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CASE 「Automation PJT」の支援に感謝

RPA共通言語化した
人材育成
風土醸成成功

RPA保守運用専門組織IAC誕生の軌跡
(IAC: インテリジェントオートメーションセンター)

※記載されている情報は公開日時点での情報です。

事例サマリー

パーソルプロセス株式会社のBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業部門であるコンタクトセンター(以下、CC)は、2018年頃よりRPAの活用を開始し、2020年4月からは、同社のワークスイッチ事業部(以下、WS)主導による「PERSOL Automation PJT」(以下、「Automation PJT」)へ参画いたしました。トレーニングを通じ、開発未経験者から約150人のRPA人材を育成、新規開発のRPAで5.5万時間を超える業務時間の削減に成功しています。

※コンタクトセンター(CC)は、札幌・仙台・東京を拠点に、営業部門や人事、採用部門における煩雑な業務の効率化の支援を行う事業部門です。

寄り添い型研修と組織づくり支援

寄り添い型研修と組織づくり支援

寄り添い型研修と組織づくり支援

Automation PJTの研修は、講義型の集合研修に留まりません。1on1型で受講者一人ひとりの習熟度に合わせた、いわゆる「寄り添い型研修」を取り入れています。また、本ケースでは、その後の組織づくりまでの支援を行い、RPAの保守運用専門組織「インテリジェントオートメーションセンター」(以下、IAC)を設立するに至りました。現在では、メンバーはRPAの先駆者として社内外へナレッジを共有し、デジタル人材の育成に貢献しています。また、新規・既存のお客様を問わず、RPAに精通したメンバーが保守から改修まで、トータルサポートも行っています。

本事例のポイント

  • ポイント1

    プロジェクト参加時の課題

    • 一人一人に寄り添った研修ができていない
    • 学習方法の体系化が必要だと感じていた
    • RPAを共通言語にした推進を行いたかった
  • ポイント2

    プロジェクトの内容

    • RPAの基礎知識から実践開発まで体系立った学習
    • 個人のレベルに合わせた寄り添い型の研修
    • 困ったときは講師と1on1で解決できる環境
  • ポイント3

    プロジェクトの成果と価値

    • メンバーの約10%がRPA開発スキルを獲得/新事業設立へ
    • メンバーに新しいキャリアの選択肢が増えた
    • RPAを活用する風土が醸成された
  • 本事例のポイント

BACKGROUND「Automation PJT」への参画背景

「Automation PJT」への参画背景について教えてください。

三熊さん:「Automation PJT」への参画は2020年からですが、2018年からRPAの使用と推進が開始されました。2018年はまだ散発的でしたが、2019年からデジタル化のKPIを掲げ、RPAの使用を本格化、KPIも達成ができました。そして、2020年以降はもう少し体系的にRPAの推進をしていきたいと考えていました。このようなタイミングで「Automation PJT」の話しがあり、WSのサポートを受けながらRPA活用の体系化とRPAの共通言語化を目指し、よりCC全体でRPAを当たり前に活用できるようにしていきたいと考えプロジェクトヘ参加しました。

「Automation PJT」への参画背景

SUBJECT & ACHIEVEMENTオートメーション化へ向けた課題と成果

オートメーション化に対して、どのような課題がありましたか。

三熊さん:オートメーション化に対する課題は大きく2つありました。
まず1つ目は育成担当がいませんでした。旗振り役の人がRPA講師を兼任するような動き方をしていたため、あまりリソースもなく、一人一人に寄り添った研修ができていませんでした。
2つ目は学習方法が体系立てられていませんでした。UiPath社が提供するe-Learning教材があったので皆それを受けてみようとか、触りながら覚えようなどといったやり方をしており、体系立てられた学び方がなかったのが実情でした。

オートメーション化へ向けた課題と成果

課題解決へ向けどのようなKPIを設定し、どのような結果でしたか。

三熊さん:「Automation PJT」の取り組みは現在3年目で、毎年のテーマに応じてKPIを設定しており、「RPAの開発人材育成」は3年とも共通して追っているKPIです。最終的には、1,500人程いるBPOメンバーのうち、約10%をRPA人材に育成する、という目標のもと、毎年育成のKPIを掲げています。一口にRPA人材といっても、一人一人開発レベルやRPAへの携わり方も異なるので、開発レベル別に育成目標を立て、WSが実施する寄り添い型研修の終了時には、受講者のレベルを判定するようにしていました。具体的には、自身の業務を開発することができるレベル3をボリュームゾーンとして、受講生の約15%は、他者の開発もサポートできるようなレベル5のハイスキル人材に育成しています。

