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NEWONE キャリアライブ~社員の「キャリア自律を支援」するマネジメントの必要性と方法~

開催

本記事は、2022年6月15日(水)に行われたオンラインセミナー「NEWONE キャリアライブ〜社員の「キャリア自律を支援」するマネジメントの必要性と方法〜」の開催レポートです。

<セミナー内容>

【1】オープニングトーク:キャリア自律の最近のトレンド
【2】各社取り組みのご紹介
【3】パネルディスカッション「マネジメント層のキャリア支援力強化の必要性と方法」

<スピーカー>

パーソルプロセス&テクノロジー株式会社
ワークスイッチ事業部 デジタル人材開発部 部長
一般社団法人プロティアン・キャリア協会CDO
成瀬 岳人氏

一般社団法人プロティアン・キャリア協会 代表理事
4designs株式会社 代表取締役CEO
有山 徹氏

株式会社NEWONE 代表取締役
上林 周平氏

モデレーター:株式会社NEWONE
小野寺 慎平氏

キャリア自律の最近のトレンド

世界の潮流として、人的資本情報の開示の機運が高まっています。
企業は人材を資源と捉えるのではなく資本と捉え、人的資本を高めて最大化していくことが求められています。

働いている人がどのくらい自発的に貢献したいと思っているか、すなわち組織へのエンゲージメントは、組織が一方的に与えるだけでは上げることができません。組織と個人が双方向に働きかけることが必要な関係性です。組織は選ばれる組織作りを、個人はキャリア自律を行うことでお互いが選ばれる存在になるのが理想です。

組織と個人の結節点にいるのが管理職 / マネージャーです。
NEWONEさんでは、組織側からのアプローチとして管理職を通じたエンゲージメント向上の環境作り、個人側からのアプローチとして一人ひとりのキャリアオーナーシップ向上を行う、プロティアン・マネジメント検定講座を提供しています。

「キャリア支援は大事だと頭ではわかっている。でも…」
管理職 / マネージャーのみなさんは以下のような抵抗感を抱えているようです。

「キャリア支援をすると離職する可能性を高めてしまう…」
「部下のキャリア意向を聞くことは不満やズレを生むことになるのでは…」
「キャリア意向がない人には支援できないよね…」
「キャリア支援は工数がかかる…」
「キャリア支援をする面談スキルは自分にはない…」
「自分自身も意図的にキャリア開発してこなかった(キャリア支援を受けてこなかった)からどうすればいいかわからない…」

では、管理職 / マネージャーがキャリア支援に前向きになり、メンバーがキャリア支援を通してエンゲージメントを高めるにはどのような支援が重要なのでしょうか。キャリア支援の捉え方は管理職 / マネージャーの方によってさまざまあると考えています。キャリア支援=人生全体のアドバイス、または異動や昇格の支援だと考えている場合、重い責任がつきまといます。もう少し具体的にしたり、別の定義ができると抵抗感が減るのではないでしょうか。

本セミナーでは「キャリア支援の輪郭をよりハッキリとさせる」をテーマにお話していきます。

各社取り組みのご紹介

プロティアン・マネジメントの必要性とその効果(プロティアン・キャリア協会)

以前までのキャリアといえば、社内で昇進するという組織内キャリアが中心でした。しかし、現在は社内だけではなく、フィールドを広げて自分で活躍する場を選んでいくという自律的なキャリア(プロティアン・キャリア)に移行してきています。また、「キャリア」という言葉の定義も、個人のものではなく、個人と組織の間にある関係性だとプロティアン・キャリア協会では考えています。

企業内で人的資本の最大化を目指すには、経営戦略とキャリア戦略の連携が必要です。先ほどもあったように、組織と個人の結節点が管理職 / マネージャーの存在です。そこで、プロティアン・キャリア協会では「プロティアン・キャリアマネージャー」を増やしていくことが経営戦略上大事だと考えています。ただし、進めるにあたって管理職・現場マネージャーの重点課題は3つあります。

①キャリアリテラシー
社内でのキャリアしか経験していないマネージャーにとっては「キャリア」の定義が現在のものと違うケースが多いです。対話する際にズレを起こさないためにも、まずはプロティアン・キャリア、すなわち自律的なキャリア形成とはどのようなものなのか、理解することが大事です。
②管理職 / マネージャー思考の罠
管理職 / マネージャーは解決思考になりがちです。しかし大事なのはメンバー自身がキャリアオーナーシップを持てるように伴走することです。
③実践経験の場がない
管理職 / マネージャーはキャリア面談をやったことも、受けたこともない状況です。それを組織からやるように求められています。まずは管理職の方のキャリア面談をしてからメンバーの支援の仕方を学べるよう、ステップを用意することが大事です。

そのような課題を解決するため、プロティアン・キャリア協会では「プロティアン・キャリアマネージャー」を育成する研修・講座を提供しています。

キャリア資産の可視化によるキャリア自律支援プロテア(パーソルワークスイッチコンサルティング)

キャリア支援を行うにあたって、マネージャーの能力を高めることについての話をよく聞きますが、それだけでは限界だと思っています。そこで、キャリア支援を少しでも取り組み安くできるよう、我々は可視化できるツール『プロテア』を作って仕組みとして解決する方法を探求しています。

キャリア資産を最大化するための課題は3つあると考えています。
①視えない
②変わらない
③わからない

『プロテア』では、このような課題を解決します。
まず、キャリア資産を可視化します。研修でどの数値がどのように変化したかを見ることで、その人にどのような変化があったのかが見えるようになっています。加えて、内省サイクルを作れるようにしているため、可視化したものをきっかけに対話をしていき、行動変容につながるように仕組みを作っています。ただ数値を上げるといいわけではなく、どうして変わったのか、深掘りしていきます。マネージャーは、行動や意思決定の後押しや第三者(上司)の客観的なサポートができる環境づくりを行っていきます。

メンバーごとのキャリア資産とメンタリングによる分析レポートから、4つのタイプに分けてキャリア支援の打ち手を考えていきます。ポイントは、年代で分けないことです。その人の思いや意向に合ったパーソナルな支援を行っていくのが特徴です。

パネルディカッション「マネジメント層のキャリア支援力強化の必要性と方法」

プロティアン・キャリア協会代表理事の有山さん、プロテア責任者であり、実際にご自身もマネージャーをされている成瀬さん、NEWONE代表の上林さん、そしてモデレーターとして小野寺さんに入っていただき、4名でパネルディスカッションを行いました。キャリア支援の輪郭をハッキリさせるのが目標です。

メンバーのキャリア支援に前向きな管理者 / マネージャーが多いものの、メンバーの人生を背負って重い責任を感じてしまったり、自分が経験していないことに取り組むために何をすればいいのかわからない、という声があることがわかりました。しかし、キャリア支援とは、メンバーが充実感を持って自立できるよう伴走することです。あくまで人生を決めるのは本人。話を聴いたり、情報提供をすることなど、身近にできることがキャリア支援なのです。まずはそのことを知り、一つでも実践してみると、肩の荷が少しは降りるのではないでしょうか。これは管理者 / マネージャーだけの課題ではなく、全社的に取り組んでいく課題です。本セミナーでご紹介したようなキャリア支援を支援するサービスもあるため、ぜひお気軽にお問合せくださいませ。

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