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無形資産の可視化で「組織と個人の関係性」をアップデート ~田中研之輔教授が講評!キャリア自律×組織開発の実践事例~

開催

本記事は、2022年9月2日(金)に行われたオンラインセミナー「無形資産の可視化で「組織と個人の関係性」をアップデート〜田中研之輔教授が講評!キャリア自律×組織開発の実践事例〜」の開催レポートです。

<セミナー内容>

【1】チームトランスフォーメーションの事例紹介
パーソルプロセス&テクノロジー株式会社
ワークスイッチ事業部 デジタル人材開発部 部長
成瀬 岳人

【2】キャリア資産診断の事例紹介
パーソルプロセス&テクノロジー株式会社
ワークスイッチ事業部 越境促進アドバイザー
宮崎 将

【各パート講評】
法政大学 キャリアデザイン学部 教授
一般社団法人プロティアン・キャリア協会 代表理事
田中 研之輔氏

組織と個人の関係性に変化が求められる時代。
組織は働く個人に対するアプローチをどう変えていけばよいのか?
個人は組織と自身のキャリアをどう重ねていけばよいのか?
このようなお悩みに対して、我々はキャリアという無形資産や、組織のキャリア支援ステージを可視化することで、組織と個人の関係性をアップデートする取り組みを行っています。

本セミナーでは、法政大学 キャリアデザイン学部教授・田中 研之輔氏をゲストに招き、 無形資産の可視化による「組織と個人の新しい関係性づくり」の可能性を模索しました。

自社の組織開発やキャリア開発に取り組まれている方は、是非ご一読ください。

チームトランスフォーメーションの事例をご紹介

チームトランスフォーメーションとは?

「変化に強いチームをつくる」ためのリーダー・マネージャー向け伴走型ワークショップ・プログラムです。チームのエンゲージメント向上や主体的なキャリア開発を促進する目的で、一般社団法人プロティアン・キャリア協会で活動するアダプタビリティ研究会と共同で企画・開発しました。

▼企画・提供体制

リーダー・マネジャーが対象の理由は、組織全体のアダプタビリティをあげるためには、リーダー・マネジャーの関わり方を変えることがチームメンバーのアダプタビリティを高める近道だからです。

独自に開発した、「チームの行動変容ステージ」に基づき、チームの変化を測るアセスメントとチームの旅路を描くチームジャーニーという2つの方法を使って現状可視化と行動変容に取り組みます。

▼チームの行動変容ステージ

▼アセスメントとチームジャーニーのイメージ

プログラム内容とワークショップ後の変化

上場したばかりで急成長中の企業に在籍するマーケティング企業のサブマネージャー5名に、チームトランスフォーメーション・ワークショップを2ヶ月間で実施しました。 サブマネージャーには、以下のような課題がありました。

【課題】

・次期管理職層であるリーダー、サブマネージャー層に対する マネジメント教育ができていない
・ 1 o n 1の実施を促しているが、施策のみ先行しており、効果的なコミュニケーション施策になっていない

2ヶ月間のプログラムは4段階に分けられています。

▼プログラム内容

ではワークショップ後に数値がどのように変化したのでしょうか。アセスメントをみてみましょう。

▼ワークショップ前後・チームメンバーのアセスメント結果一覧

図からは項目が見づらいですがワークショップ後に、主に「組織ビジョン・パーパスとの接続」、「キャリア支援」、「メンバーの成長支援」の項目が上昇しました。下降している項 目もありますが、メンバーの認識とスコアが近づく結果に。数値化によって 、何に取り組むべきか?その結果、変化したかが明確に視えるという効果がみられました。

タナケン先生による講評

田中 研之輔氏(タナケン先生)にこの結果に対する講評をいただきました。

組織のアダプタビリティを高めるために、
このようなワークショップを通して、上司のマネジメント力がアップし、行動変容の可視化をすることで状況に合わせたマネジメントを行うことができる。

タナケン先生から質問を2ついただきました。
・結果から見えた新しい発見は?
・ワークショップに適切な期間と人数は?

結果から見えた新しい発見は、リーダー・マネージャーは”キャリア”に向き合うことができていなかったことです。一方で、メンバー側はリーダー・マネージャーは自分のキャリアについて考えてくれていると感じていました。本人は自覚していないため、再現性がないのが課題だという発見がありました。また、チームさんに向き合うのではなくしっかり一人一人と向き合っていることがわかりました。

今回の結果から、3ヶ月〜半年をかけてワークショップを行い、意識の高い少数から始め、広めていくのが適切だと考えています。

キャリア資産診断の事例をご紹介

キャリア資産診断とは?

個々人の知識や能力、社会とのつながりや健康といった「見えない資産」を、3つの資産「生産性資産」「活力資産」「変身資産」に分類し、可視化するツールです。キャリア資産診断実績が1,000件を目前に迫った今、活動を通したキャリア資産の変化をご紹介しました。

▼参考:キャリア資産の構成要素

3つの活動の前後でキャリア資産に変化はあったのか

キャリア資産診断は体温計のように、常に変化していくものです。
では活動によってどのような変化が見られるのか、今回は3つの活動の事例をご紹介しました。

事例①:プロティアン・キャリア研修
事例②:相互副業・社外インターンシップ
事例③:越境体験(ワーケーション)

活動によって変化する項目が異なることがお分かりいただけると思います。

タナケン先生による講評

田中 研之輔氏(タナケン先生)にこの結果に対する講評をいただきました。

次回は同じメンバーでさまざまな活動を行い、横断比較をしてみたいですね。分析すると、どのタイミングでどのような活動をすると効果的なのか見えてきそうです。また、世代ごとに置かれている環境も異なります。若手は10年かけてアイデンティティの創出を行うし、ミドル〜シニアは組織内依存から脱出するフェーズにあります。

タナケン先生から質問を2ついただきました。
・それぞれの活動のn数は?
・結果から見えた新しい発見は?

n数は①は30人、②は10人です。
結果から見えた新しい発見は、①のプロティアン・キャリア研修で言語化する機会を持った後に自己認知に関する数値が上昇したことです。

自分が何者かを紹介する機会は、社内にいるとなかなかありません。外に出ることで、自分が何者か、社会がどう結びついているのか言語化する機会が増えます。客観的に自分を見ることもできるため、パーパスの数値が上がるそうです。

本日のまとめ

セミナーで提示していた本日のポイントの答えをタナケン先生にご教示いただきました。

▼本日のポイント
1. 個人と組織の関係性はどう変わっていくべきか?
→組織が個人を管理する関係性から協調・協奏していく関係性に変わっていくべき
組織は選ばれ続ける努力が、個人は自分でキャリアを作っていく努力を行い、対等な立場でいることが求められています。経営戦略に入れるための数値的根拠が今回示せたと思います。

2. 人的資本経営の時代、「人的資本の最大化」のためにできることは?
→DX(Digitai Transformation)とCX(Career Transformation)
DXを行うのは人です。組織がブレーキになっていて可能性が制限されている人のブレーキを外してあげることが大事です。

3. 動的に変化する無形資産を可視化する意義とは?
→蓄積された経験を可視化すること。
今までと異なる業務をする際にも、過去の経験は形を変えながら活きます。今までのことは無駄じゃなかったと思えるよう、可視化して活用していくことが大切です。

組織も個人も変化し続けることが重要だと痛感したセミナーでした。 自分達のチームでも「チームトランスフォーメーション」や「キャリア資産診断」を取り入れてみたいとお考えの方はぜひご連絡ください。

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