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BPO アウトソーシング

BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の対象になりやすい業務9選を紹介!BPOの市場規模や業務をBPO化する際の流れ・注意点を解説

アウトソーシングの一種であるBPOは、生産性の向上やコスト削減などに効果的な方法として知られています。人材不足の解決のため、導入を検討している方も多いのではないでしょうか。

BPOには、導入しやすい業務があるといわれています。そこで今回は、BPOを導入しやすい業務やBPOの市場規模、導入する際の流れなどを詳しく解説します。

BPOサービスとは

BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)とは、自社のノンコア業務を部門やビジネスプロセスごと、外部にアウトソーシングすることです。

一般的なアウトソーシングでは、業務の一部だけを委託します。その場合、業務設計や効果分析、効率化といった作業は自社で行なわなければなりません。

それに対し、BPOは業務の一部だけでなく、業務そのものを一括で委託します。場合によっては、人事部や経理部など部門ごと委託するケースもあります。委託先企業に自社の部門がある、とイメージするとわかりやすいでしょう。

BPOでは、委託する業務に関するプロセスをすべて外部の業者に委託するため、対象となる業務範囲が広くなっています。

BPOに関しては以下の記事で詳しく解説しています。

>>BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスとは?企業がBPOに取り組むべき理由を解説

BPOの対象になりやすい業務9選

BPOには、いくつか対象になりやすい業務があるといわれています。ここからは、委託しやすい業務とその理由について詳しく解説します。

経理業務

経理業務は、専門性は高い領域であるものの、比較的定型化しやすいという特徴があります。

会社経営に必要不可欠な業務であるにもかかわらず、その多くは直接会社に利益をもたらすわけではありません。

そのため、外部に委託しやすいノンコア業務だといえるでしょう。BPOの対象業務としては、取引先への請求業務のほか、仕訳や記帳、決算などが挙げられます。

経理業務を外部に委託することで、これまで経理業務を担当していた人材を経営分析のような、より生産的なコア業務にあてられるようになります。

人事・採用業務

人事や採用も、定型化しやすい業務が多い部門です。

とりわけ採用業務は担当者にかかる負荷が高く、「RPO(リクルートメント・プロセス・アウトソーシング)」と呼ばれる採用業務を専門に受託するアウトソーシングサービスもあります。

また、人事における給与計算や健康診断、教育研修なども外部に委託しやすい業務です。これらの業務も専門性の高さにかかわらず、直接会社の利益につながるわけではありません。そのため、外部に委託して自社の人材をコア業務に集中させられます。

コールセンター

顧客や取引先からの電話を受け付けるコールセンター業務も、BPOで委託する企業が少なくありません。

実際に、一般社団法人日本コールセンター協会の調査を見ると、アウトソーシングによるコールセンターの利益が毎年増加傾向にあることがわかります。

 

コールセンター業務は、自社内業務と自社外業務をどちらも委託可能です。これにより、応対品質や業務プロセスの改善も目指せます。

プログラミング業務

自社にIT人材のリソースが少ない場合には、プログラミング業務をBPO化すると良いでしょう。例えば、サーバー管理、アプリ開発、システム運用などを委託できます。

こうしたIT関連業務を受託するIT系BPOは、非IT系BPOと比べて市場規模が大きい傾向にあります。

これは企業のIT化が進み、専門性の高いIT系BPOの需要が高まっているためです。この需要は今後ますます増加すると考えられます。

Web制作業務

Webコンテンツの制作も、BPO化できる業務の一つです。例えば、Webページや動画データ、HTMLメールだけではなく、Webマーケティングも委託できます。

ITを活用したブランディングやマーケティングを視野に入れている企業は、専門知識と技術を有するBPO企業に依頼するのがおすすめです。

配送・物流業務

物流・配送業務を自社で行うには、そのための人員と在庫を保管するための倉庫が必要です。

物流・配送業務を抱える企業では、これらの業務に関するコストを下げると顧客満足度の低下につながりかねないため、簡単には削減できません。

その点、BPO化すれば、クオリティを下げずにコストを削減できます。さらに、BPOにかかるコストは商品の入出荷に合わせて変動するため、物流・配送業務にかかるコストの内訳を明確化できます。

営業業務

営業やマーケティング業務をBPO化すると、見積書や契約書といった書類の作成・発行、受発注業務などを委託できます。

また、電話でのインサイドセールスやプロセスマネジメント、営業事務といった、営業に付随する業務の委託も可能です。とりわけ営業事務業務においては、属人化の防止につながるでしょう。

翻訳業務

海外進出を狙う企業や、国内に進出してきた外資系企業にとって、一番の課題となるのは言語の壁です。そうしたことから、翻訳に関するBPOが注目を集めています。

BPOで委託できる翻訳業務は、販促コンテンツなどの多言語翻訳やWebサイト翻訳、通訳などです。また、機械翻訳を導入支援してくれるサービスもあります。

ライティング業務

オウンドメディアなどに掲載する記事のライティングも、アウトソーシングされることの多い業務です。

具体的な業務内容としては、記事制作のほか、SEOライティングやプレスリリースの作成などが挙げられます。

これらの業務のBPO化は、担当者の負担軽減につながるでしょう。

その他、画像の選定作業やCMS(コンテンツマネジメントシステム)へのアップロード作業すなわち Webサイトへのアップロード作業を含めた、オウンドメディアの運営そのものを外注するケースもあります。

BPOは今後拡大傾向にあるのか?

