし良い会議を実現するためには、会議の参加者を減らすことが重要だという認識を経営増が持つべきで、適切な参加者の選定と絞り込みが重要です。

適切な参加者の選定と絞り込みを行うことで、効果的な議論や迅速な意思決定を促進することができ、生産性と効率性の高い会議環境を創り上げることが可能になります。

3-2. 何をアジェンダとするかを決める

会議は人々が意見を出し合い、新たなアイデアを生み出し、認識を共有する重要な場です。
そのため、会議の成功には適切なアジェンダの設定とコントロールが欠かせません。

  • 会議で行う必要があるアジェンダとは?

    →新たなアイデアを出す必要があっったり、論点が多数ある内容をアジェンダに設定することが必要です。
    会議を有意義なものにするためには、会議運営部隊である経営企画部などが、議論が必要なアジェンダにどう時間を費やすのかをコントロールすることが求められます。
  • 会議で行う必要のないアジェンダとは?

    →会議参加者に理解してほしいレベルの内容や論点がない内容については、会議のアジェンダに含めるべきではありません。
    情報共有レベルの内容を含め、会議で行う必要がないものは、事前承認や事前確認で終わらせておき、余った時間を議論が必要な重要なアジェンダ最大限充てることが重要です。

3-3. 事前準備がなければ始まらない

会議を成功させるためには、参加者全員が事前に準備をして臨むことが重要です。
理由は以下の通りです。

  • 論点を明確にすることで議論を活性化する

    →会議の場では、突然良いアイデアが生まれたり、重要な決定が行われることは稀です。
    従って事前に何を議論したいのかなど、それぞれの考えや意見をまとめて会議に臨むことで、議論を活性化させることに繋がります。
  • 起案の質を向上させる

    →事前準備によって、議題や議論の要点をまとめ、端的に整理できます。
    これにより、議論の進行がスムーズになり、会議の効率性が向上します。
    従って、起案の質を高めることは、生産的な会議を実現するために重要な要素の一つと言えます。
  • 参加者の高い意識も必要

    →会議の成功には参加者の協力も不可欠です。
    参加者全員が事前に議題や関連資料を把握し理解していることは、議論の質を大きく変える要素です。
    事前に準備された参加者は、的確なコメントや意見を会議内で提供し、より有意義な討論ができる可能性が高くなるでしょう。

3-4. 終わり方ですべてが決まる

会議は、終わり方が決定された議案などの成功を左右すると言っても過言ではないでしょう。
会議の目的は、何かを決め、それに基づいて行動を起こすことで、極論を言うと結論が出ない会議はムダな会議と考えることが出来ます。

まず、参加者全員が会議の目的や何が決まったのかを理解することが必要です。
会議中に意見が交わされたりディスカッションが行われたりする中で、何が決まり、何がまだ決まっていないのかを明確にする必要があります。
参加者全員が同じ理解を持つことで、結論の出しやすい状況が生まれます。

次に、次回に向けてのアクションプランを立てる必要があります。
具体的なアクションステップを示し、誰がその担当者なのかを決めることで、実際の行動に移りやすくなります。

さらに、結論を出すための時間を確保することも重要です。
時間を十分に取り、急いで終わらせることなく、参加者全員が結論を出すための議論や意見交換を行う時間を設けることが必要です。
結論を急いでしまうと、重要なポイントが見落とされたり、参加者の意見が反映されないまま終わってしまう可能性があります。

会議の終わり方は、参加者がその会議の成果に納得し、次に進むための明確なアクションプランを持てるかどうかに大きな影響を与えます。
結論を出す時間を確保し、参加者全員が結論を出す意識を持つことで、会議の効果を最大限に引き出すことができるでしょう。

3-5. 決まったことを実行し、振り返る

良い会議をするためには、決まったことを実行し、振り返ることも重要です。
会議で話し合いや決定が行われた後、その結果が実際にどうなったのか把握することは、効果的なビジネス運営に欠かせません。

  • Todoを明確にし、やり切るまで後追いをする

    →会議で話し合われた内容や決定事項は、明確なTodoリストとしてまとめておくことが重要です。
    各タスクには担当者と期限を割り当て、責任と進捗管理を明確化します。
    Todoリストを作成することで、チーム全体が共通の目標に向かって行動しやすくなります。
  • Todoリストを作成した後も後追いをすること

    →定期的に進捗報告の場を設けるなど、タスクの進行状況を確認することも不可欠です。
    後追いをすることで、タスクが適切に進められ、目標の達成度を把握できます。
  • Todoをしっかりとフィードバックし、最終的な結果を振り返る

    →各タスクの結果を振り返り、フィードバックを行うことも重要です。
    タスクが完了した後に、担当者や関係者との振り返りの機会を設けましょう。
    フィードバックの中で、成果や課題、改善点などを共有し、学びを得ることも可能です。
    また、振り返りを通じて得た知見を次の会議やプロジェクトに生かすこともできるでしょう。
    継続的な改善と学習を促進するために、フィードバックの文化を組織内に根付かることはメリットも多いです。

4. 良い会議の5つのポイントのまとめ

以上、良い会議を行うための5つのポイントの詳細を説明してきました。
最後にもう一度、この5つのおさらいをしたいと思います。

  1. 最小人数で実施する
    →会議の参加人数を最小限に抑えることで、議論の質や意思決定のスピードを向上させます。最大8人程度が理想的です。
  2. 何をアジェンダとするかを決める
    →会議の目的や議題を明確にし、参加者が議論に集中できるようにします。
    アジェンダは会議の方向性を示す重要な役割を果たします。
  3. 事前準備がなければ始まらない
    →参加者は会議前に必要な情報や資料を事前に共有し、準備を行う必要があります。
    準備不足のまま会議を始めても効果的な議論が期待できません。
  4. 終わり方ですべてが決まる
    →会議の終了時には、アクションアイテムや次のステップを明確にすることが重要です。
    結論をまとめ、誰が何を担当するかを明確にすることで、会議の成果を確実にできます。
  5. 決まったことを実行し、振り返る
    →会議での議論や決定事項を実際に行動に移し、成果を出すことが大切です。 また、会議後に振り返りを行い、改善点や学びを共有することで、次回の会議に生かすことができます。

これらのポイントを守ることにより、会議の生産性や効果を向上させることができます。
会議は情報共有や意思決定を行う重要な場であるため、効果的な会議運営が求められます。

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