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開催レポート:現場の管理職に求められるキャリア自律支援力
~キャリア資産を用いたキャリアサポートのポイント~

開催

急激な事業環境や働き方の変化などに伴い、重要性が高まっている「キャリア自律」。
特に若手社員の成長という観点でご相談をいただくことが増えています。
若手社員のキャリア自律、主体的な成長に対して重要な役割を担うのが現場のマネジメントです。

本講演では、現場の管理職が、メンバーのキャリア自律支援に取り組むためのポイントについてご紹介いたします。

<本セミナーは2021年12月16日(木)に行われました。>

【スピーカー】
成瀬 岳人
パーソルプロセス&テクノロジー株式会社
ワークスイッチ事業部 事業開発統括部 部長
総務省委嘱テレワークマネージャー/プロティアン認定ファシリテーター

キャリア自律のトレンド:マネジメント面

業績やハラスメント、人材育成、テレワークなど、マネージャーの悩みは尽きません。世代間ギャップやマネジメント業務の負担感、コミュニケーション難易度の上昇など、今のマネージャーは、自分が受けていたものとは異なるマネジメントが求められています。時代の変化に応じて、マネジメント業務に求められるものは日々変わり、そして複雑化しているのです。

▼ 時代ごとに求められているもの

▼ マネジメント機能を1990年代までと2000年代移行を比較したもの

今のマネージャーに求められているのは、以下のような役割です。

メンバーだけでなく、マネージャー自身もキャリアをデザインしていくことが重要になったのが大きな変化です。そこで、キャリア支援するという観点をマネジメントにプラスするために、組織としてマネージャーを支援していく必要があります。
今回は「キャリア資産」という新しい指標を用いてキャリアマネジメントを支援する方法と事例をマネージャー自身、マネージャーとメンバー、組織の3つの立場に分けてご紹介します。

ご紹介のまえに「キャリア資産」について少し解説します。
『LIFE SHIFT』(著:リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット)で示された3つの資産を「プロティアン・キャリア」を提唱する法政大学の田中研之輔教授の監修を受けて測定できるようにしたものです。日々の活動を「生産性資産」、「活力資産」、「変身資産」の3つに分類し、測定します。それぞれの資産は5つの項目に細分化されます。定期的に測定することで自分の今の状態を知ることができるようになっています。

これからのマネジメントに求められるキャリア自律支援力

【1】マネージャー自身のキャリアデザイン機会を作る

メンバーのことだけでなく、マネージャー自身の内省(リフレクション)が大切です。マネージャー同士で対話を重ね、内省をしていきましょう。

▼内省する質問の例
「メンバーを信じて任せることができているか?」
「うまくいっていることは何か?」
「自分自身の学び、成長は何か?」

<キャリア支援事例>
リモート業務が増え、メンバーと適切なコミュニケーションが図れていない、業務多忙などの理由からメンバーの育成に取り組めていないという課題を持っている企業に以下の図のようなワークショップとメンタリングによるロールプレイを行いました。

ワークを通してライフライン・チャートやキャリア資産で自分のキャリアを可視化でき、自分の軸やキャリアの課題を言語化することができます。またワークショップに加えてキャリア自律の専門家(連携:一般社団法人 プロティアン・キャリア協会)によるメンタリングを通して客観的にキャリア支援を行いました。するとマネージャーが自身のキャリアを語れるようになっていきました。

【2】メンバーとの「対話」と「内省」を支援する

<キャリア支援事例>
受け身な社員が多く、自ら学んで成長していく社員が増えて欲しいと考えている企業にキャリア資産を用いた「対話」によるキャリアセッションを行いました。マネージャーとメンバーは「キャリア資産」で可視化されたものを見ながら対話します。共通言語ができるため、共に数値の改善方法を考えることができます。可視化された結果、それぞれがキャリアオーナーシップを持って自ら成長に意識を向けられるようになりました。

弊社社員も同じようにキャリア資産を可視化してアクションを起こし、キャリアについて考えるきっかけを作ることができました。(下図)

【3】組織としての支援とピープルマネジメント支援

若手の離・退職理由としてキャリア志向性の要因が多くなってきています。働く環境の場合は要因は予想がつきやすいですが、キャリア志向性の場合は個々人で異なるため、志向性の言語化やインサイトを把握する必要があります。

キャリア自律を進める必要性を感じる一方、促すと辞めてしまうのではないか…という不安の声もよく耳にします。

しかし、これからはキャリア自律を促さない企業からは人が離れていくでしょう。
まずは社員のキャリア自律度合いを知ることから始めてみませんか?

<キャリア支援事例>
若手社員の離職が少しずつ高くなっており、従来のリテンション施策だけでは効果がでなくなってしまった企業で個別メンタリングによる組織課題の抽出を行いました。方法としては個人キャリア資産を個別メンタリングを通して可視化します。そして社員のキャリア資産という定量的数値とヒアリング内容という定性的数値を合わせて、キャリア自律度マッピングを作成しました。(下図)

通常、年代ごとにキャリア施策を考えてしまいがちです。しかし人によって抱えている悩みやモチベーションはさまざま。タイプごとに見ることで適切な支援施策を考えることができます。

このように可視化することで若手社員のキャリア志向性や不安要素を把握でき、組織のキャリア支援施策の方向性が提示できる効果が期待されます。

パーソルワークスイッチコンサルティングが提供するプロテアでは、「キャリア資産」の可視化と「対話」の促進による、キャリア自律支援を企業向けに行っています。キャリアを可視化して、企業全体でキャリア自律を進めませんか?

▼プロテア
https://www.persol-pt.co.jp/protea/

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