コラム

COLUMN

製造現場のデータを用いた外観検査の極意

製造業界では現在、異常検知や予兆保全の質の向上のためOT(制御技術)データの収集に着手する企業が増えています。
しかし、そのデータを十分に活用できず、熟練者の経験則に依存したプロセスから脱せない企業が多いことも実情です。
本コラムではAIを用いた外観検査(画像データ活用)の高精度化をテーマに運用までのフローや事例をご案内します。

 

なぜ外観検査にAIを活用するのか

現状、製造現場での外観検査では目視で行っている企業の多くは
・ベテランの経験・勘・コツ(3K)に依存している
・個人差や時間経過による疲労による不良品の見逃し・過検知で検査基準が不揃いである
という課題を持っています。
また、外観検査装置を用いたとしても最適なパラメータが不明であること、手動での閾値の設定に不安を抱えていることも少なくありません。
そこで注目されるのがAIを用いた外観検査です。このアプローチでは事前に良品・不良品の画像データをAIに学習させることで特徴量を探索、最適モデルを生成し、熟練者の判断基準をAIで再現することができます。そして、学習量を増やすことで人による判断を超え、高確率での過検知・見落とし防止することが期待されます。

 

製造業に特化したAI生成ツールMANUFACIA

一括りにAIといっても様々な種類があり、課題に応じて最適なツールを選択する必要があります。
今回は当社が扱っているMANUFACIAというAI生成ツールをご紹介します。
MANUFACIAは、”生産現場でAIを作る”というコンセプトで、エンジニアの必要なしにAIモデルを作ることができます。
主な特徴以下の通りです。

MANUFACIAは画像データを用意することで、ノーコードでAIモデルの開発・評価を行うことができます。
そして、最適なフローを決定した後には、エッジ機器へのデプロイまで行うことができます。
また、AI開発においても数ステップ、ノーコード、マウス操作のみで完結します。

MANUFACIA事例

MANUFACIAの実事例として半導体部品メーカーの例をご紹介します。
こちらの企業は外観検査装置を導入して部品の「ヘコミ・キズ・カケ」を検査していましたが、検査基準はワークが変わるたびに差し替えが必要でした。さらに専門家/熟練者でなければ良否判断ができないものがある、装置が不良と判断したものに良品が多数含まれるなど、人手で再選別する労力がかかっていました。

そこで製品の良否を画像から自動判別するAIモデルを構築したところ、正常/異常に正確に分類できるようになり、従来の外観検査選別装置では不良としていた製品から高確率で正常製品を発見できるようになりました。
結果として人手による再選別も大幅に軽減し、検査員も3名から1名へと人員の最適化を行うことができました。

以上のように外観検査においてMANUFACIAは大きな成果を残しております。
弊社では、データ取得が可能なスターターキットやwindows搭載のノートパソコンで動作可能な廉価版のバージョンをご用意しております。
もし、AIを用いたOTデータの活用にご興味をいただきましたらぜひご相談ください。