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1万名規模のキャリア資産調査結果を大公開

社員のキャリア支援に投資している企業の価値が明らかに

日本企業の終身雇用制度の崩壊や、昨今の新型コロナウイルスの感染症拡大により急速なDX化が迫られるなど、企業を取り巻く環境が大きく変化しています。その変化のなかで、組織に依存せず、自律的なキャリア形成を社員に求める企業が増えている一方で、その効果が測れないことが課題となっています。
そこで、「キャリア資産診断*2」を基に、1万名のビジネスパーソンを対象にキャリア資産*1の傾向を調査し、その特性や課題を明らかにしました。

(*1)マルチステージの人生を生きるために重視されている「無形資産」のこと。無形資産として代表的なものは、スキル、知識、友人、家族、肉体的・精神的健康、ネットワークなどが上げられる
(*2)キャリアを形成させる3つの資産項目(生産性資産・活力資産・変身資産)を『プロテア』では独自に要素分解し、各資産の蓄積状況を可視化している。詳細は参考資料を参照

■調査サマリ

・社員のキャリア支援に投資している企業の社員のキャリア資産が高い
・大企業はキャリア資産が高く、DX推進やリスキリング等の効果が影響していると推測
・情報通信業や金融業など外部環境変化に伴う変革の必要性がキャリア資産向上に影響
・マーケや人事等社外との接点の多い職種や情報システムや研究・開発部門等はキャリア資産が高い
・複業実施者のキャリア資産が非実施者と比較して、生産性・活力・変身いずれも約1割前後高い

■調査概要

調査期間:2022年8月12日(金)~8月15日(月)、2021年3月5日(金)~3月8日(月)
調査方法:インターネット定量調査
調査対象:現在正規雇用で就業している会社員9,000名(男女20~69歳・男女)

※ウエイトバック集計により小数点以下が発生しています。小数点以下の切り上げ、切り下げにより回答人数と各回答数の合計が異なる箇所があります。

■調査結果

① キャリア支援企業と市場調査との比較
社員のキャリア支援に投資している企業の社員のキャリア資産が高い

プロテアを利用いただいているキャリア支援企業は、市場平均と比較しキャリア資産が高い傾向にあります。
特に数値差が大きい項目として、『プロジェクトマネジメント』や『ビジネススキル』などの生産性資産に資するもの、『自己納得感』や『パーパス』『アイデンティティ』などキャリアに対する納得度や目的・役割意識の面で社員がより意識づけされていると推察されます。
人的資本経営における社員の価値向上のための投資はますます重要になってくると考えられます。

② 企業規模別
大企業はキャリア資産が高く、DX推進やリスキリング等の効果が影響していると推測

企業規模別の結果をみると、1,000名以上の企業でキャリア資産が平均値より高い傾向にあります。大企業で取り組みが進んでいるDX推進や、リスキリング等の人材・キャリア開発施策の効果が、キャリア資産の形成に関連していると推察できます。1,000名以下の企業においては、大企業と比較して個人に合わせたキャリア形成の支援が可能である。プロテアを通じて社員ひとり一人のキャリア資産の傾向を把握することで、個人の課題に応じた個別性の高い支援を実行に移すことが有効と考えられます。

▼従業員1~499名

▼従業員500~999名

▼従業員1000~4999名

▼従業員5000名以上

③ 業種別
情報通信業や金融業など外部環境変化に伴う変革の必要性がキャリア資産向上に影響

業種別にみると、情報通信業のキャリア資産が高い傾向があります。情報通信におけるDX推進の状況や金融における新型コロナの影響など、業界ごとの外部環境変化に伴う変革の必要性がキャリア資産に影響していると推察されます。金融業界では、「変身資産>生産性資産>活力資産」と変身資産が最も高いことが明らかになりました。業界自体が変わろうとしている影響が見られます。プロテアでは、越境体験プログラムをはじめとする様々な社外活動の推進により、各業界のキャリア資産形成に刺激し合う機会をつくることで、全体的なキャリア資産の向上に役立てております。

▼情報通信

▼金融・保険

▼不動産・住宅設備

▼製造・メーカー

▼サービス

▼交通インフラ

▼流通・小売業

▼その他

④ 職種別 マーケや人事等社外との接点の多い職種や情報システムや研究・開発部門等はキャリア資産が高い
職種別にみると、マーケティングや人事等、社外との接点の多い職種や情報システムや研究・開発部門等、専門性が求められる職種は、キャリア資産が高くなる傾向がありました。社外との接点が少ない職種においては、越境学習機会や自律学習など、業務以外の刺激が受けられる機会を創出することで、キャリア資産の向上につながる可能性があります。プロテアの活用により、自身の活動が可視化され、自ら学ぶ行動が促されることが期待できます。

▼経営者・役員・顧問

▼社長室・経営企画室

▼マーケティング部門

▼人事・労務部門

▼情報システム部門

▼研究・開発部門

▼総務部門

▼営業・販売部門

▼購買部門

▼経理・財務部門

▼広報・宣伝・IR部門

▼製造・生産部門

▼その他

⑤ 複業との関係性(複業実施有無) 複業実施者のキャリア資産が非実施者と比較して、生産性・活力・変身いずれも約1割前後高い
複業経験が、生産性資産、活力資産、変身資産のそれぞれの資産を増幅させる機会になっていることがわかりました。複業は越境学習経験として、一企業にとらわれず新たなビジネススキルの獲得や、ネットワーク構築の機会となるため、キャリア資産の項目増加につながっていることが推察されます。
プロテアを活用することで、単なる複業者の管理に留めず、複業社員の主体的なキャリア形成を支援し、結果的に本業における企業の人的資本を高めることにつながります。

▼複業実施有

▼複業実施無

■参考

<プロテアにおけるキャリア資産について> キャリア自律支援サービス『プロテア』では、社員の自律的なキャリア形成を図るため、法政大学キャリアデザイン学部教授 田中研之輔氏と共同で、キャリア資産における3つの資産項目を独自に要素分解し、各資産の蓄積状況を可視化できるようにしました。

<プロテアによるキャリア資産の構成要素>
生産性資産 テクニカルスキル 職務を遂行するために欠かせない知識や技術、技術熟練度
ビジネススキル 組織にとって有益な情報、付加価値のある知識・経験
インサイトスキル 物事を深く鋭く見抜く力、見通す力、業界や市場を深く理解する、鋭く洞察する能力
コミュニケーションスキル 他者と十分な意思の疎通を行うための技術
プロジェクトマネジメント プロジェクトを遂行する際に必要とする計画立案・進歩管理する能力
活力資産 精神的健康 情緒的に不安がないか、安定的か、心の余裕を保てるように、日ごろからメンテナンスできているか
身体的健康 病気や生活習慣に不安がないか、精力的に活動できるように、日ごろから健康的な生活習慣を過ごせているか
自己納得感 自身の活動の現在までを振り返り、どの程度自分で決めて取り組んできたか
自己選択感 自身の今後の活動を考えたときに、やりたいものが明らかで選択できる状態か
自己創出感 自身の活動にやりがいを感じているか、ポジティブに捉えられているか
変身資産 パーパス 自身が外部(変化)とつながりをなぜ持つのか、目的を定義できているか
アイデンティティ 自身が外部(変化)に対して、どのような役割をもって取り組もうとしているか、認識できているか
アダプタビリティ 自身が外部(変化)と、どのような繋がりを持って取り組もうとしているか、認識できているか
ネットワーク 自身が外部(変化)と、多様なつながりを構築できているか
コミュニティ 自身が外部(変化)に対し、同一の目的を持った仲間と活動ができているか