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社内セミナーで下地を作る。現場を巻き込むRPA導入のコツとは?

株式会社ニチレイロジグループ本社 北川倫太郎氏

RPA導入を成功させるためにはいくつかの「コツ」があります。
この「コツ」をうまくつかんでRPA導入を成功させている、ニチレイロジグループの事例を前編後編の連載にてご紹介していきます。
事例については、
株式会社ニチレイロジグループ本社 業務革新推進部長北川倫太郎氏
株式会社ニチレイロジグループ本社 業務革新推進部マネジャー野澤匡史氏
株式会社ロジスティクス・ネットワーク 経営企画部マネジャー立岡伸介氏
株式会社ロジスティクス・ネットワーク BPOセンター主任米澤愛理氏
にお話しをお伺いしました。

ニチレイロジグループにおけるRPAプロジェクトに、「パーソルのRPA」は研修講師としてご支援させていただきました。

成果と導入の背景

株式会社ニチレイロジグループ本社 野澤匡史氏

── RPAをどのように活用されているか教えてください。

北川氏:現在、業務革新推進部で事務の業務効率化の一環としてRPA導入を推進しています。2018年度は年換算で2万時間の業務時間をRPA化し、50名以上の人材を育成しました。
2019年度は18万時間のRPA化に向けて、100名以上の人材育成が進んでいます。

── RPAを業務改善ツールの一つとして導入されているとのことですが、どのような背景があったのでしょうか。

北川氏:当社では、働き方改革に伴い、ツールを利用することで業務を標準化し、オペレーションに使っていた時間を新たな価値創出に使いたいという全社的な方針がありました。RPAを使う前は、AccessやExcelマクロを使って業務を自動化していましたが、課題が発生した際のリカバリーが、専門的な知識が無いとできないという状況でした。
なので、もっと標準的に一般的な社員でも業務改善ができるツールとしてRPAを使い始めました。

左:株式会社ロジスティクス・ネットワーク 立岡伸介氏
右:株式会社ロジスティクス・ネットワーク 米澤愛理氏

── RPA導入にあたり社内で不安の声はありましたか。

北川氏:事務を担っている社員の間では「自分たちの仕事がなくなるのではないか」という声があり、その不安を払拭するためにセミナーを開催しました。 2018年に全国で「業革セミナー」(※業務革新セミナー)という社内セミナーを開いたのですが、そこではRPAだけでなくいろいろな業務革新の施策を共有しました。
全国で50回以上行い700名程度の社員が参加しました。事務を担う社員のほぼ6割~7割ぐらいの人数がそのセミナーに参加したことになるのですが、その時に当社社長の働き方改革に対するメッセージ動画を流し、RPA導入の目的は仕事のストレスを削減する為であることを理解してもらいました。

あとは、RPAと手入力の速さを比較する動画を紹介したことで、使ったら便利そうだと納得してもらえたようです。「業革セミナー」を行ったことが不安を払拭し、意識改革につながったと思います。

キーマンとなる人材を育成

女性社員限定のRPA合宿の様子

── 「業務革新セミナー」を開催してRPA導入の下地を作られたのですね。その後はどんな取り組みをされましたか。

北川氏:自分でもRPAを触ってみたいという声が出始めたので、2018年の9月に女性社員限定のRPA合宿を2泊3日で行いました。
希望者があまりにも多かったので2回に分けて行い、参加者は40名にもなりました。
最初に初級講座を受講して、各自が持ち寄ったテーマをシナリオ化することまで行いました。シナリオ化する3日目は、受講者2-3名に講師1名を付けたかったので、パーソルさんからスポットで講師を増員してもらえたのは、非常に助かりました。

応募の条件は「Excelが触れること」のみ、その結果、IT知識が豊富ではない人でもシナリオを作成できることがわかりました。
この時の40人は、RPAによる自動化のキーマンとして現在でも全国で活躍しています。


── シナリオ作成を学んでもらったあと、実際の業務を自動化する際に工夫されたことはありますか。

立岡氏:当初は既存の学習コンテンツを使っていたのですが、実際の業務に活かすことのできる学習コンテンツを作らないといけないという話になりました。
そのために、まずは事務局で標準的な業務を取りまとめ、その後に、現場で業務を行っているチームと情報システム部門のチームに協力してもらい、基幹システムに入力してみるということを行いました。
そのあとで基幹システムの出力オペレーションの学習コンテンツを初級、中級と分けて作りました。この学習コンテンツは女性RPA合宿でも使用しています。

まとめ

今回の事例では、RPAに対する社内の不安を解消するために、最初に全国でセミナーを行って下地を作ったというところがポイントです。

その後、RPAに興味を持った社員を対象に合宿を行い実際にシナリオ作成をしてもらったこと、実際の業務で使える学習コンテンツをオリジナルで作成したことも成功の要因だと言えます。
後編では、人材育成にフォーカスした成功のポイントについてお伝えします。

ニチレイロジグループの導入事例後編はこちらをご覧ください。
>>【参考】RPA導入成功の鍵は現場スタッフ! 人材育成における3つのポイント

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