FEEDBACK「Automation PJT」の研修内容と振り返り

「Automation PJT」の研修内容はどのようなものでしたか。

岸本さん:初月は集合研修にて基礎をじっくり学習しました。具体的には、RPAの概念説明から始まり、変数等の基本的な概念や、実際の業務を自動化するにあたってのRPA独自の操作を学習しました。2ヶ月目からは、実際にやっている業務を題材に、1台のロボットを作るという実践学習でした。そこでは、どのように自動化をすればよいのかを1on1で講師の先生に相談しながら開発していくプログラムでした。最初は手取り足取り教えてもらうところから、この1on1型のトレーニングを3サイクル繰り返し、つまり自分の業務を3業務開発することで、徐々に自力で開発できるようになっていき、スキルを身に付けていきました。

スキルレベル向上のステップ論

学習フロー

学習前はRPAについて、どの程度の理解を持っていましたか。

岸本さん:入社前より業務効率化に興味があり、RPAという言葉は知っていましたが、プログラミングなど未経験者でした。そのため入社後、RPAをメインで扱う部隊に配属されたときは驚きました。

学習を進める中で困った点などはありましたか。

岸本さん:実際に開発したロボットを動かしたとき、想定外のエラーが出た際は困りました。ただ、そんなときは、どのように対処をすれば良いのかを講師の先生に1on1で教えてもらう機会があったため、エラーもすぐに解決することができました。

「Automation PJT」の研修内容と振り返り

研修を行って良かった点を教えてください。

三熊さん:RPAを普通に使える文化が醸成された点が一番良かったと感じています。1年目にRPAを作れる人が増え、2年目以降、RPAが共通言語となり、この業務はRPA化できるよねといった感覚が備わり、「この業務はRPAを入れたら効率化できるね!」といった会話が活発に行われるようになりました。RPAに適合した業務を見つけられる人が増えて、たくさんの業務発掘につながりました。もう一点はキャリアの選択肢が増えた点です。「Automation PJT」をきっかけにRPAに触れて、開発が好きだったり得意だったりするメンバーは、IACのメンバーとして様々なお客様のRPAの保守運用を行ったり、RPA開発のトレーナーをしたり、と、RPA開発スキルを武器に活躍しています。

研修を行って良かった点を教えてください。

WSと連携しプロジェクトを実施することでどのような点が良かったですか。

三熊さん:一つ目はRPA+αという視点でWSと連携した顧客提案ができた点です。例えば、WSがもっているAI-OCRのナレッジを連携してもらい、WSと共同でお客様にRPA×AI-OCRの活用提案をし、導入まで進んだ事例があります。二つ目は、CCが目指すゴール・方針に対して、どのようなKPIを設けるべきか、どのようなレベルの人が何人必要か、というのをWSが一緒に考えてくれたことです。オートメーション化・DX化に向けた計画、設計の段階から入ってもらえ、育成だけでなく、きちんとROIを出す、という視点でもご提案いただけた点が非常に良かったです。

IAC ESTABLISHMENTIAC設立までの過程と今後(IAC:インテリジェントオートメーションセンター)

IAC設立の背景について教えてください。

三熊さん:「各社のRPA活用をトータルサポートするセンターを作らないか」とWSから提案があったのがきっかけです。RPA活用支援について、コロナ禍をきっかけに在宅勤務が増え、常駐型から遠隔型へシフトされました。このような情勢もあり、札幌の地で全国のお客様のデジタル化を推進するため、サポートセンターを設立しました。また、2010年代に各社でRPAの導入が急激に進み、2020年以降は「RPAの定着」、そして、「RPAの保守・運用」に課題感を持つお客様が増えていくのではないかと考えました。そういったお客様の課題を解決すべく、保守・運用の専門部隊を立ち上げることになりました。

「Automation PJT」への参画背景

設立はスムーズにいきましたか。

三熊さん:決してスムーズではなかったです。RPAの保守に関する専門書もなく、保守のフレームワークも存在せず、手探りでやっていきました。また、WS主導のもとサービス内容や提供方法を検討しました。リリースに向けた準備、営業活動、組織づくりについても、WSがバックアップしてくれました。こうしたWSの協力もあり、2020年度中にグループ内に向けたサービス展開を開始することができました。

