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RPAで建設業界の課題へアプローチ――清水建設の事例

清水建設株式会社 笹島 巌氏

「RPAを使って現場の業務改善を行い、創出した時間でより創造的な業務に取り組みたい」と思っても、業界の慣習によってはなかなか難しい場合もあるかもしれません。

今回ご紹介する清水建設様(以下:清水建設)の事例は、RPAで建設業界ならではの課題にアプローチしている点が特徴です。清水建設が課題に対してどのようにアプローチしたのか、その結果どのようなことが実現出来たのか、また業務改善を成功させるための秘訣について、前編と後編に分けてご紹介します。
お話は清水建設株式会社 横浜支店 生産推進部 総務センターの笹島巌氏に伺いました。

RPAに取り組むきっかけ

清水建設株式会社 笹島 巌氏

――生産推進部総務センターが行っている業務と笹島さんが取り組まれていることについて教えてください。

笹島氏:生産推進部総務センターの主な業務は工事現場に所属する事務担当者のとりまとめ、工事現場でなくてもできる業務を集約して行うことになります。それに加えて業務改善や生産性の向上の推進、検討を行っています。


5年ほど前からICTツールを活用した業務改善を行っています。工事現場で個々に行われている業務のフローを見直し、効率が上がりそうな業務は総務センターに集約して行うなどしています。
RPAに取り組み始めたのは3年ほど前で、現在3部署における11業務を自動化し、1か月あたり約25時間、年間約300時間の削減に成功しています。

――RPAに取り組もうと思われたきっかけについて教えてください。

笹島氏:弊社では大量のデータを処理する業務が多いため、そういった業務を総務センターで集約して行い、効率を上げなければならないと思っていました。何か良い方法はないだろうかと探す中で2017年頃にRPAの存在を知りました。導入を検討したのですが、操作の難易度などが課題となり一度は諦めかけました。その後、パーソルテンプスタッフさんが営業で来られた時にパンフレットを見せてくださり、パーソルグループが「パーソルのRPA」というブランドでRPA事業を行っていることを知りました。後日説明を聞かせていただき、「パーソルのRPA」をパートナーとしRPAを導入することを決めました。

――「パーソルのRPA」は、どのようなところが決定の決め手になったのですか。

笹島氏:利用するRPAツールを決める際に様々なアドバイスをしていただいたり、シナリオ作成などのサポートのご提案をしていただいたことが決め手になりました。「パーソルのRPA」が一番安心で、品質も良いものが出来るのではないかと感じました。

RPAで建設業界の課題へアプローチ

清水建設株式会社 笹島 巌氏

――RPAを導入した背景にはどのようなことがありますか。

笹島氏:建設業界では「i-Construction」という、ICTの活用により建設生産システム全体の生産性向上を図る取り組みが進められています。

背景にあるのは人材不足です。人材を確保するためには、RPAなどのテクノロジーを利用して働き方改革を実現し、働きやすい業界だということを発信していかなければならないと思っています。


――導入後、どのような効果を実感されていますか。

笹島氏:資料作成の時間が短くなったので、より新しい情報を会議で提示出来るようになりました。これまで一週間かかっていた資料作成が3日で出来るようになったので、一週間前ではなく3日前の情報を会議に反映するようにしています。そういった意味での業務の質の向上を実感していますね。

シナリオを作成する前に業務フローの見直し、業務手順書の作成をするようになったので、マニュアルがなく標準化されていない業務を可視化出来るようになりました。担当者が異動や退職をする際に、業務の引継ぎが簡単に行えるようになったと思います。

それから今まで問題となっていた、キャパシティを超えた働き方が正常に戻ったという気がしています。忙しすぎてゆとりがなかった社員が、ある程度のゆとりを持って業務と向き合えるようになりました。

これらの成果を生かして工事現場の閉所日を増やそうとしています。RPAを含めICTを活用した生産性の向上も一つの手段として、週休二日の実現を目指して努力していきます。

現場の理解を深めることが成功の秘訣

清水建設株式会社 笹島 巌氏

――業務をRPAで自動化する際に気をつけていることがあれば教えてください。

笹島氏:自分の仕事が奪われてしまうのではないかと思う人もいるので、それは違いますという話をするようにしています。RPAによって仕事が奪われるのではなく、効率が上がるためにむしろ仕事は増えて忙しくなります。RPAに出来るところはRPAにやってもらって、あなたにしか出来ない仕事をしてもらいますと伝えています。


現場の担当者が本気で業務を効率化したいと思わないと、RPA推進は進まないと思っています。RPAで自動化出来るところは自動化したいと本気で思ってもらうことが、RPA推進を成功させるために必要なことです。

それから、どの業務を自動化するかということも大事です。どのようにして対象業務を見つけるかということが大きなポイントになってくると思います。

まとめ

RPAによる業務の自動化は、業務時間を短縮するだけでなく、これまで当たり前とされてきた働き方を変えることが可能です。建設業界のような長時間勤務が常態化している業界でも、ゆとりを持って業務と向き合えるようになったり、休日が増えるといった成果が出ています。こういったメリットを現場の担当者に伝え、RPAについて理解し積極的に取り組んでもらうことがRPA導入の成功につながります。

後編では、業務改善を成功させるための秘訣にフォーカスしてお伝えします。

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