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開催レポート:専門人材による越境効果とは
~社員が育つ!キャリア開発最前線~

開催

組織が取り組むべき社員のキャリア開発の在り方にも大きく変化が求められています。社会の変化に適したキャリア開発のあり方についてどうしたらいいのか、模索されている企業様も多いのではないでしょうか?

シリーズセミナー「社員が育つ!キャリア開発最前線」では、働き方の多様化や雇用の在り方が変化していく中、いま企業が取り組んでいるキャリア開発について、企業・社員双方の生の声を聴きながら、効果的な施策とは何か?をともに考えることをテーマとしています。

今回のテーマは「専門人材の越境」です。そこで、高度なノウハウや知見、技術を保有している高度専門人材のシェアリングサービス「RD LINK」を運営する株式会社RDサポートの大島康治氏・髙本由美子氏をゲストにお招きし、人材シェアリングのトレンドについて、キャリア開発視点での専門人材の越境効果についてお話いただきました。

<本セミナーは2021年11月18日(木)に行われました。>

##人材シェアリングのトレンド紹介

大島氏より「RD LINK」を運営する中で見えてきた、最新の人材シェアリングの状況をお話しいただきました。

▼RD LINK
https://rdlink.jp/

「RD LINK」のエキスパート(高度専門人材)の登録数は現在200名を超えています。年齢層は40代〜60代が約70%であり、研究開発・商品開発をはじめとするさまざまな業種の方の登録があります。また案件は300件を超えており、人材の数より案件の数が多い状況です。

では、案件の内容はどのようなものなのでしょうか。3件の事例をご紹介いただきました。
代表して1つの事例をご紹介します。

コーヒーポーションを扱っている企業で新たに「介護予防と機能性を兼ね備えた新製品」の開発を行うことになりました。しかし、その分野に精通した人材が社内にはいません。そこで、大手食品メーカーにて研究開発、品質管理などを経験した機能性素材の知識が豊富なエキスパートを「RD LINK」を通してご紹介。

エキスパートが入った効果は絶大なものでした。一から学ぶ必要がないため、商品開発のスピードは3ヶ月〜半年という速さに。また、社員研修も並行してお願いしたところ、社員に新しい知識が増え、「品質管理といえばこうだ」という今までの当たり前が変化したそうです。

専門人材が企業に入ることによる越境効果は大きく3つあります。

外部から人が入ってくると、会社が開けて新しい風が吹き込むことがわかりました。これからさらに人材シェアリングという形で企業が変わっていきそうです。まさに「人材を雇用形態で判断する時代ではない。新参者が変革を起こす。」これが今のトレンドです。

##社員が育つ専門人材のキャリア開発とは?

後半は個人としてキャリア開発をどう考えていくのか、「RD LINK」でキャリアコンサルタントをされている髙本氏にお話しいただきました。パーソルプロセス&テクノロジー株式会社 ワークスイッチ事業部 越境促進アドバイザーの宮崎 将から3つの質問を投げかけ、専門人材と対話するなかで見えてきたことを伺います。

【問1】専門人材のリアルな想いは?
髙本氏:「RD LINK」のエキスパートは理系で40代以上の方が多いのですが、副収入が欲しい人はあまりいません。自分が今まで培った経験や知識を活かして世の中や社会に貢献したい人が多く、自分もハッとさせられます。というのも、自社にいるとマネジメントや会社の経営に携わるポジションになっている方が多い背景があります。キャリアアップに繋がっている一方一歩で、やはり現場の仕事をやりたい気持ちも大きく、それなら別の場所でできないか、と「RD LINK」に登録される方は多いですね。

【問2】個人が感じる越境で得られるメリットとは?
髙本氏:自分の専門性を活かせることと、キャリア開発が行えるという2つのメリットがあります。弊社サービスの場合、すでに専門性のある方が来られるため、自分の強みを活かして結果が見えやすいです。自社以外でも活躍できたという経験がモチベーションにつながります。また、新しい環境に触れることで今の時代に求められている知識や技術を知ることができ、学習意欲が高くなる傾向があります。また、自社の業務に対する姿勢もさらに意欲的になる方が多いですね。

【問3】越境人材がもたらす効果とは?
髙本氏:会社名でなく個人のキャリアにフォーカスされるようになるため、自分は何ができるのか、何を身につけているのかを言語化・見える化する、そしてスキルを身につける必要が出てくると思います。それと同時に、個人としてやりたいことに挑戦できる環境が生まれると思っています。

大島氏:クライアント企業には、俗人化している業務の分解・見える化を進めておくことをお願いしています。外から来る人材を迎える準備ですね。すると、それをきっかけに社内の業務が見える化して、改善できることがあります。 また、越境人材に入ってもらうことで、分野を超えて新事業に挑戦しやすくなります。

越境をきっかけに、越境する側と受け入れる側にどちらも刺激や変化があり、メリットがたくさんあることがわかりました。人材活用の範囲が広がり、異分野での掛け算が起き、これからさらなるノベーションが起きそうだと感じてワクワクする時間となりました。

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