IACは今後どのように発展していきますか。

三熊さん:2つの方向性を考えています。1つの方向性としては、RPA+αで支援の幅を広げることです。もうひとつの方向性としては、現在既にRPAを導入している業務に対して、保守のサポートを行っていますが、これからはBPOの提案時からRPA化を想定し、BPO×RPAで一連の業務を請け負えるような世界観にしていきたいです。こちらに関しては、CC単体だけでなく、デジタルに強い部署やWSのような他部署と協力してやっていきたいと考えています。

IACは今後どのように発展していきますか。

SUMMARY「Automation PJT」の総括

「Automation PJT」の取り組みについて満足度を教えてください。

三熊さん:非常に満足しています。「Automation PJT」前後でCC内のデジタル化に対する意識が変わりました。RPAがきっかけで、いろいろな人がデジタルに目を向ける風土になり、RPA以外のデジタルツールの利用も活発化しました。メンバーからも、新たなツールの活用や、更に高度な開発をやってみたい、といった意見も出てきており、このプロジェクトは大きな役割を担っていたと思います。また、寄り添い型研修は、一定の時間内で、個人の進捗状況に合わせたサポートをしてもらえるため、メンバーの安心感が非常に高く、途中で挫折する人も少なかったです。

「Automation PJT」の総括

「Automation PJT」はどのような会社におすすめですか。

三熊さん:業態限らずどのような会社にもおすすめができます。特に2年、3年かけて社内でのオートメーション化を推進し、ゆくゆくは内製で対応できる体制を作りたい、というところには非常に相性が良いと感じています。

ENDING最後に

読者の皆さんへ伝えたいことはありますか。

三熊さん:2017年、2018年あたりから広義の意味でのDX化に取り組んできましたが、最近ではさまざまなお客様が増えています。手前味噌ではありますが、RPA化のプロジェクトを自身で苦悩しながら進めてきたので、そのような体験談として、進め方や失敗したタイミングなどを語ると非常に興味を持ってもらっている。ある意味先駆者として、アドバイザーになってくれという仕事も増えてきており、試行錯誤しながらやってきてよかったなと非常に嬉しい限りです。我々は何もないところから組織にRPAを定着させ、お客様の業務を支援する組織の構築までを「Automation PJT」を通して一連で行ってきました。今後はRPAの導入、運用、定着までの設計から伴走までを検討されている会社様へノウハウやナレッジの共有とRPAの拡大に寄与していきたいと考えています。

岸本さん:開発未経験者から始めた私も、「Automation PJT」がきっかけとなり、今ではIACを盛り上げたい、そのためにもマネジメント力を上げたいと思うまでなりました。寄り添い型研修をきっかけに見つけたRPAスキルを、どういう風に他の人に伝えていくか、先導していくかを考え、関わる人全体を巻き込みながらIACでより良いサービスを提供していきたいと考えています。

取材日 2023年1月23日

※内容、所属、役職は取材当時のものです。

お話を伺った方のプロフィール

  • 三熊 崇敏

    三熊 崇敏

    • パーソルプロセス&テクノロジー株式会社
    • 札幌コンタクトセンター統括部
    • インテリジェントオートメーションセンター
    • マネージャー

    2017年より札幌を拠点にセールスやバックオフィス業務、社内DXの推進を担当。何もないところから組織にRPAを定着させ、クライアントの業務を支援する組織の構築までを経験。現在、IACという組織にて25名ほどのチームをマネジメントしている。主な業務内容はRPAを含めた様々なDXの導入支援、運用、改修を担当。

  • 岸本 悠佑

    岸本 悠佑

    • パーソルプロセス&テクノロジー株式会社
    • 札幌コンタクトセンター統括部
    • インテリジェントオートメーションセンター
    • メンバー

    新卒2021年入社。配属先であるIACにて完全未経験から、UiPathをはじめRPAを学び、現在はRPAの技術者として改修や新規開発に携わるとともに、コンサルティング、保守運用業務を行なっている。「Automation PJT」をきっかけにRPAの技術者としての功績が認められ新卒社員300人の中から新人賞に選ばれる。期待の若手社員。

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本記事では、RPAによる自動化後、どのような活動を行っていくか悩まれる企業様も多いのではないかと感じ、オートメーション業界のリーディングカンパニーであるUiPath社とオートメーション化を成功させた弊社がそれぞれの視点で語りました。

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