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開催レポート:キャリア自律につながる行動の習慣化とは? ~社員のセルフマネジメントノウハウ~

本記事は、2022年11月21日(月)に行われたオンラインセミナー「キャリア自律につながる行動の習慣化とは?〜社員のセルフマネジメントノウハウ〜」の開催レポートです。

<セミナー内容>

【1】本セミナーの趣旨説明

【2】行動の習慣化メソッドのご紹介
株式会社WizWe 代表取締役社長
森谷 幸平氏

【3】『プロテア』によるセルフマネジメント支援
パーソルプロセス&テクノロジー株式会社
ワークスイッチ事業部 越境促進アドバイザー
宮崎 将

【4】質疑応答

働き方の多様化や雇用の在り方が変化していく中、組織が取り組むべき社員の成長は難易度が増すばかりです。

今回は、『行動の習慣化』をテーマにセルフマネジメント支援を考えます。
社員に研修機会やe-ラーニングなど、学ぶ機会だけを提供してもなかなか自律的な社員は育ちません。組織として支援が必要となる、学習習慣化/チーム学習/負担軽減につなげるための仕組みをお伝えしてまいります。

行動の習慣化メソッド

習慣化プラットフォーム「SmartHabit」を提供する森谷さんに習慣化について伺いました。

▼SmartHabit
https://wizwe.co.jp/our-service/

SmartHabit利用者のなんと約80%が習慣化に成功しているそうです。

長年、習慣化について調査してきてわかってきたことはとてもシンプルなことだったとか。

自発的同期は「個人に属するものではない」
自立や自発は組織に紐づく

つまり、周囲とのコミュニケーションのなかで人は育つ、ということです。会社でいうと、上司・先輩・マネージャーという存在です。

一方で20%は失敗していることになります。分析すると3つのパターンに大きく分けられるそうです。

3つの典型失敗パターン

①目標不明症候群
…スタート前の段階で目標設定が明確でない
→やる気を奮い立たせるためには、腹落ちできる数ヶ月後の目標(GOAL)が設定されていることが必要

②上司無関心 or 上司アンチ症候群
…受講者の職場上長の後ろ盾がない
→身近にいる上長が重要性を理解し、たまに声がけすると効果大

③研修担当者無関心症候群
…研修担当者の熱量が高くなく、会社全体としても熱量が上がっていない
→まずは研修担当者の熱量を上げることが大事

全体で自律自走に向けた火を起こすための方法として、『火柱モデル』をご紹介いただきました。
まずは規模は小さくても、『成功事例』を作ること。そして成功事例が生まれる過程を記録し、社内に広報していきます。そして、成功事例を順次横展開して火柱を各地に立てていき、最後にはやるのが当たり前と思われるようにするという方法です。やり方と順番が広めていくためのポイントです。

では、どのように自律の火をつけていくのでしょうか?

行動を習慣化するためのトリガー

受け身の学習から脱却する「自発的動機」のトリガー
周囲とのコミュニケーションの中で自発的動機は生まれます。
トリガーになるものとして、以下が挙げられます。
・目標、同期について話す&聞く(双方向が望ましい)
・その上で自分が宣言する・文字にする
・他社がそれを認知する

一過性の学習で終わらない「習慣化」のトリガー

▼カスタマーサクセスのステップ

習慣化には下準備と最初のスタートダッシュが肝心です。
上の図でいうと「準備期」と「オンボーディング期」がそれにあたります。
それぞれのステップで有効な打ち手をご紹介します。

<準備期>
・会社として意義づけがあり、本人が目的に腹落ちしている
・周辺環境でサポーター探し(上司、チームメンバー、協同学習の仲間)
・無理のない計画(1日30~60分)

<オンボーディング期>
・キックオフやワークショップなどの象徴的なイベント
・全員が「発話&対話」
・本人が目標を宣言し、他社が聞いていること

人間の行動が継続するサイクルは3ヶ月が適切と言われています。振り返って次のサイクルにいくためには、伴走者がいることが望ましいです。

個人の成長と会社の成長を結びつける「ビジョン連携」のトリガー
・MVV(Mission・Vision・ Value)が明確な企業やパーパスドリブンな企業は習慣化を定着させやすく、習慣化完了率が100%の例もあるそうです。その理由は、組織のゴールがはっきりしているため、一人一人の学びの意欲も組織のゴールと結びつけやすいからだと考えています。

『プロテア』によるセルフマネジメント支援

弊社宮崎より、『プロテア』を活用した習慣化やセルフマネジメント支援についてご紹介しました。

我々はキャリア自律を意識が高い人のための取り組みにさせないことが大事だと考え、「会社の後押しがあれば動く層」へのアプローチ方法を模索しています。

会社が後押しするには「社員自らがマネジメントできること+上司から評価しやすい」の2点が重要ではないでしょうか。『プロテア』ではそれらを叶える機能をご用意しています。

▼キャリア自律支援サービス『プロテア』

プロテアでは、「可視化」と「内省」ができるため、上司は可視化されたもので社員の変化を知ることができ、社員は自らに問いかけ言語化を行うことができます。

<可視化>

▼プロテアポータルでできること

▼セルフマネジメント機能

▼共通言語としての「キャリア資産」

<内省>

▼自分・そして他者との共有から内省を深める

クロストーク

ゲストの森谷さんと宮崎で大きく2つのテーマについてお話しました。

宮崎  :キャリア自律に向けてより社員が行動習慣を持てるようにするには?
森谷さん:世の中のトレンドと絡めることです。今だと「人的資本経営」など。経営陣からメッセージがあるとより効果がありますね。 

宮崎  :個人の成長を組織の成長に転嫁させるには?
森谷さん:外資企業がキャリア自律支援に多く投資しているんです。外資と言えば人の入れ替わりが激しいですが、辞めることを考えて投資しないより、現場にキャリア自律人材がいることのメリットの方が大きいと考えて投資しているのでは無いかと考えています。

宮崎  :社員のキャリアに関心を向けていない企業へのメッセージをお願いします
森谷さん:会社の事業が多岐に渡り、同じ会社でも全く違う業務を行う人がいる時代です。
切り開くパワーがある人がいるのは企業にとっても活力になると思いますよ! 社員が自律するために、企業はどう後押しするかが今後の社員育成のポイントになりそうです。