結論から述べると、BPOの市場は拡大傾向にあり、今後も成長していくと考えられています。理由としてかかわっているのが、少子高齢化です。

一般社団法人日本BPO協会が2020年に発表した「JBPO 将来ビジョン2030」でも触れられているように、現在日本のさまざまな業界が労働者不足に陥っています。

この先も労働人口の縮小が予想されることから、人材の確保に悩む企業の数はより増えるでしょう。

さらに、グローバル化とDXの促進による社会情勢の変化も、BPO市場拡大の理由として挙げられます。自社だけでは対応できない部分をBPO化して、生産性を高めることが重要です。

なお、経済産業省が発表した「ビジネス支援サービスの活用」によると、世界のBPO市場は、年平均で5.1%の成長率です。

それに対し、日本の成長率は年平均3.0%です。拡大傾向にあるといっても日本のBPO市場の成長は遅れているといえるでしょう。

BPO業界全体の市場規模や海外との違いについては以下で詳しく解説しています。

>>BPO業界とは?市場規模や動向、世界と日本のBPO業界の違いや課題について解説

参考:JBPO 将来ビジョン2030
参考:ビジネス支援サービスの活用

実際に業務をBPO化するまでの流れ

ここからは、実際に業務をBPO化する場合の手順について、詳しく解説します。

BPO化する業務の選定

業務をBPO化するためにまず行うのは、現状の把握です。

従業員へのヒアリングや業務の可視化を行い、ノンコア業務にどのような課題があるのかをあぶり出し、その後、自社のどの業務をBPO化するかを選定します。

ただし、業務をBPO化すると自社にノウハウが蓄積されないため、ノウハウを蓄積したい業務や自社のコアとなる業務は、BPOの対象から外しておきましょう。

BPO化したい業務全体の流れを確認

委託する業務が決まったら、BPO化にあたって必要な情報をまとめましょう。例えば、業務の進行手順や具体的な作業などです。

その際、委託しやすいように業務フローも組み換えましょう。自社で行う業務とBPO化する業務とをあらかじめ切り分けておくと、委託する業務の漏れや委託先企業との認識のズレを予防できます。

その業務に必要なコストの算出

続いて、委託する業務の進行に必要なコストを算出します。

コストを事前に算出しておかないと、BPO後にコスト面での効果測定ができなくなるからです。

BPO化する前のコストと、BPO化したあとの場合のコストを比較することで、費用に見合った効果が得られるかどうかを確認できます。

業務をBPO化できる企業を探す

最後に、自社の業務を受託してくれる企業を探します。

対応している業務内容、有している専門知識やスキル、費用は委託先企業によって異なるため、入念に比較検討して自社にあった委託先を選びましょう。

委託先が決まったら、テスト運用を行ってから本格的に委託します。スムーズに委託するためにも、段階的に導入しましょう。

業務をBPOとして外注する際に委託先企業に確認すべき点

委託先企業を比較するといっても、どこを比較すれば良いのかわからないという方もいるでしょう。そこで最後に、業務をBPOとして委託先企業を選ぶ際にどのような点を確認するか、詳しく解説します。

業務に対する専門性

業務のBPO化には、専門的な知識やスキルを持つ外部の人材を、自社のために活用できるというメリットがあります。そのため、BPO化したい自社の業務に対して、委託先企業がどれほどの専門性を持っているのかをよくチェックしましょう。

対応業種の幅は広いけれども専門性に欠ける企業より、その分野に特化している企業を選ぶのがおすすめです。また、実績などもしっかり確認しましょう。

発生するコストがいくらなのか

できるだけコストのかからない企業に委託したいと思うかもしれませんが、安さだけで委託先企業を選ぶと、業務の質に問題があるなどさまざまなトラブルが発生する可能性があります。

高い費用対効果を得るには安さも大事ですが、BPOは自社の業務を外部の人間に委託するものであることを忘れてはいけません。

価格に不明瞭なところはないか、価格に見合った品質が期待できるかどうかを、しっかりと確認しましょう。

信頼できる企業であるかどうか

BPOでは自社の業務を委託するため、委託先の企業が本当に信頼できるかどうかは大事なポイントです。自社にとって良きパートナーとなり得る企業を探しましょう。

担当者が業務についてよく理解していない、メールを送っても返信が遅い、細かなミスが目立つなど、依頼前に気になる点がある場合は、別の企業へ相談することも視野に入れておくことが大切です。

まとめ

BPOの需要は、今後さらに高まることが予想されます。そのため、委託先企業のバリエーションは増えつつありますが、どの業務を委託するのが得策かは会社によって異なるでしょう。

業務をBPO化する前に、まずは自社の状況をしっかりと把握することが大切です。そのうえで、経営戦略につながる業務のBPO化を検討してみてはいかがでしょうか。

>>BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスとは?企業がBPOに取り組むべき理由を解説
>>BPO業界とは?市場規模や動向、世界と日本のBPO業界の違いや課題について解説

-BPO, アウトソーシング 

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